ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア

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September 04, 24

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株式会社テクノプロジェクト (tpj.co.jp) まつもと すぐる 松本 俊 事業内容 • システムインテグレーション事業 • 特定業種ソリューション開発 • クラウドサービス提供 • ICTに関するコンサルティング、計画および実行支援 • デジタル人材育成 株式会社テクノプロジェクト 2010年にアジャイル開発と出会い、それ以来、受託開 発の現場を中心に積極的にアジャイルプラクティスや スクラムを実践している。近年では社内のアジャイル 開発チームを支援し、さらに組織全体にアジャイルの 影響を広げる活動にも取り組んでいる。 本社:島根県松江市、設立:1984年3月1日 地域コミュニティ Agile Shimane メンバー。 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 2

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Agile Studio 見学しました! 見学をきっかけに事務所にモブ プロコーナーができました! Agile Studio を見学させていただきました|お知らせ|Information|株式会社テクノプロジェクト (tpj.co.jp) Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 3

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ユーザーストーリーマッピングと私 2010年 私にとって初アジャイル開発 アジャイルコーチ懸田剛さんに教えていただきながら実践する。 (当時の実践は懸田さんの発表資料に載りました) はじめは壁にポストイットを貼ったが、 持ち運ぶためにプラ段や模造紙を用いる ようになった。 オンラインホワイトボードの普及によっ てオンライン上で取り組むことが多く なったが、最近久しぶりにアナログで実 践する機会があり、関係者が顔を合わせ て同じものを見ながら対話できる”アナ ログ”のよさを改めて感じる。 アジャイルな地図づくり User Story Mapping for Agile Team | PPT (slideshare.net) Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 4

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ユーザーストーリーマッピングと私 アナログで実践したユーザー ストーリーマッピングの一例 同じものを見ながら対話し、ポスト イットを追加したり移動したりしな がら、共通理解を築いていく Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 5

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ユーザーストーリーマッピングと私 ユーザーストーリーマッピングと言ったらこの書籍! これからお話しする内容にも欠かせない1冊です。 Jeff Patton (著), 川口 恭伸 (監修), 長尾 高弘 (翻訳).『ユーザーストーリーマッピング』.オライリージャパン.2015年,368p O'Reilly Japan - ユーザーストーリーマッピング (oreilly.co.jp) Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 6

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アウトカム • ユーザー体験の提供を目指したプロダクト開発のアプロー チとアイデア • ユーザーストーリーマッピングを活用したプロダクトバッ クログの整理方法 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 7

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ユーザーストーリーマッピングの概要 ユーザー体験に焦点を当て、共通理解を築きながら、最小限の アウトプットで最大の成果を目指す戦略を導き出す地図 アクティビティ ユーザー ストーリー タスク バックボーン 1. プロダクトビジョンの明確化 プロダクトが目指す世界観と目的を共有する。 2. ナラティブフローの作成 ユーザーロールごとに、時系列で行動(タスク)を並べ、全体 の流れを可視化する。 3. アクティビティのグルーピング 似たタスクをまとめてアクティビティとし、これをマップの背 骨(バックボーン)とする。 4. ユーザーストーリーの詳細化 各アクティビティをユーザーストーリーの形式で掘り下げる。 [Who]として、[What]したい。それは[Why]のためだ。 5. スコープの調整と優先順位付け ユーザーとビジネスの目標を達成するため、最小限のソリュー ションを選定し、優先度の高いものから開発計画を立てる。 ナラティブ フロー リリース1 高 リリース2 優 先 度 リリース3 低 今後のリリース 以降、プロダクトを取り巻く状況や開発の状況に応じて見直す。 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 8

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こんな経験ありませんか? 限られた期間でプロダクトバックログを準備しないといけない。 • Sprint #1 の開始時期が決まっている • プロダクトオーナーは想いや実現したいことのイメージを持ってい るが、プロダクトバックログはつくったことがない • メンバーのほとんどがスクラム初めて Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 9

