さつまいもの魅力と可能性

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July 28, 22

スライド概要

令和4年度特産農作物セミナー「さつまいもの魅力と可能性」
2022/7/28開催

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サツマイモの無限の魅力と可能性を日々探求|サツマイモに関するTV・ラジオ出演、雑誌・新聞取材、専門誌寄稿の実績多数|サツマイモの歴史や栽培、品種、加工や商品化まで、サツマイモに関する見識を深め、わかりやすく伝えることに情熱をそそいでいます

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各ページのテキスト
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© Sweet Potato Company Inc. 令和4年度 特産農作物セミナー さつまいもの魅力と可能性 さつまいもカンパニー株式会社 代表取締役 一般社団法人さつまいもアンバサダー協会 代表理事 橋本亜友樹

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© Sweet Potato Company Inc. 自己紹介 橋本亜友樹(はしもとあゆき) 1978年、兵庫県尼崎市生まれの44歳。 千葉県柏市在住。妻と娘の三人家族。 【学歴】 2000年 神戸大学農学部 植物資源学科卒業 2002年 神戸大学大学院自然科学研究科 植物資源学修了 2015年 グロービス経営大学院大学 経営学修了(MBA取得) 【経歴】 大学院卒業後、日本ヒューレット・パッカードに入社しシス テムエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、アビー ムコンサルティングにてITコンサルタントとして勤務した後、 2012年6月に「ITで農業を支援する」をミッションに株式会社 エーブリッジを起業。 その後、2015年8月にさつまいもカン パニー株式会社を設立、2019年8月に一般社団法人さつまいも アンバサダー協会を設立し、それぞれ代表に就任。 2

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいも基礎知識 3

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモとは サツマイモは、ヒルガオ科サツマイモ属の植物です。 一般的には塊根部分(養分を蓄えている肥大した根)を食用としますが、一部の地域で は蔓や葉の部分も食用にします。 サツマイモ(薩摩芋)が一般的な呼び名でありますが、地域によっては唐芋、琉球芋、 カンショ(甘藷)と呼ばれています。 花はアサガオに似ています(同じヒルガオ科)。 本州など温帯地域では開花しにくく、品種や栽培条件によってまれに開花します。 サツマイモの花、花言葉は乙女の純情 4

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの日本への伝播 フィリピンに伝わったサツマイモが中国にわたり、1605年、野國總管が中国から琉球王 国(沖縄県)に持ち帰ったのが始まりといわれています。(諸説あり) 本州には、1698年の第19代種子島島主の種子島久基が琉球の国王の尚貞王に使者を送 り、持ち帰りました。また、1705年、薩摩の山川に住んでいた前田利右衛門がさつまい もを琉球から持ち帰り、そこから薩摩全域に広まっていったといわれています。 その後、天保の飢饉を契機として、徳川幕府八代将軍徳川吉宗が、西日本では飢饉の際 の救荒作物としてすでに知られていたサツマイモの試験栽培を青木昆陽に命じ、救荒作 物として全国に普及していきました。東京の目黒竜泉寺不動堂に青木昆陽のお墓があり、 墓碑には、「甘藷先生」とあります。 5

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの産地・生産量 2020年度の国内生産量は687,600トンで、県別にみれば鹿児島県が1位で、続いて茨城 県、千葉県、宮崎県が続き、この4県で日本の生産量の約8割を占めます。 戦後まもなく1955年に生産量のピークをむかえ(718万トンで現在の約10倍)、その後 はまれに生産量が前年度を上回る年もありますが、ずっと減少傾向にあります。 2020年の都道府県別生産量 都道府県名 1955~2020年の生産量推移(単位:t) 生産量(トン) 割合(%) 鹿児島県 214,700 31.2 茨城県 182,000 26.5 千葉県 90,200 13.1 宮崎県 69,100 10.0 徳島県 27,100 3.9 熊本県 17,300 2.5 その他都道府県 87,200 12.7 合計 687,600 100.0 6

