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December 13, 25
スライド概要
https://gbdaitokai.connpass.com/event/366072/
でのセッションのスライドです
AI駆動開発での 事業貢献事例:2025 合同勉強会 in 大都会岡山 -2025 Winter- 前川昌幸 2025/12/13
今日のお話 去年の後半から盛り上がったVibe CodingなどさまざまなAIがらみの話 題がありました。 利用についてのTipsや解説がどうしても多くなりがちですが、そろそろ 活用した事例も出てくる頃かと思います。 というわけでこのセッションでも今年度の私の仕事においてのAI活用事 例の話をします。 ただし、「活用事例」というよりは「働き方の変化」かもしれません。
今日のお話 去年の後半から盛り上がったVibe CodingなどさまざまなAIがらみの話 題がありました。 利用についてのTipsや解説がどうしても多くなりがちですが、そろそろ 活用した事例も出てくる頃かと思います。 というわけでこのセッションでも今年度の私の仕事においてのAI活用事 例の話をします。 ただし、「活用事例」というよりは「働き方の変化」かもしれません。
自己紹介 • 前川昌幸(まえかわまさゆき) • Okayama WordPress Meetup オーガナイザー • Classi株式会社 • ベネッセコーポレーション • Smart Release U エバンジェリスト (KDDI Web Communications)
Classiの本格的なAI活用は2024年から • Gemini • GitHub Copilot • Claude Code(Amazon Bedrock) • ガバナンスやコスト管理を維持しながら積極的に採用 • 調査や社内ツールとしての実験的活用
2025年にいろいろと形に https://tech.classi.jp/entry/turing-after-6-months
コンテンツ(問題)制作でも https://tech.classi.jp/entry/2025/12/12/090000
近日公開予定の事例
2025年4月 人事発令 • コンテンツチームに20%所属 • 「コンテンツチーム」とは、学習サービスの問題(コンテンツ) を制作しているチーム • 教科知識のある専門家のチーム • 主務は「副部長」、まあ管理職ですね
兼務の理由 • 開発者としての所属はCMS開発チーム • CMSの開発を進めるにコンテンツチームとの連携を強化するため
入稿データ作成 入稿作業 CMS 貢献ポイント 開発
入稿データ作成 入稿作業 CMS 考える 定型作業! 定型作業! 定型作業! 定型作業! 考える 開発
入稿データ作成 ここや! 入稿作業 考える 定型作業! 定型作業! 定型作業! 定型作業! 考える
CMSの前に多大な貢献余地が
Pay attention to what users do, not what they say. Jakob Nielsen
2025年上期中にほぼこの流れを構築
やったこと①
ワンショットスクリプトを作りまくる • 問題は教科や難易度、利用シーンごとに違いが出る • 汎用的な全教科共通のプログラム作成に踏み出せてなかった • とはいえ汎用化を急いで「早すぎる最適化」はしない • Claude Codeをフル活用してワンショットスクリプトを作りまくる • アウトプットが想定通りならOK!の精神 • ワンショットを放り込んでおくリポジトリ見たら25本あった (働いたなー)
ワンショットスクリプトを作る 1. 雑に「やりたいこと.md」を書く 2. 「実装のために知りたいことをmdファイルに書いて」 3. 返事を書いて、返事したことを伝える 4. 計画書作成、確認
やったこと②
生成AIで補完 • 記述問題を選択問題にするための選択肢作成 • 存在しない解説文の追加 • GeminiをAPIで活用 • プロンプトはほぼClaude Codeがやってくれた • 正答が偏る傾向あり(数字系の問題は最初と最後はほぼ不正解) • たまに大嘘くるので注意
OCR的利用 • 元データがPDFというケースではOCR的に利用 • Gemini1.5→2.5→3でどんどん精度が上がっている 早く3をAPIでぶん回したい • このパターンは、この段階で不整合入ってきて、それをすさまじい能 力で「それっぽく」してくるので注意
判定・吟味・校正はさせない • 高い • 分厚いコンテキストを載せきれない (モデル作らないと無理じゃ無いか?という私見) • 責任は取らせられない • 1日2000kcalで十分足りる20Wの思考エンジン使った方がいい(語弊 • 元々、人が執筆した場合も別の人が吟味・校正するフロー
覚悟したこと
「100点はねーぞ」 • 前述の通り、生成AIが担った部分は注意 • 定型のスクリプト担当部分も、発生する数%の想定外がある • あるあるとして「数%」を対応しきろうとすると… • 「70点ぐらいです!あとはよろしくお願いします!」の精神 • この共通認識を作れたのが大きい
本当にこうなった
「成果」はあったのか? • 3000問を別プロダクトから導入するプロジェクト • 問題制作の作業工数を見積もりから9割以上削減 • 以降ほぼ全ての問題制作のプロジェクトで何らか関わる状態に • 2025年上期の問題制作のリードタイムを4割以上削減 • 管理職の兼務でやる仕事としてはそれなりの成果
今後
「ワンショット」から次のフェーズ • インターフェース=俺 • 現在は織り込み済みでやっているが、継続できる体制ではない • ワンショット作成の積み重ねから汎用化、最適化を進める
「100点はねーぞ」で終わらせない • とはいえまだまだ100点は無理だと思う • だからといって開き直るのはダメ • 精度を上げていくことは進めて行くし、その姿勢は維持していく
まとめ
考えてみるとアンチパターンじゃね? • その場の「ワンショットで切り抜ける」 • 部分最適の積み重ね • 全体最適は?本質は?Whyは? • 100点ではない前提 • 要は「作り切れてない」では? • めちゃくちゃサバイバルモードに見える • 疲弊してるんじゃないの?
管理職が兼務でやってます
AIで貢献場所の閾値が下がっている • 特にインプット、アウトプットと変換ルールにコンテキストを限定で きるワンショットスクリプトにAIは強い(実感) • シンプルなコンバートという意味では95点ぐらいすぐ出せる • 工数、時間、マインドシェアが下がるのでAI以前の感覚で考えてると 無理となるが、やってみると「できるって」となった • スクリプト+生成AI、スクリプトもAI • 「ツール」としての出力の大きさが実現してくれた
役割の変化 • CMSを作る人 →制作のあらゆる場面の課題をエンジニアリングで解決する人 • どこをコードで解決すればレバレッジが効くかを 見定めて実行する人
ユーザーとの距離 • 改めて “Pay attention to what users do, not what they say.” • 意訳:ユーザーに聞くな、ユーザーを見ろ • やはりコミュニケーションって大事 • 会話だけでなく、仕事を見る機会もコミュニケーション
ありがとうございました