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September 13, 25
スライド概要
東北IT物産展2025
東北IT物産展 in 岩⼿ 2025 社内ナレッジベース構築を ⽣成AIで低コストかつ ⼿軽に実現する⽅法 DigitalCube 岡本秀⾼ 2025. 09. 13 © DigitalCube Co. Ltd.
⾃⼰紹介 ● 地元企業を2社ほど転々 ● DigitalCube - アプリケーション開発者 ● Stripe - Developer Advocate ● DigitalCube - 事業戦略室 ( BizDev ) AWS Samurai 2017 / Alexa Champions / AWS Community Builders / JP_Stripes Connect 2019 / WordCamp Kansai 元実⾏委員⻑ Okamoto Hidetaka 岡本 秀⾼ © DigitalCube Co. Ltd. 2
はじめに 今⽇話すこと‧話さないこと ✅ なぜ社内ナレッジベースが必要になるのか ✅ 今ある情報からナレッジを取り出す仕組み ✅ Model Context Protocol ( MCP )の活⽤⽅法 ❌ 全く新しくナレッジベースを構築する⽅法 ❌ RAG や ベクトル検索、エージェントの作り⽅ © DigitalCube Co. Ltd. 33
デジタルキューブについて 50名以下の企業ながら、内製で複数の SaaS / IaaSを構築している PayPal / 紙の請求書から始まったWordPressインフラサービスから、新規事業の迅速な開発‧リリースまで Shifter FinanScope Amimoto WordPressを「静的サイト」に変える SaaS 事業承継やIPOのためのタスク管理 SaaS WordPress x AWSのフルマネージド IaaS https://www.kek.jp/ja/ https://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~ynext/amed/ https://ja.amimoto-ami.com/ © DigitalCube Co. Ltd. 44
Problem is .. © DigitalCube Co. Ltd.
ナレッジの分散や⼈‧チームへの依存 サービスごとに対応履歴やナレッジ、開発履歴がある ⇨ 「これなんでこうなってるの?」を探すのが⼤変 「 Shifter でこのプラグイン使える?」 「ごめん、 Shifter はわからん」 「OK。じゃあ誰に聞けばいい?」 「XX さんだけど、今⾶⾏機だわ」 「えー、じゃあ Backlog 掘り返すしかない?」 * さっき5秒で考えた事例⽤フィクションです © DigitalCube Co. Ltd. 66
対応履歴‧メモ‧ナレッジ‧共通認識 ● ⼤前提: 「決まったこと」「やったこと」を記録する ● 理想: 「過去のデータを参考に、各⾃が判断」 ● 現実: 「⾒つからんのやが‧‧‧」 ● そして: 「 XX さん、ちょっとお時間良いですか?」 ⇨ 「ログがあるから、⾃分で探して欲しい」 vs 「それが⾒つからないから困ってるんです」 © DigitalCube Co. Ltd. 77
「俺はそんなしんどいことやりたくない」 「履歴を探す」タスクを誰かにやらせたい 「⾒つかるまでキーワードを変えてトライ」したい そもそも‧‧‧ 知りたいのは「答え」であって情報じゃない © DigitalCube Co. Ltd. 88
⾯倒なことは ⽣成AIに やらせよう © DigitalCube Co. Ltd. 9
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう ⽣成 AI を利⽤した情報検索 ✅ ⼈間よりも多くの回数トライできる ✅ キーワード選定や追加調査、取りまとめもOK ❗ デフォルトでは公開情報しか検索できない ❗ 基本的に空気は読まない © DigitalCube Co. Ltd. 1010
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 社内のデータを ⽣成 AI に検索‧発⾒‧利⽤させたい © DigitalCube Co. Ltd. 1111
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 社内のデータを ⽣成 AI に検索‧発⾒‧利⽤させたい ⽣成 AI は社内のデータに (通常)アクセスできない © DigitalCube Co. Ltd. 1212
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 社内のデータを ⽣成 AI に検索‧発⾒‧利⽤させたい ⽣成 AI は社内のデータに (通常)アクセスできない ⽣成 AI が外部データにアクセスする「仕組み」が必要 © DigitalCube Co. Ltd. 1313
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう ⽣成 AI が、外部のデータにアクセスするための ルール‧規格(プロトコル) => MCP © DigitalCube Co. Ltd. 1414
“MCP は AI アプリにとっての USB-C” https://zhuanlan.zhihu.com/p/29301066811 © DigitalCube Co. Ltd.
