CEDEC2024_明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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September 25, 24

スライド概要

https://cedec.cesa.or.jp/2024/session/detail/s6609be8ca5282/

【受講スキル】
ゲームデザインやステージ設計(Level Design)の実務経験があると、より理解が深まります

【得られる知見】
- 海外のLevel Designに関する手法や理論についての知識
- ロジカルなステージ設計をするための手がかり
- 海外の文献から見聞を広げるためのきっかけ

【セッション内容】
海外のゲームステージ設計(いわゆる"Level Design")に関する書籍やWeb記事を読んでいると、複数の文献に頻繁に登場する手法や理論の用語があります。これらの用語は、海外で働く"Level Designer"にとっては基本的な知識としてある程度確立され、実際の開発業務でも運用されているようです。

本セッションでは、主に英語圏や韓国の文献で頻繁に登場する"Level Design"の手法を日本語で紹介し、それらが実際に用いられたと思われるゲーム作品の事例を交えながら、理論と実践の両面で解説します。
また、それらの用語を解説するにあたって、講演者の開発経験や研究をもとにしたレベルデザインのフレームワーク(考え方)についても、いくつか紹介します。

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■All Time Video Game Otaku ■Game Designer / ゲーム開発の研究家 ■1991年生 ■ゲームデザイン、ゲーム史、学術研究、開発者教育 ■CEDEC2024ゲームデザイン部門企画委員 ■日本デジタルゲーム学会No.486 ■レトロコンシューマ愛好会No.998 ■ゲーム保存協会会員 ■アイコン: @nitokiyoshi

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関連スライド

各ページのテキスト
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明日から使える! 海外文献に頻出する Level Design 用語の紹介 ゲームデザイナー/ゲーム開発の研究家 知久 温 DALL-E3で生成

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本日の講演 ステージ設計業務の経験者向け 1.自己紹介 2.Level Design という概念の認識をそろえる 3.なぜ海外の用語を知る必要がある? 4.Level Design 用語の紹介 5.まとめ 6.質疑応答(5分) フリー素材:Loose Drawing Ask the Speaker あり CEDiL資料公開あり 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 2

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自己紹介

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こういう者です • 知久温(ちく・あたたか) • 本名です! • Xでは「テトラポッド葉山」 • 本業:ゲームデザイナー (プランナー) • ハクスラSTGや対戦TPSといったジャンルで 「レベルデザイン」業務を経験 • 副業:ゲーム開発の研究家 illustrated by 弐藤潔 @nitokiyoshi • 講演や執筆 • CEDEC2024企画委員 • (株)ゲームデザインラボのお手伝い 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 4

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本業:ゲームデザイナーとして ※追加スライド フリー素材:ヒューマンピクトグラム2.0 ②ターンべースRPG ①MO狩猟アクション 運営施策企画、難易度バランス調整 エネミー仕様、難易度バランス調整 ③Co-opハクスラSTG ④オンライン対戦TPS (ステージ全体設計、配置、スクリプト) (ルール・コンバット・レベル・演出システム) リードレベルデザイン プロトタイピング 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 5

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副業:ゲーム開発の研究家として CEDEC2022 CEDEC2024 登壇 ゲームデザイン部門 運営委員 東京国際工科専門職大学 特別講義 ※追加スライド PERACON 審査員 株式会社ゲームデザインラボ ゲームデザイナー濱村崇が率いる集団 6 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 6

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CEDEC2024企画委員としての宣伝 明日8/22(木)の2つの招待セッション ご興味のある方はぜひお越しください! • 任天堂 様 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の スクラビルドができるまで ~準備のために準備する~ • 山根 信二 様 ゲームUXコミュニティに見る 「人類共通の脳機能」とゲームデザインへの応用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 7

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注意事項 • ゲーム開発研究家としての、独自の研究成果です • 関わってきた特定のプロジェクトや組織の見解を示すものではありません • 今回紹介する作品や文献との利害関係もありません 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 8