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ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア アプローチ • ユーザーストーリーマッピングで「ユーザー体験の変化」と「その質の変化」 を表現し、スクラムチームが「機能の開発」から「ユーザー体験の提供」に意 識を向け、プロダクトゴールへの戦略を立てる アイデア • 提供するユーザー体験をシンプルな言葉で表現する • ユーザーストーリーの粒度にばらつきのある中で、リリーススコープの規模感 を見積もる • ユーザーストーリーの受け入れ基準で期待とリスクをマネジメントする ※ いずれも”すでにある考え”の組み合わせや応用である Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 10

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アジャイル開発の説明でよく用いられる有名な絵が 今回のアプローチにも必要 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 11

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Henrik Kniberg (ヘンリック・クニベルグ) 氏の絵 • • • • • • “上の行は反復型開発(別名:アジャイル開 発)にまつわるよくある誤解” “人々は未完成のプロダクトを顧客に提供 するという考え” “ユーザーテストをせずに多くの時間が費 やされ、その結果人々の求めるものに関 する誤った仮定を基にして設計上の欠陥 まみれのプロダクトが作られる可能性が 高い” “顧客が求める潜在的ニーズに注目する” “顧客に対してテストができ、かつフィー ドバッグをもらえるような、思いつく限 りで最も小さなものを提供する” “計画に従って最善を尽くすのではなく、 学習して変更を加えること” Making sense of MVP (Minimum Viable Product) - and why I prefer Earliest Testable/Usable/Lovable - Crisp's Blog [翻訳] MVP(Minimum Viable Product)の意味を理解する。そして、なぜ私はEarliest Testable / Usable / Lovableを好むのか。 | ANKR DESIGN | デザインリサーチ・プロトタイピング・サービスデザイン Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 12

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Jeff Patton (ジェフ・パットン) 氏の絵 Don’t Know What I Want, But I Know How to Get It – We help you create successful product culture and process (jpattonassociates.com) Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア インクリメンタルな描き方 “インクリメンタルな開発とは、ソフト ウェアを少しずつ追加していくことを意 味する。各インクリメントはソフトウェ アに新しい機能を追加していくもので、 ちょうどレンガを一つずつ積み上げてい くような感覚だ。こうしていくつかのイ ンクリメントを繰り返すことで、大きな 成果が得られる。” イテレーティブな描き方 “イテレーティブな開発は、まず何かを 作り、それが実際に機能するかどうかを 評価し、必要に応じて改善していくアプ ローチを指す。この方法では、最初から 完璧なものを目指すものではなく、変更 を前提に進めていく。もし初めから完璧 なものができたとしたら、それはむしろ 幸運だ。完璧を期待しないからこそ、最 小限の構成を作り、それが正しい方向性 かどうかを検証しながら、次のステップ に進んでいくことが重要だ。” 13

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どちらも小さく作り、フィードバックを得る(実験と学習) 「検査」して「適応」する、時間の経過に伴う変化を表現している 2つの絵は別の見方ができる ユーザー体験自体が変わっている ユーザー体験の質が変わっている ユーザーストーリーマッピングは 「ユーザー体験の変化」と「その質の変化」を表現できる Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 14

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初回リリースのリリースしたいスコープに複数の”ユーザー体験”が含ま れることが多い アクティビティ タスク ユーザーストーリーマッピングを「ユーザー体験」で スライスする。 スライスした「ユーザー体験」は「ユーザーにとって 価値があるはず」(仮説)であり、MMF (Minimum Marketable Feature) として扱う。 MMFによる「貢献」と「影響」を言語化し、シンプ ルな一文で見出しをつける。 バックボーン ナラティブ フロー MMF ユーザー 体験 MMF ユーザー 体験 [貢献] することで、 [影響] になる ※ サイモン・シネック氏のWHYを言語化する形式を採用している サイモン・シネック (著), デイビッド・ミード (著), ピーター・ドッカー (著), 島藤 真澄 (翻訳). 『FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法』.ディスカヴァー・トゥエンティワ ン.2019年,255p FIND YOUR WHY | ディスカヴァー・トゥエンティワン - Discover 21 (d21.co.jp) 何ができるようになり、それによってどのような変化 が生まれるのか。(=アウトカム) 言語化は、スクラムチームが単に「機能を開発する」 だけでなく、「ユーザー体験を提供する」チームであ ることを認識する手助けとなる。 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザー ストーリー MMF ユーザー 体験 MMF ユーザー 体験 ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 高 優 先 度 低 15

