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July 01, 25
スライド概要
(生成AIによる要約)
この資料は、ソフトウェアエンジニアの清水氏がQC検定3級を通じて「品質」について学んだ内容をまとめたものです。資料では、QC検定を選んだ経緯や、QC検定の概要、3級の内容、受検の動機などが詳しく説明されています。また、QC検定のシラバスやテキストを基にした品質管理の手法や考え方が紹介されており、ソフトウェア開発における品質管理との比較も行われています。清水氏の実務経験を交えながら、品質管理の重要性とその実践方法について具体的に解説されています。
アジャイル/スクラム/データサイエンス/プロダクトマネジメント/プロジェクトマネジメント/組織論など、日々の学びをスライドにします。
ソフトウェアエンジニアが QC検定3級で 品質について勉強してみた 2025/07/01 @shimitaka1982 清水 隆史
なぜ QC検定か?
経緯 スクラムフェス新潟2025で森崎先生の登壇発表*を 拝聴し、TQMや”品質”に興味を持った TQMや品質について書籍や資料をあたったところ、い わゆる「原典」と呼べるものが見当たらなかった 各企業のTQMは企業ごとにアレンジされていて、どこ が本流でどこが自己流なのかがよく分からなかった そこで、公式なものを探していたところ、QC検定に たどり着いた *『品質の原理・原則と研究事例 品質やQA活動をいつもと違う視点で考える』(森崎修司 名古屋大学大学院情報学研究科) https://speakerdeck.com/smorisaki/scrum-fest-niigata-2025-closing-keynote
経緯 それとは別に、自分はこれまで主にソフトウェア・シ ステムなどのIT分野におけるテスト手法については経験 的に学んできたものの、製造業や世間一般で言われて いる「品質」についてはあまり体系的に学んだことが 無かった QC検定のテキストは最も体系的によくまとまってい て、網羅的・汎用的になっているようにみえた
改めて QC検定とは 正式には品質管理検定(QC検定)という 品質管理に関する知識を どの程度持っているかを 客観的に評価するもの 企業で働く人の品質管理の 意識、能力、改善能力が 重要だとされている [出典]QC検定とは? https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_qc1/
QC検定のシラバス 品質管理検定レベル表(以降「レベル表」と表記) ✓https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4604.pdf ✓これを見ると、TQMに該当する 内容が出題されるようにみえる (本当にそうかは今の時点では よく分からない) ✓大人の事情があるようなので 掲載されているWebページを 紹介しておきます [出典]品質管理検定レベル表 https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_level/
なぜ “3級”か
「レベル表」による3級の内容 認定する知識と能力のレベル(抜粋) ✓QC 七つ道具の作り方・使い方をほぼ理解 ✓改善の進め方の支援・指導を受ければ,職場の問題をQC的問題解決 法により解決できる ✓品質管理の実践についても,知識としては理解しているレベル ✓基本的な管理・改善活動を必要に応じて支援を受けながら実施できる レベル 対象となる人物像 ✓業種・業態にかかわらず自分たちの職場の問題解決を行う全社員 ✓品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生 [出典]品質管理検定レベル表 https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_level/
受検概要 QC検定は年に2回(3月、9月)しかチャンスがない 1~2級は筆記試験 ✓例えば2025年秋季の場合は9月28日(日)と日程が決まっている 3~4級はCBT試験だが、年中いつでも受験できるわけ ではなく、各回の指定された期日のみ ✓例えば2025年秋季の場合は6月23日(月)~9月28日(日) ちなみにCBT試験の会場・日程は選択肢が多い。平 日・休日が選べる。