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Level Design という概念の 認識をそろえる

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「レベルデザイン」の意味 • 日本での「レベルデザイン」は、プロジェクトや業態に よって多様な意味を持っている • ステージ配置、難易度調整、成長設計、長期運営のUX… • 英語圏でも解釈は必ずしも一致していないが、 一般的に”Level Design”と言うときは 「ステージの設計」を指すことが多い https://youtu.be/edX94BV6f8?si=ULs34yzYSepYa_UV • Level = ステージ、Design=設計 • この中に多様な業務内容を内包していることはある • この国内外の差については、先日上がったばかりの Automatonさんの動画が詳しい • 本講演では定義論については あまり扱いません! 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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この講演での ”Level Design” の認識 「要素の構成や配置によって楽しいステージをつくる」 • 構成(Layout) • 戦場や街などのプレイヤーが活動する空間について、 • 地形や部屋、通路や出入口の構成を設計し、 • 充実したゲームプレイの進行を計画、実現する • 配置(Arrangement) • 敵や障害物、アイテム、物語、背景、エフェクトなど 様々な要素をステージ上に配置/実装(がっちゃんこ)し、 • プレイヤーの移動を誘導/制限したり、 • 戦闘やパズルや演出の場面を量産したりして、 • 快適かつ驚きのある挑戦や展開をプレイヤーに提供する Defining Environment Language for Video Games https://80.lv/articles/defining-environment-language-forvideo-games/ より引用、トリミング ※海外スタジオの採用ブログなどを見ても、だいたい同じようなことが記載されている 【例】 https://kevurugames.com/blog/what-is-level-design-in-video-games-tips-tools-and-a-beginner-s-guide/ 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 11

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つまり “Level Designer” とは 私たちは世界を作る者です。 私たちは組み立てる者です。 私たちは外交官です。 『A Practical Guide to Level Design: From Theory to Practice, Diplomacy and Production』(英語版)2023,バウアー、ベンジャミン (p.9)。CRC Press。Kindle版 より翻訳 • ゲームシステムや敵のAI、エフェクトやサウンド、物語といっ た様々な要素を、ステージ(Level)というキャンバスの上に 実装して、プレイヤーが体験する世界を構築する仕事 • またそのためには、様々なセクションやアセットについての知 識と、コミュニケーション能力が求められます(外交官) 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 12

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Level Designの基本的な考え方(持論) ※追加スライド 空間構成(Layout)や要素配置(Arrangement)によって 「コアメカニクス」を展開拡張し、ゲーム体験に変化や多様性を生みだす ★コアメカニクス =ゲームの中で繰り返しおこなう、 核となるしくみ・サイクル 『LD - In pursuit of better level』 p.6より引用 →これが決まっていないと、展開拡張しようがない! • 基本アクションの3C (Character、Camera、Control) • プレイヤーの運動性能に合わせた、配置物のMetricsを決定 (大きさ、厚さ、速さなど) • システム・ルール • 目標、アクション、制約、成否判定基準 • インタラクションのループサイクル • 認知 → 計画 → 実行 → フィードバック 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 14

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Level Design 役割について考える この講演では… • ①課題の提示とペース配分 • ②プレイヤーの動きを間接的にコントロール • ③インタラクティブに物語や世界観へアクセス の3つに着目してみました 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 15

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①課題の提示とペース配分 • 課題とは(Challenge) • プレイヤーが乗り越える/攻略すべき1つ1つの場面のこと • 穴や扉などの障害物、エネミーとの戦闘、パズルなど • 変化や展開のあるゲーム進行をつくり、 無理なく攻略できるペースで登場させる (Pacing) • シチュエーション違い • 組み合わせによる応用 • 期待と裏切りのリズム、緩急、メリハリ • クライマックスへの緊張感 『LD - In pursuit of better level』 p.55 より引用 • このデザインによって達成できること • 心地よい手ごたえで学習できる→達成感や自己肯定感へ • 常に驚きや発見を与え、飽きずに最後までクリアできる 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 16

