ゲームデザイン概論 「第13章」

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April 21, 25

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Game Jammer working at Yasuda Women's University since April 2025. IGDA Japan board member, HEVGA individual member. 2025年より安田女子大学に移りました.

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1.

Introduction to Game Design 第13章 ゲームバランス 講師: 山根信二 Creative Commons Attribution 4.0 International license Creative Commons Attribution 4.0 International license .

2.

本教材の内容 • 前回までに7つのゲームメカニクスを学んだ (ゲームメカニクスをゲームシステム,ゲームアル ゴリズムと表記する方言についても説明した) • 一つ一つは理解したが,どうやって機能させるのか • この章を読んだら何がわかるの? • これまでのゲームバランスを収集分類してみた: 「ゲームバランスの12類型」 • ゲームバランスの見事な設定方法を収集してみた: 「ゲームバランスの方法論」 1

3.

ゲームバランスの12類型 • 必要な要素をそろえても「これ,ゲームバランスが悪 いね」と言われる • 要素をうまく機能させるのが「ゲームバランシング」 • しかしこれまで使われてきた「ゲームバランス」は まったく同じものはひとつもなく,対象もゲームごと にバラバラだった • そこで12のタイプに分類してみた §13.1 • それぞれにアプローチも異なるので,使うレンズも異なる 2

4.

ゲームバランスの12類型(続) • タイプ1:公平感 • • タイプ2:チャレンジvs. 成功 • • タイプ3:意味のある選択肢 • • タイプ4:スキルvs. 確率 • • タイプ5:頭 vs. 手 • • タイプ6:競争 vs. 協力 • タイプ7:長期 vs. 短期 タイプ8:報酬 タイプ9:ペナルティ タイプ10:自由な体験 vs. コ ントロールされた体験 タイプ11:シンプルvs. 複雑 タイプ12:ディテールvs. 想像 3

5.

バランスタイプ#1 公平感(フェアネス) • 情報の対称・非対称 • 伝統的なボードゲームは情報対称ゲーム • 非対称ゲーム: より困難だが刺激的 • パックマンの場合(p. 273) • なぜゴースト(コンピュータ)とパックマン(プレイヤー) は4対1なのか? • 追いかけてくるゴーストが一匹だとより対称ゲームに近づく • だが,プレイヤーは迷路を使ってより簡単にプレイできる 4

6.

バランスタイプ#1: 公平さのバランスをとる方法 • もっともシンプルな方法 • ゲーム内の優位を持たせ、さらにそれに対する 他の優位を持たせる • 典型例「じゃんけん」 • 公平(フェア)だとに感じるバランス調整 はゲームバランス調整の基本形 5

7.

レンズ#37: フェアネスのレンズを てにいれた! • このレンズを使うには、各プレイヤーの視点からゲームにつ いて注意深く考える。 スキルレベルを考慮して、各プレイヤーがフェアだと思える ような勝つチャンスを与えるようにする(略) • 公平さはとらえにくい.たとえば「エイリアンvs.プレデ ター」では,プレデターがエイリアンよりも明らかに強い場 合がある.だが,ゲームのストーリー設定によってプレイ ヤーは不公平だと感じずに不利を逆転するスキルを磨こうと する 6

8.

バランスタイプ#2 挑戦vs.成功 • 図13-2 フローにおけるスキルとチャレンジ(10章参照) 7

9.

レンズ#38: フローチャンネルのための チャレンジのレンズをてにいれた! • チャレンジはほぼすべてのゲームプレイの核となる。ゲーム の良し悪しは目標(ゴール)とそのチャレンジによって決ま るとも言える。 • そのゲームにおけるチャレンジは何か? • チャレンジはやさしすぎるか、難しすぎるか、それとも適度か? • さまざまなスキルレベルの人が楽しめるチャレンジになっているか? • プレイヤーがゲームを進めていくと、チャレンジの難易度はどのように上昇して いくか? • チャレンジには十分なバラエティ(幅広い選択肢)が用意されているか? • ゲームで最も難しいチャレンジの難易度はどのくらいか? 8

10.