私のモチベーション 前述のようにTQMや品質に関して興味がある、という 経緯だったため、より高い級にチャレンジするモチ ベーションは特になかった 1~2級だと休日に特定の試験会場に受検に行かなけれ ばならないため、負担も大きい また、1~2級の例題を見たところ統計検定に近い印象 を受けた。より専門的なことを深く学ぶというよりも、 幅広く全般的に品質について学びたいというモチベー ションの方が高かった
つまりこういうこと QC検定3級の資格を取得したい QC検定のシラバスやテキストを基にして 品質全般について体系的に学びたい。 QC検定3級は自分の理解度を確認するため についでに受検する程度。
あらためて自己紹介 清水隆史(shimitaka) SIerで大規模システム開発の設計・開発・テスト・プロ ジェクトマネジメント等の業務に従事 現在は製造業にてアジャイル・ソフトウェア開発・サー ビスビジネス開発関連の業務に従事 宇宙開発の業界で綿密なテスト・試験を行った経験あり。 不具合報告書も年間300枚ぐらいは書いた。昼夜問わずテ ストをした(宇宙には昼も夜もないため)
参考とした 書籍紹介
参考書籍 最新QC検定 3級テキスト &問題集[第2版] QC検定3級 最短合格テキスト これ1冊で一発合格 QC検定® 3級演習問題集 https://amzn.asia/d/bxn9pwC https://amzn.asia/d/aDbazCu https://amzn.asia/d/8WfudOo
参考書籍 前頁の3書籍はいずれも分かりやすく問題も豊富 今回は”セカンドオピニオン”を重視したかったので、 テキストを2冊購入し、問題集も1冊購入した QC検定3級に関する基礎知識を身に付けるだけであれ ば『最新QC検定3級』か『最短合格テキスト』のよう にテキストメインの書籍を1冊持っていれば問題ないと 思われるが、できればもう1冊持っておいたほうが多様 な視点でダブルチェックできるためオススメ
例題と感想 (思ったことは吹き 出しで書きます) ※タイトルは「レベル表」 (シラバス)に合わせています
※先に注意 ここでは、QC検定3級の例題とその感想を挙げながら、 ちょっと違和感を覚えたり、ソフトウェア・システム の考え方とは違うなと感じたことを中心に取り上げて いきます 決してQC検定3級を批判したり文句を言ったりしたい わけではありませんので、その点はご理解ください このスライドを読んだ方が、QC検定3級に関心を持ち、 学びのモチベーションが向上し、日々の業務に何かし らのプラスになれば幸いです
品質の概念(例題) 製品やサービスを構成している品質は2つに分けるこ とができます。1つは[ 1 ]といって、本来その製品や サービスに必要な品質です。この品質が欠けるとク レームにつながります。もう1つは[ 2 ]といって、こ の品質が満たされるとお客様満足が高まります。 A.できばえの品質 B.魅力的品質 C.社会的品質 D.当たり前品質 E.ねらいの品質 F.顧客価値 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
品質の概念(解答) D.当たり前品質 B.魅力的品質 製品やサービスを構成している品質は2つに分けるこ とができます。1つは[ 1 ]といって、本来その製品や サービスに必要な品質です。この品質が欠けるとク レームにつながります。もう1つは[ 2 ]といって、こ の品質が満たされるとお客様満足が高まります。 A.できばえの品質 B.魅力的品質 C.社会的品質 D.当たり前品質 E.ねらいの品質 F.顧客価値 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
品質の概念(感想) D.当たり前品質 B.魅力的品質 製品やサービスを構成している品質は2つに分けるこ とができます。1つは[ 1 ]といって、本来その製品や サービスに必要な品質です。この品質が欠けるとク 狩野モデルはQC検定でも 出題されるぐらい レームにつながります。もう1つは[ 2 ]といって、こ スタンダードな考え方でソフトウェ アやシステムでも活用できそう の品質が満たされるとお客様満足が高まります。 A.できばえの品質 D.当たり前品質 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変 自分が扱っているプロダクト C.社会的品質 やサービス等において、どの ようなものが当たり前品質・ E.ねらいの品質魅力的品質にあたるのかは、 F.顧客価値 常に考えていきたい B.魅力的品質