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②プレイヤーの動きを間接的にコントロール • 新たな目標を自然と次々に発見できるように 「おもてなし誘導」を仕込む • 遠くに見える気になる景色、建物、アイテム • 思わず目にとまる小さな配置物 • 快適に進める通路、わかりやすい入口 • 次の行動の計画を立てるヒントを提示する 『LD - In pursuit of better level』 p.73より引用 • 敵の動きを観察できる見晴らしスポット • 鍵がないと開かない扉 • ダメージを与えれば壊せそうな壁 • 敵から身を隠せそうな物陰 • このデザインによって達成できること • 探索に対して常に動機付け(先に何があるか気になる、見たい) • 快適にストレスなく、次の課題までたどり着ける 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 17

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③インタラクティブに物語や世界観へアクセス • プレイヤーが環境(世界やオブジェクト)に 実際に歩いて触れて相互作用(interaction) する機会をつくる • このデザインによって達成できること • ゲーム世界への没入感 (immersion) • プレイヤーの実在感 (sense of presence) を高める ゲームの環境が伝える物語 | Game Maker's Toolkit https://youtu.be/RwlnCn2EB9o?si=0Y8m7HGgnCNITC3 H 1:55~ 引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 18

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なぜ海外の 用語を知る 必要がある? 19

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まずはこちらの動画をご覧ください God of War - Level Case Study https://youtu.be/E2b w6dq9Llg 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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海外の情報源とその重要性 • Youtubeで “Level Design” と検索すると 開発の事例や理論の動画がたくさん出てくる • 「レベルデザイン」で検索するよりも多種多様 • ネット上での議論が盛んで、登壇や書籍も多い • RedditやMediumなどでの活発な議論 • 実際に作成されたステージを公開する文化 • 特に海外スタジオが強いジャンルでは、 豊富な実績とノウハウの蓄積がある • ストーリードリブンの3Dアクション • マルチプレイシューター • 広大なオープンワールド…etc. 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 21

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調べたけどよくわからんが!? Blockout Flow Meaningful Choice Beat Breadcrumbs POIs Environmental Storytelling 聞き馴染みのないキーワードが多数登場!! ちょっとハードル高いかも…… 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 22

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こんなに貴重な情報、もったいない! • 複数の文献やサイトで繰り返し登場するキーワードがある • 英語圏の論壇では、定番となっている概念やノウハウがある!? • 日本の開発現場では共通言語化されていないものも… • この講演で登場するワードを押さえておけば、 AI翻訳などを駆使しつつ海外のレベルデザイン情報に触れることが可能 • これらの意味を知っていれば… 1. 検索ワードから欲しい情報にすぐアクセスできるようになる 2. ステージ制作への見聞が広がり、理解が深まる 3. 言語化されていなかったノウハウが可視化され、 ステージ制作の効率化やクオリティアップが期待できそう 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 23

