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August 31, 26
スライド概要
2026年8月29日に広島で開催された、PLUG MeetUp Vol.3 の登壇資料です。
https://plug.connpass.com/event/401829/
伝統的な日本の会社(クソデカ主語)になんとなーく共通して漂っているような、「あの感じ」はなんなのだろうか…。
どこから生まれてきているのだろうか…。
おそらく、「DX」や「組織変革」というキーワードで何かしら携わっている人であればなんとなく感じる、あの感じ…。
その根本的な原因を探す旅を個人的に続けているのですが、その一時報告として、いくつかの内容をかいつまんでストーリーにしてみました。
組込み屋生まれSIer育ちの営業マン(本業)。 Microsoft 365の提案・構築・運用・教育もやる自宅独学系無免許SE(趣味)。保有資格はMS-900/MS-700/PL-900/PL-100/情報セキュリティマネジメント。 ホップバシバシ系のペールエールビールが大好物。 HIT広島観光大使。
PLUG MeetUp Vol.3 会社の変革 裏話 –準備編宮川 裕穂 2026年8月29日
私について 主なお仕事 ざっくり経歴 ITを活用した業務変革や業務改善の伴走支援 組込みソフトウェア会社にて全国津々ウラウラ 11年 IT利用者向けの講習会の企画・開催 広島の地方SIerに鞍替えして10年目 Microsoft 365の構築設計・設定・教育・運用 逸般の誤家庭民 (法人向けM365の自家栽培) ITと経営の勉強会や伴走支援 企業向けイベント 登壇 プライベート コミュニティ活動 1
あんまし元気がない? 日本の会社 伝統的な日本企業からなんとなく感じられる、似たような感じ 2
どんどん貧しくなっちゃってる日本 現在、日本の国民ひとりあたりの豊かさは、先進国の目安となる基準を割ってしまっている。(しかも、なおも降下中…) 一人あたりGDPの推移 (OECD加盟国の平均を1とした場合の相対指数) 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 1960 1970 1980 1990 アメリカ 日本 2000 2010 2020 韓国 GDP per capita, PPP (current international $) - United States, Japan, Korea, Rep. | Data , World Bank Open Data | Data 3
DXも、ちっともうまくいっていないし… 米国とドイツと日本で、 DXに取り組んでいる企業に対しての 成果を聞いたアンケートの結果。 日本だけがイビツ…。 出展:「DX動向2025」日米独比較で探る成果創出の方向性「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へ | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 4
「コスト削減」は、はたして戦略なのか? 日本の企業が成果として挙げているのは 「コストの削減」だけ。 DXの目的である「新たなビジネスを創出 して儲けを作り出す」ことはできていない。 …そこに「戦略」はあるんか…? 出展:「DX動向2025」日米独比較で探る成果創出の方向性「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へ | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 5
経営は、状況にあわせて重心を移動させながらバランスをとることが大切 未来 過去 目的 手段 信頼 信用 探索 深耕 対話 討議 6
…やたらと片方に寄ってない…? 過去 手段 信用 深耕 討議 7
謎を解くべく、我々はAmazonの奥地に向かった… 8
3つの因子と1つの原因 問題の原因らしきものが見えてきた …かも? 9
官僚制 • 目的も考え方も異なる複数の人々が集団で活動し、安定的 に一定の成果を生み出すための仕組み 特徴 内容 階層構造 指揮命令と監督の経路を明確にする 専門分業 職務と権限を分け、専門能力を高める 一般的規則 恣意的な判断を抑え、予測可能性を高める 標準化 同種の案件を一定の基準で継続的に処理する 非人格性 好き嫌いや縁故を排し、公平性を保つ 文書主義 決定と処理を記録し、確認・監督・継承を可能にする 参考:ウェーバー, M.(野口雅弘 訳). (2023). 支配についてⅠ 官僚制・家産制・封建制. 岩波書店. 10
