CRE を立ち上げるにあたって 考えたこと・やったこと

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June 26, 25

スライド概要

「CRE Camp #1 ユーザー信頼性を支える現場の知見LT大会」 - https://cre-camp.connpass.com/event/357306/での登壇資料です。

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各ページのテキスト
1.

CRE を立ち上げるにあたって 考えたこと・やったこと 2025.6.26 Thu. CRE Camp #1 ユーザー信頼性を支える現場の知見 LT大会 @ スマートバンクさま 井上 大輔 - a-know 株式会社 SmartHR プロダクト開発本部 労務コア開発 1部 プロダクトエンジニア

2.

井上 大輔 / a-know ● 株式会社 SmartHR プロダクトエンジニア ● 岡山県倉敷市在住 ● 趣味 ○ ドライブ ● ライフワーク ○ 個人開発 ○ 地方ITコミュニティ運営 https://pixe.la

3.

まずはお知らせ!

4.

では、 新たに “CREユニット ” を 立ち上げました!! 🎉🎉🎉

5.

今日のお話 : “CRE” を立ち上げる際に考えたこと・やったこと tl;dr ● いままでの経験や学びを踏まえて、入念な準備を行った ● これまでの経験で感じていた「難しい」ポイントひとつひとつに、真正面 から向き合った

6.

今日のお話 : “CRE” を立ち上げる際に考えたこと・やったこと tl;dr 実はこれまでに 2度ほど、 CREを立ち上げてきました ● いままでの経験や学びを踏まえて、入念な準備を行った ● これまでの経験で感じていた「難しい」ポイントひとつひとつに、真正面 から向き合った

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思い: 立ち上げを成功させたい! ● 成功 Lv.1 = できるだけ "にゃーん " とな らずに仕事を頑張れるチームに! ● いまのところ、いいかんじ! https://x.com/snskotoba/status/1812807572514328803 https://x.com/search?q=from%3A%40a_know%20にゃーん&src=typed_query

8.

ここで disclaimer ● 以降の発表内容の性質上、「 SmartHR での CRE の立ち上げ」に つ いてのお話になります:「 CRE」の在り方は各社それぞれ三者 三様・ みんな違ってみんな良い!だと思っています! ○ なぜなら : "Customer(顧客) " も企業・事業ごとに違うから! ● 「うちはこうやってて、いい感じですよ!」情報、ぜひ教えて くださ い!

9.

そしてちなみに ● SmartHR CRE 立ち上げ時点での、組織にとっての一番のペインは「 サ ポート・ CS・セールスの方たちが独力で回答できないお問い 合わせが めちゃくちゃ多い 」というもの ● これについては後半にもう一度触れるので、ここではいったん覚えてお いてください 🙏

10.

これまでの経験上、 「難しいなー」と思っていた CRE のポイント

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「自分たちってちゃんと事業貢献できてるん だろうか ...」と、ときどき不安に思ったり ...... これまでの経験上、 「難しいなー」と思っていた CRE のポイント

12.

「自分たちってちゃんと事業貢献できてるん だろうか ...」と、ときどき不安に思ったり ...... 「CREって何なんですか?」「◯◯(他の職 種など)とどういうところが違うんですか?」 という難問 これまでの経験上、 「難しいなー」と思っていた CRE のポイント

13.

「自分たちってちゃんと事業貢献できてるん だろうか ...」と、ときどき不安に思ったり ...... 「CREって何なんですか?」「◯◯(他の職 種など)とどういうところが違うんですか?」 という難問 これまでの経験上、 「難しいなー」と思っていた CRE のポイント CREの専門性って?

14.

「自分たちってちゃんと事業貢献できてるん だろうか ...」と、ときどき不安に思ったり ...... 「CREって何なんですか?」「◯◯(他の職 種など)とどういうところが違うんですか?」 という難問 これまでの経験上、 「難しいなー」と思っていた CRE のポイント CREの専門性って? 気がついたら “何でも屋 ” になってた!

15.

こうした「難しい」ポイントの ひとつひとつに対し、 CREを新たに立ち上げる前に 真正面から向き合った

16.

