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July 11, 26
スライド概要
ブルー・オーシャン戦略とは、競争の激しい既存市場(レッド・オーシャン)から脱却し、競争相手のいない未開拓市場を創造する経営戦略です。本資料は、世界46カ国語以上・400万部超の名著『ブルー・オーシャン戦略』(W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著)の要点を、豊富な事例とともに体系的に解説したスライドです。
【この資料で学べること】
・差別化と低コストを同時実現する「バリュー・イノベーション」の考え方
・戦略キャンバス/価値曲線/4つのアクションなど実践フレームワークの使い方
・イエローテイル、QBハウス、任天堂Wii、シルク・ドゥ・ソレイユの成功分析
・「6つのパス」と「3つの非顧客層」による新市場の発見法
・睡眠市場・MaaSなど、これから伸びる有望ブルー・オーシャンの展望
新規事業を検討中の方、価格競争に疲弊している経営者・マーケター、経営戦略を体系的に学びたいビジネスパーソンに最適な一枚です。
書名:『ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する』(新版)
著者:W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
出版社・出版年:ダイヤモンド社、2015年(原著 Blue Ocean Strategy は2005年、新版2015年)
「知識の泉」では、エビデンスに基づく知識をわかりやすく発信しています。
知識の泉 本や論文など、確かな根拠に基づいた知識を、誰にでも届く形に変えて発信しています。心理学、行動科学、組織論、哲学、経済学など、分野を問わず「正しく、深く、面白い」知を探求するのがコンセプトです。 なんとなくのイメージや感覚的な情報ではなく、一次資料や学術研究に立ち返り、エビデンスを丁寧に紐解いた上でスライドにまとめています。一つのテーマにつき、背景理論から実践的な活用法まで、体系的に理解できる構成を心がけています。 「知って終わり」ではなく、「明日から使える」知識を届けることを目指し、これからも様々な分野の本物の知をこの泉から汲み上げ、発信していきます。気になるテーマがあれば、ぜひ覗いてみてください。
ブルー・オーシャン戦略 競争のない新たな市場を創造し、持続的な成長を実現するための戦略と実践方法を学 ぶ。
アジェンダ 本日のアジェンダ ブルー・オーシャンの基本から具体的な実践手法、将来の有望市場までを体系的に解説する。 01 第1章:基本概念 02 第2章:コアツール ブルー・オーシャン戦略の根本的な考え方と、レッド・オーシャンとの違い 戦略策定に必要な戦略キャンバス・4つのアクション・価値曲線などの実践 を理解する。 的ツールを学ぶ。 03 第3章:成功事例 04 第4章:市場発見 ワイン・QBハウス・任天堂Wii・シルク・ドゥ・ソレイユなど具体的な事例 6つのパス・非顧客の掘り起こしなど、新たな市場を見つけるフレームワー から学ぶ。 クを習得する。 05 第5章:実行と管理 06 第6章:有望市場 戦略を組織で実行するための4つのハードルとティッピング・ポイント・リ 睡眠市場・MaaSなど、これからの時代に大きく伸びる100のブルー・オー ーダーシップ。 シャンを展望する。
市場創造の重要性 どの企業であっても、既存ビジネスの枠組みを変え、新しい顧客や市場を創ることが 必須である。仕事で成功するための必須条件であり、新しいビジネスの継続的な創造 が求められる時代において、既存のビジネスの枠組みを根本から変える必要がある。 これは起業家だけでなく、すべてのビジネスパーソンに求められる革新的な考え方で ある。 書籍『ブルー・オーシャン戦略』は46カ国語以上で翻訳され、発行部数 400万部を超える名著である。その普遍的なメッセージは、業種・規模を問 わずあらゆるビジネスに適用できる。
