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April 30, 26
スライド概要
新卒でSIerに入社し、証券システムのリプレースやソーシャルゲーム開発に従事。 その後、DMM.comにて動画配信事業の開発リーダーを務めると同時にアジャイル推進を担当。 以降は複数のITベンチャーでCTO、EM、PdM、ITコンサルなどを歴任し、ディップへ入社。 現在はスクラムマスターとしてプロダクト開発を支えるとともに、 スクラムマスターの育成と組織全体のアジャイル推進に取り組んでいる。 ▼コミュニティ - 人材業界ビジネスアジャイル - 鹿児島アジャイル - no me in agile
内定者インターンシップ用 AIは最高のチームメイト。 ただし、 リードするのは人間だ 。 2025.12.24 ソリューション開発本部プロダクト開発統括部 プロジェクト推進部アジャイル推進課 大瀧 純平 (Junpei OHTAKI) © dip Corporation.
アジャイル推進課とは プロダクト統括本部内に点在しているSMが所属している課 SMの強化教育組織であり、開発本部全体の開発生産性向上施策や、Scrumを始めとするAgileの推進として開発標準として の『【dip版】スクラムを始めるためのガイドライン』の執筆、勉強会の企画開催、会社のプレゼンスを高めるための技術広報活 動なども行う課 4
チェックイン 「学校と会社の違い」について
「学校と会社の違い」について
本日のゴール 協業の重要性 行動の解像度 羅針盤の習得 AI時代の開発において、なぜ 第2部の実装フェーズにおい ⾼速な開発が⽣む「デッドエ ⼀⼈ではなく「チーム」で動 て、明⽇から「⾃分が何をす ンド」を回避する、アジャイ くのか。その理由を腹落ちさ べきか」を具体的に⾔語化す ルの核⼼を実践レベルで⾝に せる。 る。 つける。
市場と世界、組織と会社 私たちがいるのは VUCAの世界だ 「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、 Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」 予測不能な市場環境において、組織が⽣き残る唯⼀の道 は「価値を創造し続けること」です。 会社とは、この不確実性に⽴ち向かい、価値を最⼤化す るための器です。
プロダクト開発 プロダクト開発とは、 仕様を形にする作業ではない。 不確実な世界で「価値」を探求し、 適応し続ける営みだ。
AI-DLC:最高の協働者 AI-Driven Development Lifecycle (AI-DLC) は、AIを 単なるツールではなく「最⾼のチームメイト」とし て定義します。 皆さんが体験しているのは、未来の開発プロセスの 標準形です。
Feedback 第1部:仕様策定グループワークを振り返る
問いかけ AIが「完璧な仕様書」を出したとして、 皆さんのチームは何を議論しましたか? AI活⽤度 = チームの対話の質、ではありません。
群盲象を評す:部分最適の罠 ※画質が荒くてごめん
群盲象を評す:部分最適の罠 個々⼈が仕様の「⼀部」だけをAIと会話し、全体の合意 がないまま進めていませんか? 象の⿐だけを⾒て「蛇だ」と⾔い張る。チーム内で解釈 のズレ(情報の⾮対称性)がある状態は、実装フェーズ で致命傷になります。 全体像を「透明」に共有することが、チーム開発の第⼀ 歩です。
核心的な課題:透明性の不足 「腹落ち」の欠如 AIの出⼒を鵜呑みにし、チーム内で議論が深まっていないケースが⾒られました。 「なぜこの仕様なのか?」を⾃分の⾔葉で説明できない。それは透明性が確保されていない証拠 です。
Vibe Codingの芽 根拠なく「AIが書いたからいいだろう」「雰囲気 (Vibe)でこれでいける」と進めてしまう兆候があ りました。 この曖昧さを許容する⽂化が、実装フェーズでは巨 ⼤な技術的負債へと変貌します。
なぜ、第 2部も「チーム」なのか? 協業なくして AIの恩恵なし 検査と適応の最大化 予期せぬ課題や仕様の不備は、実装中に必ず発⽣ AIの出⼒を客観的に検査し、最善の進路へ適応さ します。個⼈では乗り越えられない壁を、チーム せる。このサイクルを回すのは「チーム」という の集合知で突破します。 器です。
第1部 総括 AIを使いこなすチームに不⾜していたのは、 「情報の透明性」である。
MAIN LECTURE AI時代のチーム開発の 「本質」
事例:AIがもたらす圧倒的なスピード ⽇産 アジャイル × AI駆動開発での⼯数短縮実績 従来開発 AI駆動開発 開発速度を 約3.5倍 加速させる
加速するリスク 3.5x Acceleration 負債も3.5倍速で蓄積する スピードが上がるということは、チェックがおろそかに なれば、⼤規模な技術的負債も3.5倍速で積み上がると いうことです。 ⾼速道路でハンドル操作を誤れば、かつてない衝撃でク ラッシュします。