バランスタイプ#3: 意味のある選択肢 • プレイヤーが意味のある選択ができるのがよいゲーム • 支配戦略(dominant strategy, ゲーム理論用語) • もしも選択肢の中で支配戦略がわかってしまったら, そのゲームはつまらなくなる • バランスをとるためには支配戦略を取り除きルールを 変えなければならない • ゲームデザイン初心者「ゲームが制御不能になった!」 →意味のある選択肢を歓迎しよう 9

11.

レンズ#39: 意味のある選択のレンズを て にいれた! • ゲーム内の選択に意味を持たせると,プレイヤーはそ の選択を重要だと認識することができる. • プレイヤーに対して,どのような選択肢を提供してい るか? • 選択肢には意味があるか? それはどんな意味か? • 選択肢の数は適切か? 選択肢を増やしたら,プレイ ヤーに俺TUEEEと感じさせられるか? 逆に選択肢を減 らせば,もっとわかりやすいゲームになるか? • ゲームに支配戦略があるか? 10

12.

バランスタイプ#3: 意味のある選択(続) • 選択肢のバランス調整の方法は選択肢の増減だけ ではない • 三角性 (Triangularity,三角関係) • 難しいプレイと優しいプレイの二つの選択肢をプ レイヤーに提示する方法 • 『スペースインベーダー』の場合: 11

13.

レンズ#40: インベーダーゲームから、 三角性のレンズを てにいれた! • ローリスクローリターンな(安全だが報酬の少な い)プレイと、ハイリスクハイリターンな(リスク を伴うが報酬の多い)プレイという選択肢を提供 • (略) • 期待値を計算する(レンズ#35 期待値のレンズ) • 『マリオカート』の場合: 走る前から選択肢の連続 12

14.

バランスタイプ#4: スキルvs.チャンス • スキル「腕前」とチャンス「運」のゲームメカニクス • スキルの効果が強いと運の効果が減り,アスリート向 けゲームに.またその反対に(以下略) • どんなプレイヤーにプレイしてほしいかを明確に( レ ンズ#19「プレイヤーのレンズ」) • スキルとチャンスを取り替えてバランスをとる • 例: サイコロを振るのは運任せだが,駒をどこに進める のかは腕前しだい 13

15.

レンズ#41: スキルvs.チャンス(確率)の レンズを てにいれた! • ゲーム内のスキルとチャンスをどうやってバランスさ せるかを決めるには、以下の質問: • プレイヤーは腕前を試される(スキルで評価される) のか,運を試される(リスクをとる)か? • スキルには真剣さ(本気度)が求められる.このゲー ムは真剣なゲームかカジュアルなゲームか? • ゲームががランダム(でたらめ)すぎるようだったら, 確率の要素をスキルや戦略の要素に置き換えてみよう 14

16.

バランスタイプ#5: 頭vs.手足 • ゲームのスキルにも種類がある • そのスキルに必要なのは頭脳(思考系)か,腕前(操作系)か? • アクションゲームにもパズル要素がある • 同じシリーズでもバランスが変わると異なるゲームになっ てしまう(例: 『パックマン2』) 15

17.

レンズ#42: 頭と手のレンズを てにいれた! • メンタルとフィジカルのバランスをより現実的なものにする ためには、以下の問いを考えよう: • 思考無しのアクションと思考が必要な課題.プレイヤーはど ちらを求めているのか? • 謎解き,パズル問題の場面を追加したら,このゲームは面白 くなるのか? • プレイヤーが思考を必要とせずに遊べる場所はあるのか? • (略) • #19「プレイヤーのレンズ」と組み合わせよう 16

18.

バランスタイプ#6: 競争vs.協力 • なぜわれわれは複数人の対戦プレーが好きなのか? • 競争・協力は動物の本能 • 生存のための行動をゲームでは安全な方法で提供する • 競合と協調は両極に位置するが,両方のいいところを 同時に体験することもできる.それがチーム戦(p.290) • 2人対戦から数千人のMMORPG,MOBAと新たな種類 の競争と協力が可能に 17

19.

レンズ#43: 競争(コンペティション)の レンズを てにいれた! • 誰がもっとも上手いのかを決めたくなる人間の根源的な衝動. 競争のゲームはこの衝動を満たしてくれる. • このゲームはプレイヤーのスキルをフェアに計れるか? • プレイヤーはこのゲームで勝ちたいと思ってくれるか? • このゲームに勝つと自慢できるか?その理由は? • 初心者でも競争に加われるのか?(略) 18

20.

