実践!ユーザーインタビューが デザイン改善に繋がるまで

2.4K Views

March 06, 24

スライド概要

開発チームが直面した課題を、ユーザーインタビューを通じてどのように解決しているかを紹介。少ないコストで大きな洞察を得る方法と、その成果をデザイン改善に活かすプロセスをお話しします。

profile-image

以前は家電メーカーでハードウェアデザイナーとして携帯電話のデザイン業務に従事。仕事の中でUIとソフトウェアの面白さに惹かれ、退職後に慶応義塾大学大学院の政策・メディア研究科にて修士号を取得。その後iOSアプリの開発業務を経て、現在はHelpfeelにてWebサービスのUI/UX周りを開発しています。ビジュアルワークとコーディングの両側面から質の高いプロダクトの実現を目指してます。趣味は外遊び。登山やハイキングが大好きです。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

Helpfeel 実践!ユーザーインタビューが デザイン改善に繋がるまで 2024.03.04 Helpfeel Tech Hour vol .4 takeru | @mountainboooy

2.

About me Helpfeel takeru | @mountainboooy 株式会社Helpfeel デザイナー ・主にGyazoのプロダクトデザインを担当 ・デザイナータイプは成果追求型 ・調査からスタイリング、実装まで柔軟にやってます

3.

今日の話 Helpfeel Gyazoチームのユーザーインタビューの話 ・定期的なユーザーインタビューを実施している ・最近になってデザイン改善に繋がる効果を実感し始めた ・実例を交えて紹介してみる 少ないコストで大きな洞察を得る方法と、その成果をデザイン改善に活かすプロセスを お話しします。

4.

なぜやるのか

5.

About Gyazo Gyazoについて Helpfeel 情報を知識にする メディアキャプチャー スクリーンショットやウェブ、写真などあらゆるメディアをキャプチャーして、それらすべて のデータから素早く探し出せるツールです。情報は、撮影元のメタデータとタグを元に関連付 けられ、自分の知識として活用していくことができます。 Gyazo 世界トップシェアを誇る スクリーンショット共有ツール 海外売上 80%以上 20,000,000 毎月2~3000万枚 アップロード 転送量 500TB~1PB 2009 2011 2012 2015 2023 一ヶ月間の画像アップロード数

6.

なぜやるのか Helpfeel Gyazoチームの構成 yuiseki (PdM, エンジニア) nishiyama (PM, エンジニア) hiroshi (エンジニア) pastak (エンジニア) nona (エンジニア) fyuko (カスタマーサポート) takeru (デザイナー) ほとんどが作り手 手を動かしてものを作ることが大好き

7.

なぜやるのか Helpfeel 自由な開発文化 ・経営上の問題や課題は共有される ・その上で、施策やアイデアはボトムアップで出てくる ・自分が使うツールに直接貢献できる楽しさ 一方でこんな課題が ・主観的なアイデアや意見が多い ・自分が欲しいもの、良いと思えるもの(これはこれで大事) ・評価の軸が共有できていないことが課題 ビルドトラップに陥る!

8.

なぜやるのか Helpfeel メンバーの視点を合わせたい ・事実の共有 ・一次情報に勝る説得力はない 事件はコード上で起きていない ユーザーの現場で起きている!

9.

準備

10.

準備 Helpfeel 方針:小さく始める ・我々はリサーチの専門家ではない ・コストも割けない ・そもそもインタビューの価値を実感できていない ・負担をかけないスモールスタート Gyazo独自の環境を徹底的に利用する

11.

準備 Helpfeel 環境①:ノリのいい海外ユーザー ・Gyazoの8割は海外ユーザー ・サービスに貢献したい気持ちが強い人が多い ・メールでインタビューを募集 ・報酬としてamazonのギフト券を渡す ・スクリーニングも簡単 COUNTRY USERS United States 357K Japan 224K United Kingdom 76K Germany 65K Spain 55K Russia 52K Canada 51K 海外売上 80%以上

12.

準備 Helpfeel 環境②:ドッグフーディング文化 ドッグフーディング: 自社製品を使い倒すこと。「自分の犬の餌は自分で食べるべき」 という意味を持つ英語のフレーズ "eating your own dog food" か ら来てるらしい。 ・ほとんどの社員がGyazoを使い倒している ・社内のアップロード状況を把握できる ・利用頻度を元にスクリーニング

13.

準備 Helpfeel インタビューの構造 ・構造化インタビュー :固定された質問形式。定量的な結果につながる。 ・半構造化インタビュー :大まかな質問のみを設定。状況に応じて深掘りする。 ・非構造化インタビュー :自由に話してもらう形式。全く新しいトピックやアイデアにつながる。 半構造化インタビューを採用 ・ユーザーの感情や本心をを感じ取りたい(深掘りしたい) ・明確なリサーチクエスチョンを用意していた(過度な脱線は防ぎたい)

14.

当日

15.

当日 Helpfeel 参加メンバー ・PdM ・エンジニア ・デザイナー ・必ず意思決定できる人を含める ・4人以上は威圧感を感じる ・録画して参照できるように

16.

