“SRE” から “CRE” を考える

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October 27, 25

スライド概要

CRE Camp #3 ユーザー信頼性を支える現場の知見LT大会 - https://cre-camp.connpass.com/event/368073/ での登壇資料です。

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各ページのテキスト
1.

“SRE” から “CRE” を考える 2025.10.23 Thu. CRE Camp #3 ユーザー信頼性を支える現場の知見 LT大会 @ SmartHR 井上 大輔 - a-know 株式会社 SmartHR 労務プロダクト開発本部 CRE部 CREユニット

2.

井上 大輔 / a-know ● 岡山県倉敷市在住 ● CRE部 CREユニット プロダクトエンジニア ● 約10年のソフトウェアエンジニアとしてのキャリア ● 約9年のbizサイド職種としてのキャリア ○ ● セールス : カスタマーサクセス 半々くらい SmartHR で CRE を立ち上げ ○ CREの立ち上げはこれでもう 3回目

3.

最初の CRE 立ち上げ( 2017年8月): 株式会社はてな Mackerel チーム CRE https://developer.hatenastaff.com/entry/2017/08/09/173607

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Mackerel(マカレル)?

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Mackerel(マカレル)? https://ja.mackerel.io/

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● Mackerel の顧客はエンジニア(インフラ・ SRE) ● 自身もCREとしての業務をこなすかたわら、サーバー・インフラ ・SRE……に関するインプットとアウトプットを貪欲に続けていた ○ CREとしての業務 : ■ 顧客満足度 ■ 円滑なオンボーディング ■ 契約更新 など

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● Mackerel の顧客はエンジニア(インフラ・ SRE) ● 自身もCREとしての業務をこなすかたわら、サーバー・インフラ ・SRE……に関するインプットとアウトプットを貪欲に続けていた ○ CREとしての業務 ■ 顧客満足度 ■ 円滑なオンボーディング ■ 契約更新 など

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● Mackerel の顧客はエンジニア(インフラ・ SRE) ● 自身もCREとしての業務をこなすかたわら、サーバー・インフラ ・SRE……に関するインプットとアウトプットを貪欲に続けていた ○ CREとしての業務 ■ 顧客満足度 ■ 円滑なオンボーディング ■ 契約更新 など

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● Mackerel の顧客はエンジニア(インフラ・ SRE)、ということもあり、自 身もCREとして業務をこなすかたわら、サーバー・インフラ・ SRE…に関 するインプットとアウトプットを貪欲に続けていた

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● Mackerel の顧客はエンジニア(インフラ・ SRE)、ということもあり、自 身もCREとして業務をこなすかたわら、サーバー・インフラ・ SRE…に関 するインプットとアウトプットを貪欲に続けていた

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Mackerel の CRE は自分のルーツ! ● こうした経験は自分の CREとしてのルーツであり、今現在も様々なこと を考えるにあたっての土台になっている

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2017年当時、 CREを立ち上げたときに考えていたこと ● Songmu「新しい職種の名前、考えてください!」 ● a-know「(いま SREがめちゃくちゃ盛り上がってるし、 Google も新し い専門職として提唱してたよな ……、よし!) CREで!!」 ● その後様々な経験をしたり、 SREに関する理解を深めたりしたことで、 SREの考え方やプラクティスのいくつかは CREにも通じるところがあり そう、と考えるようになった このあたりの出来事については Songmu さんのポッドキャストでもお話している ので、気になる方はぜひ聴いてみてください!

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今日は “SRE” をヒントに、 “CRE” について 考えてみたいと思います

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SRE - “信頼性” の本質 ● サイト(サービス)の信頼性を向上させること・それをミッションに持つ ロール … △ ● サイト(サービス)の信頼性を把握し、コントロールすること・それをミッ ションに持つロール … ◯ ● 闇雲に稼働率 100% を目指すものではない・そのコストと労力は莫大

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CRE - “信頼性” の本質 ● スタートの時点で「あまり信頼されていない」状態であれば、まずはそれを高 めていくことに取り組まなければいけないのは、それはそう ● でも、信頼マックス 100%状態が絶対正義か?というと、そこは慎重に考える 必要があると思っている ○ それを目指すには莫大なコストが掛かる ○ 100%(何から何まで信頼できる状態)になると、それは依存を生む ○ 時には厳しいお願いをしたり、あるべき姿や運用を、お客様自身にも考 えていただくことが必要な場面もあるはず

