自己組織化とはなにかを科学的に捉えて自ら動き出すチームの条件を3つ考えてみた

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July 07, 25

スライド概要

(生成AIによる要約)
本資料は、自己組織化の科学的背景とビジネスへの応用を解説し、自律的に動くチームを実現するための3条件(①開放系、②非平衡状態、③ポジティブ・フィードバック)を提示しています。VUCA時代における階層型組織の限界を踏まえ、変化に強いチームづくりのヒントを提供します。

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アジャイル/スクラム/データサイエンス/プロダクトマネジメント/プロジェクトマネジメント/組織論など、日々の学びをスライドにします。

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各ページのテキスト
1.

自己組織化とはなにかを科学的に 捉えて自ら動き出すチーム の条件を3つ考えてみた 2025/07/07 @shimitaka1982 清水 隆史

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本スライドを見ていただきたい方 自己組織化という言葉をたまに聞くが どういうことかいまいちよく分かっていない方 そもそも自己組織化とは何なのか? なぜその考え方が必要なのか? どのように身に付けていけばよいのか? 仕事にどのように生かしていけばよいのか?

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本スライドのアウトカム * 自己組織化とは何なのか(What)を理解できます なぜ(Why)自己組織化が大事なのかを理解できます どのように(How)自己組織化していけばよいのかが イメージできます 日々の仕事をよくするために今日から始められることを お持ち帰りいただけます *アウトカム(outcome):このスライドを読むことによってみなさんが得られるもののこと

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自己紹介 清水隆史(shimitaka) 専攻は宇宙物理学 専門はプロジェクトマネジメント 【資格】情報処理技術者試験プロジェクトマネージャ、 PMP®、CSP-SM、A-CSPO等 オンライン学習プラットフォーム「Udemy」講師 ✓【2025年最新版】PMP®はじめの一歩!国際的なプロジェクトマネジメン ト資格の学習項目や具体例を講義形式で徹底解説!

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What 自己組織化とは なにか?

6.

自己組織化とは? 生成AIに 聞いてみました! 自己組織化とは、外部からの指示や制御がなくても、 システムを構成する要素同士の相互作用によって、 秩序や構造が自律的に形成される現象です。 生物、化学、物理、社会など、様々な分野で見られます。 例 ✓生物:雪の結晶、細胞のネットワーク、ウイルスの殻など ✓化学:液晶、分子集合体、金属錯体など ✓社会:金融市場、交通渋滞、群衆行動など

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なるほど よく分からん

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自己組織化とは? もう少し よく読んでみよう! 自己組織化とは、外部からの指示や制御がなくても、 システムを構成する要素同士の相互作用によって、 秩序や構造が自律的に形成される現象です。 生物、化学、物理、社会など、様々な分野で見られます。 例 秩序が自律的に形成される、 というところがポイント ✓生物:雪の結晶、細胞のネットワーク、ウイルスの殻など のようだ ✓化学:液晶、分子集合体、金属錯体など ✓社会:金融市場、交通渋滞、群衆行動など

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イメージ 要素 キャーキャー! ワーワー! ピシッ! ・・・ ワーワー! キャーキャー! ・・・ いわゆるランダムな状態 なんか知らんけど 要素同士で 相互作用が起こる なんか知らんけど 秩序化・構造化される

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科学界でも出てくる 化学・生物学でよく出てくる ちなみに私の専攻である宇宙物 理学でも宇宙にある銀河はいわ ゆる”自己組織化”によって形成 される、という考え方があるら しい [出典]自己重力多体系での非線形現象と自己組織化 https://www.jstage.jst.go.jp/article/japannctam/61/0/61_0_44/_pdf

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ソフトウェア開発界でも出てくる 「アジャイル宣言の背後にある原則」には 「自己組織的なチーム」という用語が出てくる [出典]アジャイル宣言の背後にある原則 https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html

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(参考)エントロピーとの関係 熱力学第二法則(エントロピー*増大の法則) ✓孤立系のエントロピー*は増大する(より無秩序な)方向へと向かう ✓(例)放っておくと部屋の温度は一定になる 系は自然とどんどん揺らぎがない状態 (柔軟性や変化能力がない状態)へと向かう。 これを平衡状態(熱的死)という。 一見すると自己組織化と矛盾しているように見えるが、 熱力学第二法則の枠組みの中で局所的に秩序化を実現し ているのが自己組織化だともいえる *エントロピー:乱れている状態やカオス度を表す熱力学の概念

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ここまでのまとめ 「自己組織化」はもともとは科学用語 転じて、社会やビジネス(ソフトウェア開発界など) においても用いられるようになった 秩序や構造が自律的に形成される現象 自然界は放っておくとエントロピー増大の法則に則り 柔軟性や変化能力を失い平衡状態(熱的死)に向かう 自己組織化はある意味それに抗う現象

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Why なぜ自己組織化が 重要なのか?

