組織や職場の変革はなぜ進まないのか?

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May 25, 25

スライド概要

2025年5月25日 JPAUG広島の「Power Appsで市民開発したいけぇ#3」で登壇した際のスライドです。
https://jpaug-hiroshima.connpass.com/event/352953/

Power Appsの技術話ではないのですが、社内への導入を進めていこうとしていたり、使ってもらおうとする文脈において、必ずといっていいほどブチ当たる「壁」について、いくつかの体系化された理論と紐づけてまとめています。
職場や業務を変化させることは一朝一夕には進みませんが、理論を知っておくことで少しでも心理的負担を減らせれば…と思っています。

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組込み屋生まれSIer育ちの営業マン(本業)。 Microsoft 365の提案・構築・運用・教育もやる自宅独学系無免許SE(趣味)。保有資格はMS-900/MS-700/PL-900/PL-100/情報セキュリティマネジメント。 ホップバシバシ系のペールエールビールが大好物。 HIT広島観光大使。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

組織変革におけるナラティブアプローチ Vol.2 組織や職場の変革はなぜ進まないのか? 宮川 裕穂 2025年5月25日

2.

はじめに • Power Appsの開発話ではありません • Power Apps や Microsoft 365 などなど、新しい仕組みの導入、仕事の変革に 携わるなかで、何らかの「壁」にブチ当たっているんじゃないでしょうか • その「壁」の正体はなんなのか。壁を崩す、壊す、無くすための方法をいろいろ まとめてみたかったけどあんままとまってない Miyakawa Yuho

3.

こんなことを感じている人もいるかもしれません • 「なんでわかってくれないんだ」 • 「こんなにいいことをやろうとしているのに」 • 「あいつさえいなくなれば…」 それは私… Miyakawa Yuho

4.

組織とは人と人の関係性そのものです • 「組織」には”実態“はあっても”実体”がありません • 会社の建物があっても、それは組織ではありません • 就業規則があってもそれは組織ではありません • 組織図があっても、職務分掌があっても、それは組織の実体ではありません • 「組織」は、人と人との関係性で作られた、実体のないものです • 「社長が」 「部長が」 「上司が」… それって、作りもの、まがいものかも? • 「部長」という人間は実在せず、そこには ○○ ○○さんがいるだけです • そこには、○○ ○○さんと自分との間の関係性があるだけです Miyakawa Yuho ※○○ ○○のところには、実在の方の名前を入れて、想像してみてください。

5.

人の人との関係性をどーにかせんとどーにもならん • 人と人とは、元来、わかり合えない • それはそう。だけど、多少なりともわかりあう方法はある。 • 知識の伝承の仕組み • 「引き継ぎ書」で業務が引き継げないのはなぜなんだぜ? • 目的と目的と目的 • 目的なき仕事は存在しない(存在しないとは、言っていない) • 私はどう生きるのか? • 絶対にブレない軸を見つけよう Miyakawa Yuho

6.

人と人とはわかりあえない だけど一部でも、多少なりともわかりあう方法はある Miyakawa Yuho

7.

人それぞれに、モノごとを解釈する枠組みがある 経験 知識と知恵 ナラティブの構成要素 Miyakawa Yuho 人生観 人間関係 所属と立場 課された仕事

8.

人を見るときに、その人のナラティブもよく観よう 経験 Miyakawa Yuho 知識と知恵 人生観 人間関係 所属と立場 課されてる仕事

9.

知識はどうやって人から人に伝わるのか? 「引き継ぎ書」で仕事が引き継げない理由 Miyakawa Yuho

10.

知識には、3つの形態がある 暗黙知 形式知 実践知 うまく言葉にはできない 言葉や図を使って表さ やってみることで初めて けど、感覚的にわかって れる知識 得られる知識 いる知識 本能 ひらめき Qiita SharePoint 勘 潜在能力 本 ダッシュボード Miyakawa Yuho ハンズオン 逸般の誤家庭 検証

11.

人から人への知識伝達で生じるロス 暗黙知 > 形式知 うまく言葉にはできない 言葉や図を使って表さ けど、感覚的にわかって れる知識 いる知識 • 形式知に変換する際に暗黙知はいくらかが欠落する • 受け取る人のナラティブの違いにより暗黙知はさらに欠落する • 文脈を示したり、共感を得ながらしぶとく伝えることで、伝達量は増える Miyakawa Yuho

12.

(SECIモデル) 知識を伝達し、新たな知識を創造するサイクル 暗黙知 表出化 共感 概念化 内面化 連結化 具現化 体系化 形式知 共同化 形式知 Miyakawa Yuho 暗黙知 形式知 暗黙知 暗黙知 形式知 出典:ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル

13.

目的と目的と目的 目的なき仕事をやってはいけない理由 Miyakawa Yuho

14.

Power Appsを導入するのはなんのためなの? • 個人の技術的満足のため • 会社の中のサイロ化したデータをナレッジとして共有化するため などなど… Miyakawa Yuho

15.

(目的) 会社のミッションの達成を通じて社会に貢献するため 手段 なんでや? 知識創造によって会社のミッションを達成するため 手段 なんでや? 業務効率を高めて知識創造にリソースを回すため なんでや? 全社の業務効率を高めるため なんでや? 部門の業務効率を高めるため 手段 手段 手段 なんでや? 自分の業務効率を高めるため なんでや? Miyakawa Yuho 手段 Power Appsを導入するのはなんのため?

16.

私はどう生きるのか? 絶対にブレない軸は何なのか? Miyakawa Yuho

17.

Miyakawa Yuho Automate any task with Computer-Usin g A gents (CUA) in Copilo t Studio | DEM521

18.

世のため人のため、お役に立てれば、それでヨシ • 最高に利他的であり、最高に利己的であろう • 真に人の役に立とう • 自分を一人の人として認め、相手も一人の人間として認めよう • 常に学び続け、常に多視点でモノ・コトを見て、矛盾を受け入れよう • 生きる上での不快を減らし、快を増やし、快を伝播し、拡めていこう Miyakawa Yuho

19.

テクノロジーはあくまでも人生を豊かにする手段。 決して振り回されることなく、精進してまいりましょう。 Miyakawa Yuho

20.

参考文献 • 他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 • 宇田川 元一 (著) • ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル • 野中 郁次郎 (著), 竹内 弘高 (著), 黒輪 篤嗣 (翻訳) • 目的ドリブンの思考法 • 望月 安迪 (著) Miyakawa Yuho