【第13回】採用人事交流会「あえて 1記事ごとの効果測定について考えてみた」

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September 26, 24

スライド概要

「"あえて" 1記事ごとの効果測定について考えてみた」というスライドを公開しました。
9/25 Wed に行われた【第13回】採用人事交流会 のライトニングトークでお話をさせていただいた内容です

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各ページのテキスト
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"あえて" 1記事ごとの効果測定について考えてみた 【第13回】採用人事交流会 | 2024/09/25 Wed 18:30 Recruitment Market Lab ・本スライドは、2024/09/25 (水) に実施した【第13回】採用人事交流会で使用した内容を、一部抜粋し修正したものです ・結論を知りたい方は「まとめ」からご覧ください

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自己紹介 LinkedIn X (旧Twitter) Docswell 名前 秋山 紘樹 ストレングス ファインダー 親密性 → 学習欲 → 調和性 → 自己確信 → 着想 所属 株式会社ダイレクトソーシング 好きなもの 内廊下、新しい建物、ハザードマップ、まねきねこ 役割 取締役 兼 採用市場研究所 所長 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 2

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会社紹介 私たち採用市場研究所(略称:RMLab)は2023年8月に株式会社ダイレクトソーシングを運営元として設立されました。 「採用市場情報メディアを運営するメディアサービス」と「人・組織の課題を解決するためのコンサルティングサービス」を展開しています。 Mission 運営会社 人が持つ可能性には、組織や事業を変革する力がある コンサルティングサービス 会社名 株式会社ダイレクトソーシング 英訳名 Direct Sourcing Inc. 創業 2015年11月2日 資本金 1,000万円 本社 東京都港区西新橋1-1-1 WeWork 日比谷FORT TOWER 10F メディアサービス 代表取締役 事業責任者が描く未来を実現するために、 採用・評価・育成をはじめとする人・組織の 課題解決に伴走する 採用活動における意思決定に 『市場環境の把握』という補助線を引く 竹村 朋晃 従業員数 55名(2024年4月1日時点) 事業内容 ダイレクトソーシングを中心とした データドリブンリクルーティング © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 3

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1. 前段 2. 採用広報記事における効果測定案の提示 3. まとめ と 明日 から取り組めること © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 4

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1. 前段 2. 採用広報記事における効果測定案の提示 3. まとめ と 明日 から取り組めること © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 5

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そもそも「広報」とは 6

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前段 広 報 く ずる © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 7

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前段 (字面だけ見ると)情報発信を行う側面が強く現れている。 双方向というより、一方向性のコミュニケーションのような雰囲気 広 報 く ずる © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 8

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前段 Public Relations = PR という単語もある 一般社会 関係の総体 Public Relations © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 9

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前段 「Public」にはさまざまな属性が存在する。採用広報の場合は、 Public に含まれる「従業員(未来の従業員)」に対して関係を構築すること 一般社会 関係の総体 Public Relations 顧客 政府 株主 ・・・ 地域社会 取引先 従業員 ・・・ © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 10

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前段 Public Relations とは 企業や政府などの組織体が、それぞれの目的 や目標の達成のために情報発信者となり、パ ブリック(一般社会=情報受益者)との間の さまざまなリレーションを構築する、リレー ションシップ・マネジメントである © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 11

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前段 採用広報を行う際に外してはいけないポイント 目的や目標を定める 広報 ターゲットとなる候補者を定める 情報発信とフィードバックのサイクルを回す © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 12

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ある時、こんな相談をもらいました 13

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前段 ある時、こんな相談をもらいました 直近採用広報に力を入れてきた甲斐あって、肌感ではいろんな人に知っても らえ始めている気がします。引き続き採用ポジションも多いので記事を作成 していくのですが、記事単体の効果測定ってどうするのが良いんでしょう か? 記事があることによって明確な変化が起きたことを証明するのは難しいのは 理解しているものの、記事を作るにもお金がかかっているので、何らかのヒ ントがないかを探しています © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 14

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前段 たしかに、採用広報ってターゲットに届けることについては議論されるが、 それが適切に届いているかについては曖昧になっている気がする 記事公開前 記事公開後 どんなターゲットに対してつくる? 読後感どうなっててもらいたい? 誰に話してもらう? ? どうやって届ける? © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 15

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前段 つまり、記事出して終わりになってないか? 大量生産しっぱなしになってないか? © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 16

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なので今回は「あえて」、 1記事ごとの効果測定について考えてみたいと思います * 前提として、採用担当者が2人以上いて、 採用広報記事が複数本ある企業を想定 17

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1. 前段 2. 採用広報記事における効果測定案の提示 3. まとめ と 明日 から取り組めること © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 18

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では、まず、 採用活動における “良い” 記事とはなにか 19

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測定案の提示 わかりやすいのは「候補者」からの反応が良い記事 いいね! 候補者群 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 20

