青木島遊園地廃止・市民検証報告書 第2章「案」「1軒の苦情→こども公園廃止 望んだのは、誰?」--検証: 信州・長野県 小さな遊園地の大きな問い 青木島遊園地廃止検証市民委員会

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July 24, 25

スライド概要

この検証報告書へのご意見をお願いします。
報告書に反映させて、長野市に提出する予定です。
2025.08.08.締め切り
こちらまで↓
https://bit.ly/aokijimagorm
青木島遊園地廃止検証市民委員会

市は、青木島遊園地公園廃止は、6つの要因に基づく「総合的判断」であると主張します。しかし「6つの理由」には、苦情について触れられておらず、フェアな態度とはいえません。
市が掲げる廃止理由は、「原因」ではなく、むしろ一軒からの苦情に適切に対処できなかった市の怠慢による「結果」であると、本委員会は分析します。
長野市が青木島遊園地の廃止に際して「後出し」してきた正当化理由について、検証を行います。

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◆徹夜必至につき閲覧注意の「〇見え通信」https://linktr.ee/koizumikazuma◆長野市議4期◆自称スーパー無所属◆情報公開徹底◆市民第一主義◆主著「長野県庁の『不都合な真実』」は平安堂ランク最高2位◆元長野県庁職員◆大北森林組合事件で住民監査請求成功◆一軒の苦情で!? 青木島遊園地廃止に大反対◆URLまとめhttps://bit.ly/m/kazuma◆以前使っていた資料公開サイトhttps://www.slideshare.net/kazumakoizumi1/documents

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各ページのテキスト
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第 2 章「6 つの廃止理由」を解く 市は、青木島遊園地公園廃止は、6 つの要因に基づく「総合的判断」で あると主張します。しかし「6つの理由」には、苦情について触れられて おらず、フェアな態度とはいえません。 市が掲げる廃止理由は、「原因」ではなく、むしろ一軒からの苦情に適 切に対処できなかった市の怠慢による「結果」であると、本委員会は分析 します。 長野市が青木島遊園地の廃止に際して「後出し」してきた正当化理由に ついて、検証を行います。 青木島上遊園地の廃止を判断した経緯について」より抜粋 長野市ホームページに掲載されていたが、令和 6 年度末に削除された様 です。

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2.1 長野市の切札?「6つの理由」 「『一人の意見で廃止』と報道されてきましたが、青木島遊園地廃 止の判断に至った理由は次のとおり」 長野市は、文書「青木島遊園地の廃止を判断した経緯について」の冒 頭、このように述べています。 遊園地の廃止が「一人の意見」によるとの説は間違っている―とまでは 明言はしていないものの、「総合的判断」に至ったとする「6 つの理由」 (下表)のうちには「苦情」(意見)という言葉はありません。 これら「6 つの理由」には、真剣な考慮に値する主張は含まれていませ ん。メディアや公園存続を訴えた人々によって、その主張の矛盾は指摘さ れ続けていますが、市は現在に至るまでその主張を曲げてはいません。 表 1:長野市が主張する公式な廃止理由 6 項目 項目 長野市が主張する廃止理由 1 ① 児童センター、保育園、小学校に囲まれた立地の特殊性から利用が集 中する環境 ② 現在、遊園地がほとんど使われていない状況 ③ 近隣施設の管理者からの「これからも遊園地は使わない(現状では利 用が実質困難)。」というご意見 ④ 設置を要望した地元区長会からの廃止の要望 ⑤ 愛護会活動の担い手がいないこと ⑥ 遊園地用地が借地であり、今後も借地料が発生していくこと

