EBM入門 - 2024年版

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May 17, 24

スライド概要

Scrum.orgが提唱する経験的アプローチによる「不確実な状況下での価値提供の向上」フレームワークである「エビデンスベースドマネジメント」(EBM: Evidence-Based Management)の入門となる資料です。

※講演承ります。
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サーバントワークス株式会社 代表取締役/アジャイルストラテジスト/アジャイルコーチ/エバンジェリスト DASA Ambassador DASA DevOps 認定トレーナー 株式会社Helpfeel アドバイザー 講演や支援のご相談はぜひお気軽に(ご相談は無料です)! PSPO II, PSM II, SPS, PAL-EBM, PAL I, PSU I, PSK I, PSD I, PSPO I, PSM I, CSM

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

2024年5月版対応 長沢 智治 Tomoh aru Nagas aw a © 2024 Servant Works Inc. Ver 2023.12

2.

長沢 智治 キャリア: エンジニア 改善コンサルタント エバンジェリスト プロダクトマネージャー 現職: • アジャイルストラテジスト / アジャイルコーチ • スタートアップ企業のアドバイザー • グローバル団体の認定トレーナー / アンバサダー / SME © 2024 Servant Works Inc.

3.

長沢 智治 • ソフトウェア開発現場および、ビジネス企画の業務改善コンサルタント/コーチ • ビジネス戦略および、マーケティング戦略のアドバイザー • 講演・執筆・翻訳・監訳 © 2024 Servant Works Inc.

4.

エビデンスベースドマネジメント Evidence-Based Management 不確実な状況下での価値提供の向上 © 2024 Servant Works Inc.

5.

EBMの背景 EBMによるゴール設定と実験による計測が 活きるシーン © 2021 Servant Works Inc.

6.

問われる変化速度 外部の変化速度が、組織内の変化速度を上回っているので あれば、その組織の終わりは近い。 GE 元CEO ジャック・ウェルチ © 2024 Servant Works Inc.

7.

エビデンスベースドマネジメント(EBM)とは 組織が不確実な条件下で、継続的に提供する価値を向上させるのに 役に立つアプローチ: 組織的な能力 顧客のアウトカム ビジネスの結果 常に計測し、変化することが価値になる © 2024 Servant Works Inc.

8.

複雑さ Stacy Matrix 不確実 2000s 1990s 2010s 混沌 2020s chaotic IT 有効 IT はコストセンター ビジネス IT 不可欠 IT コア WHAT IT 便利 IT はビジネス戦略 complex 煩雑 complicate d IT 確実 © 2024 Servant Works Inc. 複雑 明白 煩雑 obvious complicate d HOW 不確実

9.

ゴールまでの不確実性によるアプローチの使い分け 定義済みアプローチ © 2024 Servant Works Inc. 経験的アプローチ

10.

EBMは、経験的アプローチ 透明性 経験主義に基づいたフレームワーク: • 組織の価値を提供する能力を向上 • ゴールに向けた道筋を探索 適応 経験主義: • 透明性: 客観的なデータに基づく観察による意思決定 • 検査と適応: 実験による探索と改善 © 2024 Servant Works Inc. 検査

11.

エビデンスベースドマネジメントガイド(EBM Guide) 最新版: 2024年5月 scrum.org/ebm Ken SchwaberとProfessional Scrumコミュニティが開発 英語、日本語をはじめとして、19カ国以上の言語に翻訳されている © 2024 Servant Works Inc.

12.

EBMの目的 意図的な実験とフィードバックを用いて、ゴールを達成するために、 よりよいデータに基づいた判断ができるフレームワーク: • 組織の重点課題: • アウトカムの向上 • リスクの軽減(リスクの管理) • 投資の最適化・最大化 価値 vs 費用対効果 機会損失 (競合他社・マーケットの優位性) © 2024 Servant Works Inc.

13.

EBMの効果 EBMの武器: 意思決定の客観的な根拠 • 意図的な実験のループ • エビデンス(多角的な視点での指標により事実と根拠を積み重ねる) • ゴール自体も検査し、適応させる • エビデンス自体も検査し、適応させる 組織が時間の経過とともに体系的に改善し、ゴールを洗練される (最初から正解があるわけでないので不確かなところから始める) © 2024 Servant Works Inc.

14.

EBMの要素 経験的な組織ゴール 重要価値領域(KVA) 実験ループ • ビジョンとミッション • 現在の価値 • 経験に基づく仮説 • 戦略的ゴール • 未実現の価値 • 実験とデータ収集 • 中間ゴール • 市場に出すまでの時間 • 検査 • 即時戦術ゴール • イノベーションの能力 • 適応 • 現在の状態 透明性のある意思決定 © 2024 Servant Works Inc.

15.

EBMのゴール設定 経験的な組織ゴールの設定 © 2021 Servant Works Inc.

16.

