ベンゾジアゼピンと転倒リスク

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February 01, 22

スライド概要

睡眠薬や抗不安薬のベンゾジアゼピンの使用に伴う転倒のリスクについて講義やYouTubeで解説するのに使用した資料です。講義などでの使用OKです。

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精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。

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関連スライド

各ページのテキスト
2.

ベンゾと 転倒・骨折 のリスク

3.

抗不安薬や睡眠薬 その多くが ベンゾジアゼピン 受容体作動薬

4.

~ゾラム、~ゼパム はたいてい ベンゾジアゼピン

5.

ベンゾジアゼピン •認知機能低下→ミスが増 •筋弛緩→ふらつき •長時間型で持ち越し→翌日 日中の問題 •短時間型で中途覚醒時→ 夜間覚醒時の問題

6.

57の報告 Z系を含むベンゾジアゼピンで バランスが悪くなる 薬の量と相関して悪化 高齢者の方が影響が大 Mets et al., Sleep Med Rev. 2010 PMID: 20171127

7.

臀部骨折リスクは 睡眠薬で1.2倍 Bakken et al., Eur J Clin Pharmacol. 2014 PMID: 24810612

8.

睡眠薬で骨折リスクは 老年でも非老年でも 1.39倍 Hwang et al., Int J Clin Pharmacol Ther. 2015 PMID: 25492849

9.

転倒リスクは ベンゾジアゼピン使用で 1.6倍 短時間作用型でも1.5倍 複数の使用で2.5倍 Herings et al., Arch Intern Med. 1995 the elderly. PMID: 7654115

10.

ベンゾジアゼピン受容体 ω1 眠気 小脳、大脳 ω2 ω3 不安・緊張の緩和 筋弛緩作用 脊髄、海馬、 線条体 腎臓、肝臓

11.

ω2受容体への作用が少ない 非ベンゾジアゼピンの Z系 :ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン マイスリー® アモバン® なら ルネスタ® 大丈夫?

12.

持ち越し効果の少ない 短時間作用型の Z系 :ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン マイスリー® アモバン® なら ルネスタ® 大丈夫?

13.

ゾルピデムで 怪我のリスクが 1.89倍 Chung et al., PLoS One. 2013 PMID: 23826304

14.

Z系睡眠薬で 骨折が1.65倍 Treves et al., Age Ageing. 2018 PMID: 29077902

15.

ベンゾでもZ系などの非ベンゾでも 長時間作用型でも短時間作用型でも ベンゾジアゼピン受容体作動薬は 転倒や骨折に要注意! どのベンゾにするかを考えるより 「使わない/減らす/止める」 を考えるべき