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September 18, 20
スライド概要
2020年9月12日に行われた「出張ヒストリア! ゲーム開発勉強会2020」にて発表させていただいたスライドです。
イベント詳細
https://historia.co.jp/archives/16322/
講演動画
https://youtu.be/Yfq84tLMayw
Cutting-Edge Test Drive
https://historia.co.jp/enterprise/cetd/
講演者:
天見 信太郎(株式会社ヒストリア ヒストリア・エンタープライズチーム アーティスト)
講演内容:
Cutting-Edge Test DriveはUE4による自動車業界での活用例を示す技術デモになります。
高品質アセットのMegascansを活用したことにより少人数短期間で制作することができました。
この講演では、Megascans BrideとUE4プラグインの組み合わせることにより、2つの空間(カースタジオと荒野)を効率的に制作したプロセスをお見せし、
そこで気がついたことや苦労した事などを紹介いたします。
また、講演を通じて普段UE4や3DCGに触れていない方にもUnreal Engineによる絵作りの楽しさをお伝えできればと思います。
株式会社ヒストリアは、Unreal Engine専門のソフトウェア開発会社です。ゲーム事業とエンタープライズ事業、2 つの軸でソフトウェアの企画、開発を行っています。また、Unreal Engine の学習を目的とした作品制作コンテスト『UE5ぷちコン』や、『出張ヒストリア! ゲーム開発勉強会』を主催、技術ブログを毎週更新など、Unreal Engine コミュニティを盛り上げる活動も行っております。
Megascansを使った効率化と楽しい絵作り ~Cutting-Edge Test Drive制作事例~ historia Inc.
この講演の概要 • Megascens使ってコンテンツつくったら効率 的にクオリティ上げられてのでその手順紹介 • 超初心者向け – UE4さわったことないレベル historia Inc.
自己紹介 株式会社ヒストリア 天見 信太郎 エンタープライズ アーティスト エンタープライズとは ゲーム以外の案件を扱う部署 以前 広告・放送 プリレンダー( V-Ray 、Arnold) historia Inc.
動画は下記URLから見られます。 https://www.youtube.com/watch?v=vl2f13UNTUg historia Inc.
Cutting-Edge Test Driveの紹介 自動車業界を中心にUnreal Engineの活用例を示すデモ 詳しくは Unreal Engine JPのYoutubeチャンネル UE4エンタープライズコンテンツを制作する際の ワークフロー ~Cutting-Edge Test Driveを題材に~ historia Inc.
解説部分 • カースタジオ、荒野 • 製作期間 – 作業人数 1人、 計2ヶ月ほど – コンセプトアートからシーンの作成まで – 荒野 シーケンサーでのカメラカット含む もちろん自社デモで好きにデザインなど融通ききやすい部分の速さもあり historia Inc.
画面でのMegascensの割合 • カースタジオ – 目に入る面積の多い部分のマテリアル (青色がMegascensマテリアル) • 荒野 – historia Inc. 大地のマテリアル、岩、草など広範囲
そもそもMegascensって? • クオリティの高い3Dスキャンアセットがライブラリ • UnrealEngine内で使われる限り無料 historia Inc.
UE4でどう使うの? • MegascansのプラグインBridge historia Inc.
historia Inc.
設定できる書き出しファイル名 $name わかりやすいがファイル名にスペース開く $id わかりにくい文字列 このどちらかしかない Roughness、 Metalness、 AO を1つのテクスチャに historia Inc.
Megascensの具体的な手順 • そのままプラグインでUE4に書き出すか • 一度フォルダに書き出し、ファイル名変 更ソフトでスペース消すかは使い分け historia Inc.
マスターマテリアル • UE4に書き出した場合自動でマスターマテリアル作成される historia Inc.
配置、色味合わせ historia Inc.
historia Inc.
試行回数試せる historia Inc. 楽しい
具体的な手順 カースタジオ • コンセプトアートつくる – この時点のイメージのすり合わせが一番大切 事前にMegascansからどのマテリアル使うのか決めておく historia Inc.
モデリング、ライティング 床、壁など面積の広い部分にはMegascansマテリアル使用 外の草もMegascansをフォリッジで配置 historia Inc.
荒野 コンセプトアートで事前に具体的にイ メージ共有したカースタジオと逆に、 ムービー部分である荒野は見た目で先 に作ったのはこの画像1枚のみ。 その部分よりもシーケンサーの動き、 カットを事前につくることに比重をお き、そのあとに背景を制作。 カメラアニメーションも地形作成も DCCを頼らずUE4のみで完成させたい。 historia Inc.
ランドスケープで地形作成 • 道路はスプラインメッシュ historia Inc.
注意点 • カット足すごとに道路を足していった – 終盤カットでは道路置ける場所狭くなっていた – カメラ置いてみても他のカットで作った巨大な坂が写ってし まったり historia Inc.
山のディテールアップ ランドスケープの山でなめらかすぎ、 今回はUE4とMegascansのみでで荒野を完結させたかったので、 岩オブジェクト並べることで山のディテールを作成 historia Inc.