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2.2 「一軒の苦情」– 認めぬ長野市 廃止問題が全国的な注目を集め、市役所への批判が殺到するようになっ た後、令和 4 年(2022 年)12 月 28 日、「6 つの理由」文書は唐突に公表さ れました。公園廃止に一軒からの苦情が関与していたことを隠そうとする 「6 つの理由」文書の存在自体が、廃止決定の根拠がいかに脆弱で、長野 市が情報操作の必要をあったかを物語っています。 「6つの理由」の中に、苦情は含まれていません。なぜでしょうか 市は、当初から苦情が青木島遊園地廃止に関係している事実は、公にす ることを避けようとしていたようです。令和 4 年(2022 年)10 月 1 日付 け、公園緑地課長と青木島地区区長会長の「連名」という奇抜な体裁によ る行政文書「青木島遊園地の廃止について(お知らせ)」には、幾つかの廃 止理由めいたものが記載されていますが、苦情の存在は伏せられていま す。苦情の出元を曖昧にすることは、青木島地域における苦情世帯の風評 への配慮として理解できないこともありません。しかし、市の説明責任を 果たす上で、苦情の出元に言及せずにその内容を説明することはできる筈 で、苦情に全く触れないのは公正な態度とは言えません。 公園廃止の理由が一世帯からの苦情に収斂される事情が公になれば、市 がその対応を誤ったことが露見し、住民から批判を浴びることを市がよく 自覚していたため、対外的に伏せようとしたと捉えるのが合理的です。こ のことについては、公園廃止についての市長あてレクチャー(市長レク)資 料を論じる際に、再び取り上げます。

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「青木島遊園地の廃止について(お知らせ)」 令和 4 年(2022 年)10 月 1 日 苦情の存在に触れられていない。

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2.3「苦情を理由に廃止」ではない!? 6 つの理由」のうちに「苦情」は入っていません。「外部委員会検証報 告書」では、苦情について次のような見解が示されました。 「苦情を理由に廃止したという記録が見いだされないことに加え、 廃止決定に至るまで 10 年以上廃止の理由と指摘されるような苦情 の記録もなく、近隣住民の苦情を遊園地廃止の原因と捉える見方が 事実に則した見方と言えるのかについては疑いがある。」(「廃止判 断の考慮要素」) 本委員会としてみれば、直接的に「苦情を理由に廃止した」という記録 がないのは、ある意味で当然と言えます。後述するように、そもそも、長 野市は公園廃止の決裁文書自体を作成していないのです。理由をきちんと 説明できない廃止決裁に関わって、後で責任を問われたくない―という市 職員の心の現れでしょうか。廃止決裁文書がなければ、それとセットで存 在するはずの廃止理由の記録も存在しないのは、当然です。 実質として「苦情を理由に廃止した」のであっても、保身のため極力文 書にはそう書かないように職員が努めたというのは、事情としてあり得る ことです。外部検証委員会が「記録がない」という表面的な検証で終えて いるのは、本委員会としては実に残念です。 実は、公園廃止に苦情が関与していたことを示す資料は幾つもありま す。外部委員に代わって、本委員会は幾つかの特に重要な事実を抽出して 示します。 最後の交渉 2022 年 8 月 2 日、市が苦情元世帯と遊園地廃止について協議したという 記録があります。 (副市長から公園廃止について) 「慎重な対応を行い、××(苦情元 世帯と思料される)のご意見をよく聞くようにとの指示」

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を受けた公園緑地課長が、相手方に青木島遊園地の「廃止もやむを得ない と考えている」と伝え、次の様に述べています。 「自由に子どもたちが普通の公園の様に、元気に遊ぶことに対して ご理解いただけないか」 これに相手方は「宅地化は大賛成だ」等と回答し、交渉は決裂します。 この協議は、長野市が、遊園地廃止は苦情を原因としたものと認識して いるからこそ、その原因を取り除くため、苦情元世帯と交渉したものと考 えて、矛盾がありません。仮に苦情が公園廃止の要因でないとすると、こ のような協議をなぜ公園緑地課が持たねばならなかったのかについて、合 理的な解釈ができません。廃止の背景に苦情が関係していたのは、明らか です。 幹部レクチャー資料 これに先立って同年 7 月 26 日に行われた副市長レクチャー資料では、 「廃止の決定要因」として筆頭に「苦情により遊園地が利用できない状況 であること」と明記され、さらに同年 8 月 25 日に行われた市長レクチャ ー資料でも、同様の記述が踏襲されています。 これらは何れも、青木島遊園地廃止について、少なくともその理由の一 部には「苦情」が関係していたことを示すものです。 議会での答弁 公園廃止問題が発覚して以降、議会が最初にチェック機能を果たしたの は、2022 年 12 月 9 日、一般質問においてでした。 K 議員: 報道によりますと、廃止の発端となる苦情は特定の1世帯 からということですが、これは事実でしょうか。 都市整備部長: 私どもに寄せられていた意見は、1世帯のみでござ います。