官僚制の逆機能 特徴 内容 手段の目的化 本来は目的達成のための規則や手続きが、守ること自体を目的化する 訓練された無能 部分最適化 非人格性の過剰化 自己保存性 既存ルールに適応しすぎた結果、想定外の状況や変化に対応できなく なる 専門分化が進むほど、部門ごとの利害や手続きが全体目的より優先 されやすくなる 公平性のための非人格性が、顧客や従業員の個別事情を切り落とす 冷淡さに変わる 本来の目的が薄れても、役職・会議体・規程・予算・手続きが自己維 持される 参考:Merton, R. K. (1940). Bureaucratic Structure and Personality. University of North Carolina Press. 11
問題です ? 12
空欄にあてはまるものはなんでしょうか? P D A Plan Action Do 13
正解は…? P D C A Plan Do Check Action 14
不正解です P D C A Plan Do Check Action 15
正解は、S :Study です P D S A Plan Do Study Action Checkは、計画どおりか否かを「確認」するだけ。ここに「官僚制の逆機能」が掛け合わされると「犯人探し」がはじまる。 Studyは計画・予測と現実との差を検証することで新しい知を創造し、前提や理論そのものをKAIZENし続ける。 16
PDCAの元祖は「仮説」と「学習」に基づくKAIZENサイクルだった デミング ホイール (1950) 市場調査と検証 4 3 市場への投入 1. 製品の設計 1 2 現場と実験室での試験 製品を設計する。その際、適切な試験・検証を織り込む。 2. 製品をつくり、生産現場と実験室の両方で試験する。 3. 製品を市場に出して販売する。 4. 実際に使われている製品を検証し、市場調査を通じて、利用者がどう 受け止めているか、また非購入者がなぜ買わなかったのかを調べる。 W. エドワーズ・デミング博士 (1900–1993) “Be sure to call it PDSA, not the corruption PDCA. “ 「堕落したPDCAではなく、必ず PDSAと呼びなさい、 」 出典:https://deming.org/wp-content/uploads/2020/06/circling-back.pdf 17
バブル崩壊後、信頼が失われた30年だったのでは? 説 リストラ 追い出し部屋 バブル絶頂期!! バブル崩壊 証券会社や銀行の金融破綻 浮かれフルーツポンチ でも、まだまだイケる!? 謎ムード 終身雇用に陰り 1989年 1991年 1997年 自己責任論 派遣村 就職氷河期の深刻化 リーマンショック 生産年齢人口 非正規雇用者が増加 非正規雇用者の大量解雇 現在の約15%減(確定) 2000年 2008年 2040年 人を「道具」や「コスト」として見る傾向が強まった? 相互信頼が無いなった? 18
衰退型組織になるための、3つの因子と1つの原因(らしきもの) 官僚制の PDCA バブルの 逆機能 への執着 崩壊 非人格化?無能化? Checkという名の犯人探し? 人を「コスト」として考える経営? 信頼の喪失? これが根本原因なんじゃねぇの?? 19
経営層の信頼関係が損なわれ、衰退した、とある米国の会社 2011年6月に、風刺画サイト「Bonkers World」に投稿されたイラスト 出展:https://bonkersworld.net/organizational-charts 20
経営層の相互信頼を構築し、復活した、とある米国の会社 米マイクロソフトのサティア・ナデラは、入社から25年目の2014年2月にCEOに指名された。 就任直後、ナデラはSLT(経営執行チーム)の会議で、ある「実験」をする。 ハイパフォーマーを多数輩出している心理学者「マイケル・ジャーベイス」を招聘し、ナデラを含む SLTメンバーの「心の壁」を取払い、共感の場を作ることを試みた。 ────メンバーはそれぞれの想いや人生観を語った。 【中略】私はマイクロソフトに入社 して以来、仲間から仕事の話ではなく本人自身の話を聞くのは初めてだったことに気づいた。 部屋を見回すと、なかには目に涙をためている人もいる。 ────この日を境に、SLTにおけるメンバーの役割は変わった。幹部一人ひとりは、もはや マイクロソフトに使われるだけの存在ではない。