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環境の変化 VUCAの時代 変化が激しく、不確実で、複雑 性が高く、曖昧な世の中 仕事においても情報量が加速度 的に増大している このような状態では今までのよ うな仕事のやり方・考え方では うまくいかない V 変動性 U 不確実性 C 複雑性 A 曖昧性

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階層型組織の限界 従来の階層型組織(ヒエラルキー)では、 トップの人間が情報を集約し、 経営 戦略を構築し、現場に展開してきた (その方が効率的だったから) だが現代は、情報が極めて増大・ 多様化し、戦略の構築と組織の 統制が極めて困難になった 管理職 一般職

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ここで出てくるのが 自己組織化

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自己組織型組織を目指すようになってきた 情報を組織全体で共有 現場が権限を持つ 情報・権限を 与える 自律的に動く 変化に素早く対応する これってつまり 自己組織化だよね 制御・指示が 無くても動ける

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素朴な疑問 自己組織化出来たら嬉しいのは分かったけど、 どうすれば自己組織化できるの?? そこが 知りたいのよ

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ここまでのまとめ VUCAの時代、階層型組織は限界を迎えつつある 情報を共有し現場が権限を持ち自律的に動くことで、 変化に素早く対応できる組織が出来る 世界をそれは自己組織化と呼ぶんだぜ

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How どうしたら 自己組織化 できるのか?

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散逸構造論から読み解いてみる 自然界(科学の世界)を考えてみよう イリヤ・プリゴジン氏の散逸構造論が参考になりそう (1977年にノーベル化学賞を受賞) 散逸構造 ✓エネルギーが散逸する過程で、自己組織化によって形成される定常的 な構造(例:雲や台風の発生) 散逸構造(≒自己組織化)が生じる3つの条件 ✓1.開放系であること ✓2.非平衡状態であること ✓3.ポジティブ・フィードバックが存在すること

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1.開放系であること 外部からエネルギーや物質の出入りがある状態 閉じられた系では、エントロピーが増大し、秩序が 失われるため、自己組織化は起こりにくい ビジネスシーンで 解釈すると 系 ✓オープンマインド ✓多様な人・チームと交流しよう ✓情報や人が入ってきやすい環境を整えよう

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(参考)知識創造理論 野中郁次郎先生の「知識創造理論」 でも、知識が生まれる「場」の条件 として 「場」の境界は開閉自在でつねに 動いていること が挙げられている [出典]知識創造企業(新装版) https://amzn.asia/d/goB45YG

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2.非平衡状態であること 外部からのエネルギーや物質の流入により、 系が平衡状態から離れている状態を指す 平衡状態では、熱力学的な安定性が高いため、自己組 織化は起こりにくい ビジネスシーンで 解釈すると ✓混乱や対立や変化を恐れないようにしよう ✓悪い意味で安定していないか?自問自答しよう ✓問いかけや対話により”ゆらぎ”を与えよう 系

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3.ポジティブ・フィードバック ある状態が変化する際に、その変化をさらに促進する 方向に働くフィードバックが存在すること これにより特定のパターンが形成されやすくなる ビジネスシーンで 解釈すると ✓他者からのフィードバックを大切にしよう ✓ふりかえりや内省をしよう ✓人・チーム・組織の変化を賞賛しよう 系

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自己組織化のジレンマ 冒頭のスライドを思い出してみる 「自己組織化をしよう!」と 外部からの指示や制御をすることは 自己組織化の考え方に反する つまり、誰から言われるわけでもなく、自己組織的に 自己組織化しなければならない これを自己組織化のジレンマと名付けたい(命名:私)

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そこで提案 自己組織化を 考えるな 感じろ

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自己組織化を体験してみる 自己組織化をやろうとしない 頭で考えすぎるより実際に体験するといい 自己組織化の現場に行ってみよう! ✓アジャイルなイベント・チーム ✓アーティストのライブイベント ✓コミケなどの同人誌即売会 ✓スポーツチームの応援席 自分なりの自己組織化の形を 模索してみよう!

30.

つまり Don’t just Do 自己組織化 Be 自己組織化 オマージュだよ

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まとめ 自己組織化とは秩序や構造が自律的に形成される現象 VUCAの時代は階層型組織から自己組織型組織への 転換が求められる 自ら動き出すチーム(自己組織化チーム)の秘訣は、 開放系・非平衡状態・ポジティブフィードバックの3つ。 オープンマインドで変化を恐れず賞賛しよう 身近なところから自己組織化を体験して日々の仕事に 活かしていこう

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最後に簡単な問い あなたのチームでは情報や権限は与えられていますか? あなたのチームでは人や情報の流動性はありますか? あなたのチームでは他者からのフィードバックを大切に できていますか? あなたのチームは平衡状態(熱的死・悪い意味での安定) に陥っていませんか? あなたのチームは自己組織化できていますか? *「チーム」を「会社」「組織」「グループ」「プロジェクト」などと置き替えても良い

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(参考)ケオディックパス ケオディックパス(Chaordic Path) ✓カオス(混沌)とオーダー(秩序)の間にある(chaos + order) ✓これからの組織はカオスとオーダーの間を行き来するケイオードな組織 でなければならない、という考え方 ✓予測不能な状況や変化に対応するための概念 カオス ケオディックパス Chaordic Path オーダー

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Thank You !!