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測定案の提示 反応が良いにも、候補者がどの段階にいるかによって変わってくる 認知 応募 探索 一次面接 接触 検討 検討 二次面接 オファー 面談 検討 検討 検討 最終面接 承諾 準備 入社 ・探索:認知後はまず “知ること” に一定時間をかけると考え独立させた ・接触:カジュアル面談等を想定 ・検討:検索行為も含む © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 21

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測定案の提示 例えば、PV/IMP、UU を測定する指標にした場合、 どの場面を切り取るかによって数字が持つ意味が変わる 自社の認知度向上や関心喚起を目的とした記事では、 認知 応募 探索 一次面接 接触 検討 閲覧数などの指標は一定の有効性を持つ 検討 二次面接 オファー 面談 検討 検討 検討 最終面接 承諾 準備 入社 候補者向けの理解促進や意向醸成を目的とした記事では、 対象者が限定されているため、 閲覧数などの指標による比較はあまり意味を持たない © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 22

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測定案の提示 一方で、「採用担当者」から見た良い記事という視点もある いいね! 採用担当 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 23

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測定案の提示 採用担当者は、目の前の候補者と向き合う上で、 面接以降のフェーズにある候補者と、対話を深めるのに役立つ情報を提供する まずこの記事を読んでおい てください 応募 一次面接 検討 次の面接官は***なの で、この記事読んでいただ くのがおすすめです また、社内のカウンターに なる部署の業務内容がわか る記事です 二次面接 出身業界が同じ方にインタ ビューした記事です 検討 最終面接 検討 二次面接官からの申し送りで、弊社 が目指している世界観についてご興 味があると伺いました。最終面接前 にこの記事を読んでいただくと目線 が合わせられると思います © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 24

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測定案の提示 必要な記事「全て」を自炊する必要はなく、 同僚のリクルーターが作成した記事を積極利用するのが効率的 まずこの記事を読んでおい てください 応募 一次面接 検討 次の面接官は***なの で、この記事読んでいただ くのがおすすめです また、社内のカウンターに なる部署の業務内容がわか る記事です 二次面接 同僚が作成 した記事 出身業界が同じ方にインタ ビューした記事です 検討 最終面接 検討 二次面接官からの申し送りで、弊社 が目指している世界観についてご興 味があると伺いました。最終面接前 にこの記事を読んでいただくと目線 が合わせられると思います © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 25

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測定案の提示 記事の内容や伝え方を状況に応じて調整することで、 同じ記事を様々な文脈で再利用可能。 「採用担当者間」の活用度を重視することがポイント 入社エントリー記事 選考ポジションが 同じ方へ 前職が、 業界/職種が近しい方へ 社内のカウンターパートになりえる方へ © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 26

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測定案の提示 情報の非対称性を解消するために、適切なタイミングで情報共有が必要。 いまある記事を面接プロセスのどのタイミングで共有するかを整理すると便利 例:UXデザイナー関連のポジションについて補足する記事 募集ポジション 記事 応募前 UXデザイナー A ○ B *同僚作成 プロダクトマネジャー 機械学習エンジニア アカウントエグゼクティブ ○ E ○ ○ G H *同僚作成 全社 オファー面談前後 C F *同僚作成 最終面接前後 ○ D *同僚作成 一次面接前後 I J ○ ○ ○ © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 27

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測定案の提示 つまり、採用活動における “良い記事” とは、 「候補者」からの反応がよく、「採用担当者間」での活用度が高い記事 候補者からの反応 採用担当者間の活用度 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 28

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効果測定を行う上での枠組みを、 「候補者からの反応」と「採用担当者間での活用度」の2軸で分類 29

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測定案の提示 記事の評価は「候補者からの反応」と「採用担当者間での活用度」の2軸で行う。 この評価により各記事を4つのカテゴリー (スター型/潜在型/自己中心型/要再考型)に分類 良い スター 型 潜在 型 候 補 者 の 反 応 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い 理想的な状態 自己中心 型 要再考 型 根本的な見直しが必要 悪い 少ない 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 30

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測定案の提示 採用広報で記事作成を行う場合、 スター型に属する記事か否かで成功の有無を判断する 良い スター 型 潜在 型 候 補 者 の 反 応 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い 理想的な状態 自己中心 型 要再考 型 根本的な見直しが必要 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 悪い 少ない 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 31

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測定案の提示 潜在型は、社内での認知度向上と活用促進を図る。 例えば、社内勉強会での紹介や、他部門との連携強化などが効果的 良い スター 型 潜在 型 候 補 者 の 反 応 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い 理想的な状態 自己中心 型 要再考 型 根本的な見直しが必要 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 悪い 少ない 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 32

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測定案の提示 自己中心型は、候補者のニーズや興味に合わせたコンテンツの再構築が必要。 候補者へのアンケートや面接FBを活用し、より訴求力の高い内容に改善 良い スター 型 潜在 型 候 補 者 の 反 応 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い 理想的な状態 自己中心 型 要再考 型 根本的な見直しが必要 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 悪い 少ない 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 33

