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January 11, 22
スライド概要
HCI196
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
不快感を与えない 顔への塗りムラ 提示手法の検討 梶田美帆(明治大学) 中村聡史(明治大学) 伊藤貴之(お茶の水女子大学)
背景 ・顔は年齢や性別,感情などの個人の印象を捉えやすい部位 ・化粧は自身の印象を理想に近づけるための手段のひとつ ・ベースメイクは肌を即時的に整え,理想の質感を演出できる 2
背景 ・顔は年齢や性別,感情などの個人の印象を捉えやすい部位 ・化粧は自身の印象を理想に近づけるための手段のひとつ ・ベースメイクは肌を即時的に整え,理想の質感を演出できる ファンデーションが最も重要! 3
ファンデーションの特性 ・ファンデーションの効果 肌色補正効果,毛穴や色ムラなど肌の欠点を隠す 肌の見た目に「自然さ」「透明感」など理想的な質感を付与 ・綺麗に塗ることが難しく「塗りムラ」ができやすい 4
ファンデーションの特性 ・ファンデーションの効果 肌色補正効果,毛穴や色ムラなど肌の欠点を隠す 肌の見た目に「自然さ」「透明感」など理想的な質感を付与 ・綺麗に塗ることが難しく「塗りムラ」ができやすい ・肌の難点が隠せない ・ぬれていない部分が日焼けする ・化粧崩れの原因になる 5
大目的 ファンデーションを塗りムラなく 自分で塗れるようにしたい! 6
塗りムラの原因 ファンデーションは自身の肌の色に近いものを使用する 素肌との境目が肉眼でわかりづらい 7
塗りムラの原因 ファンデーションは自身の肌の色に近いものを使用する 素肌との境目が肉眼でわかりづらい ファンデーションを塗った箇所と 塗っていない箇所(素肌)がどこなのかを 化粧をしている最中に確認したい 8
関連研究 ・ファンデーション肌は素肌より光をより効率的に吸収する [五十嵐 2012] ・光学フィルタを用いたファンデーション量の分布計測システム [西野 2013] マイクロスコープやフィルタなど特別な機器が必須 化粧をする一般のユーザの利用は困難 9
これまで取り組んだ研究 特殊なフィルタやカメラなどを用いず 化粧中の一般のユーザに対して 塗りムラを指摘するシステム 一般のカメラで撮影した肌画像について ファンデーションの塗布状態を判別 [梶田 2020] 10
これまで取り組んだ研究 特殊なフィルタやカメラなどを用いず 化粧中の一般のユーザに対して 塗りムラを指摘するシステム 一般のカメラで撮影した肌画像について ファンデーションの塗布状態を判別 [梶田 2020] 可視化の際に嫌悪感を覚える可能性 11
これまで取り組んだ研究 特殊なフィルタやカメラなどを用いず 化粧中の一般のユーザに対して 塗りムラを指摘するシステム 一般のカメラで撮影した肌画像について ファンデーションの塗布状態を判別 [梶田 2020] 可視化の際に嫌悪感を覚える可能性 塗りムラの適切な 可視化方法が必要!! 12
本研究の目的 嫌悪感の少ない可視化手法を 明らかにすること 可視化方法による印象への影響の調査 13
可視化方法による影響の調査 一般的な可視化の研究 ・見やすさ,わかりやすさなどに焦点 ・研究者側(他人)からの評価 ファンデーションの塗りムラの可視化 ・ムラ=ネガティブな印象のものを自身の顔にたくさん表示させる ・可視化される側(自分)からの評価 ・自分の顔と他者の顔の評価には差? ・可視化方法によって好ましさやわかりやすさに差? 14
実験 ・目的:顔に可視化されたファンデーションの塗りムラに対する 印象の調査 ・手法:実験1…ムラを指摘する意図の加工を施した自身の 顔写真に対して好ましさ,わかりやすさの評価 実験2…ムラを指摘する意図の加工を施した自身と 他人の顔写真における印象の差の調査 実験終了後簡単なアンケートを実施 ・実験協力者:女性の大学生,大学院生19名 15
注意 ムラの可視化の例として 集合体の画像が多く出てきます 16
実験:事前準備 1. 実験協力者, AI女性の顔写真 を1枚用意 2. 各写真を 36枚ずつ複製 3. 12パターンの 可視化方法 × ムラの位置 3パターン 1. ヒートマップ 全顔 赤 2. ヒートマップ 一部 赤 3. ヒートマップ 全顔 青 4. ヒートマップ 一部 青 5. 囲う 赤 6. 囲う 青 7. 囲う 黄 8. 囲う 緑 9. 塗りつぶし 赤 2. 塗りつぶし 青 3. 塗りつぶし 黄 4. 塗りつぶし 緑 17