レンズ#44: 協力(コーポレーション)の レンズを てにいれた! • チームで協力して成功することで,社会的なつながり が長く続く • 協調にはコミュニケーションが必要だが,プレイヤー にコミュニケーションの機会を提供できているだろう か? • ゲームデザイナは初対面のプレイヤーが打ち解ける手 助けをできるか? • プレイヤーは同じ役割なのか,異なる任務を持つか? • (略) 19

21.

レンズ#45: 競争vs.協力のレンズ を てにいれた! • 競争と協調とでバランスをとる方法は一つではない. • このレンズを使って、ゲームにおいて両者が適切なバ ランスをとっているかどうかを判断する: • 競争と協調の割合は? • 競争的プレイと協調的プレイの選択をプレイヤーに与 えているか? • プレイヤーはどちらを求めているのか?ミックスか? • このゲームはチーム戦とソロ戦のどちらが楽しいか? 20

22.

バランスタイプ#7: 長期vs.短期 (Short vs. Long) • どんなゲームでもプレイ時間の長さのバラン スが求められる • ゲームの終了時間を決めるメイン要素: 勝敗条件 • 時間経過でルールを変化させることもできる 21

23.

バランスタイプ#8: 報酬(Rewards) • 人は評価されることを望む(スキルvs.チャンス) • ゲームにおける評価を伝える手段が報酬 • 報酬はプレイヤーの欲求を満たすもの • 報酬を分類してみよう: 称賛,得点,プレイ時間延長,新エリア(新しいステージ,扉 の鍵),壮観さ(スペクタクル),自己表現(特別な衣装),力(ス ピード,武器etc.),資源(アイテム),社会的地位,コンプ リート • これらのカテゴリは組み合わせることもできる 22

24.

レンズ#46: 報酬のレンズを て にいれた! • 誰もが「いい仕事をした」と褒められたい • だが,「適切なタイミングで」「適切な量の」「適 切な報酬」を提供しないと高い効果は得られない (略) • 何が適切かは,試行錯誤を通してしかわからない • 頑張って試行錯誤したとしても、すべてのプレイ ヤーにとって適切な報酬にはならない 23

25.

バランスタイプ#9: ペナルティ(罰) • なぜ楽しいはずのゲームに罰やお仕置きがある のか? • ペナルティを適切に使えば、プレイヤーがゲー ムから得られる楽しみを増やすことができる • 報酬を逆にするとペナルティになる • 心理学実験ではペナルティよりも報酬の方が効 果的だったことに注意 24

26.

レンズ#47: ペナルティのレンズを てにいれた! • ペナルティを課す際には慎重に。プレイヤーは 自らの自由な意思でゲームを遊んでいる。 • だが適切なバランスのペナルティは、ゲーム内 のすべての要素の価値を高めてくれる。 • (略) 25

27.

バランスタイプ#10: 自由な体験 vs. コントロールされた体験 • 自由な体験か、決められた体験か • インタラクティブ性(対話性)=体験におけるプレイヤーの 自由度が高くコントロールできる • だが、プレイヤーにすべてのコントロールを与えると退屈に なりかねない • 開発段階のプレイテストを活用して,自由が奪われていると 気づかない演出を可能に(例: ディズニーのVR版アラジン) 26

28.

バランスタイプ#11:シンプル vs. 複雑 • 「このゲームはとてもシンプル!」 (批判しているのか称賛しているのか?) • シンプルさ・複雑さを2種類に分けて考える • 先天的な複雑さ: ルールが多くプレイヤーにとって難し いが,複雑なゲームを好むプレイヤーもいる • 創発的な複雑さ: 単純なルールなのに複雑な局面が生ま れる.誰もが称賛する. (レンズ#30「創発のレンズ」) 27

29.

レンズ#48:シンプルさと複雑さのレンズ を てにいれた! • シンプルさと複雑さを適切なバランスに調整すること は難しい. • あてずっぽうではなく,根拠に基づいて調整しなければな らない • シンプルなシステムから意味のある複雑性が発生する ゲームを作ることができる • 以下の質問を自分にしてみよう(略) 28

30.

