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January 20, 25
スライド概要
大学院生向け集中講義のフューチャー・デザイン授業(プレゼント・デザインとパスト・デザイン)
脳の研究と教育をしています。『焚き火の脳科学』の著者。大学の必修科目の設計や全学教育マネジメント、合理的配慮申請システムの設計・開発にも携わっています。さらに「フューチャー・デザイン」を教育、人材育成、組織運営に導入する活動にも力を入れています。
大問題を解決しよう① 大学院基幹教育科目 1日目1~4限 集中講義 九州大学 基幹教育院 岡本 剛 (フューチャー・デザイン・コンソーシアム代表) ©岡本 剛 2024 大問題を解決しよう 本資料はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示-継承 4.0 国際(CC BY-SA 4.0)に従って利用が可能です。 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja
ガイダンス シラバスの確認
授業概要 ◍ 大問題への取り組み方を教えます ● 「異なる専門の学生がチームを作り、協働して問題解決を行う道筋を作る事」 に取り組みます。 ◎ 学生の専門分野をまたいで解決すべき「大問題」を発見 ◎ 問題解決の方法を選択および開発 ◎ 具体的な研究計画を立案 ◎ 計画書をまとめてプレゼンテーション ● 将来、研究チームを率いて研究したいと考えている大学院生を対象に、極めて実践 的な異分野連携のノウハウを叩き込みたいと考えています。 ◍ 履修条件 ● ノートPCを所有し、毎回必ずノートPCを持参すること。
全体の教育目標 大学院での基幹教育は、学部で培われた能力をさらに高いレベル に発展させるものです。大学院での専門教育・研究をはじめ、卒業 後の仕事にとって有用な、高度で汎用的な知識・技術・態度(「ハイ エンド・リテラシー」)を育成することが、大学院基幹教育の目的で す。単なる知識の伝達ではなく、具体的な問題に即して能動的に考 え、学んだことを自ら発展させる力を養います。
個別の教育目標 ◍ 異なる専門の学生による疑似共同研究チームをつくることができる。 ◍ そのチームで分野横断型の課題(大問題)を自ら発見できる。 ◍ そのチームで協働することにより、問題解決のための方法を選択ある いは開発することができる。 ◍ そのチームで、問題解決のために具体的な研究計画を立案すること ができる。 ◍ チームリーダーとなって研究計画をまとめ、チーム内外で発表・議論 ができる。
授業の進め方(1日目) ① ガイダンス、イントロダクション、アイスブレイク ② チーム&テーマ決め、研究手法の相互レクチャー ③ プレゼント・デザイン ④ パスト・デザイン+フューチャー・デザインの予告
授業の進め方(2日目) ⑤ フューチャー・デザイン(将来人になりきり、将来人 から現在人にリクエストをする) ⑥ これまでの活動をまとめた資料の作成(各自) ⑦ チーム内で発表・議論し、資料を修正 ⑧ 他のチームに出向いて発表・議論し、資料を完成
その他 ◍ テキスト・参考書 ● 特になし ◍ 学習相談 ● アポイントをとって岡本まで 授業時には岡本の連絡先を記載しています ◍ 受講者数 ● チーム研究的授業を実施するため、4~5名程度で1チーム以上を作る必要あり。 →今回は20名なので、5チーム作ります
成績評価 ◍ 授業への参画、授業態度、成果物の提出を通じて、 「個別の教育目標」に基づいて評価します。 ◍ ワークシートに書けと指示されているものは全て書き、Moodleの 所定の提出場所に必ず出しましょう! ◍ 筆記試験は行いません。
提出物などの確認 ◍ Moodleで配布している【授業ワークシート(提出用)】に必要な ことを書き込んで提出する形式を取ります ◍ 1日目(途中まで記入したもの)、2日目(完成版)にそれぞれ提 出してもらいます ◍ 配布資料 ● Moodleにて配布 ◍ 質問・相談 ● Moodleメッセージか授業時には岡本のメールアドレスを記載していますまで
ワークシートに書くべきものがあるスライド ◍ この色のスライドで示します ◍ まずワークシートをダウンロードしよう ◍ ①の所属・氏名・学生番号を書こう(□□□□を書き換える) ◍ 参考にした文献、ウェブページ、ChatGPTからの回答など があればその都度ワークシート㉑に書き加えよう
