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January 11, 22
スライド概要
画面遷移直前におけるプログレスバーのアニメーションの終端が選択に及ぼす影響
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
画面遷移直前におけるプログレスバーの アニメーションの終端が選択に及ぼす影響 横山幸大 中村聡史(明治大学) 山中祥太(ヤフー株式会社)
背景 2
背景 3
背景 5
背景:ダークパターン ユーザーに 意図しない選択 を 誘導する UI/UXデザイン 7
背景:プログレスバー ユーザ体験 を 向上 させるために使われる タスクの進捗状況を 視覚的 に提示するもの 9
関連研究:視線と選択行動 注視時間が長いものが選ばれやすくなる A [下條ら 2003] B 11
関連研究:視線と選択行動 適切な対象を見つけたら、探索をやめる傾向 A B C [Simonson 1999] D 12
関連研究:視線と選択行動 注視時間が長いものが選ばれやすくなる [下條ら 2003] 適切な対象を見つけたら、探索をやめる傾向 [Simonson 1999] 見る 順番 、時間 が変わると、選択されやすさ が変わる 13
待機画面の視覚刺激が選択に及ぼす影響の調査 HCI191 仮説 アニメーションの 100% 位置付近の選択肢が 選ばれやすい 14
待機画面の視覚刺激が選択に及ぼす影響の調査 HCI191 アニメーションの 向き と 表示位置 の影響を調査 上(⇨) 上(⇦) 下(⇨) 下(⇦) 15
待機画面の視覚刺激が選択に及ぼす影響の調査 HCI191 上(⇦) 条件以外で選択が中央に偏る傾向 上(⇨) 上(⇦) 下(⇨) 下(⇦) 16
待機画面の視覚刺激が選択に及ぼす影響の調査 HCI191 仮説 アニメーションの 100% 位置付近の選択肢が 選ばれやすい 17
待機画面の視覚刺激が選択に及ぼす影響の調査 HCI191 100%付近になったら視線を戻している可能性 仮説 アニメーションの 100% 位置付近の選択肢が 選ばれやすい 18
仮説 アニメーションの 最終位置 付近が 選ばれやすい 19
研究目的 画面遷移直前 におけるプログレスバーの アニメーション位置 が選択に及ぼす影響を調査 20
実験 クラウドソーシング環境 対面環境 大規模に傾向を調査 視線計測を行い詳細な分析 様々な実験環境 実験環境の統一 40, 50代の実験協力者が主 20代の実験協力者が主 21
実験 クラウドソーシング環境 対面環境 大規模に傾向を調査 視線計測を行い詳細な分析 様々な実験環境 実験環境の統一 40, 50代の実験協力者が主 20代の実験協力者が主 22
実験概要 (クラウドソーシング) アニメーションの最終位置を変えたプログレスバーを 提示した後に気になる商品を選ばせる実験 Yahoo!クラウドソーシングを用いて実験実施 実験協力者1010名(男性500名、女性510名) PCからの参加に限定して行った 23
実験設計 (クラウドソーシング) 画面遷移時のアニメーション位置:5種類 アニメーション進行速度:2種類(50%/s,20%/s) 20% 40% 60% 80% 100% 24
実験設計 (クラウドソーシング) 選択肢画像(10カテゴリ×8枚) 掃除機、ダンベル、デスクチェア、Webカメラ、箱ティッシュ、 マウス、ティーカップ、乾電池、水、PCケース 25
実験設計 (クラウドソーシング) 選択肢画像(10カテゴリ×8枚) 掃除機、ダンベル、デスクチェア、Webカメラ、箱ティッシュ、 マウス、ティーカップ、乾電池、水、PCケース 選択肢の 配置はランダム 26
実験手順 (クラウドソーシング) 実験説明画面 待機画面 10回 繰り返す 商品選択画面 実験後アンケート 27
実験手順 (クラウドソーシング) ① 実験手順の説明、画面サイズを最大にするなどの指示 ② 性別年代を選択し、実験開始 28
実験手順 (クラウドソーシング) ① 実験手順の説明、画面サイズを最大にするなどの指示 ② 性別年代を選択し、実験開始 29
実験手順 (クラウドソーシング) ① 実験手順の説明、画面サイズを最大にするなどの指示 ② 性別年代を選択し、実験開始 条件に満たない 場合は開始しない 30
実験手順 (クラウドソーシング) ① これから選択する商品カテゴリとシナリオの説明 ② いずれかの提示条件で待機した後、気になる商品を選択 31
実験手順 (クラウドソーシング) ① これから選択する商品カテゴリとシナリオの説明 ② いずれかの提示条件で待機した後、気になる商品を選択 32
実験手順 (クラウドソーシング) アンケートに回答 • 選択で悩んだ商品カテゴリ(複数選択可) • 画面からどれくらい目をそらしたか(5段階評価) • 気づいたことや感想(自由記述) 33
実験結果 (クラウドソーシング) 各%で画面遷移した場合の各位置の選択率(全速度条件) 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 35