レッドvsブルー 血みどろの競争を繰り広げる既存市場から脱却し、競争相手のいない未開拓市場を目指す。 🔴 レッド・オーシャン 競争が激しい既存の市場空間。ライバルとの血みどろの勝ち負けが 繰り広げられ、参入障壁が高く、消耗戦が続く。価格競争に陥りや すく、利益率が低下する一方である。 🔵 ブルー・オーシャン 競争相手がいない未開拓の市場空間。参入障壁が低く、勝負する価 値がある市場を選ぶことで、高い利益と成長が期待できる。価格競 争ではなく新しい価値の提供に集中できる。 琵琶湖での釣りに例えると、1匹のバスを100人で奪い合うのがレッド・オーシャン、100匹のバスを1人で釣る状態がブルー・オーシャンであ る。
ブルーの魅力 未開拓であるがゆえに、企業は高い利益と成長を期待でき、無意味な競争を避けられ る。市場として未開拓であるため競合が存在せず、企業にとって利益の伸びに大いに 期待できる領域である。価格競争ではなく、新しい価値の提供に集中できるため、従 来とは異なるアプローチが求められる。 競合ゼロの優位性 市場として未開拓であるため競合が存在しない。先行者利益を最大限に享受 できる。 高い利益ポテンシャル 企業にとって利益の伸びに大いに期待できる領域。競争を無意味にし、ビジ ネスとしてのポテンシャルが高い。 価値創造への集中 価格競争ではなく、新しい価値の提供に集中できる。顧客にとって最高の状 態を創り出すことが目的となる。
価値革新の土台 ブルー・オーシャン戦略の土台は、顧客に新しい価値を与えつつコストを下げるバリュー・イノベーション(価値革新)である。これはブルー・ オーシャン戦略における最重要の概念であり、従来とは異なる手法で顧客に新しい価値を提供する。企業側と顧客側の双方が最高の状態になるこ とを目指し、世の中の新しい商品はすべてこの考え方が土台になっている。 スマートフォン 電話・カメラ・音楽プレーヤー・インタ ーネット端末を1台に統合し、全く新し い価値を創造した。既存の各産業のコス トを削減しながら、顧客体験を飛躍的に 向上させた典型例。 iMac デザインと使いやすさを極限まで高め、 パソコンを「道具」から「ライフスタイ ル」へと昇華させた。複雑な操作を取り 除き、誰でも使えるという新しい価値を 付け加えた。 タピオカ 既存の飲料市場に「食感」という新しい 価値を付け加え、若年層という非顧客を 取り込んだ。低コストな原材料で高付加 価値を実現したバリュー・イノベーショ ンの好例。
差別化と低コストの同時実現 レッド・オーシャンの常識 差別化か低コストかの二者択一。コストを下げて安く提供するだけでは品質が落ちるだけであ る。高品質を追求すればコストが上がり、価格競争に勝てなくなる。この二律背反の罠に多く の企業が陥っている。 顧客への価値向上 バリュー・イノベーションの発想 高い独自性と低コストを同時に実現することが目的である。単なる差別化ではなく、価値革新 によって「低コスト」も同時に実現する。安くて美味しい、顧客にとって最高の状態を創り出 す。差別化か低コストかという二者択一(レッド・オーシャンの常識)を根本から捨て去るこ とが出発点となる。 ブルー・オーシャ ン 企業のコスト削減 バリュー・イノベーションとは、コスト削減と価値向上を同時に追求することで、競争を無意味にする新しい市場を創り出す戦略の核心である。
戦略キャンバス 既存市場の現状と競合の強み、そして顧客のメリットを視覚的に理解するための分析チャートである。細かい数字に惑わされず、全体像(森)を 把握するための設計図として機能する。 現状把握 競合分析 顧客価値の可視化 全体像の把握 既存市場の現状を正確に把握するために用いる。業界全体がどのよ うな競争要因に力を入れているかを一目で理解できる。 顧客が何にメリットを感じているかを可視化する。顧客視点での価 値提供レベルを客観的に評価できる。 競合他社がどこに力を入れているかを分析できる。どの要素に投資 しているかが視覚的に明確になる。 細かい数字に惑わされず、全体像(森)を把握するための設計図。 ラーメン事業を始める際に、一蘭や一風堂などの強みを理解するた めに活用できる。