特別な配慮 ◍ 授業を受講するにあたって特別な配慮が必要な場合は、気軽に 相談すること ◍ 授業時には相談先を書いています
1日目1限 8:40~10:10 ガイダンス、イントロダクション、アイスブレイク
自己紹介の準備 以下の内容をワークシート②に書いて準備しよう (□□□□を書き換える) 1. 名前(よみかた)・呼び方 2. 出身(学部とか大学とか場所とか) 9:00まで きゅうしゅう まさる 九州 大 3. 好き・得意・興味 4. 所属 5. 専門分野 6. 一番気になるSDGsの目標 7. 取り組みたい「大問題」の候補(自分の興味や異分野展開) 8. グループワークで得意な役割 ふせんで名札も作ってね
授業時にはSDGsの画像を貼っています
岡本先生の自己紹介 9:10まで ① 名前・呼び方:岡本 剛(おかもとつよし)・岡本先生 ② 出身:慶應義塾大学&東京大学大学院 ③ 好き・得意・興味: ● 写真、ウイスキー、コーヒー焙煎とエアロプレス、ソロキャンプ(4年1ヶ月)、焚き火 ④ 所属 ● 基幹教育院、システム生命科学府、マス・フォア・イノベーション連係学府 ● 共創学部(科目担当教員)、未来デザイン学センター(部門長)、アジア・オセアニア研究教育機構 ⑤ 専門分野:脳神経科学、生体医工学、データサイエンスなど ⑥ 一番気になるSDGsの目標: 8「働きがいも経済成長も」(特に8-b) ● 2020年までに、若い人たちの仕事についての世界的な戦略をつくって実行する。 ⑦ どんな「大問題」を期待するか:異分野を巻き込む大問題を期待 ⑧ グループワーク型授業のうち得意な手法:フューチャー・デザイン
フューチャー・デザイン 未来志向で政策立案、未知の問題発見、 自身の行動変容を誘発するための思考法 ● 制度設計の専門家の西條辰義先生(現・京都先 端科学大・特任教授)が、2012年に着想。 ● ネイティブアメリカン・イロコイ連邦が「7 世代後 の人々の視点で今の意思決定」をしていたエピ ソードに影響を受けて設計。 ● 多くの実践・実験を積み重ね、手法をアップデー トし続けている。 ● 現在、アカデミア、財務省、地公体で拡大。 ● Think7に採択、ドイツG7に提案。 ● 2024年1月、経団連十倉会長が豊かさを実感 できる経済社会を作るキーワードとして提示。 ● 岡本は大学のフューチャー・デザイナーとして 財務省とワークショップ(2023.12@岡山県真庭市) を実施。ポータルサイト開設に向け協力中。 授業時には他にも 色々な画像を貼っています
フューチャー・デザインの標準手法 フューチャー・デザイン ⚫ 現在のしがらみを完全無視 ⚫ 将来人になりきって現在人にリクエスト 3 パスト・デザイン ⚫ 現在の出来事の要因を過去に求める ⚫ 過去人に感謝・要望 プレゼント・デザイン 2 1 過去 現在 将来
アイスブレイク 10:10まで 1人数分で簡単に自己紹介しましょう 1. 名前(よみかた)・呼び方 2. 出身(学部とか大学とか場所とか) 3. 好き・得意・興味 4. 所属 5. 専門分野 6. 一番気になるSDGsの目標(日本ユニセフ協会のウェブページ参照) 7. 取り組みたい「大問題」の候補 8. グループワークで得意な役割 ◍ 他の学生の自己紹介をメモしながら聞き、 チームを組みたい相手2人の情報をワークシート③に書こう ● 「気になるSDGs」が同じまたは関連性がある ● 所属や専門分野が自分とは異なる
一緒のチームになりたい人は 見つかりましたか? 気になるSDGsの目標が同じか関連していて できるだけ所属や専門分野が違う人が良い!! 2限の最初にチーム決めをします
1日目2限 10:30~12:00 チーム&テーマ決め、研究手法の相互レクチャー
疑似共同研究チーム結成 10:40まで ◍ 最初に、一番チームを組みたいと思った人のところに移動!! ◍ 次に、チームごとの人数調整をします ● 1チーム4~5人 ● できるだけ異なる分野が良い(大問題に発展する) ● チームが多すぎる場合は誰かが第2候補に移動 ● チームが少なすぎる場合はこちらで調整します
