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December 18, 21
スライド概要
摂食障害の代表格である神経性やせ症(いわゆる拒食症)の基本事項につき精神科医としてYouTubeや講義で解説した際の資料です。講義での使用OKです
精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。
拒食症 神経性食欲不振症 神経性無食欲症 神経性やせ症 Anorexia Nervosa
神経性やせ症 A 低体重 B 体重の拒絶 拒食、肥満恐怖・痩せ願望 C 認知の歪み 身体像障害、痩せの深刻さの否認 自己評価が体重・体型に過剰に左右される
神経性やせ症 「じゅう・きょ・にん」 •低体重 •拒食・肥満恐怖 •認知の変化
精神診療 プラチナ マニュアル
やせ 願望
頻繁に 体重測定 しては一喜一憂
普通はダイエットして ある程度で満足し 維持できないことも多い
痩せる過程で さらに痩せに とらわれるのが 神経性やせ症
食べ物の カロリー表記を 気にする
肥満恐怖 拒食
食行動の異常
食べる量が 少ない
偏った食事
調理方法や 盛り付けに口出し
食べ方の異常 細かく刻んだり 奇妙な味付けをしたり 噛む回数が多かったり やたら時間がかかったり 順番にこだわったり
身体像障害 ボディイメージの障害
肥満恐怖 やせ願望 低体重
精神診療 プラチナ マニュアル
神経性食欲不振症 神経性無食欲症 食欲がない?
食べ物に関する思考に とらわれている 食食 食 食食食食 食食 食食食 食 食 食 食
口に入れて 噛んで味わって 吐き出す人も
YouTubeなどで 沢山食べるのを 見たがる人も多い
家族等に 沢山食べさせたがる
食への関心は 強いのに 食べるのが怖い
精神診療 プラチナ マニュアル
約半数に 過活動
過食が伴うことが多い
カロリーを出そうと 排出行動に およぶ人もいる
精神診療 プラチナ マニュアル
思春期~青年期 の発症が一般的
ダイエットが 引き金を引く
家族との関係に問題? その妥当性は十分にわかっていない 親を悪者のように扱う弊害 家族療法が 有用なこともある
成熟拒否 が影響している例も
コントロール できるものにすがった結果の例も
ドパミン神経系 セロトニン神経系 の機能異常が指摘されているが 神経伝達物質については 十分にわかっていない
精神診療 プラチナ マニュアル
50% 軽快 30% 改善 20% 慢性化 Fisher. Adolesc Med. 2003 PMID 12529198
治療薬は ない
① 体重の 回復 精神的 改善 ②
やせ願望や肥満恐怖がありながら 食事を摂り 体重を回復させること こそ治療
体重計 乗るのは週1~2回
体重がまだ そこまで減ってなければ カウンセリングで 治療されることもある
食事が困難で 入院することも多い 身体的拘束での経鼻胃管 が必要になることも
重度の神経性やせ症への 筑波大学でのプログラム 600kcal/日で開始し、200kcal/日ずつ増量し、一週間で1200kcal/日まで増量 リフィーディング症候群に注意して血液検査を繰り返し、リンが減ったらリン補充 週1kgの体重増加が得られるように200kcal/日ずつ食事を増量 30分間で食べられなければ経鼻胃管で2週間 BMI 16まで回復させて退院
最初は「そんなに食べたら体重が増え ちゃう!」と恐れ 終盤は「こんなに食べても思うように体 重が増えないよ~」とじれったくなる