価値曲線の描き方 業界の競争要因を横軸に、提供レベルを縦軸に取り、スコアを線で結んで独自の価値 曲線を可視化する。競合と同じ曲線を描いていては大きな成長は望めない。 横軸:競争要因 業界が力を入れている競争要因(価 格、品質、サービス、ブランドなど) を配置する。業界の常識として重視さ れている要素を網羅的に列挙すること が重要である。 縦軸:提供レベル 顧客が求めるレベルや企業の提供レベ ルを配置する。各要素のスコアを線で 結んだ「価値曲線」を作成し、自社と 競合の差異を明確にする。 実例:1990年代末のアメリカ ワイン業界 ものワイナリーがデイリーと高級 の2つに大別され、似た価値曲線を描い ていた。価格帯は異なるものの、ワイ ンの複雑さ・熟成・産地の名声・専門 用語などの競争要因において、各社が 横並びの戦略を取っていた。この状況 こそがブルー・オーシャンを生み出す 絶好の機会であった。 1600
つのアクション 4 買い手に提供する価値を見直し、新しい価値曲線を描くための4つの根源的な問いである。業界の常識を疑い、提供価値を根本から見直すことで、コスト削減と価値向上を同時に具体化するフレームワークである。これらをアクション・マトリックスとして整理して戦略を立てる。
取り除く・減らす:コスト削減の源泉 業界の常識として備わっているが、実は顧客に不要な要素を削ることで大幅なコストダウンを図る。顧客にとって本当は価値のないものを捨てる 勇気を持つことが、ブルー・オーシャン戦略の第一歩である。 🗑️ 取り除く 製品やサービスから完全になくすべき要素を見つける。業界の常識 として長年維持されてきたが、実際には顧客がほとんど価値を感じ ていない要素を特定し、思い切って削除する。これにより固定コス トを大幅に削減できる。 📉 減らす 競合他社と比べて過剰になっている要素を減らす。業界標準以上に 提供しているが、顧客がそこまでの水準を求めていない要素を見極 め、適切なレベルまで引き下げる。過剰品質によるコスト増を防 ぐ。 これら2つのアクション(取り除く・減らす)がコスト削減の源泉となる。業界の「当たり前」を疑う姿勢が、新しい価値曲線を描く出発 点となる。
増やす・追加する:差別化の源泉 顧客が本当に求めている要素を大幅に増やし、これまで業界になかった新しい価値を追加する。新たな需要を創り出し、顧客の満足度を高めるこ とで、競合とは全く異なる市場ポジションを確立する。 📈 増やす 競合他社と比較して大幅に強化すべき要素を見つける。業界標準以 下に抑えられているが、顧客が本当に求めている要素を特定し、業 界標準を大きく上回るレベルまで引き上げる。顧客の期待を超える 体験を提供する。 ✨ 付け加える 業界でこれまで提供されてこなかった新要素を加える。既存の競争 要因の枠を超え、全く新しい価値を創造する。これにより、これま で市場に存在しなかった新しい需要を掘り起こし、非顧客を顧客へ と転換できる。 これら2つのアクション(増やす・付け加える)が圧倒的な差別化の源泉となる。4つのアクションを組み合わせることで、コスト削減と 価値向上を同時に実現する。
事例1:イエローテイル(ワイン) オーストラリアのカセラ・ワインズによる「イエローテイル」は、ワイン業界の常識 を覆し、代替品からヒントを得て誰でも気軽に楽しめる新しいワインを創り出した事 例である。 取り除いたもの マスメディアマーケティング、伝統 的なワイン文化、専門用語、熟成へ のこだわりを完全に排除した。 参考にしたもの 同業他社ではなく、代替産業である ビールやカクテルを参考にした。ワ インを飲まない層のニーズを徹底的 に分析した。 付け加えたもの 選びやすさ・楽しさ・飲みやすさという価値を付け加えた。デイリーワインに 対抗できる価格設定を実現した。 鮮やかなカンガルーのモチーフと「オーストラリアの広大な大地の恵み」というキャ ッチコピーにより、伝統的なボトルデザインを捨て、全く新しいブランドイメージを 確立した。
事例2:QBハウス 余計なサービスを取り除き、「短時間・低価格」という機能に特化して高収益を実現した理髪店ビジネスの事例である。 取り除いたもの 洗髪・カラーリング・美容師との会話を完全に取り除いた。水回りの 設備コストを削減し、店舗運営を効率化した。従来の理髪店が「当た り前」として提供していたサービスを根本から見直した。 ビジネスモデルの革新 分 円のカットのみに特化したことで、1時間あたり最大6000円 の売上を達成できる。一般的な美容室より高単価・低コストで営業し ており、顧客の「時間を節約したい」という機能的なニーズを完璧に 満たしている。水回り設備が不要なため、駅構内など小スペースへの 出店も可能となり、立地の選択肢が大幅に広がった。 10 1000