役割分担決めとメンバーリスト(4~5人) 10:50まで ◍ 自己紹介の「得意な役割」を踏まえて役割分担を決めよう ● ファシリテータ(1人) ◎ 司会進行と時間管理 ● 板書係(1人) ◎ 出てきたアイデアを率先してホワイトボードに書く ● 言い出し・盛り上げ係(1人) ◎ 求められたら常に最初に発言してグループワークのきっかけを提供 ◎ グループワーク全般を盛り上げる ● アイデア出し係(1~2人) ◎ 良いアイデアをどんどん出す ◍ チーム名(数字かアルファベット1文字なら何でも可)、 役割・メンバーのリスト、自分の仕事をワークシート④に書こう
共通の話題を見つけて自分たちの「大問題」を設定しよう ◍ 同じか関連のあるSDGsの項目で集まっているはず ◍ 自分とメンバの自己紹介の内容をふりかえり、もう少し具体的な 共通の話題を見つけよう ◍ ブレストとマインドマップ
ブレインストーミング とマインドマップ 11:20まで
ブレインストーミング(ブレスト) ◍ 集団でアイデアを出し合う 方法 ◍ 4原則 ● 判断・結論を出さない ● 自由な発想 ● 質より量を重視 ● アイデアを結合し発展させる ◍ 進め方 1. ファシリテータが司会進行 2. 言い出し係がとりあえず何か言う 3. アイデア出し係が出したり被せたり 4. 板書係がマインドマップの形で書いて いく(書く場所はみんなで検討) 5. 乗ってきたら誰でもどんどん意見を出 して広げていく
マインドマップ(1) ◍ ホワイトボードかホワイトボードシートを使おう ◍ 中心に「共通の話題」と書く ◍ 興味があることや「大問題」に発展しそうなことを書き出す ● 1枚1単語、1人3単語以上 ◍ 順番に説明しながら、関連性があるものを近い場所に置く ◍ 関連性の強さで並び替えて枝を書いていく ● 枝分かれの位置と長さに注意する
マインドマップ(2) ◍ 書きながらブレスト ● 新たな単語をどんどん追加していく ● 新たに発見した関連性を点線でつなぐ
マインドマップ(3) ◍ メインテーマを絞る ● 枝分かれが多い単語に注目し、共通の話題→大問題を考えていく
「大問題」の設定 11:20まで ◍ 共通の話題から「大問題」へ ◍ 社会的意義、個人的関心、学術的重要性などから、このチームで 解決すべき「大問題」を具体的に決めよう ◍ マインドマップに「大問題」の具体的な内容を追記し、各自写真 を撮ってワークシート⑤に貼り付けよう ◍ 参考文献があればその都度ワークシート㉑に書き加えていこう (以下同じ)
マインドマップの例
研究手法の 相互レクチャー 12:00まで
研究手法の相互レクチャー 12:00まで ◍ 分野によって研究手法は様々 ◍ 大先生になったつもりで自分の分野の研究手法をチーム全員に レクチャーしよう(1人5分程度) ◍ 何を話せば良いかわからなければ、今取り組んでいる研究につ いて、研究方法を中心に話せばOK ◍ 質疑応答を沢山行って、異分野の方法論を知ろう! ◍ 自分たちのチームの「大問題」解決に使えそうな手法を 各自ワークシート⑥に書き出そう ● チームで話し合ったり、研究手法について追加質問したりして各自書き出そう ● チームメンバで意見を完全に揃える必要はないが、揃えても構わない
1日目3限 13:00~14:30 プレゼント・デザイン
「大問題」の現状 13:30まで ◍ 現在の「大問題」 ● その「大問題」は、現在どのような状況で、なぜその解決に取り組むべきなのか? ◍ 現在の取り組みと改善点 ● その「大問題」を解決するために現在取り組まれていることは何があるのか? ● その取り組みで十分だと言えるのか?もっとやるべきことはないか? ◍ グループで話し合って書き出していこう ● ファシリテータが司会進行 ● まず5分間各自調べてから話し合うようにしても良い(ファシリテータにお任せ) ● 「大問題」の現状→現在の取り組み→改善点の流れで、重要なポイントを整理 ◍ 上の流れがわかる板書の写真を各自撮ってワークシート⑦に貼り付けよう
「大問題」解決のために自分たちが取るべきアクション 14:00まで ◍ 2限で共有したメンバの研究手法をふりかえろう ◍ 「大問題」の現状を打破するための、メンバの研究手法を活かし た取り組み(そのための調査も含む)を考えよう ◍ 「大問題」解決のために「2024年の私たちは、2050年の将来 を見据えて、どのようなアクションを実施すべきか」をまとめよう ◍ 将来を見据えて現在をデザインするという意味で「プレゼント・デ ザイン」と呼んでいます(通常の思考法) ◍ グループで話し合って板書し、写真を各自撮ってワークシート⑧ に貼り付けよう