望ましい単純さ • 自然なバランス調整 vs. 人工的なバランス調整 • 古典的な名作ゲーム『スペースインベーダー』 • シンプルなルールシステムから自然発生する効果 • 創発的な複雑さを生み出す単純さは「エレガント」 • もともとはゲームデザイナンではなく数学者が使う表現 • エレガンスはあらゆるゲームにとって望ましい. • 覚えるのが簡単なシステムから複雑さを生み出せる 29

31.

名作に見るエレガントさ: 「パックマン」の ドット(p.305) ただのドットに5つも異なる目的がある. • 1. プレイヤーにすぐできる目標を与える: 「そばにあるドットを 食べる」 • 2. プレイヤーに長期的な目標を与える: 「すべてのドットをクリ アする」 • 3. 食べることで時間がかかり,よい三角形ができる (ドットの ない安全な道を進むか,危険なドットのある道に進むか) • 4. 達成度をはかるポイントとなる • 5. ポイントをためてライフをもう一つ取得できる 30

32.

レンズ#49: エレガントさのレンズを て にいれた! • 多くの「名作ゲーム」はエレガンス(簡潔なのに奥が深 い)のお手本だとされる.自分のゲームをエレガントにす るには、以下の問いを問いかける: • 自分のゲームはどんな要素でできているか? • それぞれの要素の目的は?「エレガンス度」を測ってみる • 目的が一つ二つしかない要素は、ひとつにまとめたり全部 取り除くことができないか? • (略) 31

33.

個性(キャラクター) (p.307) • エレガンスは重要だが、ゲームには作り込みも重要. 作り込みをシンプルにすると台無しになる • エレガンスのレンズは退屈で無個性なものに陥りかね ない • モノポリーの駒はなぜ帽子・靴・犬・像・戦艦なのか? • マリオはなぜ配管工なのか? ゲーム世界にはまったく関係ないのに、そのことが彼 にキャラクター(個性)を与えている 32

34.

レンズ#50: 個性のレンズを てにいれた! • エレガンスと個性とは相反する。 • シンプルさvs.複雑さの関係性の縮小ミニチュア版 • バランスがとれて、愛される明確な個性をもつゲームをつく るためには以下の問いを立てること: • このゲームには、プレイヤーたちが興奮して話題にしたくな るような、奇妙な要素があるか? • このゲームを唯一無二のゲームにするような、変わった特性 があるか? • このゲームには、プレイヤーに愛される欠陥があるか? 33

35.

バランスタイプ#12: ディテールvs. 想像(イマジネーション) • どこまで詳細に描くか,それともプレイヤーの想 像に委ねるか • ディテールは想像を喚起するために使おう • ディテールの問題はゲームバランスだけにおさま らないゲームデザインの大きな問題でもある. これについては第20章「キャラクター」でさら に詳しく論じる 34

36.

レンズ#51: 想像力(イマジネーション) のレンズを てにいれた! • すべてのゲームは、想像に基づく要素と現実に結びつ いた要素とがある • 以下の質問を自分にしてみましょう.(略) 35

37.

§13.2 ゲームバランスの調整手法 • ゲームバランスの対象分類はここまで • 「ゲームバランスの調整が必要だ」と言われても、 やることは毎回異なる • バランスの分類とやることはわかった,だがバラ ンス調整の方法はどうするのか? • バランス調整のモデル • ゲームデザイナはそれぞれ異なるモデルを使ってきた • 実験しながら自分にあったモデルをさがす • いくつかのモデルを紹介: 36

38.

ゲームバランス調整の一般的手法 • ゲームの「本当の問題点」をさがし解決方法を考える • 問題設定のレンズ(7章「アイデア」レンズ#14) • 問題解決のレンズ(4章「ゲーム」 レンズ#8) • 本当の問題点を理解するまでバランス調整しない (修正も問いを立てずにいられない巨匠,宮本茂は「アイデアという のは複数の問題を一気に解決するものである」と言っている) • 倍増したり半減したり • ありえない数値を入れて適切なゲームバランスを見つける • (「Civ II」「RoN」のブライアン・レイノルズ/シド・マイヤー ) • 初期値の推定は訓練できる • 厳密な数値を推測する仮説検証を積むことで推定できるようになる 37

39.