事例3:任天堂Wii 高画質などの競争要因を減らし、誰もが直感的に操作できる楽しさを付け加えて大ヒ ットした事例である。他社との激しい高機能化競争(レッド・オーシャン)から脱却 し、全く新しい市場を創造した。 削ったもの ハードディスク・DVD再生機能・画 質の良さを思い切って削った。競合 他社が激しく競い合っていた高機能 化の方向性を完全に捨て去った。 新市場の創造 付け加えたもの 直感的な操作や、誰でも使いやすい Wiiリモコンを付け加えた。体を動か してゲームを楽しむという全く新し い体験を創造した。 子供だけでなく、普段ゲームをしない全世代を取り込んだ。発売からわずか1年 で世界2000万台以上の販売に成功した。
事例4:シルク・ドゥ・ソレイユ サーカスの常識を捨て、大人向けの高単価なエンターテインメントへと昇華させたバリュー・イノベーションの代表的事例である。 取り除いたもの コストのかかる花形パフォーマー や動物ショーを完全に取り除い た。従来のサーカスの「目玉」で あった要素を思い切って削除する ことで、大幅なコスト削減を実現 した。 付け加えたもの ターゲットを子供から大人に変更 し、高単価な価格設定を実現し た。芸術性の高い音楽・ダンス・ テーマ性を付け加え、サーカスを アート体験へと昇華させた。 サーカス界の王者リングリング・ブラザーズが100年以上かかって稼いだ収入と同レベルを、シルク・ドゥ・ソレイユはわずか20年足らずで達 成した。
優れた戦略の3条件 成功するブルー・オーシャン戦略には、メリハリ・高い独自性・訴求力のあるメッセージという3つの共通点がある。これらが揃うことで強固な新 市場が確立される。 メリハリ 価値曲線に明確な「メリハリ」が存在す る。全ての要素に均等に投資するのではな く、重点的に強化する要素と思い切って削 る要素を明確に区別する。メリハリのない 戦略は競合との差別化を生まない。 高い独自性 競合他社とは異なる「高い独自性」を持っ ている。価値曲線が競合と重なっていて は、ブルー・オーシャンとは言えない。自 社だけが提供できる独自の価値を明確に定 義することが不可欠である。 訴求力あるキャッチフレーズ 顧客の心を掴む「訴求力のあるキャッチフ レーズ」がある。イエローテイルは「オー ストラリアの広大な大地の恵み」というコ ピーと鮮やかなカンガルーのモチーフで、 全く新しいブランドイメージを確立した。
つのパス:境界線の引き直し 6 業界の境界線にとらわれず、様々な視点から新しい市場のヒントを見つけ出すためのフレームワークである。同業他社ばかりを見るのではなく、広く視野を広げることが重要である。
境界線の引き直し:具体的手法 ラーメン店がそばから学んだり、高級車が大衆車を分析するように、視点をずらしてヒントを得る。 代替産業から学ぶ 他グループから学ぶ 機能と感性の転換 将来のトレンドを先読みする 顧客が「同じ目的」で利用する別ジャンルを分析する。ラーメン 店がつけ麺やうどんの市場からヒントを得るように、直接の競合 ではなく、顧客が代わりに選ぶ選択肢を研究することで新しい価 値を発見できる。 余計な装飾を省き、機能に徹底特化する。あるいは逆に、機能一 辺倒の業界に感性的な価値を加える。どちらの方向への転換も、 新しい市場を生み出す可能性を秘めている。 高級志向と低価格志向の両極から良い点を取り入れる。レクサス が大衆車の価格帯を分析して成功したように、異なる価格帯・品 質帯の顧客が何を求めているかを横断的に分析する。 や などのトレンドから買い手の動きを先読みする。変化の 方向性を見極め、その先に生まれる新しいニーズを先取りするこ とで、競合が気づく前にブルー・オーシャンを確保できる。 AI 5G