ここまでの取り組みをクラス全体で発表しよう 14:30まで ◍ 発表内容 ● 「大問題」の具体的内容と動機(自分たちのチームはなぜその「大問題」にしたか) ● 「大問題」の現状と現在の取り組み ● 2050年の将来を見据えた自分たちのアクション ◍ 発表者は誰でも良い ● チームで話し合って決めよう ◍ 発表方法 ● その場で口頭で発表 ● 1チームにつき最長5分
1日目4限 14:50~16:20 パスト・デザイン
フューチャー・デザインの標準手法 フューチャー・デザイン ⚫ 現在のしがらみを完全無視 ⚫ 将来人になりきって現在人にリクエスト 3 パスト・デザイン ⚫ 現在の出来事の要因を過去に求める ⚫ 過去人に感謝・要望 プレゼント・デザイン 2 1 過去 現在 将来
将来人になりきることがなかなか難しい ◍ フューチャー・デザインの本番は次回 ◍ 将来人になりきるための準備をしましょう ●紙芝居動画 ●パスト・デザイン ●宿題
将来人になりきることがなかなか難しい ◍ フューチャー・デザインの本番は次回 ◍ 将来人になりきるための準備をしましょう ●紙芝居動画 ●パスト・デザイン ●宿題
紙芝居動画 (総合地球環境学研究所・中川プロジェクト)
動画の利用については 中川善典先生(上智大学・教授)まで お問い合わせください
将来人になりきることがなかなか難しい ◍ フューチャー・デザインの本番は次回 ◍ 将来人になりきるための準備をしましょう ●紙芝居 ●パスト・デザイン ●宿題
フューチャー・デザインの標準手法 46 フューチャー・デザイン ⚫ 現在のしがらみを完全無視 ⚫ 将来人になりきって現在人にリクエスト 3 パスト・デザイン ⚫ 現在の出来事の要因を過去に求める ⚫ 過去人に感謝・要望 プレゼント・デザイン 2 1 過去 現在 将来
パスト・デザイン 16:00まで
自分たちが設定した「大問題」のきっかけとなった過去の出来事 ①自分たちが設定した「大問題」のきっかけになった過去の出来事 (社会情勢、生活様式、世界的なイベントなど)とその時代(西暦 何年頃か)を調べてワークシート⑨に1人3つ以上書こう ● インターネットで調べる ● ChatGPTなどに聞く ● 「具体的な出来事(□□□□年頃)」の形で書く 15:15まで ②言い出し係から順番に説明しよう ③重要な出来事と時代を3つ以下に絞ろう ● 良い意見は板書係が書きとめる ● 3つ以下に絞った出来事を線で囲むなど強調 15:30まで
現在人から過去人へのリクエスト ①現在の「大問題」を生じさせないために、西暦何年頃の、どういう 人々に、何をしてもらうかを話し合おう ● 〇〇〇〇年頃の△△の人たち(国際組織、国、省庁、企業、市民など)が□□□を してくれていれば「大問題」は生じていないという形で、言い出し係から提案 ● グループで色々な意見を出そう(そのリクエストは本当に有効かどうかなど) ● 良い意見は板書係が書きとめる ● 現在の問題解決のために過去をデザインする=パスト・デザイン ②重要なリクエストを1つに絞ろう→この後全体発表 15:45まで ● 1つに絞った出来事が何かわかるように線で囲む ● 板書の写真を各自撮ってワークシート⑩に貼り付けよう 16:00まで
パスト・デザインをクラス全体で発表しよう 16:10まで ◍ 発表内容 ● チームで設定した「大問題」と、そのきっかけとなった過去の出来事 ● 「大問題」を生じさせないために、過去のいつ、誰に、何をリクエストするのか ◍ 発表者は誰でも良い ● チームで話し合って決めよう ◍ 発表方法 ● その場で口頭で発表 ● 1チームにつき最長2分
将来人になりきることがなかなか難しい ◍ フューチャー・デザインの本番は次回 ◍ 将来人になりきるための準備をしましょう ●紙芝居動画 ●パスト・デザイン ●宿題
提出物と宿題 ◍ Moodleの「1日目のワークシート」に ワークシートを提出してください ◍ 次回まで、常に2050年の世の中を 想像しながら生活してください
岡本へのコンタクト 授業に関する質問や相談などは Moodleメッセージかメールで 授業時には岡本のメールアドレスを書いています