QC的ものの見方・考え方(例題) お客様に選んでいただけるように、お客様指向で企 業・組織活動を行います。そのためには、企業・組織 の立場を優先した[ 1 ]の考え方ではなく、お客様か ら見た[ 2 ]の考え方を取り入れることが大切です。 A.価格第一 B.顧客満足 C.お客様は神様 D.プロダクトアウト E.品質第一 F.マーケットイン 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
QC的ものの見方・考え方(解答) D.プロダクトアウト お客様に選んでいただけるように、お客様指向で企 業・組織活動を行います。そのためには、企業・組織 の立場を優先した[ 1 ]の考え方ではなく、お客様か ら見た[ 2 ]の考え方を取り入れることが大切です。 F.マーケットイン A.価格第一 B.顧客満足 C.お客様は神様 D.プロダクトアウト E.品質第一 F.マーケットイン 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
QC的ものの見方・考え方(感想) D.プロダクトアウト お客様に選んでいただけるように、お客様指向で企 「お客様の立場に立つ」と 業・組織活動を行います。そのためには、企業・組織 一方で、現代のものづくりでは、 いうことがちゃんと謳われ 顧客目線を持ちながらも、自分 ているのは素晴らしい の立場を優先した[ 1 ]の考え方ではなく、お客様か がつくりたいものを熱意をもっ てつくるという考え方があって ら見た[ 2 ]の考え方を取り入れることが大切です。 も良いと思う F.マーケットイン それっぽい選択肢を選べば A.価格第一 (&消去法で)何となく正 解できる D.プロダクトアウト 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変 B.顧客満足 E.品質第一 C.お客様は神様 どちらが正解、という考え方は ちょっと違和感ある F.マーケットイン どちらの価値も認めつつ、より こちらに価値を置く、という考 え方が欲しい
QC7つ道具(例題) 結果と要因との関係を表した図を[ 1 ]といいます。 この図を作成するには、一般的には4Mで層別して、 大骨とします。 測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、その 区間に属するデータの数を集め、その度数を棒グラフで 表した図を[ 2 ]といいます。 A.パレート図 B.グラフ C.ヒストグラム D.特性要因図 E.管理図 F.散布図 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
QC7つ道具(解答) D.特性要因図 結果と要因との関係を表した図を[ 1 ]といいます。 この図を作成するには、一般的には4Mで層別して、 大骨とします。 測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、その 区間に属するデータの数を集め、その度数を棒グラフで 表した図を[ 2 ]といいます。C.ヒストグラム A.パレート図 B.グラフ C.ヒストグラム D.特性要因図 E.管理図 F.散布図 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
QC7つ道具(感想) D.特性要因図 結果と要因との関係を表した図を[ 1 ]といいます。 文章で説明されると この図を作成するには、一般的には4Mで層別して、 逆に難しいな… 大骨とします。 測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、その 区間に属するデータの数を集め、その度数を棒グラフで 本当に大切なのは 実際に業務で使えること 表した図を[ 2 ]といいます。C.ヒストグラム A.パレート図 B.グラフ D.特性要因図 E.管理図 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変 グラフや散布図など、全世界的に C.ヒストグラム 一般的に使わているもの「QC7つ 道具」として銘打つのはだいぶア F.散布図 グレッシブだなと感じた