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例:旅行計画アプリ アクティビティ 旅行先を検索する 旅行先の詳細情報を確認する ・・・ ・・・ タスク 旅行先を検索する 旅行先を絞り込む 旅行先の詳細情報を確認する ユーザーストーリー 旅行者として、旅行先を短時 間で見つけたい。それは効率 よく旅行の計画を立てるため だ。 旅行者として、検索結果から 旅行先の候補を簡単に絞り込 みたい。それは理想の旅行先 を見つけるためだ。 旅行者として、検索結果の詳 細を確認して必要な情報を把 握したい。それは自分の希望 に合った旅行先かどうかを判 断し最適な選択をするためだ。 [貢献] することで、 [影響] になる MMF 短時間で旅行先を簡単に見つ けられることで、旅行の計画 を立てる段階からワクワクし た気持ちで楽しめる。 旅行全体の見通しを持ち、旅 行先に合わせた計画をスムー ズに立てられることで、旅行 の成功に自信を持てる。 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ・・・ ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 16

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MMFはプロダクトゴールに向けた踏み石になる プロダクト ビジョン MMF #5 MMF #4 MMF #2 プロダクト ゴール MMF #3 MMF #1 ユーザー体験の変化 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 17

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1つのMMFに”ユーザー体験の質”がある プロダクトオーナーはビジネスやユーザーを 思いユーザーストーリーを考えるため、開発 者が扱うにはサイズが大きくなる傾向がある 開発できるサイズに分割しよう! Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 18

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しかし、分割に慣れていない、時間がない… 一方で、MMFやユーザーストーリーが整理できてくると、多くの人は 「いつできるの?」「どのくらいかかるの?」を知りたい Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 19

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リリースしたいスコープの規模感を知りたい Tシャツサイズで見積もり、あとでフィボナッチ数列の数値を割り当てる • 最初からフィボナッチ数列を用いて見積もったら? ユーザーストーリーの粒度にばらつきがあり、基準サイズを決めて相対的に見積もる過程で“1” より小さいサイズが出現するかもしれない (どのユーザーストーリーが最小サイズなのか、基準サイズとするユーザーストーリーはどれが よさそうか、これらを見定めるためにプロダクトバックログを一通り確認することになり、時間 を要する。”だいたい”を見積もるために2周確認するのか!?) Tシャツサイズであれば、”X”を付け足せば大小の表現が容易である( 例えば、見積もり途中でそ れまで XS が最小だったが、XS より小さいユーザーストーリーがあれば XXS と表現できる) • そのままTシャツサイズで扱えばよいのでは? 全体の規模感を知るために、数字が扱いやすい 数値 換算 XXS 例1 1 例2 例3 XS S M L XL XXL 2 1 1 3 2 2 5 3 5 8 5 8 13 8 13 13 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア ※ S の2~3倍が M だった場合 20

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1つのMMFに”ユーザー体験の質”がある プロダクトオーナーはビジネスやユーザーを 思いユーザーストーリーを考えるため、開発 者が扱うにはサイズが大きくなる傾向がある 開発できるサイズに分割しよう! しかし、分割に慣れていない、時間がない… プロダクトバックログリファインメントで解 像度を上げる! Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 21