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ようやく本題! Level Design 用語の紹介

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①課題の提示とペース配分 •①-1 ゲーム全体の進行設計 •Beat Chart •Intensity Graph 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-1 ゲーム全体の進行設計 1 Beat Chart Intensity Graph • ビート • レベルやミッションでプレイヤーの 体験を区切る最小の要素 • 敵単体、ギミック単体、パズル 単体など • ビートチャート Level Diagram • Beat Sheet とも • ビートをどんな順番で、どの組み 合わせで、いつ登場させるかを まとめた資料 • 一覧化することで以下を 調整できる • 要素を詰め込みすぎでないか • 単調でなく変化があるか • シナリオやチュートリアルとの 矛盾はないか 『「レベルアップ」のゲームデザイン』 p.81 を参考にしながら、筆者の実務経験に基づいて作成 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-1 ゲーム全体の進行設計 Beat Chart 2 Intensity Graph 『A Practical Guide to Level Design: From Theory to Practice, Diplomacy and Production』(英 語版)2023,バウアー、ベンジャミン (p.136)。CRC Press。Kindle版 よ り引用 Level Diagram • 緊張曲線(強度曲線) • ビートチャートと併せてペーシング設計! • Tension Graphとも • ゲームの盛り上がりや難易度の変化を 時系列で示したグラフ • 物語制作の文脈では「三幕構成」の説明 としてもよく使われる • 『Left 4 Dead』のDirector AIでは、 この緊張曲線を動的なエネミー発生よって作り出している • 強度(緊張感、盛り上がり) • バラエティ(展開の変化) • プレイ時間や労力 『LD - In pursuit of better level』p.54より 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-1 ゲーム全体の進行設計 Beat Chart 2 Intensity Graph Level Diagram 『風ノ旅ビト』における ビートチャートと 緊張曲線を合わせた ドキュメント The Level Design Book https://book.leveldesignbook.com/pro cess/preproduction/pacing#beatsheet より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①課題の提示とペース配分 •①-2 レベル内の体験設計 •Level Diagram •Critical Path •Blockout 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-2 レベル内の体験設計 部屋 Intensity Graph 3 Level Diagram Critical Path • レベルダイアグラム 通路 • ビートチャートや緊張曲線を元に、 そのステージの概念的な部屋・通路・ 接続・イベントを設計する簡易図 • 詳細なレイアウト図面に書き起こす 前に、広さや戦闘発生のペーシング、 部屋同士の接続関係をすばやく設 計できる 景観 『レベルデザイナーになる本』 Chapter5 を参考にしながら、筆者の実 務経験に基づいて作成 • バブルダイアグラム(Bubble Diagram) • もっと簡易的に、丸と線だけの フローチャートのような図で 設計する場合もある 『LD - In pursuit of better level』p.9 より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-2 レベル内の体験設計 Level Diagram 4 • クリティカルパス • リニアな(一本道の)ゲームにおいて、 想定される理想的な最短動線(右図オレンジ) • クリティカルパス通りにプレイヤーが動くように 「誘導」(後述)を配置していく Critical Path Blockout • ※PM用語の「最短工程」も「クリティカルパス」なので紛らわしい • ゴールデンパス(Golden Path) • だいたい同じ意味だが、 「プレイヤーよりゲームデザイナーにとっての理想」 というニュアンスがありそう? • フロー(Flow) • 水や車が流れるように、プレイヤーがスムーズに ステージを移動できる状態、あるいはその動線 • ※「没入する」という意味の「フロー状態」もよく出てくるので紛らわしい 【例】左より右の方が視界が広く よりスムーズに曲がれる 『Level Design Case Study - Recreating the first level in God of War』 https://www.sukhrajjohal.com/post/level-design-study-god-of-war より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-2 レベル内の体験設計 Level Diagram 4 レイアウト図面にビートとクリティカスパスを記載した図 スタート地点 Critical Path Blockout ロックされたゲート 出口 The Level Design Book https://book.leveldesignbook.com/pro cess/layout/criticalpath より引用、訳注追加 ロック解除 エアロックで ボス戦 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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①-2 レベル内の体験設計 Critical Path 5 Blockout Level DesignerのBrian Baker氏がXで 共有している『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』(2019)の ステージ ”Docks” Gating https://x.com/JrBakerChee/status/11 82384066881916928 より引用 • ブロックアウト • グレイボクシング(Grayboxing) • レベルデザイナーがメトリクス(高さや距離のレギュレー ション)に従って、テクスチャのない簡易的なポリゴンを 配置し、設計通りのゲームプレイをいち早くテストする ための工程 • 見本でもUEやUnityでのイテレーション開発が普及し たため、知名度は上がってきているはず • ほぼ同じ意味だが、工程の進み具合に応じて、 スタジオによっては言い分けているようだ • 最もプリミティブなものが「ホワイトボックス」で、 テクスチャの色分けやレイアウトの詳細化が入ると 「グレイボックス」と呼ぶ、など • ※AI用語やソフトウェアテスト用語にも「グレーボックス」があるので紛らわしい 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②プレイヤーの動きを間接的にコントロール •②-1 行動を制限させる •Gating •Encounter Design 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 34

