アイデアを解剖してフムゥと頷く講義

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September 13, 25

スライド概要

クリエイティビティ研修で使った資料。せっかくなので放流。
全3回構成の1回目です。

まずは座学で講義として、以前作ったおバカ工作を肴に、アイデアの取り扱い方と、創造的思考とは何ぞやという話を展開してます。
宿題付きです。

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主に組み込み界隈でシステム開発に携わりながら生活している個人事業主。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

クリエイティビティ研修 1限目 アイデアを解剖してフムゥと頷く講義

2.

ざっくり概要 アイデアを具現化した事例を教材として、 アイデアの経緯から創造的思考の仕組みまでを語ります。

3.

お品書き 成果物の紹介 発想の起点 起点からの展開 成果物のコンセプトと活用イメージ 発想~成果物までの思考フロー ポイントのまとめ 創造的思考を読み解く

4.

成果物の紹介

5.

成果物の紹介

6.

成果物の紹介 Mリーグリーチ1号 麻雀対局番組「Mリーグ」の出場選手のリーチ 発声を再生する玩具です。 麻雀中に使用することで、Mリーガー気分を 満喫できます。

7.

成果物の紹介 点棒レス点数管理システム 麻雀の点数表示と点数入力をデジタル化して、 点棒レス化したシステムです。 PC等のアプリから 操作します。 ついでにMリーグリーチ1号とも連携して、 リーチ棒すら不要にできます。

8.

成果物の紹介 麻雀牌ディスプレイベース 麻雀牌をお部屋のインテリアにできるディスプレイ台です。 手持ちの麻雀牌をお好みのアガリ形に並べて飾ります。 オサレな感じに光ります。

9.

作ってはみましたが!

10.

発想の起点 - 雑な経緯 - 2021 10月だか11月だか 麻雀対局番組「Mリーグ」の存在を知り、視聴開始 ここに至った経緯は正直良く覚えていない。 2022 9月ぐらいだったかしら Mリーグリーチ1号のアイデアに至り、製作開始 2023 年初 Mリーグリーチ1号プロトタイプひとまず完成 7月 U-NEXT Piratesスポンサーのgonengoさんと知り合う gonengoさんの麻雀部に招かれる 年内 Mリーグリーチ1号のアップデート 点棒レス点数管理システム製作開始 2月 Mリーグリーチ1号改修型完成 4月ごろだった気が 点棒レス点数管理システムとりあえず実用開始 後半 麻雀牌ディスプレイベース設計試作 年初 麻雀牌ディスプレイベースとりあえず完成 2024 2025

11.

発想の起点 Mリーグの存在を知る 公式サイトを見る 公式グッズなんてのもあるのか、ほほう 麻雀牌が含まれてない どういうこと??? 点数記入用の台帳みたいなのはある 何だこれ??? 麻雀関連のYouTube動画を観る 雀荘の何気ない風景 対局後、点数を手書きで台帳に記入している 今どき手書きとな???

12.

発想の展開 公式グッズに麻雀牌が含まれていない =メインコンテンツを遊ぶための道具が公式の商品に含まれていない 問いかけ 麻雀牌単体では「売れない」と判断された結果か? 仮説 ならば、Mリーグにちなんだ、麻雀絡みのオモチャがあればどうか? 今どき手書きはなかろう 提案 普通にデジタル化ぐらいできるじゃろ。

13.

成果物のコンセプトと活用イメージ Mリーグリーチ1号 なりきり遊び、ごっこ遊びができるオモチャ 平たく言えば、仮面ライダー変身ベルト 元ネタにおける悪魔の商法も想定 世が世ならエポック社やツクダオリジナルが出していた であろう微妙なラインもイメージ

14.

成果物のコンセプトと活用イメージ 点棒レス点数管理システム ド直球に麻雀の手順をデジタル化 ファミレスや飲み屋における注文端末の姿をイメージして、 入力端末を卓外に切り出す 手積み卓で使えるようにすれば、自動卓にも後付けできる

15.

