猜疑性/妄想性パーソナリティ障害 人を疑わずにいられない人たち

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March 04, 22

スライド概要

猜疑性パーソナリティ障害、妄想性パーソナリティ障害についてYouTubeで解説するのに使用した資料です。レクチャーでの使用OKです。

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精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。

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各ページのテキスト
1.

猜疑性パーソナリティ障害 妄想性パーソナリティ障害

2.

大まかな特徴は2つ 悪意 •他者の動機を「悪意 がある」と解釈 不信 疑い •不信と疑い深さ

3.

もともとの概念である パラノイド人格として •情緒興奮性 興奮 •好訴性 好訴 が指摘されていた

4.

DSM-5では 7 7つの症状 が挙げられている

5.

十分な根拠もないのに 「利用される」「危害を加えられる」「騙される」と 他者を疑う 疑

6.

友人 友人やや仲間 仲間の誠実さや信頼を 不当に疑い、それに心を奪われている

7.

情報が 悪く利用されると 根拠なく恐れ 秘密を 自分の 喋らない

8.

悪意のない言葉や出来事に け 脅 自分をけなす/脅す意味 が 隠されてると読 読む

9.

恨み をいだきつづける 「侮辱・軽蔑された!」 「傷つけられた!」 と思いこみ 許そうとしない

10.

自分の性格や評判に対して 他者にはわからないような 感 攻撃を感じ すぐ怒って反応・逆襲する

11.

妻/夫や性的伴侶の 貞節への 繰り返し道理に合わない 疑念

12.

DSM-5では 7つの症状の 4つ以上=半分以上

13.

統合失調症のみかた 治療のすすめかた 第2版準備中

14.

パーソナリティ障害 A群 猜疑性、シゾイド、統合失調型 猜疑性 B群 反社会性、境界性、自己愛性、演技性 C群 回避性、依存性、強迫性 DSM-5

15.

成人期早期 までに始まる

16.

有病率 2.3% 4.4% DSM-5

17.

男に多い

18.

統合失調症の 親族の方が多い 妄想性障害(被害型)と家族とも関係がある DSM-5

19.

どう治療?

20.

不信感を減じるため 患者を尊重し 侵害的にならない ようにする 林直樹, 妄想性 パーソナリティ障害, 精神科治療学, 第25巻増刊号 222-3, 2010

21.

患者と治療者による 問題意識の共有が重要 患者が抑うつ症状、不適応、対人関係のトラ ブルを苦痛と感じていることを受け止める 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

22.

患者の特性に注目 類似の問題が 複数の生活領域で 繰り返されていることに 注意を促す 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

23.

「癖」のようなものから 繰り返し問題が起きて 本人の負担になっている ことを説明 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

24.

医療者は 患者の主張の真偽を 判断する立場にない ことを繰り返し確認 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

25.

周りの人との間に それほど大きな 意見の相違があったら ひどいトラブルになるのは 避けられませんね 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

26.

過剰に活動することを避けて 療養することを促す 問題を冷静に捉えなおすために有用 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

27.

社会での コミュニケーション の取り方につき検討 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

28.

行き過ぎを 回避する方法を 話しあう 中込翔 林直樹, 妄想性 (猜疑性) パーソナリティ障害, 臨床精神医学 (増刊): 493-497, 2016

29.

自らの至らなさを 認める率直さが必要 治療者の振る舞いの小さな暇疵(かし)でも 患者の不信感の源となる 林直樹, 妄想性 パーソナリティ障害, 精神科治療学, 第25巻増刊号 222-3, 2010

30.

不用意に気持ちのあり方や 性のテーマといった個人的な 領域に深く踏み込まない 林直樹, 妄想性 パーソナリティ障害, 精神科治療学, 第25巻増刊号 222-3, 2010

31.

治療者の共感やあたたか さを感じると、かえって葛 藤や混乱が強まりうる 林直樹, 妄想性 パーソナリティ障害, 精神科治療学, 第25巻増刊号 222-3, 2010

32.

自己評価、自己有効感 を高めることが協力的治療 関係の形成に重要 自己評価が低いと猜疑心,傷つけられる恐れ, コントロールされる恐れなどが強まりやすい 林直樹, 妄想性 パーソナリティ障害, 精神科治療学, 第25巻増刊号 222-3, 2010

33.

抗精神病薬が 有効な傾向とする 小さな報告はある Birkeland, Int Clin Psychopharmaco. 2013 PMID:23820335 しかし、不信感が強く服薬の 開始・継続がしばしば困難