難①: 自分たちって事業貢献できてる? 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ

17.

難①: 自分たちって事業貢献できてる? 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ 全社事業目標

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難①: 自分たちって事業貢献できてる? 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ ひとつ上の目標・活動を 実現するには?という目線で ブレークダウン

19.

難①: 自分たちって事業貢献できてる? 直近で CRE が取るアクションは 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ ここらへんからのスタートだったりする 距離はある・間接的 ...かもしれないが、 確実に結びついている!

20.

難①: 自分たちって事業貢献できてる? 直近で CRE が取るアクションは 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ ここらへんからのスタートだったりする 距離はある・間接的 ...かもしれないが、 確実に結びついている! 「CREとしてやろうとしていること」が(ダイレクトなものではないにしても) 事業目標の達成に結びつくことを確認した

21.

難①: 自分たちって事業貢献できてる? 直近で CRE が取るアクションは 向き合い① : 全社の事業目標を徹底的に読み込んだ ここらへんからのスタートだったりする 距離はある・間接的 ...かもしれないが、 確実に結びついている! 「CREとしてやろうとしていること」が(ダイレクトなものではないにしても) 事業目標の達成に結びつくことを確認した 「自分たちはこのままでいいんだっけ?」となったときに 立ち戻ることのできる道しるべにもなるはず!

22.

難②-1: 「CREってなんなんですか?」 難②-2: 「◯◯(他の職種など)と何が違うんですか?」 難③: CREの専門性って? 難④: 気がついたら “何でも屋 ” になってた!

23.

過去、実際に CREを立ち上げて感じていたこと ロケ地: 倉敷美観地区

24.

過去、実際に CREを立ち上げて感じていたこと “CRE とはなにか ”、 “CREだからこそ出せる価値、高められる専門性 ”... …… ◯◯なんじゃないか? ロケ地: 倉敷美観地区

25.

過去、実際に CREを立ち上げて感じていたこと “CRE とはなにか ”、 “CREだからこそ出せる価値、高められる専門性 ”... …… ◯◯なんじゃないか? 一方、自分自身がサポート・ CS・セールス職に 就いたことがあるわけでは(ほとんど)ないから、 “確信” とまでは言い難い ...... ロケ地: 倉敷美観地区

26.

なので、一度 CRE から離れた もちろん、その他にも動機はありますが ......

27.

2021〜2025年の間、複数の Customer Facing 職種を経験( 2社) ● カスタマーサポート(入社時研修・ 3ヶ月) ● カスタマーサクセスエンジニア ● カスタマーサクセスマネージャー( CSM) ● ソリューションアーキテクト ● グロースセールススペシャリスト ● セールスエンジニアリングスペシャリスト

28.

実際に Customer Facing な職種に 就いて感じたことをもとに、 確信が持てた「 CRE の専門性」とは

29.

少し横道 : 「SRE」知っていますか? ● Site Reliability Engineering / Engineer ● 以下のような点から、「 SRE」の考え方やプラクティスに倣えるとこ ろは多いのでは、と思っています ○ 名前が似てる ○ どちらも Googleが提唱 ○ SREはたくさんのサーバー(リソース)を相手にする ○ CREはたくさんの顧客を相手にする

30.

「SRE」とは ● △: サイト(サービス)の信頼性を向上させること・それをミッションに持つ ロール ● ◯: サイト(サービス)の信頼性を 把握し、コントロールする こと・それを ミッションに持つロール

31.

ではCREは?

32.

"Customer(顧客) " の状況を把握し、顧 客からの信頼向上に貢献すること・それ をミッションに持つロール と言えないだろうか

33.

Customer Facing 部署の大きな悩みの うちのひとつ 「お客様が今どういう状況なのか、 よくわからない・自信が持てない」

34.