ゲームバランス調整の一般的手法(続) • モデル化してドキュメントを残す • 自分のモデルを記録し検証・共有する (実習で日報を書く理由の一つ) • ゲーム調整に合わせてモデルも調整する • ゲーム開発の計画段階であらかじめゲームバランス調整を計 画にいれる(第8章のイテレーションやスパイラル型開発) • オンラインゲームではリリースしてからも調整業務が続く • プレイヤーに調整してもらおう • 楽勝モード・無敵モードにならないように難易度選択 • ほとんどの場合,普通の状態が無力でつまらなくなる 38

40.

§13.3 ゲーム内経済のバランス調整 • ゲームエコノミー(ゲーム内経済)を調整できるか • バランスの調整が難しい • ゲーム内の交換可能なものが経済を産む • どうやってお金を稼ぐのか? How will I earn money? • 稼いだお金をどう使うか? How will I spend the money I have earned? • 意味のある選択肢が意味のある経済活動を生む 39

41.

ゲーム内経済のバランス調整(続) • プレイヤー同士で売買ができるMMOGでは,ゲー ムエコノミーのコントロールがさらに難しくなる • これまでのバランス類型のすべてに影響する • しかしゲームエコノミーのバランス調整は,他の ゲームバランスと目標は同じ =プレイヤーが楽しみ挑戦しがいのあるゲームを つくること 40

42.

レンズ#52: 経済のレンズを てにいれた! • 経済を取り入れることで、ゲームに深さと生命を与えること ができる.しかしすべての生命同様にコントロールが難しく なる.ゲームバランスのそれぞれで経済バランスをとるため に、このレンズを使う. • プレイヤーは稼ぐことができるか?それで何かを買えるの か? • 稼ぐのは難しいか簡単か? • 稼ぐことが意味のある遊びになっているか? • (略) 41

43.

§13.4 自動バランス調整 • ゲームバランスはプレイヤーに注目する • では,プレイヤーに合わせて自動バランス 調整することができるのでは? • 人間が調整した方がいい理由 42

44.

ゲームバランスまとめ • ゲームの要素を機能させるのがバランス調整 • ゲームバランスが扱う範囲は広い • 芸術のようにつかみどころがないが,分類できる • 本章ではそれを可能な限りカバーしたが、一つ一 つの調整で全体像を見失ってはいけない • ゲームのバランスを考えることは自問自答を続け る作業 43

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ゲームバランスまとめ(続) • タイプ1:公平感 • • タイプ2:チャレンジvs. 成功 • • タイプ3:意味のある選択肢 • • タイプ4:スキルvs. 確率 • • タイプ5:頭 vs. 手 • • タイプ6:競争 vs. 協力 • タイプ7:長期 vs. 短期 タイプ8:報酬 タイプ9:ペナルティ タイプ10:自由な体験 vs. コン トロールされた体験 タイプ11:シンプル vs. 複雑 タイプ12:ディテール vs. 想像 44

46.

レンズ#53: バランスのレンズを てにいれた! • ゲームバランスには多くの種類があり、どれも重要と なる.しかし、その中で迷子になって全体像を見失っ てはいけない • 泥沼から抜け出すためにこのシンプルなレンズを使う • Does my game feel right? Why or why not? • このゲームを遊んで得られる感覚は適切か? その理由 は? 45

47.

本章の参考文献について • アーネスト・アダムス、ヨリス・ドーマンズ『ゲームメカ ニクス おもしろくするためのゲームデザイン』 • 「Halo3」ゲームデザインの詳細:スナイパーライフルの ショット間隔を0.5秒から0.7秒へ変更することは何を意味す るか?(GDC2010) • https://www.youtube.com/watch?v=8YJ53skc-k4 • http://www.gdcvault.com/play/1012649/Design-in-DetailChanging-the • 日本語予告 http://old2014.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=14 46

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教科書補足 • 1990年代のVR • p.302の『Aladdin's Magic Carpet Ride: VR Adventure』 • 当時の開発現場を取材した番組(YouTube動画).ヘッドセットが 重くて上から吊っている • 「謝辞」に出てくるランディ・パウシュが書いた論文 (SIGGRAPH ’96)が無料公開されています https://doi.org/10.1145/237170.237257 • ランディ・パウシュ『最後の授業 ぼくの命があるうちに』は日 本語訳され, DVD付き版や文庫版も出版されています. • その後「VR冬の時代」が到来,VRの製品化は停滞した • ついにスマホ液晶モニタを使ったVRブームが再来,いまで は家電屋でVRヘッドセットを体験できるようになった. 47