AIの定義:知識の増幅器 「AI は知識の代替ではなく増幅器」 AI(Artificial Inteligence)は IA(Inteligence Amplifier) by Tomohisa Takaokaさん ⾼度なAIは組織の鏡みたいなもので、AIから引き出せる性能 は、組織の能⼒にそのまま⽐例する by mizchiさん
三人のレンガ職人:目的が透明性を生む
三人のレンガ職人:目的が透明性を生む レンガを積んでいるのか、壁を作っているのか、⼤聖堂 を建てているのか。 共通のWhy(⽬的)がなければ、透明性はただのデー タ開⽰で終わります。 ⽬的を共有するチームだけが、AIを正しくリードでき る。
AI時代の罪: Vibe Coding Vibe codingは 保守不能なシステムを より⾼速に構築してしまう 「なんとなく、雰囲気(Vibe)で動くからいいや」 その妥協が、プロダクトを、そしてチームを殺します。
The Solution アジャイルの核⼼:三つの柱に⽴ち返る
原則 1:徹底的な透明性 全てを可視化する AIへのプロンプト、⽣成コードの採⽤理由、個 ⼈の違和感。曖昧さを⼀切排除し、チームの視 界をクリアにする。
原則 2:本気の検査 AIを鵜呑みにしない AIの成果物を「なぜこのロジックなのか?」と 問い、ピアレビューで徹底的に検査する。Vibe Codingを許さない厳しさを持つ。
原則 3:躊躇なき適応 間違いを認める勇気 検査の結果、負債やズレが⾒つかれば、躊躇な く計画やコードを「適応(修正)」する。デッ ドエンドから引き返す決断を遅らせない。
デッドエンドジャーニー 間違いに気づかず、AIと共に爆⾛し続ける。それは ⽬的地ではなく「⾏き⽌まり」へ向かう旅です。 「組織や受け取る側が整えられていないことによっ て、この問題は起きる。」 誰もメンテナンスできないコード、誰も意図を理解 していない仕様。これらが起こる前に回避できる状 況を作ることができるのは⼈でありチームである。
なぜ、私たちがチームで挑むのか 協業の腹落ち 情報の相乗効果 AI時代の課題は、⼀⼈で抱えきれるサイズを超え 個⼈の「違和感」をチームの「改善」に変換す ています。チームという器こそが、検査と適応の る。このプロセスこそが、価値創造の源泉です。 質を担保する。
AI時代に「人が行うべきこと」 不確実性の受容、本気の対話、場のデザイン。 これこそが、AIに代われない「⼈の営み」 AIがコードを書く時代、エンジニアの価値は「対話の質」と「場のデザイン」へシフトします。
問いかけ AIにはできない、あなただからできることは何ですか?
価値を創るのは人だ 組織の最小単位、チーム 会社、組織、プロダクト開発。全てのレイヤーをブレイ クダウンした先にあるのは、⽬の前の「チーム」の営み です。 皆さんの対話⼀つ、透明性へのこだわり⼀つが、最終的 なプロダクトの価値を決定します。
Implementation Roadmap 第2部:1⽉から「どう動くか」
実行しながら学び、適応する 先日白組団長として登壇してきたと きのスライドを一部抜粋 https://teratail.connpass.com/event/375107/
2022/03に総務省が作成したアジャイル型政策形成のイメージ © dip Corporation. 37
2022/03に総務省が作成したアジャイル型政策形成のイメージ 波 © dip Corporation. 38
とある検査の様子 進んでます! 波 © dip Corporation. 39
とある検査の様子 も に な い な ら 波 か わ 進んでます! © dip Corporation. 40
とある検査の様子② 昨日から 20海里進みました 今日も20海里進む予定です 波 © dip Corporation. 41
とある検査の様子② が レ ズ の 路 い 航 な ら 波 か わ 昨日から 20海里進みました 今日も20海里進む予定です © dip Corporation. 42
とある検査の様子③ 昨日から 20海里進みました が 西への流れがあり ます 今日も20海里進む予定です 波 © dip Corporation. 43
とある検査の様子③ の ル ー ュ い ジ な ケ ら ス か わ 波 が レ ズ 昨日から 20海里進みました が 西への流れがあり ます 今日も20海里進む予定です © dip Corporation. 44
とある検査の様子④ 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです 波 © dip Corporation. 45
とある検査の様子④ と 路 の 航 ル ー ュ た き ジ で ケ 波 ス は 応 適 査 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです © dip Corporation. 46