非顧客の掘り起こし 既存の顧客を奪い合うのではなく、自社のサービスを利用していない「非顧客層」に 目を向ける。同業他社からパイを奪うのではなく、市場全体を拡大することがブル ー・オーシャン戦略の本質である。 直接インタビューの実施 自社のサービスを使っていない人に 直接インタビューを行う。「なぜ使わ ないのか」「何があれば使うのか」を 探ることで、既存顧客へのアンケー トでは決して得られない本質的なイ ンサイトを発見できる。 成功事例 共通点の発見 非顧客の共通点の中にブルー・オー シャンのヒントが隠されている。個 別の不満ではなく、多くの非顧客が 共通して抱える障壁を特定すること が重要である。 シルク・ドゥ・ソレイユが子供向け(既存顧客)から大人向け(非顧客)にター ゲットを変えたアプローチが典型例。非顧客を顧客化することで市場規模を劇的 に拡大した。
つの非顧客層 3 離脱予備軍・拒絶している人・未知の顧客という3層の非顧客を理解し、彼らの痛点を解消する価値を提供することが、市場拡大の鍵となる。 第1層:消極的な顧客 より良いものを探し、隙あらば離脱しよう としている層。現在は利用しているが、満 足度が低く、代替品を常に探している。こ の層の不満を解消することで、強固なロイ ヤルカスタマーへと転換できる。 第2層:拒絶する顧客 あえてその製品を利用していない層。「ラ ーメンが高すぎるから立ち食いそばで我慢 している人」は典型例。価格・利便性・価 値観などの理由で意識的に選択肢から外し ている。この層の障壁を取り除くことで大 きな市場が開ける。 第3層:未知の顧客 潜在顧客ともみなされていない遠い層。業 界の誰もターゲットとして認識していない 人々。この層を発見し、彼らが抱える制約 を解除する価値を提供することで、全く新 しい市場を創造できる。
ビジュアル化4手順 細かい数字に惑わされず、現状の可視化から社内共有までを4つのステップで進める。プレゼン資料や事業計画の細かい数字よりも、1枚のチャートでのコ ミュニケーションを重視する。 現状可視化 現場把握 新キャンバス 化 比較・共有 このプロセスを通じて、組織全体が現状の課題と新しい方向性を共通認識として持てるようになる。数字ではなく視覚的なチャートによるコミュニケーシ ョンが、組織変革の推進力となる。
価格マイナス方式 コストから価格を決めるのではなく、顧客が買いやすい価格から許容コストを導き出す。「コスト+利益=価格」というレッド・オーシャンの常識 を根本から捨てることが出発点である。 レッド・オーシャンの価格決定 コスト + 利益 = 価格 コストを積み上げて価格を決める従来の方式。コスト削減の努力が価 格に反映されにくく、顧客視点が欠如している。競合との価格競争に 陥りやすい。 ブルー・オーシャンの価格決定 戦略価格 - 目標利益 = 許容コスト まず戦略的に「顧客が最も買いやすい価格」を決定する。その価格か ら自社の目標利益を引き、許容コストを算出する。許容コストに収め るために、4つのアクションを活用して事業構造そのものを変革する。 顧客視点が価格決定の出発点となる。
実行の4つのハードル 素晴らしい戦略も、実行の段階で従業員の理解やリソース不足などの組織的な壁に直面する。これらのハードルを事前に認識し、対策を講じることが戦略 実行の成否を分ける。 1 意識の壁 現状維持を望む従業員に戦略を理解させる難しさ。「今のやり方で十分 だ」という意識が変革の最大の障壁となる。なぜ変わらなければなら ないのかを、数字ではなく感情に訴える形で伝えることが重要であ る。 2 リソースの壁 新しい試みに必要な資金や人材の不足。限られたリソースを新戦略に 振り向けるためには、既存事業の何かを削る決断が必要となる。優先 順位の明確化が不可欠である。 3 士気の壁 現場のモチベーションややる気を高める難しさ。変革期には不安や抵 抗が生まれやすい。現場の担当者が「自分ごと」として戦略を捉えら れるよう、巻き込みのプロセスが重要となる。 4 社内政治の壁 既得権益を持つ層からの抵抗。新戦略によって影響を受ける部門や人 物からの反発は避けられない。組織内の政治力学を理解し、適切な根 回しと連携が求められる。
