>100 Views
August 13, 26
スライド概要
はじめまして、yukikoと申します。 IT教育支援や、DX推進が可能です。 ◆ スキル LPIC レベル2 AI / Python Splunk BI(データ可視化・分析) ◆ その他 新卒・未経験の学生向けに、エンジニア転職を応援する資料を趣味で作成しています。 もしよろしければご活用ください。
目的から逆算する講義設計フレームワーク 学習者が離脱しない教育設計のコツ 査読済み論文と公式情報にもとづく実践ガイド うさうさ研修工房
AGENDA 目次 01 全体設計思想 目的から逆算する 02 レベル別設計とWhy What Howの配分 03 認知性の高い資料づくり 04 心理的安全性を確保する場づくり 05 スキルアップを促す設計 06 テスト設計、明日からやる一歩
第1章 目的から逆算する、逆向き設計 Wiggins and McTighe (1998) Understanding by Design
第2章 レベル別設計、文系理系を問わない土台 レベル 重視する伝え方 陥りやすい失敗 初級 具体例、体験、手順の反復 抽象的な原理から入り置いていかれる 中級 パターンの一般化、比較 具体例だけで終わり応用が利かない 上級 原理原則、例外、批判的検討 初級者向けの説明に付き合わせ退屈させる 文系理系という区分より、前提知識の差のほうが設計に強く影響する
第3章 Why What Howをレベル別に配分する レベル Why What How 初級 短く一言で 最小限、具体例中心 多め、手順を反復 中級 やや厚く 標準的 標準的 上級 厚く理論的背景まで 前提として軽く 応用と例外を中心に
第4章 出典 Sweller (1988) 認知性の高い資料づくり、認知負荷理論 作業記憶の容量は限られており、超えると学習効率が下がる 1枚のスライドに詰め込む情報は要点1つを目安にする 図や表で示せる関係性は文章で説明しない 装飾のための効果や不要な情報は思い切って削る 新しい概念は既に知っている概念にたとえる
第5章 出典 Edmondson (1999) 心理的安全性を確保する場づくり 対人リスクを取っても安全だという信念が、学習行動と強く関連する(51チーム調査) 講師自身が過去に間違えた経験を最初に短く共有する 分かった人を挙手で確認する(分からない側を晒さない) 匿名で質問できるチャットやフォームを用意する 演習中の間違いを学びの材料として扱う
第6章 スキルアップを促す設計 想起練習 意図的練習 見ずに思い出す練習をしたグループは1週間後の定着がよい 練習時間の長さより、目標とフィードバックを伴う練習の質が熟 達に関係する Roediger and Karpicke (2006) Psychological Science 17(3) Ericsson, Krampe, and Tesch-Römer (1993) Psychological Review 100(3) 2019年のMacnamaraとMaitraの追試では、練習量だけで熟達度の差をすべて説明できるわけではないという結果も報告されている
第7章 テスト設計、アセスメント設計の考え方 形成的評価 講義の途中で理解度を確認し、その場で軌道修正するための評価 総括的評価 講義の最後に到達度を判定するための評価 Bloomのタキソノミー 知識の暗記と応用、分析、評価を区別してテスト問題の質を確認する枠組み( 1956)
第7章 テスト設計チェックリスト このテストは1章で決めたゴールと対応しているか 知識の暗記だけでなく応用を問う問題が最低1問あるか 間違えたときにどこを復習すればいいか受講者が分かる作りか 講義の途中に形成的評価を挟む場面があるか
第8章 明日からやる一歩 スライドを作る前にゴールを一文で書き出した 評価方法(テストや演習)を先に決めた 習熟レベルに合わせて Why What Howの配分を決めた 1枚のスライドに詰め込みすぎていないか見直した 受講者が安心して質問できる仕組みを用意した 講義の最後に思い出して書き出す時間を計画した テストに応用問題を混ぜた
査読済み論文と公式情報 参考文献 Wiggins & McTighe (1998) Understanding by Design. ASCD. Sweller (1988) Cognitive Load During Problem Solving. Cognitive Science, 12(2). Edmondson (1999) Psychological Safety and Learning Behavior. Administrative Science Quarterly, 44(2). Roediger and Karpicke (2006) Test-Enhanced Learning. Psychological Science, 17(3). Ericsson, Krampe, and Tesch-Römer (1993) The Role of Deliberate Practice. Psychological Review, 100(3). Bloom (1956) Taxonomy of Educational Objectives. Longmans, Green.
まとめ 良い講義は、良いスライドからではなく、良い設計から生まれる ゴールを先に決め、評価方法を決め、最後に活動を設計する。 そこに認知負荷理論、心理的安全性、想起練習を重ねることで、 受講者の記憶に残り、実務で使われる講義になっていく。 うさうさ研修工房