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの用途 サツマイモは生食用だけではなく、様々な用途向けに作られています。 戦後まもなくは、でん粉および飼料用が大きな割合を占めていましたが、貿易自由化の 影響で需要が激減しました。 平成初期から焼酎ブームによるアルコール用が占める割合が増加しました。 近年は生食用の消費量が減少する一方で、加工食品用の消費量が増加しています。 用途別消費量推移(1955~2020年) 用途別消費量(2020年) 用途 合計 生 食 自家消費 用 市場販売 消費量(t) 割合(%) 355,100 51,6 33,500 4.9 321,600 46.8 飼料用 1,900 0.3 種子用 11,300 1.6 加工食品用 86,200 12.5 でん粉用 76,600 11.1 アルコール用 139,100 20.2 減耗・その他 17,400 2.5 合計 687,600 100.0 7

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの世界生産量 国際連合食糧農業機関(FAO)の統計資料によると、2018年の全世界における生産量は 9,218万トンあり、イモ類ではジャガイモ、キャッサバに次いで生産量が多い作物と なっています。生産量は中国が大部分を占めますが、近年はアフリカ諸国の生産量が増 加傾向にあります。 日本の生産量は1998年度は世界第7位でしたが、 2008年は世界第9位、2018年には世 界第15位と年々落ちてきています。 1998 順位 国名 1 中国 2 マラウィ 3 2008 生産量 国名 生産量 国名 生産量 78,442,881 中国 53,245,657 2,992,001 マラウィ 3,532,659 マラウィ 5,668,543 ウガンダ 2,176,000 ナイジェリア 3,318,000 ナイジェリア 4,029,909 4 インドネシア 1,935,040 インドネシア 1,876,944 タンザニア 3,834,779 5 ベトナム 1,615,160 ウガンダ 1,794,000 エチオピア 1,834,619 6 ナイジェリア 1,560,000 タンザニア 1,379,000 インドネシア 1,806,389 7 日本 1,139,000 ベトナム 1,325,600 ウガンダ 1,529,608 8 インド 1,048,100 インド 1,094,000 インド 1,400,281 9 ルワンダ 751,141 日本 1,011,000 ベトナム 1,374,664 10 タンザニア 637,800 マダガスカル 902,665 アンゴラ 1,274,871 107,005,661 世界合計 92,181,668 世界合計 115,638,338 中国 2018 137,999,959 世界合計 (単位:トン) 8

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいもの特長 9

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© Sweet Potato Company Inc. 健康・栄養面での特長 1. エネルギー源としての穀物的特性と、体の調子を整える野菜的特性を兼ね備え、栄養 バランスがとれています。(準完全栄養食/健康増進作物) 2. おいしさ(味・香り・色・物性)を感じさせる感覚機能性成分を含み、老若男女問わ ず好かれています。 3. 食物繊維、ポリフェノール類(アントシアニン、クロロゲン酸など)などの生体調節 機能や生体防御機能を有する成分を含んでいます。 4. 小麦や大豆といった主要作物に比べアレルゲンとなることが少ないです。 一般栄養成分の比較(可食部100g当たり、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋 β エ た ネ ん 水 ル ぱ 分 ギ く - 炭 カ 脂 水 リ 質 化 ウ 物 ム 質 カ ル マ - グ カ ネ シ 鉄 シ ウ ム ロ 葉 テ 酸 ウ ン ム 当 水 不 ビ 溶 溶 タ 性 性 ミ 食 食 ン 物 物 C 繊 繊 維 維 量 単位 kcal g g g g mg mg mg mg μg μg 40 mg さつまいも 127 64.6 0.9 0.5 33.1 380 40 24 0.5 49 小麦粉 349 14 8.3 1.5 75.8 110 20 12 0.5 '(0) うるち米 342 14.9 6.1 0.9 77.6 89 5 23 0.8 0 12 '(0) じゃがいも 51 81.1 1.8 0.1 15.9 420 4 19 1 2 20 だいず 163 65.4 14.8 9.8 8.4 530 79 100 2.2 3 41 Tr キャベツ 21 92.7 1.3 0.2 5.2 200 43 14 0.3 50 78 トマト 20 94 0.7 0.1 4.7 210 7 9 0.2 540 にんじん 35 89.1 0.7 0.2 9.3 300 28 10 0.2 8600 g 25 9 '(0) 食 物 繊 維 総 量 g g 0.9 1.8 2.8 1.2 1.3 2.5 0.5 0.5 Tr 28 - - 9.8 0.9 5.8 8.5 41 0.4 1.4 1.8 22 15 0.3 0.7 1 21 6 0.7 2.1 2.8 10