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②-1 行動を制限させる Blockout 6 Gating Encounter Design • ゲーティング • プレイヤー進行をブロックしてペーシングすることの総称 • 扉、柵、高い段差、足場の悪い道、封鎖された橋、立ちはだかる強敵…etc. • Hard Gate … 絶対に通れない。プレイヤーを確実に止める • Soft Gate … 味方と一緒にゆっくり歩く、重い扉を開く、ハシゴを昇るなど • ロック & キー(Lock&Key)※Hard Gate に該当 • 錠を開けるのに鍵(他のアイテムや特定の能力、フラグ)が必要なゲート • メトロイドヴァニアはロック&キーの配置を軸にレベルデザインしている • スキルゲート(Skill Gate)※Soft Gate に該当 • 特定のプレイヤー自身のスキル(能力)がないと通れないゲート • 三段跳びが必要な高い段差など • バルブ(Valve) 『The Last of Us』 https://automatonmedia.com/articles/newsjp/20230301238978/ より引用 • 通ると背後が閉ざされる、一方通行のゲート(one-way gate) • 崖の飛び降り、橋の崩落など 『LD - In pursuit of better level』 p.52 より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②-1 行動を制限させる • エンカウンターデザイン Gating 7 • 戦闘(Combat)のコアのゲームデザインを 空間設計と配置構成で展開拡張させる • 敵とどう遭遇(Encounter)し、どう対処するか。 その戦術の起点となる配置 Encounter Design • カバー(Cover) Point Of Interest 『LD - In pursuit of better level』p.89 より引用 • 特にシューターだと、カバーの配置が起点になる • 高さや形状、場所などのノウハウ資料は豊富 Defining Environment Language for Video Games https://80.lv/articles/definingenvironment-language-for-video-games/ より引用 How to handle cover placement. https://iuliu-cosminoniscu.medium.com/how-to-handlecover-placement-d10580faac66 より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②-1 行動を制限させる Gating 7 VP Encounter Design Point Of Interest 画像元:https://statbanana.com/images 一部加工 Overwatch Hollywood Guide | Map Mastery Series https://youtu.be/0VHZq8BoxwM?si=PGiOZWXiEg6LX1ES&t=110 1:50 から引用 • チョークポイント(Chokepoint) CP • ヴァンテージポイント(Vantage Point) VP • 孫氏の『兵法』によるところの「あい路」 • 通路や門で狭くなっていて、 敵との遭遇、膠着が発生しやすい箇所 • PvPでは、戦闘のメッカとなり前線が滞る • 敵や障害物の配置がよく確認できる箇所 • PvEでは、ここで落ち着いて状況を観察し、 その後のステルスや戦闘の計画を練る機会となる • 絶景が見える眺望ポイントはVistaとも 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②プレイヤーの動きを間接的にコントロール •②-2 視覚的に誘導する •Point Of Interest •Breadcrumbs •Affordance 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 38