羽根つき餃子どうする? • スキャンなので地面がついているアセット多い – この部分を色調整で地面と合わせるのは難しいかったりする (地面に明るさ合わせたせいで、見せたい岩部分が明るくなりすぎたり) – UE5のデモ解説で言われてたようにのようにアセットの地面部分 カットして上下コピーでつなげる方法ある historia Inc.
地面とのなじませ 頂点カラー マテリアルとPixcel Depth Offsetを使用 左がもともと、右がなじませたあと historia Inc.
頂点カラー マテリアル historia Inc.
Pixcel Depth Offset historia Inc.
容量の削減 • Megascansの高解像度ファイルを考えなしに使っていた のでプロジェクトサイズがどんどん大きく パッケージ化したファイルの大きさ 10.7GB カースタジオ、荒野、都市の3つの コンテンツ量で10GBは大きすぎる 動画コンテンツなら関係ないが、プロジェクト配布なので 重すぎるのは問題 historia Inc.
パッケージ化したファイルの軽量化をしよう • ビルドしたファイルはパックされていて中身が見られない • パッケージ化したときにデータがプロジェクトにできる – プロジェクトのSaved>Cooked>WindowsNoEditorの中 このファイルからどのアセットが容量使ってるか見られる (中のContentフォルダにプロジェクト同様の階層で保存されている) historia Inc.
このフォルダ解析 DiskInfoという ファイル占有率を調べるソフトを使用 どのファイルが容量とっているかわかる こんな感じで Contentのフォルダごとの容量の割合がみられる 調べるテクスチャがかなりの容量を占めてることがわかった メッシュはどんなにハイポリでも大きな容量にではなかった historia Inc.
UE4上でのテクスチャの軽量化 • テクスチャの詳細 LOD Biasを変更 – デフォルトの0→1→2と上げるほど大きさ半分になる • ビルド時にはその半分のサイズでパッケージ化される • 一括変更 – 複数のテクスチャ選んでAssetAction > Bulk Edit via Property Matrix (プロパティ マトリックスを用いたバルク編集) historia Inc.
テクスチャ • 優先順位 – Roughness (Metalness+AO)>BaseColor>Normal – 岩などメインなのでRoughness小さくしても影響ほぼない – Normalは一番解像度の違いが目につきやすい • 一番アップで映るもののテクスチャでも4Kから2Kに変え ても見た目に変化なし – ( Normalでさえも) historia Inc.
上がNormal 4K、下がノーマル2K 違いはわからない historia Inc.
他にもできる限り最適化した結果 10.7GBだった配布用パッケージファイルが2.92GBに historia Inc.
Megascans使ってシーン作った印象 カースタジオのように部分的に質の高いマテリアルとしても使える。 荒野のようにプラグインからできるマテリアルで一通りの色調整可能、 初心者の人でもランドスケープやフォリッジを使えばUE4のみで広大な自然の シーンをつくれる。 (さらに巨大な岩の形をこだわりたい場合などはZbrushなどのソフトは必要) historia Inc.
おまけ • UE4.24から4.25へのアップデート – 4.24では車の反射 Ray TracingでなくReflection Capture 床の反射はRay Tracing historia Inc.
UE4.24 historia Inc. Reflection Capture
UE4.24 historia Inc. Ray Tracing
• Ray Tracingの方が反射にぼかしが入ってる印象 • 4.25で車のマテリアルに使われるClearCoatなど変化あった historia Inc.
そのまま4.25で車をRay Tracingに変えても4.24と変化なかった • ドキュメント探しても見つからない • Photoreal Automotive Rendering in Unreal Engine | Webinar | Unreal Engine – この動画を参考に設定をさらに細かく変更 historia Inc.
• プロジェクト設定 で有効にするもの – Extend default luminance range in Auto Exposure settings – Apply Pre-exposure before writing to the scene color – Reflection capture を1024 or 2048に – Clear Coat Enable Second Normal – Support Atmospheric Fog – Support Sky Atmosphere – Support Sky Atmosphere Affecting Height Fog historia Inc.
特に大きい設定は • r.Reflections.Denoiser 0 – ClearCoat Roughnessのレイトレーシング反射がデフォルトだと ソフトなのでデノイザを切る設定 – Ray Tracingの車の反射のぼやけがなくなった historia Inc.
r.Reflections.Denoiser 1 historia Inc. UE4.25 Ray Tracing
r.Reflections.Denoiser 0 historia Inc. UE4.25 Ray Tracing
Reflection Capture UE4.25 historia Inc.
Ray Tracing化 成功! • Reflection Captureとどちらがいいかは好みやライティン グによるレベルまでにはなった historia Inc.
まとめ • これを機会にUE4さわるか迷ってる人もMegascansでなにかつ くってみよう! • Unreal Engine の公式Youtube見よう • [UE4]Megascansについて(ダウンロードとアセットの設定) ヒストリアブログ https://historia.co.jp/archives/13752/ historia Inc.
ご清聴ありがとうございました historia Inc.