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの多彩な食べられ方 家庭で食べられる以外にも、焼きいも、干しいも、大学いも、スイートポテトなどの専 門店や加工業者が増えていたり、スーパーなどの店頭でも焼いもが売られていたりと、 身近で様々な楽しみ方ができるようになりました。 11

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの甘み サツマイモは英語で「sweet potato」と書くように、甘味がその特長となっています。 サツマイモの甘味は、主にショ糖と麦芽糖の含有量によって決まり、生の状態では、 ショ糖は含まれていますが、麦芽糖は含まれていません。 麦芽糖は加熱によって生成され、ショ糖の量の3倍以上になりますが、甘味度はショ糖 の3分の1程度です。 ■ショ糖 貯蔵中に塊根中のデンプンがショ糖に変化します。耐寒性を高めるためだと思われるが、 低温でショ糖の生成量が増えます(一方で低温におくと腐りやすくなる)。 ■麦芽糖 麦芽糖は、加熱により糊状になったデンプンをβ-アミラーゼという酵素が分解すること で生成されます。 β-アミラーゼは75℃を超えると活性が著しく低下する一方で、デンプンは一般的な品種 では70℃前後で糊化が始まります。 麦芽糖生成量を増やす(=さつまいもを甘くする)には、ゆっくり加熱すること、デン プン糊化開始を早める(糊化開始温度を下げる)ことがポイントです。 1つ目は調理方法、2つ目は品種(産地)を選択することで対応します。 12

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの機能性成分 サツマイモには様々な機能性成分が含まれていて、主な成分と効果は次の通りです。 栄養素 効果など カルシウム 皮部には肉質部の5倍程度の濃度で含まれている。皮ごと食べることで重要なカルシウム供給 源となる。 カリウム ナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、血圧低下に効果がある。また、長時間の運動によ る筋肉の痙攣などを防ぐ働きもある。 食物繊維 サツマイモは一度に食べる量が多いので、効率よく沢山の食物繊維を摂る事が出来る。水溶 性・不水溶性のどちらの食物繊維も含む。 β-カロテン (ビタミンA) オレンジ系のサツマイモに多く含まる。強力な抗酸化力を持ち、人体の粘膜や皮膚を守り、免 疫機能を正常に保つ作用がある。 ビタミンB1 糖質の代謝を助ける作用がある。ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変換されにく くなり、疲労の原因になる可能性がある。 ビタミンC サツマイモのビタミンCは加熱しても残りやすいと言われている。風邪の予防や疲労の回復、 肌荒れなどに効果がある。 ビタミンE 抗酸化作用があり、過酸化脂質が体内にできるのを抑制し、細胞の老化を遅らせる。また、皮 ふの角化を促進する働きを持ち、肌あれ防止効果があるといわれている。 アントシアニン ムラサキ系のサツマイモに多く含まれる。ポリフェノールの一種であり、目に良いといわれて いる。ガンや様々な生活習慣病の原因にもなっている活性酸素を抑制する効果がある。 クロロゲン酸 抗酸化作用で、活性酸素による酸化を防いでくれる。生活習慣病の抑制にも効果的。 13

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© Sweet Potato Company Inc. 営農・防災面での特長 1. 2. 3. 4. 粗放栽培(放任気味に栽培すること)が可能で生産性が高いです。 干ばつ、台風でも生産が安定しており、自然災害に強いです。 窒素肥料の要求量が少なく、農薬投入量も多くないため、環境への負荷が少ないです。 弱い光でも生長速度が速く、光合成効率が高く、温暖化対策やバイオ発電材料として も有用です。 14