成果物のコンセプトと活用イメージ 点棒レス点数管理システム ド直球に麻雀の手順をデジタル化 想定される風景の変化 ファミレスや飲み屋における注文端末の姿をイメージして、 Mリーグリーチ1号と連携すると、遊びの風景が変わりそう 入力端末を卓外に切り出す 途中経過を正確に復元できるので、遊びの風景が変わりそう 手積み卓で使えるようにすれば、自動卓にも後付けできる データ化してしまえば、派生システムはいくらでも作れそう 卓外から点数管理できるので、放送対局でも使えるじゃろ 対局状況を外部から確認できるので、雀荘風景も変わりそう

16.

成果物のコンセプトと活用イメージ 麻雀牌ディスプレイベース 麻雀牌をインテリアとして提案すれば、観る雀層にも訴求できませんこと? スポーツ用品だってインテリアとして成立できるのだから、麻雀牌もアリじゃね? 麻雀牌が売れる理由を丸ごと一つ新たに作れる Mリーグ選手のアクリルスタンドと組み合わせて飾っても良し 色々な場面で布教活動用の広告塔として使えるのでは?

17.

発想から成果物までの発想フロー(前半) Mリーグなるものを知る ある界隈に目を 向ける 本編視聴したり、公式グッズ一覧を 眺めたり、関連動画を観たり 可能な範囲で 見渡してみる 〇〇を扱ってない? 何でこんなことを? 違和感や疑問 こういうものがあればどうか? 仮説を 立ててみる 「そういうもの」

18.

発想から成果物までの発想フロー(前半) 対象を過小評価する ・車輪の再発明 ・特有の事情を見落とす 対象を過大評価する ・アイデアを自ら否定 ・対象の抱えている盲点を見落とす 「過去に検討された」を 再評価なしに採用する ・「過去に検討された」のが、いつ、誰が、どういう条件によって行われ たものかを確認しない ・結果として、対象の過大評価に繋がる ・条件が変われば当然、過去の検討結果もアップデートされるべき

19.

発想から成果物までの発想フロー(前半) 対象を過小評価する ・車輪の再発明 ・特有の事情を見落とす 対象を過大評価する ・アイデアを自ら否定 ・対象の抱えている盲点を見落とす 「過去に検討された」を 再評価なしに採用する ・「過去に検討された」のが、いつ、誰が、どういう条件によって行われ たものかを確認しない ・結果として、対象の過大評価に繋がる ・条件が変われば当然、過去の検討結果もアップデートされるべき

20.

発想から成果物までの発想フロー(後半) こういうものがあればどうか? 仮説を 立ててみる 他の分野に 似たようなアプローチはあるか? 手がかりとしての イメージを作る どのように風景が変わるか? 実用イメージの 検討 具現化できそうか? 具体的検討開始

21.

発想から成果物までの発想フロー(後半) 世の中に無いを指向しすぎ ・「新奇性」を最上位に置いてしまったケース ・重要なのは解決力 ・「まだそこに登場していない」も創造性の一つ 使っている風景をイメージ できていない ・実際には使えないものになりがち 技術や商売の出番が早い ・技術や商売の流儀を持ち込み過ぎて、アイデアが死ぬケース ・これも「新奇性」を最上位に置いたときに起こりがち ・先の二つの原因要素として働く場合もある

22.

発想から成果物までの発想フロー(後半) 世の中に無いを指向しすぎ ・「新奇性」を最上位に置いてしまったケース ・重要なのは解決力 ・「まだそこに登場していない」も創造性の一つ 使っている風景をイメージ できていない ・実際には使えないものになりがち 技術や商売の出番が早い ・技術や商売の流儀を持ち込み過ぎて、アイデアが死ぬケース ・これも「新奇性」を最上位に置いたときに起こりがち ・先の二つの原因要素として働く場合もある

23.

