ケース管理をAI エージェントで自動化した事例の紹介

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July 08, 25

スライド概要

2025年7月4日(金) 開催
UiPath Friends 九州 ~初めてでも大丈夫!話して学ぶ、自動化とAIの一歩~

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UiPath FriendsはUiPath ユーザー有志によって運営される非営利の公式ユーザーコミュニティです。 UiPathに関する技術交流や勉強会を行い、UiPathユーザーの技術力向上に寄与していきます。 イベントの登壇資料を掲載しています。 コミュニティサイト: https://uipath-friends.doorkeeper.jp/ YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/@UiPathFriends

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1.

ケース管理をAI エージェントで自動化 した事例の紹介 - ダイジェスト版 UiPath セッション 渡辺綾子 The UiPath word mark, logos, and robots are registered trademarks owned by UiPath, Inc. and its affiliates. UiPath (R) is a registered trademark in the United States and several countries across the globe. See TMEP 906. ©2025 UiPath. All rights reserved.

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免責事項 本プレゼンテーションに含まれる記述には、1995年米国私的証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の意味における将来の見通しに関する記述 (forward-looking statements)と見なされる、又は、歴史的事実ではない記述が含まれている場合があります。これらは通常、「予想する(anticipates)」「信じる (believes)」「見積もる(estimates)」「期待する(expects)」「意図する(intends)」「~する可能性がある(may)」「計画する(plans)」「可能性がある (possible)」「見込む(projects)」「見通し(outlook)」「模索する(seeks)」「~すべきである(should)」「~する予定である(will)」などの語句や、それらの 変化形、またはそれらに類似する表現(否定形を含む)によって識別されます。 当社は、これらの将来の見通しに関する記述が、1933年証券法第27A条および1934年証券取引法第21E条(いずれも改正済)のセーフハーバー条項の適用対象となること を意図しており、それらの条項に準拠する目的でこの声明を行っています。 これらの将来の見通しに関する記述には、以下を含みますが、それに限定されません:将来の成長と業務効率の推進・加速、プラットフォーム・製品・市場機会の拡大に 関する当社の能力;当社の事業戦略;将来の業務に関する経営陣の計画と目標;当社のプラットフォームのアドレッサブル市場規模およびエンタープライズ自動化市場の 成長見通し;AIを組み込んだ新リリースを含む当社プラットフォームの成功;第三者との協業の成果;顧客の行動および自動化への支出見込み;UiPathの自社株買いプロ グラムの詳細 将来の見通しに関する記述には、実際の業績・成果をこれらの記述と大きく異ならせる可能性のある既知および未知のリスク、不確実性、その他の要因が含まれます。こ れらのリスクには、以下が含まれますが、これらに限定されません:売上高、年間更新率(ARR)、費用、その他の業績に関する当社の見通し;当社の成長の効果的な管 理および収益性の達成・維持能力;当社の新規顧客の獲得および既存顧客の維持能力;UiPath Platform が顧客ニーズに応え、適応し、採用を拡大できるかどうか;プ ラットフォームの拡張および新機能のタイムリーなリリース能力;将来の事業投資、資本的支出の見込み、資本要件に関する見積もり;マーケティング活動のコストと成 功、当社ブランドの進化と強化;成長戦略;当社のプラットフォームおよび自動化全般のアドレッサブル市場規模;キーとなる人材への依存および優秀な人材の採用・統 合・維持・経営陣への追加の実行能力;知的財産権の取得・維持・行使能力およびそれに伴うコスト;地政学的関係の変化やインフレ傾向を含むマクロ経済的影響を伴う 重大な出来事が当社事業・業界・世界経済に与える影響;クラウドインフラに関する第三者プロバイダーへの依存;既存および新規の競合他社(破壊的技術を含む)との 競争力;当社が競合する市場の規模および成長率;当社のクラスA普通株式の価格変動性 将来の見通しに関する記述と実際の結果が大きく異なる可能性のあるリスクに関する詳細情報は、Form 10-K年次報告書、Form 10-Q四半期報告書、その他SECへの提出書 類に記載されています。 本プレゼンテーションに含まれる将来の見通しに関する記述は、現時点で合理的であると当社が考える前提に基づいていますが、法令で義務付けられている場合を除き、 これらの記述を更新する義務を負いません。 当社の会計年度は1月31日に終了し、四半期は4月30日、7月31日、10月31日に終了します。 本プレゼンテーションで言及されるすべての第三者商標(名称、ロゴ、ブランドを含む)は、それぞれの所有者に帰属します。これらの商標の言及は識別目的のみに使用 されており、当社による製品またはサービスの推奨を意味するものではありません。 2