品質保証:新製品開発(例題) 部品の故障モードからシステムへの影響を評価する手 法は[ 1 ]です。起こってはならぬ事象をトップ事象に 書き、影響するサブシステムや部品の故障状態を展開し ていく手法は、[ 2 ]です。 [ 3 ]は「設計審査」とも呼ばれ、計画および設計の段 階で、関係するメンバーが設計のできばえを審査します A.保証の網 B.営業・販売 C.FMEA D.FTA E.ETA F.デザインレビュー 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変
品質保証:新製品開発(解答) C.FMEA 部品の故障モードからシステムへの影響を評価する手 法は[ 1 ]です。起こってはならぬ事象をトップ事象に 書き、影響するサブシステムや部品の故障状態を展開し ていく手法は、[ 2 ]です。 D.FTA [ 3 ]は「設計審査」とも呼ばれ、計画および設計の段 階で、関係するメンバーが設計のできばえを審査します F.デザインレビュー A.保証の網 D.FTA 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変 B.営業・販売 C.FMEA E.ETA F.デザインレビュー
品質保証:新製品開発(感想) C.FMEA このあたりはまさにテストや 品質保証のプラクティスと いった感じ 部品の故障モードからシステムへの影響を評価する手 FMEAは設計段階で、FTA 法は[はテスト段階でよく使う 1 ]です。起こってはならぬ事象をトップ事象に イメージ 書き、影響するサブシステムや部品の故障状態を展開し ていく手法は、[ 2 ]です。 D.FTA [ 3 ]は「設計審査」とも呼ばれ、計画および設計の段 階で、関係するメンバーが設計のできばえを審査します F.デザインレビュー A.保証の網 D.FTA 『最新QC検定 3級テキスト&問題集[第2版]』より抜粋して一部改変 「できばえ」って言葉を B.営業・販売 C.FMEA よく使う E.ETA F.デザインレビュー
品質経営の要素:方針管理(例題) 「経営者層から作業者・事務員に至る全階層、そして 企画、設計、生産技術、品質保証、営業、人事、製造に 至る全部門が、全員参加で協力しながら品質管理を効率 的かつ効果的にすすめていこう」という考え方を[ 1 ] と呼ぶ。 A.TQM(Total Quality Management) B.品質マネジメントシステム 『QC検定3級 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変 C.経営基本方針
品質経営の要素:方針管理(解答) 「経営者層から作業者・事務員に至る全階層、そして 企画、設計、生産技術、品質保証、営業、人事、製造に 至る全部門が、全員参加で協力しながら品質管理を効率 的かつ効果的にすすめていこう」という考え方を[ 1 ] A.TQM(Total Quality Management) と呼ぶ。 A.TQM(Total Quality Management) B.品質マネジメントシステム 『QC検定3級 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変 C.経営基本方針
品質経営の要素:方針管理(感想) TQMは「すべての人・組織 経営者層に協力して もらうのいいね が協力しあおう」ぐらいの マインドの話しかしていな い、という理解 「経営者層から作業者・事務員に至る全階層、そして 企画、設計、生産技術、品質保証、営業、人事、製造に 「作業者・事務員」と いう言い方はあんまり 至る全部門が、全員参加で協力しながら品質管理を効率 好きじゃないな 的かつ効果的にすすめていこう」という考え方を[ 1 ] A.TQM(Total Quality Management) と呼ぶ。 全員参加することがなぜ効 率的か?ということにもう ちょっと触れて欲しいけど、 A.TQM(Total Quality Management) どこにも書いてなかった TQMに関する記載はこのぐらいで、 あまり詳しく記載が無い。 B.品質マネジメントシステム C.経営基本方針 PMBOKみたいに体系化されたもの 「とりあえず全員参加」 ではないことが分かった。 ではなく「○○という理 由で全員参加」としたい 『QC検定3級 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