みなが個人としてより高いミッションを持ち、 他者の役に立つという情熱を追い求めるために、マイクロソフトという場を使う存在となった。 ────チームのメンバーは皆、ある事柄をはっきりと認識していた。マイクロソフト再生の ためには、私たち全員が必要であり、そのひとりひとりが持っているあらゆる要素が必要だ、 と。 引用:ナデラ, S., ショー, G., & ニコルズ, J. T. (2017). Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)――マイクロソフト再興とテクノロジーの未来. 日経BP. https://news.microsoft.com/source/exec/satya-nadella/ 21
我々はどう生きるか? みんながみんな、会社経営者なわけじゃないし… 22
自分で制御できることに100%集中する(それ以外はまぁテキトーでええやろ) 100%自分では制御できないこと 過去 他人の意見 カープの順位 100%自分で制御できること 渋滞 自分の考え 3年前 未来のこと M365の障害 天気 自分の言葉 自分の行動 自分の姿勢 ネコ 他人の行動 他人の幸せ 参考: Gervais, M. (2023). The First Rule of Mastery: Stop Worrying about What People Think of You. Harvard Business Review Press. 23
自分の本当にやりたいこと、やりたかったことを掘り起こそう 埋もれちゃってるなら…な! コンプレックス 惰性 過去の失敗 卑屈さ 外圧 承認欲求 常識論 コンプレックス 大切にしている価値観 他人の意見 親に言われたこと 憧れ 外圧 承認欲求 惰性 出典:李英俊・堀田創. (2021). チームが自然に生まれ変わる――「らしさ」を極めるリーダーシップ. ダイヤモンド社. 24
やりたくないけどやらなければいけないことを「決断」しよう 決断とは、「断つことを決める」こと。 普段何気なくやっていることをリストアップして、have toに横線を引き、視覚的に「決断」する儀式をやってみよう。 タスク 真にやりたいこと (want to) 寝床から起きる ● 顔を洗う ● パンを焼く ● コーヒーを淹れる ● 朝食を食べる ● 通勤する PCの電源を入れる ● ● メールをチェックする 提案内容を考える 見積書を書く やらなければならないこと (have to) ● ● ● 参考:李英俊・堀田創. (2021). チームが自然に生まれ変わる――「らしさ」を極めるリーダーシップ. ダイヤモンド社. 25
自分らしい人生を生きましょう まずは自分自身を信頼するところからはじめましょう
参考文献 • 野口悠紀雄. (2025). 戦後日本経済史――かつて経済大国だった「日本」という国について. 東洋経済新報社. • 知識創造プリンシプルコンソーシアム. (2021). 企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ. 日経BP. • ピーター・M・センゲ(著), 枝廣淳子・小田理一郎・中小路佳代子(訳). (2011). 学習する組織――システム思考で未来を創造す る. 英治出版. • ロバート・キーガン・リサ・ラスコウ・レイヒー(著), 池村千秋(訳). (2013). なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革 の理論と実践. 英治出版. • サティア・ナデラ・グレッグ・ショー・ジル・トレイシー・ニコルズ(著), 山田美明・江戸伸禎(訳). (2017). Hit Refresh――マイクロソフト 再興とテクノロジーの未来. 日経BP社. • Gervais, M. (2023). The First Rule of Mastery: Stop Worrying about What People Think of You. Harvard Business Review Press. • マーシャル・B・ローゼンバーグ(著), 安納献(監訳), 小川敏子(訳). (2018). NVC――人と人との関係にいのちを吹き込 む法 新版. 日本経済新聞出版社. • 国重浩一. (2013). ナラティヴ・セラピーの会話術――ディスコースとエイジェンシーという視点. 金子書房. • 李英俊・堀田創. (2021). チームが自然に生まれ変わる――「らしさ」を極めるリーダーシップ. ダイヤモンド社. 27