実験1:好ましさ・わかりやすさの評価 ・目的:加工方法の違いによる塗りムラのわかりやすさ等を調査 ・手法:実験協力者自身の顔写真 36枚のうち 2枚ずつを比較 「提示手法が好ましいか,好ましくないか」 「塗りムラがわかりやすいか,わかりにくいか」 「左の方が好ましい」か「右の方が好ましい」かを評価してください ○ 左の方が好ましい ○ 右の方が好ましい 「左の方が塗りムラがわかりやすい」か「右の方が塗りムラがわかりやすい」かを評価してください ○ 左の方が塗りムラがわかりやすい ○ 右の方が塗りムラがわかりやすい 評価する 18
結果:好ましさ・わかりやすさの評価 「好ましい」もしくは「わかりやすい」として選ばれた手法に それぞれ 1 点を加算し,全実験協力者の結果を平均した値を 利用したPageRankを算出 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 19
結果:好ましさ・わかりやすさの評価 好ましさ わかりやすさ 好ましさの平均 わかりやすさの平均 1. ヒートマップ全顔赤 0.032 0.031 2. ヒートマップ一部赤 0.035 0.032 0.037 0.034 3. ヒートマップ全顔青 0.039 0.035 4. ヒートマップ一部青 0.042 0.037 5. 囲う 赤 0.044 0.042 6. 囲う 青 0.047 0.047 0.050 0.050 7. 囲う 黄 0.049 0.050 8. 囲う 緑 0.059 0.060 9. 塗りつぶし赤 0.084 0.087 10. 塗りつぶし青 0.123 0.117 0.164 0.166 11. 塗りつぶし黄 0.138 0.164 12. 塗りつぶし緑 0.310 0.298 20
結果:好ましさ・わかりやすさの評価 1. ヒートマップ全顔赤 0.032 0.031 2. ヒートマップ一部赤 0.035 0.032 3. ヒートマップ全顔青 0.039 0 4. ヒートマップ一部青 0.042 0 5. 囲う 赤 0.044 0 6. 囲う 青 0.047 0 7. 囲う 黄 0.049 0 8. 囲う 緑 0.059 0 9. 塗りつぶし赤 0.084 0 10. 塗りつぶし青 0.123 0 11. 塗りつぶし黄 0.138 0.164 12. 塗りつぶし緑 0.310 0.298 ムラの位置がわかりづらい ✖ 21
結果:好ましさ・わかりやすさの評価 1. ヒートマップ全顔赤 2. ヒートマップ一部赤 3. ヒートマップ全顔青 4. ヒートマップ一部青 5. 囲う 赤 6. 囲う 青 0.047 0.047 7. 囲う 黄 0.049 0.050 0.050 0.050 8. 囲う 緑 0.059 0.060 9. 塗りつぶし赤 0.084 0.087 10. 塗りつぶし青 0.123 0.117 0.164 0.166 11. 塗りつぶし黄 0.138 0.164 12. 塗りつぶし緑 0.310 0.298 ムラの位置がわかりやすい ✖ ◯ 22
結果:好ましさ・わかりやすさの評価 1. ヒートマップ全顔赤 0.032 0.031 2. ヒートマップ一部赤 0.035 0.032 3. ヒートマップ全顔青 0.039 0.035 4. ヒートマップ一部青 0.042 0.037 5. 囲う 赤 0.044 0.042 6. 囲う 青 0.047 0.047 7. 囲う 黄 0.049 0.050 8. 囲う 緑 0.059 0.060 9. 塗りつぶし赤 0.084 0.087 10. 塗りつぶし青 0.123 0.117 11. 塗りつぶし黄 0.138 0.164 12. 塗りつぶし緑 0.310 0.298 塗りムラが顔のどこにあるのかが わかりやすいものが評価が高い 23
考察:手法の好悪などに影響する条件 最も高評価:塗りムラの塗りつぶして提示する手法 (位置と範囲) 最も低評価:ヒートマップ手法 (位置と範囲と量) 最も情報量が多いヒートマップが最も評価が低い 塗布量の分布まで指摘せずとも 塗れていない位置を大まかに示すだけで充分な可能性 24