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1つのMMFに”ユーザー体験の質”がある ジェフ・パットン氏の『ユーザーストーリーマッピン グ』16章「グッド・ベター・ベストゲームをしてみよ う」を参考に Good / Better / Best に分けて整理する。 ジェフ・パットン氏はユーザーストーリーを分割する 方法として紹介しているが、ここではユーザーストー リーの受け入れ基準に用いる。 • 「ユーザー体験の質」の段階が表現できる • 1つのユーザーストーリーで「こんなことがで きるとより良い」まで発散できると開発者に とっても目指す方向をイメージしやすくなる • Good が提供したいユーザー体験のゴールでは ないという理解ができる • ユーザーストーリーを分割する手助けになる • Good / Better / Best で分割できる • Good が多いなら分割したほうがよい Must / Could (MoSCoW分析) で分けてもよいが、対話し たり開発したりする際のメンバーの捉え方(向き合い 方)が違うかもしれない。 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ※ 表は『ユーザーストーリーマッピング』16章を参考に作成 Good うまくいくために必要十分なもの、十分良いと評価できる ための特徴 Better よりよくするために必要なもの Best 1つのユーザーストーリーで想像できる最高の体験 どうすれば本当に素晴らしいものになるか、ここで挙げる ものは要件ではなく、オプションである 旅行計画アプリの例 旅行者として、検索結果の詳細を確認して必要な情報を把握したい。それは自 分の希望に合った旅行先かどうかを判断し最適な選択をするためだ。 受け入れ基準 Good • 各旅行先の基本的な情報(価格、場所、評価)が見やすく表示される。 • 各旅行先の詳細ページにアクセスでき、追加情報(写真、レビュー、施設 の概要など)を確認できる。 Better • 詳細ページが、簡潔で整理されたレイアウトで表示され、必要な情報にす ぐにアクセスできる。 • 各旅行先の利点と欠点が明確にリスト化されており、ユーザーが比較しや すい。 Best • 各旅行先の詳細ページに、360度ビューアやVRツアーが含まれ、実際にその 場所を体感できる。 • ユーザーが質問を入力すると、AIが即座に答えてくれる。 ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 22

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ユーザーストーリーを分割するタイミングを意図的に遅らせる スプリントプランニングで現在の状況を踏まえて、スプリントで開発する各ユー ザーストーリーの受け入れ基準を Good / Better / Best のどこまでとするのかを決定 する Good まで開発するとき、開発しない Better や Best はどうするのか? Good までとした理由や Good で開発したインクリメントを確認し、それでも Better (Best) が必要だと判断したらプロダクトバックログに新たなユーザーストーリーと して追加する ユーザーストーリーを分割するタイミングを意図的に遅らせ、本当に必要なものか どうかを判断できる Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 23

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Good / Better / Best の受け入れ基準で期待とリスクをマネジメントする ユーザーストーリーに Good / Better / Best の 受け入れ基準があることで、1つの MMF の ユーザー体験を、下書きを描き、色を塗るよ うに開発できる MMFのユーザー体験を大まかでも優先的に確 認する戦略なら、多くのユーザーストーリー を Good の受け入れ基準で進めることができ る(右の ) プロダクトにとっての特徴や他と差別化でき るユーザーストーリー、想いの強いユーザー ストーリーは Better までの受け入れ基準を採 用することもできる(右の ) さらに、 1つのMMF内のユーザーストー リーだけでなく、ユーザーストーリーマッピ ング全体を俯瞰し、MMF単位に”ユーザー体 験の質”の程度を見込んでプロダクトの開発 戦略を立てるのにも役立つ Copyright 2024 Techno Project Japan Co. MMF #1 MMF #2 ユ ー ザ ー 体 験 の 質 ユ ー ザ ー 体 験 の 質 ユーザー ストーリー ユーザー ストーリー ユーザー ストーリー Good Good Good Better Better Better Best Best Best Good Good Good Better Better Better Best Best Best ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 24