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SRE - “トイル” との向き合い ● トイル: 繰り返しを伴う手作業、かつ長期的な価値を生まない、にも関 わらずサービスの成長に比例して増加する、 …といった性質を持つ作 業 ● SRE には「サービスを稼働させ続ける」という責任もあり、そこにも手 作業が生じることがある ● 一般的に SRE は、いわゆる “トイル” に費やされる時間を削減するこ とを目指している https://cloud.google.com/blog/ja/products/gcp/identifying-and-tracking-toil-using-sre-principles

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CRE - “トイル” との向き合い ● Customer Reliability にミッションを持つ CRE のもとには、多くの場合、顧 客からの様々なリクエストが(直接・間接問わず)寄せられる ● 提供しているサービスは同じでも、顧客によりその使い方や背後にある文 脈、背景は千差万別。そのため、寄せられるリクエストも “全く一緒 ” のも のは少なく、そのほとんどが微妙に異なっているもののため、個々の事情 に合わせた対応 ——— トイルが発生することになる ● CRE がより本質的で価値のある仕事に向き合う時間を生み出すために も、「トイル」に費やされる時間を削減することを目指す必要がある

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SRE - “信頼性” の把握 ● Site Reliability の根源である(サイト(サービス)の提供を支えている) サーバーやコンテナリソース、その数は無数にある ● 個々のサーバーリソースがどういう状況か?というのは、各種モニタリ ングツールを活用して効率的に把握することもあれば、いざというとき は直接 ssh してログを tail して、……といったこともある(あった)はず

19.

CRE - “信頼性” の把握 ● Customer Reliability の根源である顧客・その数は無数 ● 個々の顧客がどういう状況か?というのは、各種 CRMツールを活用し て効率的に把握することもあれば、 ○ 直接の訪問 ○ リモート会議によるヒアリング ○ 電話やメールでの状況お伺い ● をする……ということもある

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結構共通点ありそう!

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その他にも : SRE と CRE の間で一致度が高そうなキーワード キーワード SRE の場合 CRE の場合 Observability システムの内部状態を外部から詳細に 推測・可視化を可能にする 顧客や顧客のプロダクトの利用状況を外 部から詳細に推測・可視化を可能にする Scalability システムの負荷が増減しても、性能を維 持し、安定したサービス提供を可能にす る 顧客規模の増大やカスタマーサクセス チームの成長に応じた各種能力の提供を 可能にする Traceability システムの健全性を可視化し、イベン ト、メトリクス、ログ、トレース etc. をシス テム全体で追跡可能にする 自分たちの活動(セールスやカスタマーサ クセスの各種活動)と顧客側の変化を記録 し、追跡可能にする Accessibility SREの考え方やスキルを、組織内のより 多くのメンバーが利用できるようにする (SREの民主化) エンジニアリングにより様々な情報に対し てアクセス可能にすること・それを組織内 外問わずより多くの関係者が利用できるよ うにする

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おわりに

23.

私が好きな “SRE” を形容する言葉 ● 「SREとは、ソフトウェアエンジニアに Webオペレーション(運用)を任せた ときに起こるものである」

24.

カスタマーサクセスをさらにスケールさせるためには、技術の活 用が必須であることは既に認識されている 「カスタマーサクセスをスケールするためのテクノロジー」 1. 顧客マスター管理 2. プロダクト利用状況の可視化 3. ROIの可視化 4. 顧客情報の収集・レポート 5. カスタマーフィードバックの受付 6. カスタマーコミュニティ 7. データ統合の仕組み 8. ヘルススコアモニタリング 9. カスタマーサクセスマネージャーのワークフロー管理 10. カスタマーサクセスマネージメント 11. ナレッジベースとデリバリーシステム 「カスタマーサクセス実行戦略」 (山田ひさのり・著)

25.

私が考える “CRE” を形容する言葉 ● 「CREとは、ソフトウェアエンジニアにカスタマーサクセスを任せたときに起 こるものである 」ではないか?

26.

まだ取り入れきれていない SRE のプラクティスは多い ● “SLO” や “エラーバジェット ” など ● CREとしての解を、何から何まで SRE に求める必要はないとは思っています が…… ● だとしても、大きなヒントはありそう!

27.

“Customer Reliability Engineering” という一つの “技術” を 確立したい!! ● これは色んな技術・バックグラウンドを持つ人たちでのチームがあって初 めて成し遂げられるような、非常に高い目標だとも考えています ● ぜひそれを一緒に目指しませんか! SmartHR は、それを目指すにあたっ ての非常に良い舞台だと思っています! SmartHR CREチーム 検索 Click!