ゲームデザイン概論 「第11章」

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April 21, 25

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Game Jammer working at Yasuda Women's University since April 2025. IGDA Japan board member, HEVGA individual member. 2025年より安田女子大学に移りました.

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各ページのテキスト
1.

Introduction to Game Design 11章 プレイヤーの心はモチベーショ ンによって動かされる 講師: 山根信二 Creative Commons Attribution 4.0 International license Creative Commons Attribution 4.0 International license .

2.

本教材の内容 • 本章は10章の続き • 本書の初版では,この章は前章に含まれていた • モデル化,集中(フォーカス,フロー) ,イマジネーショ ン,共感(感情移入),モチベーション,判定(ジャッ ジメント) • 1部構成から2部構成に • 10章はゲームプレイを可能にする脳の能力 • 11章はただのゲームが重要なものに思える魔法 • 心理学をゲームに持ち込んだ章 2

3.

第11章の主な内容 • モチベーション(動機付け)の心理学について • マズロー『人間の動機づけに関する理論』 • 自己実現の欲求 • そのために必要な仕掛けは? • デシとライアンの自己決定理論 • 内発的と外発的は二者択一ではない • その他,モチベーションの心理学を10ページに圧縮 3

4.

本教材のまとめ • ゲームデザインは人間の誰もが持っている脳の仕組みに 基づいている(前章からのテーマ) • ゲームの面白さはモチベーションの仕組みに結びついて いる • これを出発点として,次章からはいよいよゲームを動か すやりかたに進む 4

5.

参考文献補足 Rigby & Ryan (2011) − デシ&ライアンの自己決定理論グループがゲームを題材に書いた本 ⚫ Alfie Kohn ⚫ − ⚫ 報酬主義批判で有名なコーンの日本語訳としては『研究によれば報酬は動機 づけにはならない』が公開されている.https://genpaku.org/other/motivation/ Reeve 改訂を重ねて2024年に第8版が出た心理学の定番教科書. − この他にもリーブ,デシ,ライアン,ジャンによる論文の日本語訳「自律的 自己調整の理解と促進-自己決定理論の観点から」が『自己調整学習と動機 づけ』 北大路書房,pp.183-199 に収録されている − ⚫ マズロー − 日本語訳「人間の動機づけ理論」 http://subsites.icu.ac.jp/people/yushi_inaba/ProjectSugitaGenpaku/Maslow.ht ml 5

6.

教科書補足:ゲーム業界で働く心理学博士 • 本当にゲーム会社は心理学を取り入れてるの? • 心理学者は面白さや飽きやすさを昔から研究してきた • だが実際にゲーム産業で心理学博士が活躍するのは21世紀以降 • デシ&ライアンの自己決定理論グループがゲーム開発者とコラボ • 本章参考文献のRigby&Ryan(2011)の他にも,公開論文 Przybylski, A. K., Rigby, C. S., & Ryan, R. M.: A Motivational Model of Video Game Engagement (2010)など • GDCのアーカイブ「GDC Vault」で上記のRigbyやPrzybylski(シュビルス キー)を検索するとゲーム開発者向けの心理学講演を視聴可能 • そして本教科書に〜本章の脚注にもRigbyを情報源として明記 • 全米心理学会でもゲーム業界で活躍する心理学博士を特集 https://youtu.be/nPZAo1L63_M • 日本国内の産学コラボはこれから=若手のチャンス • 「ゲームUXコミュニティに見る「人類共通の脳機能」とゲームデザ インへの応用] CEDEC2024 招待講演 6