「自社プロダクトに満足してくれているの か、不満なのか」 「何に不満を感じているのか」 「先日リリースした機能に気づいてくれてい るのか、いないのか」 「今どのような課題を抱えているのか」 「今一番興味関心を抱いているのはどのよ うなことなのか」 Customer Facing 部署の大きな悩みの うちのひとつ 「お客様が今どういう状況なのか、 よくわからない・自信が持てない」 「誰が意思決定のキーマンなのか・それは 今も変わらず同じ方なのか」 「自社プロダクトの契約継続に関して、 新たなリスク因子は発生していないか」

35.

「自社プロダクトに満足してくれているの か、不満なのか」 「何に不満を感じているのか」 「先日リリースした機能に気づいてくれてい るのか、いないのか」 「今どのような課題を抱えているのか」 「今一番興味関心を抱いているのはどのよ うなことなのか」 これらを事前に把握できると、 Customer Facing 部署の大きな悩みの うちのひとつ Customer Facing 部署の各種活動の打率 「お客様が今どういう状況なのか、 や よくわからない・自信が持てない」 効果を飛躍的に向上させられる! 「誰が意思決定のキーマンなのか・それは 今も変わらず同じ方なのか」 「自社プロダクトの契約継続に関して、 新たなリスク因子は発生していないか」

36.

それを踏まえて : SmartHR の CRE は何に取り組むのか? 2つの信頼性 に関与することを目指す!! ● SmartHR というプロダクトを安心・ 信頼して使ってもらえるように ● 「社として把握している顧客の状況」それ自体の 信頼性を高める

37.

それを踏まえて : SmartHR の CRE は何に取り組むのか? 2つの信頼性 に関与することを目指す!! ● SmartHR というプロダクトを安心・ 信頼して使ってもらえるように ● 「社として把握している顧客の状況」それ自体の信頼性を高める めちゃめちゃ難しい!技術的にも非常にチャレンジングなテーマ + ソフトスキルも求められる! (時には顧客と直接会話をして状況の把握に努めることも必要)

38.

それを踏まえて : SmartHR の CRE は何に取り組むのか? 2つの信頼性 に関与することを目指す!! ● SmartHR というプロダクトを安心・ 信頼して使ってもらえるように ● 「社として把握している顧客の状況」それ自体の信頼性を高める めちゃめちゃ難しい!技術的にも非常にチャレンジングなテーマ + ソフトスキルも求められる! (時には顧客と直接会話をして状況の把握に努めることも必要) だからこそ 目指す!!

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専門性の話

40.

CREの専門性を構成する要素を「四本柱」として設定 ● Customer Observability ● トイルの削減 ● 顧客信頼の砦 ● CS Ops 社内向け文書より抜粋

41.

CREの専門性を構成する要素を「四本柱」として設定 ● Customer Observability ● トイルの削減 ● 顧客信頼の砦 現時点での組織にとっての一番のペインである 「サポート・ CS・セールスの方たちが独力で回答できな いお問い合わせがめちゃくちゃ多い」を この領域の課題と位置づけて、現在活動中! ● CS Ops 社内向け文書より抜粋

42.

CREの専門性を構成する要素を「四本柱」として設定 それぞれについて 3~4段階の “成熟度” も設定。 社内向け文書より抜粋

43.

CREの専門性を構成する要素を「四本柱」として設定 それぞれについて 3~4段階の “成熟度” も設定。 まだまだ走り始めたばかりの SmartHR の CRE では、 レベル0~1がほとんど。 これを一緒にひとつずつレベルアップさせていける 仲間を募集中です!【 PR】 社内向け文書より抜粋

44.

おわりに 「SRE」を形容するもので好きな表現があります。 「SREとは、ソフトウェアエンジニアに Webオペレーション(運用)を任せたとき に起こるものである 」 ではCREは? 「CREとは、ソフトウェアエンジニアにカスタマーサクセスを任せたときに起こ るものである 」じゃないかと思っています!

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おわりに 「機能」は簡単に追いつかれてしまう時代です。 サポート・ CS・セールス・そして CREによって提供できるお客様体験もプロダ クトを構成する重要な要素であり、そこで実現できた差別化は、他社にとって は一朝一夕では追従しづらいものになるはず。 プロダクトの "魅力的品質 " を構成し、強化する要素になっていきます!