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議員からの「廃止の発端となる苦情は特定の 1 世帯から」という事実を 指摘しての質問に、都市整備部長は答弁で異を唱えていません。この日の 質問を通じて、「一人の意見で廃止」したのではなく、6つの理由で総合 的に判断したなどとする答弁はありませんでした。 苦情で利用を停止 - 児童センター 外部検証委員会は、「廃止決定に至るまで 10 年以上廃止の理由と指摘 されるような苦情の記録もなく」と言及していることは、既述のとおりで す。これに対し、本委員会は次の事実を指摘し、反論しておきます。 2021 年 7 月から 8 月にかけ、青木島児童センターの苦情対応記録が残っ ています。8 月、こども未来部長同席の下で苦情主から次のような発言が ありました。 「センターの子どもを順番に 5 人ずつ出して、ボール遊びをしたり 走り回ったりせず、静かに遊ぶという形なら許容できる」 これに対し、センター館長は「静かに遊ぶのは難しい」と反発していま す。 同年 10 月 12 日、長野市更北支所、こども政策課、児童センター、青木 島保育園、公園緑地課及び青木島各区長が参集し、青木島遊園地の運用に ついての会議がもたれました。公園緑地課の記録では、児童センターから 苦情について次のように報告されています。 「子供の声がうるさいので、5 人以下で静かに遊ぶよう」言われ、5 人以下で遊ぶようにしていた。その後も様々なクレームを言われ、 今年の 3 月からはセンターの子供を遊園地で遊ばせていない」

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「青木島児童センターの保護者の送迎に関する苦情」 令和 3 年(2021 年)8 月 12 日決裁こども政策課文書から抜粋 (表題なし 青木島遊園地関係者会議) 令和 3 年(2021 年)10 月 12 日 公園緑地課文書から抜粋 「青木島遊園地の現状について」令和 3 年(2021 年)10 月 12 日 こども政策課文書から抜粋

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こども政策課にも同会議についての次のような記録があり、公園緑地課 の記録と矛盾はありません。 「遊園地の××より度重なる苦情を受けて実質的に遊園地がセンター として使えていない状況」 それぞれの文書は、「クレーム」または「苦情」が存在すると、明確に 記録されています。外部委員がこのような資料の存在にたどりつけなかっ たのか、または理由があってこれらを無視したのかについて推し量ること は、本委員会としては致しません。何れにせよ市外部委員が、青木島遊園 について「廃止決定に至るまで 10 年以上廃止の理由と指摘されるような 苦情の記録」がないとする検証は、皮相的な調査による誤りと断定してよ いでしょう。

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2.4 遊園地は使われて、「いた」 ②現在、遊園地がほとんど使われていない状況 長野市はこのように主張しています。 しかし、これほどの好立地の青木島遊園地を、こどもたちが放っておく でしょうか。近隣に住む委員の一人からの、次のような報告があります。 平日は午前と午後、保育園の子どもたちが遊んでいる場合があっ た。夕方からは、児童センターの子どもたちが 1 時間半ほど遊んで いた 。休日は近隣住民が家族と遊ぶ姿があった。 素晴らしい遊園地、公園に見えていました。ほとんど遊んでいなか ったというのは虚言である。 委員の主張と、市の主張は、互いに矛盾しているように見えます。 実は、市の主張には根拠がありません。後述するように、公園緑地課 は、実地に利用者数の統計調査もせずに、青木島遊園地が「ほとんど使わ れていない」と主張しています。「ほとんど」使われていないというの は、具体的にどのようなことなのかも、明確でありません。遊園地を廃止 すべきとする説明としては、説得力が欠けています。 市は廃止の理由を次のように続けます。 ③近隣施設の管理者からの「これからも遊園地は使わない(現状で は利用が実質困難)。」というご意見 「近隣施設」とは遊園地周辺の状況からして、青木島児童センターを指 しています。施設名を伏せて「ご意見」などとまるで第三者のことを言っ ているような体ですね。しかし分かってきました。市児童センターは大