とある検査の様子⑤ 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです が 3海里先で海鳥が群れをなしているの で、東への流れが予測されます。 20°東へ舵をきることで計画への影響 を軽減できそうです。 波 © dip Corporation. 47
とある検査の様子⑤ 避 回 を 題 課 そう感 波 き で 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです が 3海里先で海鳥が群れをなしているの で、東への流れが予測されます。 20°東へ舵をきることで計画への影響 を軽減できそうです。 © dip Corporation. 48
どうしたらこんな検査が可能になるのか? 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです が 3海里先で海鳥が群れをなしているの で、東への流れが予測されます。 20°東へ舵をきることで計画への影響 を軽減できそうです。 波 © dip Corporation. 49
どうしたらこんな検査が可能になるのか? 計画どおり昨日から 20海里進みましたが 西への流れがあり 進捗は19%ですので 舵を45°東へ切ることで 予定通り進みそうです が 3海里先で海鳥が群れを なしているの で、東への流れが予測されます。 20°東へ舵をきることで計画への影響 を軽減できそうです。 波 © dip Corporation. 50
どうしたらこんな検査が可能になるのか? ● 計画どおり ○ 全員でゴールと計画を共通認識できている ○ 普段から現在地との差分が見えている ● 3海里先で海鳥が群れを ○ チーム内外の変化にアンテナを張って ○ チームへの影響を予測して ○ 影響が起きない(軽減する)ように微調整している ここらへんが見えている 状態を作ることが理想 © dip Corporation. 51
AIを使った場合(描き下ろし) C 着きました! 波 © dip Corporation. 52
AIを使った場合(描き下ろし) C ? ! に こ 着きました! ど © dip Corporation. 波 53
AIを使った場合(描き下ろし) C 現状この責任をAIはとってくれない 正しく判断し、正しく訂正する責任は人にある - AIに正しく行動させる知識、スキルを 身につけないといけない 波 © dip Corporation. 54
実践例:透明性を担保する行動 プロンプトの全開⽰: AIに何を投げたか。思考プロセスを隠さない。 タスクボードの同期: 誰が、今、何を解決しているか。⼀瞬で把握でき る状態を作る。 「違和感」の即時共有: あれ?と思ったら、その場でチームへ投げる。
実践例:検査と適応(コード編) 本気のペアプロ /レビュー 負債の早期発見 AIが書いたコードを⼀⾏ずつ疑う。「Vibe」を 保守不能なパターンに気づいたら、どんなに動 排除し、意図が100%説明できる状態にする。 いていてもリファクタリングする適応⼒を発揮 する。
実践例:検査と適応(プロセス編) ふりかえりの聖域化 レトロスペクティブこそが、チームの進化。適 応を決定する最重要儀式として時間を確保す る。 計画の動的変更 仕様に不備があればPOと即座に交渉。デッド エンドに向かう計画を維持しない。
これらのことがデザインされたフレームワークがスクラム 3 つの正式な作成物 1. プロダクトバックログ 2. スプリントバックログ 3. インクリメント 明確な役割 1. 開発者 2. プロダクトオーナー 3. スクラムマスター
VIBEをデザインせよ これらに必要なのが、皆さんが⼼理的に安全に「本気の 対話」ができる場をデザインすることです。 しかし、場を熱くするのは皆さん⼀⼈ひとりの熱量で す。AI時代の「VIBE」を正しく導くリーダーであってく ださい。
最後の問いかけ 皆さんのチームの⼼理的安全性は、 今、何点ですか? 率直なフィードバックを⾔い合える環境か、今⼀度問い直してください。
チームで勝つ、ということ 「あいつのAIが凄いのを作った」ではなく、 「俺たちのチームが、AIを使って最⾼の価値を創り出した」へ。
本日のまとめ 1. AIは知識の代替ではなく増幅器 2. VIBEに惑わされるな 3. 速く作れる = 速く負債も溜まる 4. ビジョンを理解し共有しよう 5. チームメイトにリスペクトを持ち 6. 透明性をもって検査 / 適応し、 デッドエンド‧ジャーニーを回避しよう
新時代の開発をリードしよう 皆さんの挑戦が、この世界の不確実性を価値に変える。
You are not alone. ⼊社後は、アジャイル推進課、 そして先輩社員全員が皆さんの挑戦を 全⼒で⽀援します。 現場で会える⽇を、⼼から楽しみにしています。
チェックアウト この講話で学び、気付きを身近な人に伝えてください。 1. 誰に伝えますか? 2. 何を伝えますか? 3. それはなぜですか?
Q&A 何でも聞いてください。対話を始めましょう。