実験2:自他画像間の印象の差 ・目的:自身と他人の顔に対する加工における印象の差の調査 ・方法:実験協力者自身の顔写真36枚と AIで作成した女性の顔写真36枚に対し 13の形容詞対を7段階のリッカート尺度で評価 「静かな」か「うるさい」かを評価してください ○ 非常に静かな ○ とても静かな ○ 少し静かな ○ どちらでもない ○ 少しうるさい ○ とてもうるさい ○ 非常にうるさい 「明るい」か「暗い」かを評価してください ○ 非常に明るい ○ とても明るい ○ 少し明るい ○ どちらでもない ○ 少し暗い ○ とても暗い ○ 非常に暗い 「透明感がある」か「くすんでいる」かを評価してください ○ 非常に透明感がある ○ とても透明感がある ○ 少し透明感がある ○ どちらでもない ○ 少しくすんでいる ○ とてもくすんで いる ○ 非常にくすんでいる 25
結果:印象の差 最もポジティブな評価の際スコアは+3 最もネガティブな評価の際スコアは-3 としたときの各手法における平均 ヒートマップ 囲う 塗りつぶす 全顔赤 一部赤 全顔青 一部青 赤 青 黄 緑 赤 青 黄 緑 自分 0.027 0.166 -0.045 -0.383 0.050 0.031 -0.497 0.231 -0.123 0.045 -0.329 0.206 他人 0.053 0.321 0.174 -0.483 0.181 0.249 -0.260 0.587 0.170 0.504 -0.233 0.660 他人の顔画像より自分の顔画像の方が ムラの可視化に対してネガティブな印象 26
結果:印象の差 一部塗りつぶす方が ネガティブな印象 ◯ ✖ ヒートマップ 囲う 塗りつぶす 全顔赤 一部赤 全顔青 一部青 赤 青 黄 緑 赤 青 黄 緑 自分 0.027 0.166 -0.045 -0.383 0.050 0.031 -0.497 0.231 -0.123 0.045 -0.329 0.206 他人 0.053 0.321 0.174 -0.483 0.181 0.249 -0.260 0.587 0.170 0.504 -0.233 0.660 他人の顔画像より自分の顔画像の方が ムラの可視化に対してネガティブな印象 27
考察:評価に好影響した印象 ・印象評価:塗りつぶす方法 < 囲う方法 ・好ましさ:塗りつぶす方法 > 囲う方法 どういった印象が 好ましさに 繋がったのか? 28
考察:評価に好影響した印象 ・印象評価:塗りつぶす方法 > 囲う方法 ・好ましさ:塗りつぶす方法 < 囲う方法 どういった印象が 好ましさに 繋がったのか? ・ムラを囲うよりも塗りつぶして提示した場合に よりポジティブな評価がされた形容詞対 「明るい - 暗い」「あたたかい - 冷たい」 「積極的 - 消極的」,「派手 - 地味」 「明るく,あたたかく,積極的かつ派手」という 顔の印象が華やぐような手法が適している 29
考察:着目した部位の評価への影響 実験2について,着目箇所の違いによって 実験協力者を顔全体群14名,加工部分群5名に分類し比較分析 顔全体群 加工部分群 他人の顔画像への評価の平均 ◯ ✖ 自分の顔画像への評価の平均 ✖ ◯ 自分と他人の顔画像の評価の差 ◯ ✖ 加工部分群の方が自身の画像をより客観的に評価 30
考察:着目した部位の評価への影響 実験2について,着目箇所の違いによって 実験協力者を顔全体群14名,加工部分群5名に分類し比較分析 加工部分により注目を集めることで 『自身の顔上に好ましくないものが可視化されている』 ということに対する ネガティブな印象を和らげることができる? 加工部分群の方が自身の画像をより客観的に評価 31
考察まとめと展望 ・他人より自身の顔に可視化されたムラの方がネガティブな印象 可視化される人自身の印象を考慮することは重要 好ましい可視化法 ・範囲:塗れていない位置を大まかに示す ・色:華やかな印象を受ける色 ・その他:ムラの位置が相対的にわかりやすい, 可視化部分により注目を集める 今回の実験で提案した12手法以外にも 写真加工アプリなどで顔の上に表示させることのできる ユニークなスタンプなどを参考にした可視化方法も検討 32
まとめ ・背景:塗りムラができてしまうが解決方法がない ・大目的:塗りムラをなくしたい ・目的:可視化手法による印象の影響の調査 ・手法:画像の印象評価 ・結果:可視化される人の印象を考慮することは重要 ムラの位置が相対的にわかりやすく 華やかな印象を受ける色で可視化 33