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ユーザーストーリーマッピングにはユーザー体験とその質の変化がある アクティビティ ユーザー ストーリー タスク バックボーン MMF #1 ナラティブ フロー MMF #1 ユ ー ザ ー 体 験 の 変 化 高 MMF #2 MMF #3 優 先 度 MMF #2 MMF #4 低 … Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア ユ ー ザ ー 体 験 の 質 の 変 化 ユ ー ザ ー 体 験 の 質 の 変 化 ユーザー ストーリー ユーザー ストーリー Good Good Better Better Best Best Good Good Better Better Best Best …… …… 25

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プロダクトゴールに向けた踏み石 プロダクト ビジョン Best ユーザー体験の質の変化 Best Better Better MMF Good #4 プロダクト ゴール Better Better MMF Good #2 MMF Good #5 Best Best Best Better Good MMF #3 MMF #1 Good ユーザー体験自体の変化 Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 26

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プロダクトゴールに向けた踏み石 リリーススコープに対する最小のユーザー体験を試せるように、 先に Good を開発していく戦略が多い(はず) Good で進める過程でMMFの Better が必要と判断した場合、他の MMFも含めて実現タイミングを検討し、戦略を見直す Best Better Better MMF Good #4 MMF #2 Good 新しいMMFを追加する Copyright 2024 Techno Project Japan Co. MMF Good #5 プロダクト ゴール Good MMF #3 MMF #1 Good Better Better Better Better Good Best Best Best Best プロダクト ビジョン MMF #6 例えば、 MMF #1 の Better が必要と判断し、MMF #3 と MMF #4 との間で実現する この際、MMF #1 は Good の実現で完成しているため、 新しいMMFを追加する ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 27

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スプリントゴールもプロダクトゴールに向けた踏み石なのでは? スプリントゴールもプロダクトゴールに向けた踏み石である スプリントゴールよりも1つのMMFは大きいゴールと捉えられる (1つMMFの開発は複数スプリントで完成する) MMFの踏み石を先に置けることで、スプリントプランニングで直近 のMMFを意識しながらスプリントゴールも設定できる プロダクト ビジョン Best Best Best Better MMF Good #5 Better Best Better Good MMF #4 #12 #11 Best Better Good #9 プロダクト ゴール #8 MMF Good #2 Better #10 MMF #3 #7 #6 #5 MMF #1 Good #4 #3 #2 #1 スプリントゴール ≦ MMF ≦ プロダクトゴール スプリント ゴール Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 28

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まとめ ユーザーストーリーマッピングには「ユーザー体験の変化」と「その質の変化」が共存している。 十分に準備できない場合でも、MMFを考えることで、プロダクトゴールに向けた戦略ができてくる。 受け入れ基準を Good / Better / Best に分けることで、意図的に判断を遅らせ、状況に応じて戦略を見直しやす くなる。 ◼ リリーススコープを俯瞰し、ユーザー体験の変化を表現する • ユーザーにとって価値があるユーザー体験(MMF)でユーザーストーリーマッピングをスライスする • MMFを実現したときの「貢献」と「影響」をチームで対話し、言語化する(対話によって共通理解を築く) • [貢献] することで、 [影響] になる • MMFがプロダクトゴールへの踏み石になる • ユーザーストーリーの粒度にばらつきがある状態で全体の規模感を見積もる場合はTシャツサイズで見積も り、数値に変換する ◼ 1つのMMFを俯瞰し、ユーザー体験の質の変化を表現する • 開発者にとってユーザーストーリーのサイズが大きかったら、優先順位の高いものから分割する • 十分に準備できない場合 • プロダクトバックログリファインメントでユーザーストーリーの受け入れ基準を Good / Better / Best で 整理する • スプリントプランニングでユーザーストーリーごとにどの受け入れ基準で進めるかを決める • ユーザーストーリーの分割タイミングを意図的に遅らせる( Better / Best は本当に必要なのか?いつ必 要なのか?必要であればプロダクトバックログに追加する) Copyright 2024 Techno Project Japan Co. ユーザーストーリーマッピングを効果的に活用するアプローチとアイデア 29