ポイントのまとめ

24.

創造的思考を読み解く

25.

創造的思考を読み解く “創造的”や“創造性” が語られる時、 それぞれ別々の意味 が混ざりがち

26.

創造的思考を読み解く

27.

創造的思考を読み解く 「課題」や「疑問」や「制約」があっての「創造的思考」 課題や制約の無いところに創造性は持ち込めない まずは解決力 新奇性は二の次 課題を発見する段階から創造的思考が始まっている

28.

創造的思考を読み解く 「世の中に無い」は、「単にそこに登場していない」も含む 「他分野の解決策」をそこに連れてくることも立派な創造的思考 「世の中に無い」は、たまたまそういう「課題」だった、というだけ いかなる課題でもベストアンサーが必ず新奇性を備えるとは限らない

29.

創造的思考を読み解く 創造的思考は論理の外側にあるという誤解 普通に、指折り順番に筋道を立てた考えから生まれる 「自由な逸脱」を伴うかどうかがカギ 論理的な枠組みを維持したまま、意図的なズレを加える 守破離の教えそのものだったりする

30.

創造的思考を読み解く 身の回りにある「機能不全」をピックアップする 抽象化を働かせて、 問題領域を拡大解釈してみる 解決策を「普段と違うところ」から拝借してみる 抽象化を働かせて、 解決策の機能を拡大解釈してみる 課題と解決策を、説得力のある論理で繋げてみる

31.

ざっくり予告 1限目 アイデアを解剖してフムゥと頷く講義 2限目 自分のスキーマに気付いてホホォと膝を叩く講義 3限目 グループでアイデアを出してウムと首肯する講義 NEXT!

32.

クリエイティビティ研修1限目 宿題 (1) プロトコル分析体験課題 次の2ページに示す、2つの問題を解いてください。 ただし、問題の解答そのものは重要ではありません。 問題を解く過程で、「自分の頭に浮かんだこと」を全て声に出しながら進めて下さい。 雑念込みでどんな小さいことであっても声に出すようにして下さい。黙々と進めるのはNGです。 途中で断念した場合も、そこまでの思考過程があればOKとします。解答の正誤も問いませんが、解答に向 かって最大限努力して下さい。 発話した内容はスマホ等で録音し、問題を解いた後に文字起こしして、自分の思考過程を振り返って下さ い。 問題の解答及び文字起こしした内容を提出する必要はありませんが、思考過程を振り返って気付いたこと をレポートして下さい。

33.

クリエイティビティ研修1限目 宿題 (2) プロトコル分析体験課題 問題1 虫食い算 次のかけ算について、ア~キにそれぞれ1から9の数字 が当てはまります。すべて異なる数字とは限りません。 ア、イ、ウにあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。 3アイ × ウエ 7オ4 2カキ2 24614

34.

クリエイティビティ研修1限目 宿題 (3) プロトコル分析体験課題 問題2 論理パズル 先生は,3人の生徒A,B,Cにそれぞれカードを1枚ずつ渡して言いました。 「AさんとCさんのカードには、2ケタの数、Bさんのカードには1ケタの数が書いてあります。 AさんとCさんのカードには違った数が書いてあり, Aさんの数×Bさんの数=Cさんの数 となっています。また、Cさんの数は60よりも小さいです。 自分のカードの数字だけを手がかりに、他の2人のカードの数を当ててみてください。」 3人はいろいろと計算していましたが、しばらくして、Aさんが言いました。 「私には他の2人の数が決められません。」 さらにしばらくして、Cさんが 「私には他の2人の数が決められません。」 少し考えてAさんはBさんに尋ねました。 「あなたは他の2人の数がわかりますか。」 するとBさんも「私には他の2人の数が決められません。」と答えました。 それを聞いたとたんに、Aさんは他の2人の数を当ててしまいました。 さて,3人のカードの数を当ててください。 (理由も示してください。)

35.

1限目 終了! お疲れ様でした