品質経営の要素:方針管理(例題) 品質保証においては検査で品質を保証する[ 1 ]の保証 ではなく、デミング博士とジュラン博士らが紹介した、 最初から基準を満たすものを作る[ 2 ]による保証の考 え方が重要である。 『QC検定3級 A.プロセス B.QAネットワーク C.間接 D.合格判定個数 E.結果 F.不適合基準 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
品質経営の要素:方針管理(解答) E.結果 品質保証においては検査で品質を保証する[ 1 ]の保証 ではなく、デミング博士とジュラン博士らが紹介した、 最初から基準を満たすものを作る[ 2 ]による保証の考 A.プロセス え方が重要である。 『QC検定3級 A.プロセス B.QAネットワーク C.間接 D.合格判定個数 E.結果 F.不適合基準 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
たぶん「結果の保証」をやりよう がない、みたいなケースを想定し ている?(ラインで製造したお菓 子を全部食べるか?みたいな話) 品質経営の要素:方針管理(感想) ちゃんと結果の保証 はした方が良いのでは … E.結果 品質保証においては検査で品質を保証する[ 1 ]の保証 ではなく、デミング博士とジュラン博士らが紹介した、 最初から基準を満たすものを作る[ 2 ]による保証の考 プロセス保証(process validation)や「品質は工程で造 A.プロセス え方が重要である。 り込む」という考え方は大事だけ ど、プロセスがしっかりしてれば 製品は高い品質が保てている、と いう考え方は適用範囲が限られる と思う A.プロセス もしかしてプロセス至上主義は ここから来ているのかも?? B.QAネットワーク D.合格判定個数 E.結果 ここも、両方の価値(結果の保 証もプロセスの保証も)を認め たい。その上で、やはり結果の 保証を重視したい。 『QC検定3級 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変 C.間接 F.不適合基準
品質経営の要素:方針管理(例題) QCサークル活動の基本理念は、「人間の能力を発揮し、 無限の[ 1 ]を引き出す」、「[ 2 ]を尊重して、生き がいのある明るい職場をつくる」、「企業の[ 3 ]改 善・発展に寄与する。」の三つである。 『QC検定3級 A.体質 B.可能性 C.品質目標 D.汎用性 E.人間性 F.管理項目 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
品質経営の要素:方針管理(解答) QCサークル活動の基本理念は、「人間の能力を発揮し、 無限の[ 1 ]を引き出す」、「[ 2 ]を尊重して、生き がいのある明るい職場をつくる」、「企業の[ 3 ]改 A.体質 善・発展に寄与する。」の三つである。 E.人間性 B.可能性 『QC検定3級 A.体質 B.可能性 C.品質目標 D.汎用性 E.人間性 F.管理項目 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
品質経営の要素:方針管理(感想) 急にエモい話 になった感 QCサークル活動の基本理念は、「人間の能力を発揮し、 無限の[ 1 ]を引き出す」、「[ 2 ]を尊重して、生き がいのある明るい職場をつくる」、「企業の[ 3 ]改 製造業は人間を部品や機械 A.体質 善・発展に寄与する。」の三つである。 として見る文化があると E.人間性 B.可能性 思っていたので、人間性を 尊重するというのは良い意 味で意外だった A.体質 B.可能性 「企業の体質改善」がQC サークルの理念というの は初めて知った C.品質目標 D.汎用性 E.人間性 F.管理項目 体質改善していこうぜ! 『QC検定3級 最短合格テキスト』より抜粋して一部改変
ソフトウェア との関係性
ソフトウェア視点で全体的に見てみて ソフトウェア・システムでも役に立つ知見が多い ✓(例)魅力的品質と当たり前品質、パレート図や特性要因図など 一方で統計的方法の基礎・管理図・工程能力指数など の「品質管理の手法」分野は、ソフトウェア・システ ムだとあまり役に立つイメージが湧かなかった (モノの大量生産という概念がないので) ✓部品開発・消費財開発などn数がある程度多い状況では役立ちそう ソフトウェア・システムの開発は基本的に人間が源泉 なので、考え方が違うところも多そう