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②-2 視覚的に誘導する • POIs(興味ポイント)ピーオーアイ • ビジュアルが目を引いたり、何らかの報酬や イベントへの期待が持てるスポット • 孤立した建物、高い塔、宝箱、 たき火、ダンジョン、店…etc. • 元々はGoogle Mapなどでアイコンが示さ れているようなスポットのこと Encounter Design 8 Point Of Interest Breadcrumbs 『Half-Life2』 https://level-design.org/?page_id=2274 より引用 Landmarks in Video Game Level Design https://youtu.be/oHI5TyUGodw?si=4Vt7 XDONz3XliTUp&t=18 0:18~より引用 『The Last of Us』 What are WEENIES in Level Design? https://youtu.be/JcLvQgsvalM?si=BTRPOCzJHUU23kC6&t=43 0:43~より引用 • ランドマーク(Landmark) • 特に見た目が目立ち、目印や目標になる オブジェクト • 類似用語「ウィニー(Winnie)」は元々 はディズニーランドの設計から生まれた用語 • 各エリアにランドマークがあり、どこから でも見える • 相対位置と方向を常に確認できるので 迷子を防止する 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②-2 視覚的に誘導する Encounter Design • オープンワールドでのPOIs • 『Witcher 3』の「40秒ルール」 8 Point Of Interest • プレイヤーや馬、車のメトリクスから計算し、40秒に一度POIに遭遇するように設計 • それぞれPOIが異なる「引力」を持つようにペーシング • 目的地の選択肢がある状態を維持する • CEDEC2017のゼルダBotWの講演は、海外の記事でも引用が多い Breadcrumbs 参考: • How to make an exciting Open World: the POIs Diversity Rule • • Linear/Multi-path/Open-world • • https://medium.com/my-games-company/how-to-make-anexciting-open-world-the-pois-diversity-rule-90de6d748eac https://iuliu-cosmin-oniscu.medium.com/linear-multipath-open-world-level-design-7ef6a6831a05 レベルデザインの基礎から無敵のポートフォリオの完成まで • https://coloso.jp/products/leveldesigner-leeyongtae-jp Linear/Multi-path/Open-world より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②-2 視覚的に誘導する Point Of Interest Breadcrumbs 9 • パンくず(Breadcrumbs) • どこかへ導くために道中に配置された、目を引く小さなオブジェクト • コイン、石畳、壊れた柵、たいまつ、横切るネズミ、黄色いペンキが付いた段差…etc. • ※WebサイトのUIデザイン用語にも同じ単語があるので紛らわしい Affordance ヘンゼルとグレーテル 引用元: • Follow the breadcrumbs: the basic techniques of level design • • https://medium.com/my-gamescompany/follow-thebreadcrumbs-the-basictechniques-of-level-design754820499a1b レベル デザインのブレッドクラム: プレーヤーを A から B にガイドする • https://youtu.be/IyKgZ56IGzw?si=c q5GvCP9EzLs9Am8 『God of War(2018)』金色の葉をつけた白樺の木が、クリティカルパスに誘導するためのパンくずになっている 『Level Design Case Study - Recreating the first level in God of War』 https://www.sukhrajjohal.com/post/level-design-study-god-of-war より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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②-2 視覚的に誘導する • アフォーダンス ※AI用語にも「アフォーダンス指向」という用語があるので紛らわしい Breadcrumbs ⑩ Affordance Environmental Storytelling • 『Encyclopedia of Video Games: The Culture, Technology, and Art of Gaming(第3版)』によれば、研究者によって意味が微妙に異なる • 現状のゲーム開発分野での使われ方は以下のようなものと思われる • シグニファイア(Signifere) …サイン。ユーザーに知覚させるUI、色、形状、動き、音 • アフォーダンス …シグニファイアを知覚して、 ユーザーが文脈や経験から想起する「行為の可能性」 『LD - In pursuit of better level』p.37より引用 【例】 • ドアを見ると開けられそう。階段を見ると登れそう。ヒビを見ると壊せ そう。逆にドアに板が打ち付けられていると、開かなそう。 • トゲを見ると痛そう。 • アーチ状の空洞を見るとくぐって中に入れそう。 『God of War(2018)』穴の空いた薄い木の板が、攻撃すれば壊れそうなアフォーダンスを持っている 『Level Design Case Study - Recreating the first level in God of War』 https://www.sukhrajjohal.com/post/level-design-study-god-of-war より引用 • 囲いが一部だけ開いていると、そこから中に侵入できそう。 • 色が違うとゲーム的に何かありそう。 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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③インタラクティブに物語や世界観へアクセス •Environmental Storytelling •Meaningful Choice •Emergent Gameplay 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 43