ゴール設定の「問い」 • ゴールへの「問い」  解決しようとしている問題は何か  提供しようとしているニーズや要望は何か  成功をどのように計測するかは明確か  取り組んでいる機会とは何か  顧客リサーチ、対話、データからの観察と関連があるか  どのような仮説を検証する必要があるのか © 2024 Servant Works Inc.

17.

改善のカタ 1. 方向性や課題を理解する 2. 現在の状況を把握する 出典: Toyot a Kat a 3. 次に目指している状態を設定する 4. 目指している状態に向かって繰り返し実行する 1〜4 を何度も繰り返す体系的かつ科学的な仕事のアプローチ © 2024 Servant Works Inc.

18.

組織ゴールと実験ループ(改善のカタ) © 2024 Servant Works Inc. 出 典 : 「 エ ビ デンスベースド マネジメントガイ ド」

19.

組織ゴール(ビジネス目標への要素) ビジョン ミッション 即時戦術ゴール • 短期目標 • 中間ゴールに 向けた取り組み • 現在重点的に 取り組んでいる 改善活動 © 2024 Servant Works Inc. 中間ゴール • 戦略的ゴールへの進捗 戦略的ゴール • を示せる目標 • 組織の達成したい 重要な目標 不確実性はあるが、 • 不確実で不確か 不確かでもない • 経験主義が必要 • 実用的なターゲット (中間ゴール)が必要

20.

組織ゴールの設定 ❶ 戦略的ゴール: • 組織のビジョンやミッションに関連するもの • 組織が達成したい重要なもの • 非常に望ましいが未実現の成果に集中し、 • プロダクトのステークホルダーの状況を改善 • 不確実性が高い • 組織によって複数ある場合もある 中間ゴール: • 達成することで戦略的ゴールの進捗を示せる • 全くわからないわけでもないもの(不確実性はまだ高め) • 実践は、一つに絞る © 2024 Servant Works Inc.

21.

組織ゴールの設定 ❷ 即時戦術ゴール: • 中間ゴールを目指して取り組む短期的な目標 • チームや複数チームが目指すもの • 不確実性は少ない © 2024 Servant Works Inc.

22.

組織ゴールの設定 ❸ 状態: • 開始の状態: 開始時点での戦略的ゴールに対する状態 • どれだけターゲットと離れているか • でも到達可能な見込みがあるか • 現在の状態: 現在時点での戦略的ゴールに対する状態 • どれだけターゲットに近づけたか • 進展を称賛する|行ったことを検査する • ターゲットは適切か • 現在の価値 © 2024 Servant Works Inc.

23.

EBMの実験ループ 経験的な科学的アプローチ © 2021 Servant Works Inc.

24.

実験ループ • 改善のための仮説を立てる • 実験を行う • 結果を検査する • 学習によって、 ゴールやアプローチを適応させる © 2024 Servant Works Inc.

25.

実験ループ: 改善のための仮説を立てる 仮説 実験 ループ 1. 次のゴールに向かうためのアイデアを考案 2. 実験が成功したかどうかを計測に基づき 適応 どう判断するかを決定 アイデア © 2024 Servant Works Inc. ゴール 実験と計測 成功を定義 OK/NG 検査

26.

実験ループ: 実験を行ない計測する 仮説 実験 ループ 1. 実験として、仮説に基づく変更を実行 2. 仮説を実証または、反証するためのデータを収集 実験を実施 © 2024 Servant Works Inc. 実験と計測 データを収集 適応 検査

27.

実験ループ: 結果を検査する 仮説 実験 ループ 1. 結果が計測に基づき改善されているかを確認 2. 何がうまくいき、何がうまくいかなかったを明確化 3. 事態が悪化することもある 実行方法 仮説 © 2024 Servant Works Inc. 結果 実験と計測 適応 検査

28.

実験ループ: 学習しゴールや手段、指標を適応させる 仮説 実験と計測 実験 ループ 1. 即時戦術ゴールや中間ゴールの正当性、 戦略的ゴールの妥当性をもとに見直しを検討する 適応 2. ゴールは、外部要因によって変化することがある 即時戦術ゴールや中間ゴール • 達成: 新しい中間ゴールを選択 • 未達: 継続・中止・ピボットを判断 戦略的ゴール 適切でなくなった場合: 適応させる|置き換える © 2024 Servant Works Inc. 検査

29.

価値のあるものとその指標(エビデンス) インプット アクティビティ 組織が資金を 投下しているもの ≒ 制約 アウトプット 目標のために 行なっている行動 目標のために 作成するもの • 実験への資金 • 作業の実行 • プロダクトのリリース • 価値への投資 • ミーティング参加 • レポート • ・・・ • レポート作成 • • ・・・ • 計測が容易 © 2024 Servant Works Inc. 計測が容易 アウトカム インパクト ユーザーが体験する 望ましい成果 アウトカムを達成し たときに、組織や 関係者が得る結果 以前は達成できなかっ • 収益増加 たもの • 市場シェア向上 プロダクトの • 新しい能力 • 株価の上昇 レビュー結果 • 改善された能力 • ・・・ • ・・・ 計測が容易 計測が困難 計測が容易

30.