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自己紹介 渡辺 綾子 • テクニカルサポート本部 • サポートエンジニアとして5年半、お客様対応を担当 • 今年5月よりAgentic Automationを活用し、業務の生産性 向上と品質改善を推進するチームへ異動 • 福岡県在住 • 4人家族+猫2匹 3

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背景 元々は顧客満足度を改善するための施策を考えていました。 前提: • テクニカルサポートではお客様から日々寄せられる問題や質問の対応を行っている • KPIとして、顧客満足度を最重要視している データ分析結果から分かったこと: • 顧客が回答を待っている時間が長いケースほど顧客満足度が下がる 逆に言えば・・ 顧客が回答を待っている時間を短くすることで顧客満足度を改善できる • お問い合わせが来たらすぐに回答することが理想的 しかし、実際は調査に時間がかかることも多く、毎回すぐに回答できるわけではない 4

5.

サポートエンジニアの業務 サポートエンジニアはケース管理を適切に行う必要があります。 • 主に顧客からの問題・質問に対し、調査や回答を行う • お問合せごとに、システム上でケース番号が付与され、ケース担当者によって管理さ れる • サポートエンジニアは定常的に複数のケースを担当している • サポートエンジニアは所有するケースを効率よく処理し、できるだけ顧客を待たせな い状態を維持する必要がある(=ケース管理を適切に行う必要がある) サポートエ ンジニア ステータス ケース番号 サブジェクト 優先度 アカウントタイプ SLA エスカレーション 新規 XXXXXXXX Windowsプロジェクトが実行できない Medium Platinum 1 時間 35分 無 処理中 XXXXXXXX リモートランタイムのバージョン Low Gold 3 時間 13分 無 処理中 XXXXXXXX Orchestratorにアップロードしたライブラリが一部表示されない Medium Bronze 3 時間 30分 有 顧客待ち XXXXXXXX Assistantにプロセスが表示されない High Bronze 無 解決済み XXXXXXXX OCバージョンアップ後にテナントにログインできない Medium Platinum 有 5

6.

ケース管理における課題 サポートエンジニアのケース管理には課題があります。 • 顧客が回答を待っているケースが複数ある場合、一つのケースにかけられる時間は限 られる • 所有するケースが多くなると、どれから対応すべきか分からなくなる • ケース管理は個々のケース担当者に委ねられていて、属人化する傾向がある ⇒今日対応すべきケースを素早く優先順位の高い順に並べ替えて、 順次対応していくことが求められる

7.

解決策 ケース管理にAgentic Automationを活用します。 命名:ケース優先順位付け Agent 解決策 • ケース担当者にその日対応すべきケースの一覧を送付する • ケース一覧はAI エージェントにより優先順位の高い順に並べ替えて表示する メリット • ケース管理を行う時間や負担を削減する効果 • 一定の基準で適切な優先順位付けを行う効果(属人化の防止) 従来のRPAではなくAI エージェントを活用する理由 • 実装工数の削減(優先順位付けの指標が複数ある場合に、指標ごとの重みづけや複雑 な分岐ロジックを考慮する必要なく、あいまいな条件下で優先順位を判断可能) • 自然言語処理による文脈の理解と優先順位付けに必要な指標の予測 7

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実装イメージ 大まかな処理の流れは以下の通りです。 この部分を以下3つの ツールで実装した場合の 違いについて解説しま す。 1. Autopilot for Everyone 2. Gen AI Activities 3. Agents 8

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インプットとアウトプット 入力となる情報と出力される情報は以下の通りです。 インプット アウトプット 補足 ー 優先順位 AIが設定を行う ステータス ステータス 新規/処理中/顧客待ち/開発待ち/解決済み/クローズ ケース番号 ケース番号 サブジェクト サブジェクト 優先度 優先度 至急、高、中、低 アカウントタイプ アカウントタイプ Platinum、Gold、Bronze SLA SLA 違反の有無、残り時間 エスカレーションの有無 エスカレーションの有無 顧客からの最新メッセージ ー ー 次のアクション 顧客からの最新メッセージよりAIが予測 ー 顧客の温度感 顧客からの最新メッセージよりAIが予測 ー 回答までの見積もり時間 「次のアクション」よりAIが予測 9