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③インタラクティブに物語や世界観へアクセス Affordance • 環境ストーリーテリング Environmental Storytelling ⑪ Meaningful Choice • 配置されたオブジェクトをプレイヤーが見ることで、 • 「ここでいったい何がおきた?」と物語や世界観に思いをはせるきっかけに • 特徴 • 言語依存性が低い • カットシーン不要なので、ゲームプレイの流れを止めない • 物語の断片をいろんな場所に散らばせて、 プレイヤーに能動的に脳内で構築させるという体験が可能 引用元: • ゲームの環境が伝える物語 | Game Maker's Toolkit • https://youtu.be/RwlnCn2EB9o?si=mDX4KcSaxb6R hI9t 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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③インタラクティブに物語や世界観へアクセス Environmental Storytelling ⑫ Meaningful Choice Emergent Gameplay • 「意味のある選択肢」 • 広い意味で使われていますが、 調べた範囲では、大きく分けて2つの意味があるようです • ①判断基準があり、その選択に応じて有意に結果が変化する、 インタラクティブな選択肢 • 左右の分かれ道で配置や雰囲気が異なり、 「安全かどうか、報酬があるか」などを考えるきっかけを用意している • 敵がいるけど宝箱あるかも?という Risk & Reward を示すなど • ②物語やプレイヤーの倫理観に関わる重大な決断を問うような究極の選択 (Ethical Dilemma、Moral Choice、Narrative Choice) • ネタバレ時効になっている例は、ヤスの逮捕やドラクエVの結婚くらい? • こちらはレベルデザインだけの話ではなくなるので、今回は割愛します 『LD - In pursuit of better level』p.49より引用 道幅、高低差、暗さ、人工物の有無 『Level Design Concept,Theory,and Practice』 p.297より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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③インタラクティブに物語や世界観へアクセス Meaningful Choice ⑬ Emergent Gameplay • 創発型ゲームプレイ • 対義語:進行型ゲーム(Game of Progression) • 開発者によって事前設計されたチャレンジが 順番に展開し、それを攻略していくゲーム • 創発型ゲーム(Game of Emergence) • プレイヤーの行動やギミックの組み合わせによって、 開発者の想像を超えた展開が生まれる可能性のあるゲーム • 【例】ほとんどのPvP、サンドボックス、イマーシブシム • イマーシブシム(Immersive Sim) 引用元: • 「没入型シミュレーション」と「創発的ゲームプレイ」のひみつ • • スタートとゴールだけが示され、手段は自由かつ偶発的 • 物理演算、化学反応、NPC同士の遭遇、道具の組み合わせなど、 プレイヤーが独創的に考えて攻略することで、 自分だけの体験をすることができる→没入的な体験 • 各オブジェクトが組み合わさったときの反応をシステム化しておく • それが許容されるレベルデザインが必要 • 【例】Deus Ex、Hitman、Deathloop、ゼルダの伝説BotW https://note.com/pasonco/n/n4345ae252e26 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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まとめ 47

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紹介した13個の用語まとめ ①課題の提示とペース配分 ②プレイヤーの動きを 間接的にコントロール ③インタラクティブに 物語や世界観へアクセス • ①-1 ゲーム全体の進行設計 • Beat Chart • Intensity Graph • ②-1 行動を制限させる • Gating • Encounter Design • Environmental Storytelling • ①-2 レベル内の体験設計 • Level Diagram • Critical Path • Blockout • ②-2 視覚的に誘導する • Point Of Interest • Breadcrumbs • Affordance • Meaningful Choice • Emergent Gameplay 他にもたくさんありますし、 これからも増えるでしょう。 日頃からWebなどの情報に アンテナを張っておきたいですね! 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 48

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語彙が増えた状態で、もう一度この動画を! God of War - Level Case Study https://youtu.be/E2b w6dq9Llg 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介

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主な参考文献リスト① ◆ Webサイト • • The Level Design Book https://book.leveldesignbook.com/ • https://docs.google.com/document/d/1fAlf2MwEFTwe PwzbP3try1H0aYa9kpVBHPBkyIq-caY/edit 和訳:https://my-syumigame.hatenablog.com/entry/2023/10/21/050750 LD - In pursuit of better levels Game Developer • • • • • • • • • • ◆ 動画 https://www.gamedeveloper.com/design/the-visualguide-to-multiplayer-level-design World of Level Design • https://www.worldofleveldesign.com/ • https://80.lv/articles/defining-environment-languagefor-video-games/ 80 Level • • • • • Coloso『レベルデザインの基礎から無敵のポートフォリ オの完成まで』 • https://coloso.jp/products/leveldesigner-leeyongtae-jp • https://www.youtube.com/@GMTK • https://www.youtube.com/@LevelDesignLobby • https://www.youtube.com/@timdoesleveldesign • https://www.youtube.com/@DesignDoc • https://www.youtube.com/@Gdconf Game Maker's Toolkit Level Design Lobby timdoesleveldesign Design Doc GDC Medium • https://medium.com/tag/level-design • https://playvalorant.com/ja-jp/news/dev/thecreation-of-split/ Riot Games のブログ MAP GENIE • • https://mapgenie.io/ いろんなゲームの地図情報が集積されている 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 50

