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November 30, 24
スライド概要
情報処理学会 研究報告コンピュータと教育研究会(CE)にてオンライン発表.
2024-CE-177
発行日 2024-11-30
http://id.nii.ac.jp/1001/00241265/
Game Jammer working at Yasuda Women's University since April 2025. IGDA Japan board member, HEVGA individual member. 2025年より安田女子大学に移りました.
ダイバーシティと高度開発者人材育成: 総論およびデジタルゲーム産業での事例 山根 信二 Diversity and professional developer education: Overview and Cases in the digital game industries Shinji R. Yamane IGDA Japan / 東京国際工科専門職大学(今年度末まで)
はじめに ダイバーシティの取り組みはどこからきてどこに向かう のか 車椅子,女性参画...もぐら叩きになっていないか 体系的な取り組みの最初の一歩として,総論(概論) と情報系への導入 本発表は予備研究です ダイバーシティの取組で,情報系の人材育成はどのよう に位置づけられるのか? 内部で思っているよりも外部からの期待が高い 情報系がモデルにされる入試改革事例 IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 2
さまざまな領域 「ダイバーシティ・マーケティング」「ダイバーシティ経 営」「ダイバーシティのための空間設計」etc. 「日本型ニューロダイバーシティマネジメント」も登場 国や産業のニーズがあって人材育成が唱えられる 個々の突発的な事例報告だけで体系的(systematic)な教育 プログラムはこれから IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 3
情報処理学会の取り組み 学会誌11月特集「ジェンダーと教育」[2] ジェンダー多様性,ダイバーシティ 学会としての取り組み,学会員としての意識 「事例報告だけで,ゴールは?」「学会は社会を変 えていくのか?」 情報処理学会の「ダイバーシティ宣言」[3] は「公平な 社会を促進すること」を宣言 (宣言に至る過程を知りたい!) IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 4
情報系入試はダイバーシティのモデルか CMUのコンピュータサイエンス改革 国内でもCACM誌の論説記事に注目 入試からプログラミング科目を外し,カリキュラムは変え ずに男女比50%達成したCMU 「マニアが同類を求めていただけだった!」「日本の大学 も開かれた入試を!」 だがちょっと待って欲しい CMUが取り組んでいたコンピュータサイエンス教育とは IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 5
CMUのコンピュータサイエンス教育とは 入試改革前からオブジェクトファースト教育[8] 命令ファースト・関数ファーストではない,プログラ ミングへの導入科目 オブジェクト指向の設計を学び,3Dアニメーション制 作実習 ビジュアルプログラミングなので文法の知識は低いが Python, C++での脱落は改善 女子中学生向けも研究開発[9] ビジュアルプログラミング言語が前提 情報系教育からの正しい発信が必要 IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 6
情報系人材育成はダイバーシティのモデルか 「ニューロダイバーシティ人材」で注目される情報系 神経多様性=ニューロダイバーシティ イノベーション人材として経済産業省も推進 根拠はハーバードビジネスレビュー論文(その発信地はシ リコンバレー) 「面接採用では落とされる人材」 採用例として挙げられているのがゲーム,IT産業 しかし,国がニューロダイバーシティ人材を求めても,人 材育成側のニューロダイバーシティへの取り組みは? IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 7
日本の高度人材育成のニューロダイバーシティ対応 8 IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 佐々木銀河「ニューロダイバーシティと発達障害学生支援」(2021)より
情報系人材育成の課題まとめ IT人材育成はダイバーシティ推進のモデルに使 われてきた 経済産業省が推進する「ニューロダイバーシ ティ政策」でも同様にIT産業・デジタルゲーム 産業が先進事例に だが,教育機関での教育支援体制なしに人材 登用だけ日本に持ち込むのは危険 IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 9
事例報告: デジタルゲーム開発者の人材育成 日本のゲーム業界は必ずしも高学歴採用ではな かった(例: 学部不問のポテンシャル採用) 企業ニーズ「強いこだわりを持っている人」[18] 「オタク力」と呼ばれるが,これは鍛えられる 力ではなく生得的な発達特性では? 個々の属人的な取り組みと体系的な取り組みと の両輪で進めるべき IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 10
今後の計画 今回の予備研究を踏まえて, 歴史的な成立背景を踏まえたダイバーシティ取組事例 の収集 体系的な理解を視野にいれたゲーム産業等の実践事例 の収集 体系的包括的な大学教育カリキュラムの提案へ そして情報処理学会の「ダイバーシティ宣言」が めざす「公平な社会を促進すること」を実現 IPSJ-CE177 [5], Dec.2024 11