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プロンプト AI エージェントへの指示文を作成します。 • Autopilot for Everyone、Gen AI Activities、Agentsのどれを活用する場合にも、共通 して必要 • 自然言語で作成できるため、専門的な知識が不要であり、あいまいさを含む柔軟な対 応力がある プロンプトに含む指示 1. インプット:ケース一覧 2. AIにしてもらいたいこと(情報の補完と一覧の並べ替え) • 補完してもらいたい情報 • 優先順位付けのための条件 3. アウトプットの指定(表形式、出力カラム名、結果に対する根拠) 10

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試験導入 Autopilot for Everyoneで試作品を作成しテスト運用を行いました。 Autopilot for Everyone とは • ビジネスユーザー向けのAIアシスタントで、生成AIによるコンテンツ作成やデータ分 析、オートメーションの実行などをサポートします。 実装上のメリット • 簡単でかつ直感的 • 対話型形式で幅広い業務をサポート 課題: • Automation Cloudの特定のテナントへの接続が必要(接続環境の変更が頻繁に行われ る状況では不向き) • 回避策はあるもののサポートエンジニア全員に回避策を強いるのは現実的ではない 11

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課題への対処 エージェントをSalesforceから呼び出せるように変更しました。 • Salesforce 上に埋め込まれているツールを使って、ケースの優先順位付けを行うプロ セスを実行できるようにした 12

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お試し版 リリース Gen AI Activities を使った実装に変更しました。 Gen AI Activities とは • UiPathが提供する一連の生成AI機能を活用するためのアクティビティセットです。 実装上のメリット • ワークフロー内で部品(アクティビティ)として活用できる • 要約や翻訳、言語検出など、定型的なAIタスクに適している 実装を変更した理由 • SalesforceからAgentic Automation プロセスを呼び出すために、Unattended Robotで 実行可能なプロセスに置き換える必要があった • これにより、ユーザー(サポートエンジニア)の利用環境の制限を受けずプロセスの 実行が可能になった 13

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効果と学び Agentic Automationの活用を促進していく必要があります。 現状の課題 • ツールの課題(起動や実行に時間がかかる場合がある) • Agentic Automationの知名度が低い • ユーザーのニーズに即していない(課題のヒアリングが不十分) ユーザーの声(例) • フォローアップが必要なケースもピックアップしてほしい • ピックアップされた理由も記載してほしい • 一つのダッシュボードでケース管理に必要な情報を全部見たい • 担当者だけではなく、マネージャーにも通知してほしい ⇒次期バージョンで機能追加予定 14

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Agents の活用 今後はAgents の活用を想定しています。 Agents とは • AIを活用した自動化ツールです。 実装上のメリット • 他のエージェントやロボットと協力して作業を行うことができる • 高度な自律性を持ち、目標に基づいて独立して行動可能。 • セッションを超えて記憶を保持し、時間とともに改善する適応性と学習能力がある • 非構造化タスク、あいまいな環境、複雑な意思決定が必要な場面に適している • エスカレーション機能があり、人間の介入を求めることができる 課題 • Autopilot for EveryoneやGen AI Activitiesと比較し実装手順が多い 15

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今後の展望 ケース情報 顧客情報 担当者の専門性 問合せ履歴 ガイドライン 担当者の知識 業務負荷 問合せの背景 人 Agents が人の持つ多様な情報を活用し、それらに基づいて適切な判断を下せるようになると、より人が業務 を行うのに近い形での対応が可能となります。 • テキスト生成、要約、分析、検索、翻訳、画像および音声認識など、Agents が得意とする分野はAgents に任せる • 人は、Agents から得たアドバイスを参考にして、次に取るべき適切な行動を判断する 16

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まとめ 各ツールを比較して分かったこと • Autopilot for Everyone は試作品の作成に向いている(すぐ実装できる) • Gen AI Activities はテキスト要約や言語翻訳など、AIタスクが限定的な場合に向いて いる • Agents は複雑な意思決定に向いている ※各ツールでの実装方法の詳細は、追ってブログにて公開する予定です。7月中の公開 を目指しますので、興味のある方は是非ご覧ください。 17

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THANK YOU.