(参考)QC検定の「品質管理の手法」 No. 分野 例 ソフトウェア・システムでの応用(所感) 1 データの取り方・ま とめ方 母集団とサンプル、サンプリン グと誤差、相関係数 △あまり使用しない。データサイエンス分野 における統計は統計学として学んでおり、わ ざわざ品質の文脈でなくてよい 2 QC七つ道具 パレート図、特性要因図 ○パレート図は不具合が多いモジュールを特 定するのに使用、特性要因図は問題の根本原 因を特定するのに使用することがある 3 新QC七つ道具 親和図法、連関図法 △アローダイアグラムなどはプロジェクトマ ネジメントでも使用することがあるが、品質 の文脈ではない 4 統計的方法の基礎 正規分布、二項分布 △ソフトウェア品質の文脈では使わない 5 管理図 管理図、X-R管理図 ×管理図をつくることはない 6 工程能力指数 工程能力指数の計算 ×ソフトウェア開発では工程能力を算出する ことはほぼない(人が源泉なので) 7 相関分析 相関係数 △ソフトウェア品質の文脈では使わない
ソフトウェア視点で全体的に見てみて QC検定自体は「品質管理検定」という正式名称の通 り、特にハードウェアに限定したものとはしていない が、歴史的な経緯から明らかに製造業におけるハード ウェア製品のQCを前提に作られているようにみえる 例えば管理図や工程能力指数などはソフトウェア開発 の現場ではほぼ使用しない。そのため「この手法はこ の分野で使用することを想定する」などと使用範囲を 明記してもよいのではないかと感じた
ソフトウェア視点で全体的に見てみて 「品質は工程(プロセス)で造り込む」という考え方 に価値を置きつつも、出来上がった製品のできばえを みるということも大事なのだから、両方を評価するよ うな表現にすると良いのではないか(「製品の品質も 工程の品質もどちらにも価値をおく」みたいな) もしかしたら、「いいプロセスが出来ていればいい製 品が出来る」という暗黙の了解がありそうだが、ソフ トウェア視点で見れば疑問が多い(後述)。
(参考)ハードウェアとソフトウェアの 品質に対する前提の相違* ハードウェア ソフトウェア 源泉 主に人 (もちろんツールやOSSなどもあるが) 工程管理で確認 (製品やサービスをつくる源泉が「プロセ ス」であり、プロセスからの出力である製 品やサービスの特性のばらつきを低減し、 その状態を維持する活動が「工程管理」。 それをしっかりやろうと言っている) 品質保証の方法 アウトカムで確認 (アジャイルソフトウェア開発宣言では 「包括的なドキュメントよりも動くソフト ウェアにより価値をおく」とあるように、 スプリントレビューなどで「動くソフト ウェア」を確認したりする) ものが大量につくられる生産工程 (例:工場における部品の生産など) 品質保証の対象 一品もののソフトウェア製品やシステム (モノの大量生産、という概念がない) 4M(Man:人、Machine:機械、 Material:材料、Method:方法) いいプロセスが出来ればいい製品ができる 考え方 状況による *QC検定のテキストを見る限りでの感触をそれっぽくまとめたが、この整理には賛否あって良いと思うので、これをたたき台にディスカッション出来ると嬉しい。 そもそも、「ハードウェア」と「ソフトウェア」で分けるのが良いのかどうかも分からないし、比較項目ももっといろいろあって良いと思う。
(参考)ハードウェアとソフトウェアの 品質に対する前提の相違* [出典]アジャイルソフトウェア開発宣言 https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
まとめ (ソフトウェア視点で見たときの違和感を除けば) 概ねまともなことを言っており、品質に関する基本的 な知識はこれで身につくと思われる ✓会社の独自解釈もないので純粋に品質のことを学べる印象 ✓名前としては「QC検定」よりも「品質検定」の方がしっくりくる QC検定3級レベルのことはものづくりに携わる方は最 低限のリテラシとして身に付けておくとよさそう ✓別にQC検定3級の資格を取得することが目的ではなくてよい ✓ソフトウェアエンジニアも同様
まとめ 一方で、ハードウェア前提で作成されている(と思わ れる)QC検定は、ソフトウェアの考え方とはうまく整 合しない箇所があるように思われる よってソフトウェアエンジニアとしては、そのことを 前提に置いた上で敢えて学ぶか、いっそのこと手を付け なくても良いかもしれない(混乱する可能性もある) ソフトウェアとしての品質って何だろうか、は常に考 え続けていきたい
Thank you !!