突破のリーダーシップ 組織内のキーマンに働きかける「ティッピング・ポイント・リーダーシップ」で短期間で 変化を促す。全員を一度に説得しようとするアプローチは避けるべきである。 キーマンを特定し味方につける 組織内で強い影響力を持つ「中心人物(キーマン)」を特定し、最初に集中的に働 きかける。キーマンが動くことで、その周囲の人々が連鎖的に変化し始める。全 員を説得しようとするより、はるかに効率的かつ効果的である。 感情に訴えかける 売上などの数字だけでなく、顧客の不満を直接見せるなど感情に訴えかける手法 を用いる。データよりも、リアルな顧客体験を目の当たりにさせることで、変革の 必要性を腹落ちさせることができる。 ティッピング・ポイントを迎える キーマンが動くことで、組織全体が一気に変化の臨界点(ティッピング・ポイン ト)を迎える。この臨界点を超えると、変革の勢いは自律的に広がり、組織全体が 新しい方向へと動き出す。
のブルーオーシャン:6つの領域 100 時代の変化に伴い、健康・デジタル化・働き方・社会問題などの領域に新たな巨大市場が生まれている。日経BP総研の研究員80名が、今後大きく伸びるであろう100の有望市場を6つの領域に分類している。
睡眠市場の可能性 日本の深刻な睡眠不足という社会課題は、巨大な経済損失を生んでいる分、極めて大きな ビジネスチャンスでもある。 時間 1 睡眠時間の差 日本は他国に比べ睡眠時間が約1時間短く、世界有数の「睡眠不足大国」である。 兆円 15.9 年の経済損失 2030 睡眠不足による日本の経済損失額は、2030年にはGDPの3.3%に達すると予測されてい る。 睡眠不足は生産性低下や死亡率上昇など経済に直結する深刻な問題である。この社会の 「負」を解決するアプローチが巨大な市場を生む。睡眠アプリ・快眠寝具・サプリメント などの関連市場が急成長しており、テクノロジーと健康の融合による新しいビジネスモデ ルが次々と生まれている。
と移動空間の革新 MaaS 移動を単なる手段ではなくサービスとして捉え、自動運転時代に向けて移動空間に新 たな価値を付与する。 とは MaaS により、複数交 通手段をアプリで一括管理する。検 索・予約・決済がシームレスに行える プラットフォームであり、移動体験そ のものを根本から変革する。不動産の モビリティ版として、移動時間に新た なサービスを提供する概念である。 Mobility as a Service 自動運転が生む新市場 自動運転技術により、乗客が運転から 解放され空間を自由に使えるようにな る。車内を「英会話教室」「カラオケ」 「簡易スポーツジム」「カプセルホテ ル」として活用するアイデアが現実味 を帯びている。移動時間という「失わ れていた時間」が、新しいビジネスの 舞台へと変わる。
まとめ:戦略の要諦 競争を避け、顧客にとっての価値を高めながら自社のコストを下げることこそが持続的成長の武器である。 境界線を疑う バリュー・イノベーション 価値曲線の再定義 非顧客へのシフト 既存の業界が引いた境界線を常に疑うこと。業界の「当たり前」こ そが、新しい市場を見つけるヒントを隠している。 つのアクションを駆使して自社の価値曲線を再定義すること。取 り除く・減らす・増やす・付け加えるの実践。 4 差別化と低コストを両立するバリュー・イノベーションの追求。二 者択一の発想を捨て、同時実現を目指す。 既存顧客を奪い合うのではなく、ターゲットを非顧客へ広げるこ と。市場全体を拡大する発想が成長の源泉となる。
明日からのアクション 日々の変化にアンテナを張り、身近な不便や非顧客の声を拾うことから新しい市場創造を 始めよう。 戦略キャンバスを描く 自社や業界の「戦略キャンバス」を実際に描いて可視化してみる。競合との価値 曲線の違いを目で見ることで、新しい戦略の方向性が浮かび上がってくる。 非顧客にヒアリングする サービスを使っていない「非顧客」に直接理由をヒアリングする。「なぜ使わない のか」という問いの中に、次のブルー・オーシャンのヒントが隠されている。 変化に気づく習慣をつける 産業・人口・人々の意識の変化に気づく習慣をつける。社会の不便や損失を「解 決すべきビジネスチャンス」として捉え直す視点を日常的に磨く。 ドラッカーが言うように、激動の時代において「変化に気づくこと」が新しい市場を 見つける第一歩となる。