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 様々なサービスが、⽣成 AI と接続できる ● インフラの設定や アプリケーション‧エラーログ AWS / Cloudflare / Sentry / Supabase / etc.. ● 顧客情報や契約‧決済データ HubSpot / Stripe / Intercom / etc.. ● 社内のタスクやコミュニケーション Slack / Backlog / Notion / Jira / etc.. © DigitalCube Co. Ltd. 1616
まずは ⽣成 AI に 聞いてみよう と、思わせる環境を整備する © DigitalCube Co. Ltd. 17
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 例: Backlog MCP サーバーを導⼊する https://github.com/nulab/backlog-mcp-server © DigitalCube Co. Ltd. 1818
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう ⽣成 AI が Backlog API経由で課題やWikiを⾒てくれる © DigitalCube Co. Ltd. 1919
⽣成 AI を使った エージェントなら 「⾒つかるまで」 検索させられる → 独自のDBを作る前に、 今ある記録を探す仕組みを 生成 AI で実現する © DigitalCube Co. Ltd. 20
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう MCP と検索によるマッシュアップ 1. Backlog の課題やコメントをチェック 2. AWS MCP でシステムの状況を調査 3. 対応⽅法や類似事例を検索 4. 問題についての考察と対処⽅法を提案 or 実践 © DigitalCube Co. Ltd. 2121
MCPを社内に 展開する際の 最⼤のハードル © DigitalCube Co. Ltd.
© DigitalCube Co. Ltd.
ローカルMCPサーバーはつらい JSON / Docker / Node.js を扱える⼈ばかりではない ● 黒い画⾯(Terminal)はこわいもの ● そもそもNodeもDockerも⼊ってない ● 開発系じゃないのでメモリが少ない ● 社員全員分のセットアップを誰がやる? © DigitalCube Co. Ltd. 2424
セットアップが難しいなら、させなければいい Remote MCP サーバーを⾃作し、社内展開 ● ● ● ● Cloudflareのサンプルを利用 Google OAuthで認証 Backlog API with API キー Claude Integrationで社内展開 © DigitalCube Co. Ltd. 2525
セットアップが難しいなら、させなければいい Remote MCP サーバーは監視もできる ● ● ● Workers Analytics Engineを利用 ツールの利用状況とエラー率を記録 データの収集しすぎには要注意 検索クエリや利用者名など © DigitalCube Co. Ltd. 2626
⽣成 AI を使うの、意外と⾯倒かも‧‧‧ ナレッジベース‧‧‧ではないので、 もちろん要望や不満が出てくる ● 前よりは楽になったよー ● でも回答の精度はまだまだだね ○ 疑問や仮説‧要望を事実と誤認 ○ 複数チケットに散らばった議論から 確実な事実を⾒つけるのはまだまだ⼤変 ● もっといい感じにできない? © DigitalCube Co. Ltd. 2727
⽣成 AI を使うの、意外と⾯倒かも‧‧‧ ナレッジベース‧‧‧ではないので、 もちろん要望や不満が出てくる 情報を探しやすくまとめた ● 前よりは楽になったよー 場所を作りましょう ● でも回答の精度はまだまだだね → 「社内ナレッジベースが必要」という合意形成 ○ 疑問や仮説‧要望を事実と誤認 ○ 複数チケットに散らばった議論から 確実な事実を⾒つけるのはまだまだ⼤変 ● もっといい感じにできない? © DigitalCube Co. Ltd. 2828
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう AIが頑張って探す 社内ナレッジベース ✅ MCPとAI SaaS で低コストから ⚠ DBなどの基盤構築 ✅ 今あるログから回答を作る ⚠ 投⼊コンテンツの制作 ⚠ 回答精度は⽣成 AI に依存 ✅ 整理された情報 ⚠ ないよりマシくらいの検索精度 ✅ 検索精度の向上 © DigitalCube Co. Ltd. 2929
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう AIが頑張って探す 社内ナレッジベース ✅ MCPとAI SaaS で低コストから ⚠ DBなどの基盤構築 ✅ 今あるログから回答を作る ⚠ 投⼊コンテンツの制作 ⚠ 回答精度は⽣成 AI に依存 ✅ 整理された情報 ⚠ ないよりマシくらいの検索精度 ✅ 検索精度の向上 社内ナレッジベースは、「あったほうがいい」 © DigitalCube Co. Ltd. 3030
DigitalCube は すでに esa で ナレッジベースを 構築していた あとは誰もが esa の情報を 生成 AI から検索できるように MCPを整備するだけ! © DigitalCube Co. Ltd. 31
ナレッジベースに⼊れる コンテンツや対応履歴、 どうやって作ろう‧‧‧? © DigitalCube Co. Ltd.