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測定案の提示 要再考型は、記事の目的、ターゲット、内容を一から再検討し、 場合によっては新規作成も視野に入れる 良い スター 型 潜在 型 候 補 者 の 反 応 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い 理想的な状態 自己中心 型 要再考 型 根本的な見直しが必要 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 悪い 少ない 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 34

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測定案の提示 記事作成の価値は、候補者の興味を引き、行動を促すことにある。 候補者の反応を重視し、採用担当者間活用度は二次的要素として捉えるべき 候補者からの 反応 > 採用担当者間の活用度 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 35

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では、 実際、どのように運用するのか 36

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測定案の提示 採用プロセスのどの段階の人を「候補者」と見なすかで、 記事の効果を測る指標が異なる。例えば、PV/IMP、UU を指標にした場合 自社の認知度向上や関心喚起を目的とした記事では、 認知 応募 探索 一次面接 接触 検討 閲覧数などの指標は一定の有効性を持つ 検討 二次面接 オファー 面談 検討 検討 検討 最終面接 承諾 準備 入社 候補者向けの理解促進や意向醸成を目的とした記事では、 対象者が限定されているため、閲覧数などの指標による比 較はあまり意味を持たない © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 37

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測定案の提示 例えば、以下の測定方法と評価基準で、二つの指標を評価してみる 候補者の反応 測定方法 基準の設定 読了率の指標を使用 業界平均や自社の過去の実績と比較 して、平均以上を「良い」、平均以 下を「悪い」と判断 採用担当者間の活 用度 四半期ごとに簡単な社内アンケートを 5段階評価の中央値3を基準に、3以上 実施。 を「高い」、3未満を「低い」と判断 5段階評価で活用度を聞き、平均値を 使用 © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 38

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測定案の提示 4つの評価プロセスで運用。これを対象記事分行い「自社の平均」を算出し、 ベースラインとして活用。各記事の評価結果を この平均値と比較することで改善のヒントを得る *「読了率」は一例です ・読了率:ウェブ解析ツールから取得(例:45%) ・社内活用度:簡単な5段階評価アンケート(例:平均4.2) ・X軸(活用度合い):社内活用度スコア(例:84) ・Y軸(候補者の反応):読了率(例:45) データ収集 スコアリング マッピング 分類 ・「良い」「高い」の基準を例えば70以上と設定 ・この例では、X軸84 > 70(高い)、Y軸45 < 70(悪い)なので「自己中心型」に分類 ・読了率:そのままパーセンテージを使用(例:45) ・社内活用度:5段階を100点満点に換算(例:(4.2 / 5) × 100 = 84) © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 39

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1. 前段 2. 採用広報記事における効果測定案の提示 3. まとめ と 明日 から取り組めること © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 40

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まとめ 41

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まとめ 採用広報記事を作成する場合は、スター型の記事を目指す。 そして公開した記事はなんらかの指標を使い分類し、 ネクストアクションが取れる状態にする 良い 「候補者」からの反応がよく、 「採用担当者間」での活用度が高い、 「スター型」の記事 候 補 者 の 反 応 潜在 型 スター 型 潜在的な価値があるものの、 まだ十分に活用されていないコンテンツ 候補者の反応も良く、 採用担当者間での活用度も高い理想的な状態 要再考 型 根本的な見直しが必要 悪い 少ない 自己中心 型 候補者が何を求めているかを考慮せず 作成されたコンテンツ 採用担当者間の 活用度合い 多い © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 42

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まとめ 大局的に把握 効果測定を行う場合、関係者と認識を合わせたほうが良いポイント 目的は、記事の効果を大局的に把握し、改善サイクルを回すための手がかりを得ること ポイントは、数値の正確性を求めるのではないということを、関係者が認識すること 指標が変化 異なる目的や対象読者を持つ記事には、それぞれ適切な評価指標がある 自社の平均 各指標について自社の平均値を把握し、それをベースラインとして活用する データ収集 分析ツールで、最低限のデータを収集できる環境の整備をする © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 43

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明日からできること 44

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明日からできること 情報の非対称性を解消するために、適切なタイミングで情報共有が必要。 公開済記事を面接プロセスのどのタイミングで共有するかを整理しておくと便利 例:UXデザイナー関連のポジションについて補足する記事 募集ポジション 記事 応募前 UXデザイナー A ○ B *同僚作成 プロダクトマネジャー 機械学習エンジニア アカウントエグゼクティブ ○ E ○ ○ G H *同僚作成 全社 オファー面談前後 C F *同僚作成 最終面接前後 ○ D *同僚作成 一次面接前後 I J ○ ○ ○ © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 45

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明日からできること これから記事を作成しようと思っている場合、 まず、以下を埋めるところからスタートすることをオススメします Target どんな人に向けた施策にしたいのか? Scene ペルソナが記事を閲覧する際の状況は? Experience 読後感が、どのような状態になっていることが望ましいのか? Contents それを実現させるためにどのようなコンテンツが必要か? System それを実現させるために必要な「受け皿」は? Delivery コンテンツをどう届けるか? Measurement どうやって効果測定するか? © Directsourcing Inc. All Rights Reserved. 46