実験結果 (クラウドソーシング) 各%で画面遷移した場合の各位置の選択率(50%/s) 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 36
実験結果 (クラウドソーシング) 各%で画面遷移した場合の各位置の選択率(20%/s) 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 37
実験結果 (クラウドソーシング) 各条件における列ごとの選択率と期待値のユークリッド距離 条件 20% 40% 60% 80% 100% 期待値とのユークリッド距離 全速度 50%/s 20%/s 4.63 3.76 6.15 7.30 9.49 5.84 6.43 8.36 5.23 4.33 3.50 5.68 7.53 7.30 7.82 39
考察 (クラウドソーシング) アニメーションの最終位置から右にずれた位置から 選択肢を探索し始めている可能性 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 40
考察 (クラウドソーシング) アニメーションが半分を超えたら アニメーションを目で追わなくなっている可能性 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 41
考察 (クラウドソーシング) プログレスバー提示開始から約1秒間まで アニメーションを目で追っている 条件 20% 40% 60% 80% 100% 期待値とのユークリッド距離 全速度 50%/s 20%/s 4.63 3.76 6.15 7.30 9.49 5.84 6.43 8.36 5.23 4.33 3.50 5.68 7.53 7.30 7.82 42
考察 (クラウドソーシング) アニメーションを目で追い始めるより前に 画面が遷移してしまっている 条件 20% 40% 60% 80% 100% 期待値とのユークリッド距離 全速度 50%/s 20%/s 4.63 3.76 6.15 7.30 9.49 5.84 6.43 8.36 5.23 4.33 3.50 5.68 7.53 7.30 7.82 43
実験 クラウドソーシング環境 対面環境 大規模に傾向を調査 視線計測を行い詳細な分析 様々な実験環境 実験環境の統一 40, 50代の実験協力者が主 20代の実験協力者が主 44
実験概要 (対面環境) アニメーションの最終位置を変えたプログレスバーを 提示した後に気になる商品を選ばせる実験 マウス,ディスプレイを統一して実験実施 実験協力者22名(男性13名、女性9名) Tobii Eye Trackerを用いて視線計測 45
実験手順 (対面環境) 実験説明画面 待機画面 2セット 繰り返す 10回 繰り返す 商品選択画面 実験後アンケート 46
実験設計 (対面環境) 選択肢画像(10カテゴリ×8枚×2セット) 掃除機、ダンベル、デスクチェア、Webカメラ、箱ティッシュ、 マウス、ティーカップ、乾電池、水、PCケース 47
実験結果 (対面環境) 各%で画面遷移した場合の各位置の選択率(全速度条件) 20% 40% 60% ー 選択が集中すると予想した列 80% 100% ー 最も選択率が高い列 48
実験結果 (対面環境) 各条件におけるプログレスバーを 提示している最中の実験協力者の視線ヒートマップ 20% 40% 60% 80% 100% 50
実験結果 (対面環境) 各条件における選択開始から 12フレーム(約200ms)間の視線位置ヒートマップ 20% 40% 60% 80% 100% 51
実験結果 (対面環境) 50%/s 20% 40% 60% 20%/s 80% 100% 52
考察 (対面環境) 60%を超えたあたりから中央に視線を戻し始めている 20% 40% 60% 80% 100% 54
考察 (対面環境) アニメーションを目で追うのに約0.2~0.3秒かかる 50%/s 20%/s 55
考察 (対面環境) アニメーション速度が遅いと目をそらし視線誘導が起きにくい 50%/s 20%/s 56
まとめ考察 待機開始から約1秒間までユーザはアニメーションを 目で追っている 半分を超えたあたりから中央に視線が集中し、100%で 遷移した場合には選択が中央に偏る 57
まとめ考察 待機開始から約1秒間までユーザはアニメーションを 目で追っている スケルトンスクリーンやスロバーなどを採用する 半分を超えたあたりから中央に視線が集中し、100%で 遷移した場合には選択が中央に偏る アニメーションの向きや表示位置などを変える 58
課題・展望 アニメーションの進行速度を加減速させた場合の調査 他の種類、形状の視覚刺激について影響を調査 61
まとめ 背景:プログレスバーのアニメーションが選択を誘導している 目的:画面遷移直前のアニメーション位置が、その後の選択位置 に及ぼす影響を明らかにする 実験:アニメーション位置が半分を超えたら視線を中央に置く傾向 提示開始から約1秒間までアニメーションを目で追っている 課題:アニメーション進行速度を加減速した場合の調査 展望:他の種類、形状の視覚刺激について影響を調査 62