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの品種 15

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© Sweet Potato Company Inc. 品種の紹介 主流品種1 長く愛されているサツマイモの定番品種、および近年品種登録された中で特徴的な品種 をいくつか紹介します。 品種名 特徴 高系14号 高知県の農事試験場で選抜育成され1945年に品種登録。肉質は粉質と粘 質の中間で、食味が良く、80年近く栽培され続けている。各地で栽培さ れる中で多くの派生系統が発生し、紅さつま、土佐紅、大栄愛娘、鳴門 金時、宮崎紅などの地域ブランド名で出荷されている。 コガネセンガン 九州農業試験場で選抜育成され1966年に品種登録。いもの皮色が黄金色 でかつ多収であることから命名された。でん粉の含有量が多いことから、 芋焼酎の原料として急速に普及した。食味が良いことから一部は食用と しても利用されている。 ベニアズマ 農業研究センターにて選抜育成され1985年に品種登録。粉質で甘みが強 く食味が良い青果用品種。関東の広い地域で栽培されていて人気が高い が、育ちすぎによって条溝が発生しやすく、調理後に黒変することが多 いことが、食品加工業者にとって難点となっている。 べにはるか 九州沖縄農業研究センターにて選抜育成され2010年に品種登録。外観に 優れ、甘みが強くねっとりとした肉質が特徴。収穫直後は粉質だが、貯 蔵により粘質化し甘みが増す。近年の青果用主流品種。紅優甘、紅天使、 甘太くんなどのブランド名で販売されている。 16

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© Sweet Potato Company Inc. 品種の紹介 主流品種2 長く愛されているサツマイモの定番品種、および近年品種登録された中で特徴的な品種 をいくつか紹介します。 品種名 特徴 安納いも 鹿児島県の種子島で栽培されていたサツマイモから個体選抜を行い、 1998年に「安納紅」と「安納こがね」として品種登録。一般的に安納い もと言えば皮色が紅色の「安納紅」をさすことが多い。第4次焼いも ブームの火付け役。肉質は粘質で、甘みも強い。肉色はオレンジでβ-カ ロテンを含んでいる。 シルクスイート 民間企業のカネコ種苗株式会社が育成した品種。べにはるかに似ている が、絹のように滑らかな食感と甘味が強いことが人気で、少しずつ作付 面積が増加している。 ハロウィンスウィート 民間企業の三好アグリテックが育成し2015年に品種登録。肉質はやや粘 質。肉色が鮮やかなオレンジ色で、通常のサツマイモの100倍のβ-カロテ ンを含む。オレンジいもの中では甘味が強く、スイーツに活用しやすい。 ふくむらさき 農研機構九州沖縄農業研究センターで選抜育成され2021年に品種登録。 一般的に紫いもは甘味が少なく黄肉色の品種に比べると食味の評価が低 いが、本品種は紫色が濃く、甘みもあり、しっとりとした食感で、青果 用紫いもとしての広く普及することが期待されている。 17

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© Sweet Potato Company Inc. 個人的に気になる品種 個人的に気になっている(気に入っている)サツマイモの品種を紹介します。 品種名 特徴 ひめあやか 次世代作物開発研究センターで選抜育成され2011年に品種登録。肉質は やや粘質でしっとりとして、甘みもある。調理後の肉色は鮮やかな黄色。 手軽に食べられ扱いやすいように、従来の品種よりも小さく食べきりサ イズのいもができやすい。 こなみずき 農研機構九州沖縄農業研究センターで選抜育成され2012年に品種登録。 食品向けのサツマイモでん粉需要の拡大に繋がるような付加価値の高い でん粉用品種として育成された。本品種からとれたでん粉は、低温糊化 性を示し耐老化性にも優れていて、和菓子等の品質保持期間を伸ばす効 果が期待される。 泉13号 昭和13年に茨城県農業試験場の泉正六技師によって育成された品種。 干しいも用として長年栽培されているが、収量が少なく積極的に生産さ れていない希少な品種。 シロユタカ 九州農業試験場で育成され、昭和60年に命名登録された。品種名は豊か な収穫を呼ぶ白い「いも」の意味。 18