当日 Helpfeel ・20分ほど時間をとって振り返り ・400字程度でサマリーを作成 目的 ・複数の視点からインサイトを出し尽くす ・その場で記憶に残す ・後で参照しやすい資料としてまとめる 注意点:整理に凝らない ・すぐに利用できる状態にする(つまり覚える・印象付ける) ・アイデアの材料として昇華しておく ・後の議論や提案時に「こんなことがあったな」と繋がる ・あくまで材料の下ごしらえという認識 Gyazo in-house user interview 2022-11-14 ・Gyazoの開発者。macを使い、リモートワークで作業している。同僚にスクリーンショットを共 有するためにGyazoを使っている。検索機能は利用しない。スクリーンショットは同僚への共有 に加え、自分に対する「作業の証拠」としての役割も大きい。例としてmongoDBの設定を変更し た内容を撮影した時の話。「やることではなくここまでやったことが明確に分かるように」と発 言している。 Gyazo in-house user interview 2022-11-15 ・Webサービスのバックエンドエンジニア。オンラインコミュニケーションをよくしている。大き く二つの目的でGyazoを使っている。面白いと思ったことを共有するためと、自分の行動を記録 するため。Tumblrの有料機能やサイコロきっぷの締切などを友人に伝えるためにスクリーンショ ットしていた。航空券の予約完了などもスクリーンショットで保存していた。「いいね」のよう に、友人や同僚など、すでに知っている人たちから反応を得ることが動機になっているようだっ た。テキストだけでも気持ちは共有できるが、画像によって何が起きているかを、根拠と共にリ アルに伝えられる。 Gyazo in-house user interview 2022-11-15 b ・リモートで働くフロントエンドのエンジニア。ソーシャルメディアとウェブの経験が豊富で す。コミュニティと仕事の関係を大切にし、他人の時間を節約するためにGyazoを利用していま す。インタラクティブなUIの状況を共有するには、ビデオキャプチャが特に便利です。GIFは解像 度が低く、フレームレートも低いので、GitHubにmp4をダウンロードしてアップロードするため に余分なステップを踏まなければならなかったそうです。後で保存するために、確認の意味で画 像をキャプチャすることもあります。それでも、主なケースは、他の人が見るのに貴重な、ある いは有用な、実際に起きたことを共有することのようです。 Gyazo in-house user interview 2022-11-22 ・仕事でマーケティングとマネジメント、新規メンバー採用を担当している。メンバーに業務指示 を出したり、イベントやミーティングに関してレビューやフィードバックをするのに、毎日のよう にGyazoを利用している。直近では、カレンダーの予定について本当に参加が必要かを確認す

17.

当日 Helpfeel ・定量的な裏どり ・Google AnalyticsやMixpanelを利用 ・インサイトに確信がもてるし、説得力も増す ・提案につなげる際は定性・定量結果の2点を引用する

18.

成果

19.

成果 Helpfeel 知らない・気づいていないの発見 実際の例 ・Gyazoの無料撮影枠は7秒まで ・有料プランの長時間録画機能に気づいていない ・録画時間を伸ばしたくて設定画面を開く人がいた ・(項目がないので諦めていた)

20.

成果 Helpfeel 改善1: ・設定画面に録画時間の項目を追加 ・長時間の設定アクションに対しては有料プランに案内 ・撮影時間を指定できるという点で利便性UP ・長時間録画したいユーザー向けに新たな課金動線が確立 ・有料プランの購入に繋がっている

21.

成果 Helpfeel 改善2: ・上限まで録画したユーザーには有料プランの存在を通知 ・求める機能に気づいてもらえる ・全体の有料プランの購入数が15%UP 知らない・気づいていないは誰もが理解できる 客観的な事実!チームの誰もが納得できる!!

22.

成果 Helpfeel 根底にある価値観を実感できる ・なぜを突き詰める ・その人が大切にしているものを感じとる Gyazoの場合 ・正確に伝えたい ・必ず理解してほしい ・相手に負担をかけたくない ・ちゃんと受け取ってほしい ・行動に移してほしい ・時間をかけたくない ・簡単に伝えたい ・素早く伝えたい ・& etc... 議論が噛み合う ・施策やアイデアの優先度がつけやすい ・評価軸を共有できる あの時のインタビューで〇〇な問題を考慮する と、こっちの案ですよね

23.

失敗と課題

24.

失敗と課題 Helpfeel 質問者のバイアスをいかに防ぐか ・仮説を持ってインタビューに臨むと無意識に誘導してしまう まとめて実施しすぎた ・ひと月に10人以上実施したこともあった ・参加者の負担が大きいし、結果が頭に残らない ・月1~2回で習慣化するのが良い 過去のインタビューの参照方法 ・似たような結果をまとめたい ・曖昧な記憶からたどりたい ・「誰かがインタビューでこういうこと言ってたな」から即座に検索したい

25.

まとめ

26.

まとめ Helpfeel ・ユーザーインタビューは開発チームの視点を合わせるのに有効 な手段である。 ・議論のすれ違いを避け、効率的な開発に繋がった。 ・一方で質問のスキル、結果の長期的な管理等の点において課題 が残っている。

27.

Helpfeel Thank you! ご清聴ありがとうございます