計測は重要だが、容易な計測には注意 • 継続できなければ、目標設定も評価もできない • 容易な計測を選択しがちになってしまう • 「アクティビティ」と「アウトプット」 • 容易に計測できるものが、目標達成に適切な指標とは限らない: 多くの時間働く アクティビティ © 2024 Servant Works Inc. × 多くの機能 を提供する アウトプット = 顧客満足 アウトカム

31.

EBMの重要価値領域 ビジネス価値領域 (経験的に計測すべき指標の領域) © 2021 Servant Works Inc.

32.

重要価値領域(KVA) 出 典 : 「 エ ビ デンスベース ドマネジメントガ イド」 © 2024 Servant Works Inc.

33.

重要価値領域(KVA)のイメージ 市場価値と可能性(投資価値) 反応性と効果性 期待するもの 提供しているもの 組織として応える能力 市場価値 組織の能力 市場競争 (顧客) © 2024 Servant Works Inc.

34.

現在の価値 (CV: Current Value) プロダクトが現在提供している価値を定量化した指標 目的 • 現時点で組織が顧客とステークホルダーに提供している価値を理解すること • あくまで現在、存在する価値だけに集中すること CVを継続的に評価するための質問: • ユーザーと顧客の満足度合いと傾向 (+ / ー) • 従業員の満足度合いと傾向 (+ / ー) • 投資家やSHの満足度合いと傾向 (+ / ー) © 2024 Servant Works Inc.

35.

未実現の価値 (UV: Unrealized Value) 組織がすべての潜在的な顧客やユーザーのニーズを満たせば「実現可能」な将来 の価値を定量化した指標 目的 • これから組織がプロダクトで実現する価値を最大化するのに役立てること • 現在の体験と期待する体験のギャップが機会となる UV UVを継続的に評価するための質問: • 現在または他の市場で組織が追加的な価値を創造できるか • 追加的なUVを獲得するために追加投資すべきか © 2024 Servant Works Inc. = • 未開拓の機会の追求に労力とリスクをかける価値があるか CV ギ ャ ッ プ 機 会

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「未実現の価値(UV)」でビジネス機会を測る (プロト) ペルソナ × • (プロト)ペルソナの数だけ機会を探る プロダクト 期待する体験 • プロダクトの未実現の価値: 満足度のギャップすべてを集約したもの • 顧客に集中する • 従業員、株主、その他の関係者より顧客 • 顧客に集中することでプロダクトの価値を考える 満足度の ギャップ • 未実現の価値に着目し、 プロダクト投資のバランスを取る 現在の体験 © 2024 Servant Works Inc.

37.

イノベーションの能力 (A2I: Ability to Innovate) 新しい機能を提供する上での組織の効果性を定量化した指標 目的 • 組織が価値を提供する能力を最大限に引き出す A2Iを継続的に評価するための質問: • 新しい価値の提供を妨げる要因はなにか • 顧客やユーザーがイノベーションの恩恵を受ける妨げとなる要因はなにか © 2024 Servant Works Inc.

38.

市場に出すまでの時間 (T2M: Time-to-Market) とれだけすばやく提供でき、実験により収集したフィードバックから学べるかを 定量化した指標(反応性) 目的 • 組織が価値を提供するのにかかる時間を最小化するため • 価値を持続的に提供する能力があるか T2Mを継続的に評価するための質問: • 新たな実験と情報からどれだけ速く学べるか • 情報をもとにどれだけ速く適応できるのか • 新たなアイデアを顧客にどれだけ速くテストできるのか © 2024 Servant Works Inc.

39.

重要価値指標 (KVM) • それぞれのKVAに基づく計測すべき指標 • EBMでは、明示やガイダンスは示していない • EBMでは、よくある指標を「例示」している © 2024 Servant Works Inc.

40.

© 2024 Servant Works Inc.

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Measuring Outcome Game • github.com/ScrumFacilitators/measuringoutcome-ja © 2024 Servant Works Inc.

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EBMの始め方 Starting with EBM © 2021 Servant Works Inc.

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EBMに取り組む手順 1. KVAとKVMを検討する 7. 一つだけ実験する 2. ゴールを理解し設定と確認をする 8. 頻繁に、継続的に検査する 3. 手に入る指標から検討・設定する 9. 適応し、必要に応じて実験を変更する 4. KVAのすべての指標を取り入れる 10. チームや組織全体がEBMを理解できるようにする 5. 現在の状態を計測する 11. 可視化でより良い判断を促す 6. エビデンスに基づく意思決定をする 12. リーダーシップを発揮できるようにする 13. 経験主義の観点を大事にし、 従来のプロセスや習慣に惑わされない © 2024 Servant Works Inc.

44.

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45.

クイックスタート研修 [PR] © 2024 Servant Works Inc.

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提供 アジリティに関する導入・定着化支援サービス、研修サービスを提供いたします [email protected] ご参加くださり、誠にありがとうございました © 2024 Servant Works Inc. © Servant Works Inc.