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモの食味マップ サツマイモの食味は主に、甘さの強弱、食感(粘質か粉質)で評価されています。 近年は甘みが強く、粘質のサツマイモが好まれる傾向にあります。 肉質(食感) 粘質 ねっとり ハロウィン スウィート べにはるか ふくむらさき 安納いも シルクスイート あいこまち しっとり 弱い ひめあやか 甘さ 強い 高系14号 パープルスイート ロード アヤムラサキ こがねせんがん 粉質 ホクホク ベニアズマ 19

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいもに関する情報発信・普及啓発の取組み 20

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© Sweet Potato Company Inc. 私が感じた課題 1. さつまいもに関する情報が散在 • 情報は検索すれば出てくるが、経歴も含む専門・得意分野や、研究や事業には人の相性もあり、 適切なマッチングは難しい。 • 4大生産地(鹿児島、宮崎、千葉、茨城)間の交流が少なく感じられ、(産地間競争はあるにせ よ)有用な情報の共有化がもっとあっても良いのではないか。 2. バリューチェーン間の情報の欠落 • 研究~産業~消費間で情報を含めた交流がスムーズに行われると、より良い環境が構築できるの ではないか。 • 消費者にとってサツマイモは身近な食材ではあるが、意外と知られていないことも多く、不正確 な情報も見受けられる。 3. 視野を広く持つ必要性 • 国内市場だけではなく海外での取り組みや交流の推進も必要ではないか。(アジアだけではなく、 欧米、アフリカ) 4. 科学的エビデンスに基づいた考察が少ない • 数多くの研究テーマがあるが、その結果が十分に活用されているとは言い難い状況であり、また 継続的な研究が少ないと感じている。 21

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいも産業振興ネットワーク構想(2019) 2019年6月に日本いも類研究会主催のさつまいも産業振興セミナー「サツマイモ情報交 流ネットワーク・シンポジウム」で、さつまいも産業の振興を目的としたネットワーク 作りを提案しました。 日本いも類研究会 国/研究機関・研 究者/地方公共団 体 さつまいも 部会 支援 連携・協業 さつまいも情報センター ① サツマイモに関する総合的・多角的・科学的な視 点での情報の蓄積と発信 ② さつまいもに関する専門知識の教育サービス ③ 研究者ネットワークによるコンサルティングサー ビス ④ 関係企業/団体、地方自治体との価値共創事業の プロデュース さつまいも関係 企業/各種団体/生産者 連携・協業 協賛企業 /協賛者 イベント等の 共催/支援 消費者 協賛 サービス提供 /活動参加 さつまいもアンバサダー協会 さつまいもマルシェ (店舗/軒先/EC) さつまいも アンバサダー認定 さつまいも だいすきクラブ さつまいもイベント さつまいもファーム 連携・運営支援 サツマイモ まんが資料館 22

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモ情報センター サツマイモ情報センターは、日本いも類研究会内でサツマイモに特化・深化する活動と して2022年から活動を開始します。 サツマイモに関する総合的・多角的・科学的な視点での情報の蓄積と発信、サツマイモ 関係者・関係機関の交流と課題解決のプラットフォームとして、情報共有や円滑な連携 を推進する活動を実施します。 事業・活動 概要 Web ホームページおよびSNS(Facebook/Twitter)を使った情報発信を実 施する。 サロン サツマイモおよび農業に関する書籍、論文の展示を行う。また、サツ マイモ関連の冊子や、会員作成のパンフレット等を展示する。 勉強会 研究会会員限定。会員の知りたい事や課題を解決できるようなテーマ を設定する。 セミナー 毎回テーマを設定し、テーマに応じた講師による講演および質疑応答 を主とする。パネルディスカッションを伴う場合もある。 シンポジウム 「サツマイモ業界の今を知る」を目的とし、サツマイモに関する幾つ かのテーマを設定し、サツマイモ業界の現状や課題、今後の方向性な ど、国内のサツマイモに関する産地・業種横断的な場として開催する。 情報発信 イベント 23

