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January 30, 17
スライド概要
SIGHCI171で使用したスライドです。
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
周辺視野への視覚刺激提示が 時間評価に及ぼす影響 松井 啓司 (中村聡史研究室) 2017.01.28 卒業論文発表会
概要 楽しいを長く つらいを短く
背景 -時間の感じ方- あれ?もうこんな時間?? さっきから全然時間が進まない…
背景 -時間の感じ方- 時間評価
背景 -時間の感じ方- 憂鬱な時間を短くしたい!
背景 -時間変化の要因- 時間評価を変化させる要因 • • • • • 個人の年齢 感情の状態 身体の代謝 時間への注意 物体の運動速度 参考文献 • 大人の時間はなぜ短いのか [一川 2008] • 運動パターンを見ている時の 持続時間の知覚[田山 2007]
背景 -時間変化の要因- 時間評価を変化させる要因 • • • • • 個人の年齢 感情の状態 身体の代謝 時間への注意 物体の運動速度
背景 -時間変化の要因- 時間評価を変化させる要因 • • • • • 個人の年齢 感情の状態 身体の代謝 時間への注意 物体の運動速度 周辺視野を活用
背景 -周辺視野の特性- 15° • 周辺視野の特徴 ◯ ◯ 物体の動作など,大まかな情報認識が得意 無意識的に視覚情報を処理
背景 -周辺視野の特性- 周辺視野で物体の運動速度を知覚 15° • 周辺視野の特徴 無意識的に時間の感じ方が変化 物体の動作など,大まかな情報認識が得意 ◯ ◯ 無意識的に視覚情報を処理
目的 周辺視野を活用することで 時間評価に変化を! • 周辺視野を用いるメリット ◯ ◯ 物体の運動速度を無意識的に知覚 一般的に視覚情報を提示しても影響が軽微 • つらい時間を短くしたい!!
提案手法
プレ実験 実験目的 周辺視野への視覚刺激提示が 時間評価にどのような影響を及ぼすのか調査 • 中心視野で見た時との比較 ◯ ◯ 提示速度が遅い:時間を短く感じる 提示速度が速い:時間を長く感じる • 実際に憂鬱なタスクを実施した時に, 時間評価がどう変化するかを検証 • a
プレ実験 -実験手順• 実験協力者4名 • 産出法 ◯ 1分を主観で計測するよう指示 • 視線固定も兼ねてタイピングタスクを実施 ◯ ◯ ◯ 日本人によくある名字100個をピックアップ ほぼ同じ内容のタスクを30回 約180文字 × 30回 = 約5400文字 • 周辺視野へ視覚刺激を提示 • 5つの速度条件による影響を調査
プレ実験 -提示速度について• 速度自体との相関は無し 提示速度 の変化 産出時間 産出時間 の差分 62秒 • 試行ごとの提示速度に着目 ◯ ◯ 加速:時間を短く感じる 減速:時間を長く感じる 加速 55秒 -7 減速 72秒 +17 加速 59秒 -13 速度ではなく速度の変化と相関がある可能性 中心視野への提示とは反対の効果
実験 実験目的 視覚刺激を提示する速度の変化が 時間評価にどのような影響を及ぼすのか調査 • プレ実験によって立てられた仮説の検証 ◯ 速度の変化と時間評価の関係について
実験 -実験手順• 実験協力者15名 • マグニチュード推定法[田山 2007など] ◯ 6つの時間条件によってタスクは自動終了 • タイピングタスクを実施 ◯ ◯ 最大160秒間継続してタイピング 約250文字 × 30回 = 7500文字 • 周辺視野へ視覚刺激を提示 • 4つの速度条件による影響を調査
実験 -全体としての分析(実時間の比率) • 加速:時間を短く感じる 減速:時間を長く感じる ◯ プレ実験の結果と同様 1.4 1.2 1 0.8 • 個人によって異なる傾向 ◯ 個人差の要因を検討 0.6 0.4 0.2 0 加速 速度の変化量と相関 減速
実験 -個人ごとの分析時間評価値の平均 • 加速:時間を短く感じる 減速:時間を長く感じる ◯ プレ実験の結果と同様 • 個人によって異なる傾向 ◯ ◯ 青は中心視野への効果と類似 個人差の原因を検討 • ユーザによって異なる効果? • 再実験により検証 ユーザ 加速 減速 A 1.15 1.15 B 1.64 1.05 C 1.08 1.04 D 1.56 0.91 E 0.96 1.30 F 0.99 1.09 G 1.22 0.92 H 0.90 1.20 I 1.03 1.01 J 1.15 1.17 K 1.30 1.01 L 1.13 1.12 M 1.24 1.06 N 1.12 1.07 O 1.40 1.03 (1.0以上は時間を短く感じる)
再実験 -個人差の原因について• 強い傾向の見られた5人で再実験 ◯ ◯ 加速するほど時間を短く感じるグループに遷移 視線の位置がずれたために反対の効果が発生? 時間評価値の平均 時間評価値の平均 ユーザ 加速 減速 ユーザ 加速 減速 B 1.64 1.05 B 1.16 1.05 D 1.56 0.91 D 1.31 0.90 E 0.96 1.30 E 1.29 1.06 G 1.22 0.92 G 1.30 1.05 H 0.90 1.20 H 1.06 1.04
再実験 -個人差の原因について• 強い傾向の見られた5人で再実験 ◯ ◯ 加速するほど時間を短く感じるグループに遷移 視線の位置がずれたために反対の効果が発生? 時間評価値の平均 時間評価値の平均 視線データの分析が必要 加速 減速 ユーザ 加速 減速 B 1.64 1.05 B 1.16 1.05 D 1.56 0.91 D 1.31 0.90 E 0.96 1.30 E 1.29 1.06 G 1.22 0.92 G 1.30 1.05 H 0.90 1.20 H 1.06 1.04 ユーザ
考察 -実験時の視線分析• 新たな実験協力者5名 ◯ 視線検出装置によって実験中の視線情報を取得 • 赤グループ • 視線は画面中央のタスクに向けられていた ユーザ 時間評価値の平均 タスク注視率 加速 減速 提示なし 提示あり K 1.30 1.01 0.91 0.93 L 1.13 1.12 0.91 0.95 M 1.24 1.06 0.95 0.96 N 1.12 1.07 0.90 0.89 O 1.40 1.03 0.95 0.96
考察 -実験時の視線分析• 新たな実験協力者5名 ◯ 視線検出装置によって実験中の視線情報を取得 • 赤グループ • 視線は画面中央のタスクに向けられていた ユーザ 時間評価値の平均 タスク注視率 青グループは視線の位置がずれていた可能性 加速 減速 提示なし 提示あり K 1.30 1.01 0.91 0.93 L 1.13 1.12 0.91 0.95 M 1.24 1.06 0.95 0.96 N 1.12 1.07 0.90 0.89 O 1.40 1.03 0.95 0.96
まとめ • 周辺視野へ提示された視覚刺激によって, 無意識的に時間評価が変化する手法を提案 • 加速するほど時間を短く感じ, 減速するほど時間を長く感じる傾向 ◯ 中心視野の効果と反対の結果 今後の展望 • より日常的に使えるシステム ◯ ◯ webサービス ウェアラブルデバイス • 時間評価の変化に特化したシステム