作業記録から ナレッジやログを ⽣成させる → 記録があれば 生成 AI はそれを確実に 認識してくれる © DigitalCube Co. Ltd. 33
セットアップが難しいなら、させなければいい 社内だけでなく、社外向けの情報ソースにも活⽤できる ● ● 業務でやったこと x 発信したい情報 企画フェーズでのリサーチから キーワードを決めてからの 事例探しフェーズまで https://labworks.digitalcube.jp/technology/how-to-protect-files-using-x-robots-tag/ © DigitalCube Co. Ltd. 3434
⽣成 AI x 社内 DXで 意識していること © DigitalCube Co. Ltd.
あるものを できるだけ 活⽤する 自分でできるだけ作らない © DigitalCube Co. Ltd. 36
欲しいのは「⽣成AIエージェント」か「いい感じのソリューション」か ありもので解決できるなら、作らないほうがいい ● 作ると保守が必要 ○ Node.js / ⽣成 AI のモデル の EOL ○ Embedding モデル変更に伴う際インデックス ● 作ったとて、使ってくれるかわからない ● もっと便利な⽣成 AI チャットがあるのに なんでこれも新しく覚えないといけないの? © DigitalCube Co. Ltd. 3737
欲しいのは「⽣成AIエージェント」か「いい感じのソリューション」か 使ってもらうには、みんなのいる場所にいく必要がある ● ● ● 新しいツールの PR をするか、 それとも既存ツールの拡張か Claude / Cursor には MCPという拡張する仕組みがある まずは使ってもらって、 作るべきものを特定する © DigitalCube Co. Ltd. 3838
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 回答⽣成をさせると、その真偽確認が必要になる https://github.com/nulab/backlog-mcp-server © DigitalCube Co. Ltd. 3939
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう 回答⽣成をさせると、その真偽確認が必要になる この案内や情報って 本当に正しいものなの? https://github.com/nulab/backlog-mcp-server © DigitalCube Co. Ltd. 4040
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう まずは検索結果と概要だけを調査させる https://github.com/nulab/backlog-mcp-server © DigitalCube Co. Ltd. 4141
ナレッジベースや AI DX に⽋かせない 「社内⽂化」の話 © DigitalCube Co. Ltd.
そこになければないですね ⽣成 AI 使ってナレッジベース作るぞ! Backlog とか⾒ればデータはあるから急げ! © DigitalCube Co. Ltd. 4343
そこになければないですね ⽣成 AI 使ってナレッジベース作るぞ! Backlog とか⾒ればデータはあるから急げ! 作業ログとか対応履歴、 だーれも書いてないんだよねぇ‧‧‧ © DigitalCube Co. Ltd. 4444
そこになければないですね まずは、1つの場所に、ログを残す⽂化から ● ● ● ないものは調べれない あれば、AIがなんとか探してくる AI使って効率化できるから、 Backlogに情報ちゃんと書こう https://backlog.com/ja/blog/backlog-sweeper/ © DigitalCube Co. Ltd. 4545
⾯倒なことは、⽣成AIにやらせよう まとめ 1. まずは今あるデータソースを、 ⽣成 AI でナレッジベースライクに活⽤しよう 2. 記録とログがあれば、 ナレッジベースのコンテンツは⽣み出せる 3. いきなり作らない ⼩さく試して本当に欲しいものをまず⾒定めよう © DigitalCube Co. Ltd. 4646
おまけ © DigitalCube Co. Ltd.
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