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいもアンバサダー協会 サツマイモに関する正しい情報の発信、サツマイモの新しい価値創出を目指す企業・組 織との共創活動、サツマイモの魅力を伝えるアンバサダー育成を通じて、サツマイモ産 業の持続的な発展に貢献することを目的としています。 # 事業名 概要 1 メディア事業 WebサイトやSNS、書籍等によるサツマイモ情報の発信 2 コミュニティ事業 会員募集および管理、当協会主催のイベント、さつまいもサロンの 運営 3 コラボレーション事業 外部企業・組織との商品・イベント・PR企画の協業・サポートの実 施 4 アンバサダー認定事業 さつまいもアンバサダー認定講座の運営、認定会員管理 5 物販事業 通販サイトやイベント等でのサツマイモ商品の販売 24

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© Sweet Potato Company Inc. さつまいもを活用した地域振興 25

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© Sweet Potato Company Inc. サツマイモを取り巻く状況 ■第4次さつまいもブーム 電熱式焼いも機の開発により、スーパーなどの店頭で販売されやすくなったことをきっかけに、2000 年代後半ごろより第4次さつまいもブームが始まり継続的に続いています。 安納いもやべにはるかなどねっとりとした食感で甘みの強い品種が、それまでサツマイモを敬遠して いた人や若い世代に受け入れられ食べられるようになりました。 その後、さつまいもを使ったスイーツなどバリエーションが増えていることや専門店が増えているこ とから、ブームが続いていると思われます。 ■技術革新 キュアリング処理や定温(低温)貯蔵が可能な貯蔵施設が増え、甘みを増したサツマイモが通年供給 可能となっています。 また、調理器具(焼いも等)や乾燥機(干しいも)の性能向上により、これまで求められていた気候 条件や技術のハードルが下がっています。 ■産地分散化 サツマイモ基腐病の影響で鹿児島県の生産量が落ち込む一方で、茨城県の生産量が増えています。 ブームの影響でサツマイモ国内需要が高まり、これまで産地ではなかったところでも栽培を開始する ところが増えています。特に昔は福島県が栽培北限だと言われていましたが、東北や北海道でも栽培 に取り組むところが出てきました。 26

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© Sweet Potato Company Inc. 今後の地域振興(商品化)について さつまいもブームに惑わされることなく、末永く愛される商品作りが地域振興に繋がるものだと考え ています。 息の長い活動を最初から計画し、以下のような観点をもつことが大事だと考えています。 ■地場に根付いた商品作り サツマイモに限らずたまに地元の人が全く知らない商品(六次化商品)があります。 地域の飲食店が常連さんで商売が成り立っていて大事にするように、まずはその商品がその地域で受 け入れられることを目指すべきだと考えます。 サツマイモは品質のコントロールが難しく、最初から大規模を目指すのではなく、市区町村→県(周 辺地域)→全国というように商圏を広げるべきです。 ■オリジナリティの構築 サツマイモは多彩な食べられ方がある一方で、商品の差別化という点では非常に難しいと感じていま す。 商品は焼いもや干しいもを中心に、スイーツ原料として使用されるパターンが多く、パッケージ(見 た目)は違うけど、中身はほぼ同じようなものが多いのが現状です。また、特定の品種(現在であれ ばべにはるか)に生産が集中しやすいです。 地域に合った品種選定(新品種や希少品種、有色品種等)から栽培技術、品種特性に合わせた加工 (商品化)の検討と開発などが、長期的に愛され、競争力を有する商品作りに求められてると考えて います。 27

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© Sweet Potato Company Inc. ご清聴ありがとうございました 28