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主な参考文献リスト② ◆ 書籍 • ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン • 「レベルアップ」のゲームデザイン 絶版だったが、第2版が 『レベルデザインの教科書(仮)」』として 予約が開始された! ―実戦で使えるゲーム作りのテクニック 日本語で 読める 3大聖典 • 3Dゲームをおもしろくする技術(和書) 実例から解き明かすゲームメカニクスレベルデザインカメラのノウハウ • • • • レベルデザイナーになる本 ゲームメカニクス おもしろくするためのゲームデザイン ゲームデザインバイブル 第2版 「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン • ゲーマーズブレイン -UXと神経科学におけるゲームデザインの原則ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム • • Level Design Concept, Theory, and Practice • A Practical Guide to Level Design: From Theory to Practice, Diplomacy and Production • Encyclopedia of Video Games: The Culture, Technology, and Art of Gaming 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 51

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まとめ • この講義が、皆さんにとって海外の知見に触れるきっかけとなり、 日本のステージ制作のさらなるレベルアップに繋がることを願います • 日本のレベルデザイナーも どんどん交流して、技術を高めあっていきたいですね! • Xで情報発信中です! ゲームデザインのDiscordコミュニティを作る予定なので、 告知をお待ちください @my_syumi_game 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 52

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※講演で紹介できなかった頻出用語① ※追加スライド 『Level Design Fundamentals』など、複数の文献に登場 https://dev.epicgames.com/community/learning/tutorials/3VKJ/unrealengine-fortnite-level-design-fundamentals • Possibility Space (可能性空間) • 「創発的ゲームプレイ」とセットで出ることが多い。 • プレイヤーアクションによって何かが起こり得る空間のこと • Shape Language (形状言語) • その形状が見るものに与える心理的な影響 • 丸みを帯びている=「安心」 • 角ばっている=「安定」 • とげとげしい=「不安」 “Defining Environment Language for Video Games”より引用 https://80.lv/articles/defining-environment-language-for-video-games/ 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 53

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※講演で紹介できなかった頻出用語② ※追加スライド 都市設計の用語からの援用も多い • Positive / Negative Space • 「図」と「地」は、デザインや認知心理学の用語(ルビンの壺) • 図:絵や図形の本体 • 地:背景、下地 • 「ポジティブスペース」と「ネガティブスペース」 • ポジスぺ:明確に形作られた空間で、人が留まりたくなる場所 • ネガスペ:境界があいまいで、人が留まりたくない場所 • 都市設計学では、建物が配置されている空間よりも、 むしろ建物がない空間こそがポジティブスペースになる 『都市デザイン101のアイディア』4番より引用 ルビンの壺 『ゲームデザイナーのための空間設計』p90より引用 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 54

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※講演で紹介できなかった頻出用語③ ※追加スライド 都市設計やデザインの用語からの援用も多い • Nodes & Edge (ノード、エッジ) • ノード(結節点): パスの合流点。駅や広場、交差点など • エッジ(境界線): パス以外で区切られた境界線。河川や緑地、柵、門、建築様式の変化など • ノードとエッジを起点に街や建物を設計する考え 『都市デザイン101のアイディア』54番より引用 “Introduction to Level Design for Games”より https://80.lv/articles/introduction-to-level-design-for-games/ 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 55

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※質疑応答で出てきたワードについて ※追加スライド • MDAフレームワーク • ロビン・ハニキ、マーク・ルブラン、ロバート・ズベックの論文 で提唱された、ゲームデザインの考え方 • ゲームデザインを以下の3つのレイヤーで分ける • メカニクス:ルール、仕様 • ダイナミクス:メカニクスによって起きた変化、作用 • エステティクス:ダイナミクスによってプレイヤーに起き た体験 • 詳しくは… • ロビン・ハニキ、マーク・ルブラン、ロバート・ズベック「MDA: ゲームデザインとゲームリサーチへの形式的アプローチ」松 永伸司訳、9bit、2022 年 https://9bit.99ing.net/Entry/110/ • 時代遅れと言われようとMdaフレームワークの紹介 • https://www.slideshare.net/slideshow/m da-77344157/77344157 明日から使える!海外文献に頻出するLevel Design用語の紹介 56

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Vista ご清聴 ありがとう ございました Affordance Hard Gate Critical Path POI 57