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口・公共の利用で、その他の利用は考慮に値しない、つまり「ほとんど使 われていない」という認識なら解釈が成立します。しかし傲慢です。 「使わない」と言ったのは市の施設である点に注目してください。つま り、「遊園地がほとんど使われていない」と言うよりは、むしろこども政 策課が、児童センターの子どもたちに遊園地を使わせなかったのです。公 園廃止の正当な理由にはなり得ません。 では、こども政策課が児童センターの子どもたちに遊園地を使わせない とした判断は、妥当なのでしょうか。 前述したように、児童センターが遊園地利用停止に至った契機は、2021 年 3 月、かつて苦情を申し立てていた近隣世帯から、遊園地利用は「5 人 以下で遊ばせてほしい」と求められたことでした。困った児童センター館 長はこども政策課に連絡の上、遊園地の利用を見合わせます。こども政策 課が苦情元世帯と協議したのは、実に 8 月 11 日です。報道によれば、苦 情が再発してから、こども政策課と苦情元世帯の協議は、この 1 度だけで 打ち切られました(信濃毎日新聞 2023.01.24.)。そして 10 月から 12 月に かけての市・区長会間の会議では、こども政策課は児童センターの子ども たちに遊園地を利用させないと宣言してしまいます。こども政策課は、た った一軒の苦情に対抗できず、「利用が実質困難」などとむしろ自分たち が被害者であるように振る舞い、廃止の推進に加担してしまいました。 児童センターとこどもが困っているのに、こども政策課は積極的に苦情 を解決しようとしていません。遊園地が「使われていない状況」とは、市 の怠慢がもたらした「結果」を、まるで廃止の正当な「原因」であるかの ように欺瞞しているだけなのです。こども政策課はこどもの「遊ぶ権利」 を護るのが仕事なのに、自分が所管する児童センターのこどもが遊べない 状況を、自ら是認しています。本委員会は、子ども政策課にこどもたちの 権利を奪った責任の自覚と、権利回復措置を執る様、強く求めます。

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2.5 愛護会の担い手は、「いた」 ⑤ 愛護会活動の担い手がいないこと 愛護会の「担い手がいない」との長野市の主張は、事実関係を正確に反 映していないと本委員会は判断します。廃止理由としては成立しません。 2022 年 12 月 9 日 長野市議会一般質問 K 議員: (遊園地に)二輪草刈り機を運び、草刈りをしてくださる住民 が遊園地の近隣にいることを、こども未来部長は御存じか。 こども未来部長: (青木島児童センター)施設長並びに指定管理者(略) から、そういったことは報告を受けている。 K 議員: ボランティアパワーを愛護会が活用してもよいはず。(略)官 民で知恵を出す工夫を(略) 愛護会活動とは別に、ボランティアで「草刈りをしてくださる住民」(Y 氏)が存在することを、こども未来部長は部下を通じて知っていました。 では、こども政策課は公園緑地課にこの重要情報を伝えたのでしょうか? 2021 年 10 月から 12 月にかけての市・区長会間の会議では、愛護会活動 の担い手不在が議題になりました。こども政策課も出席しましたが、Y 氏 への言及は会議記録にありません。Y 氏の情報は握り潰されたのです。 Y 氏からは、特別参考人として本委員会も意見を聞きました。愛護会活 動の維持について市からは相談もなく、廃止理由を知った Y 氏が愛護会設 立届を提出したところ、公園緑地課は返送して拒んだと証言されました。 他にも同様の経緯で、愛護会活動を志望するようになった市民が、少な くとも 4 人いることが報道されています(信濃毎日新聞 2023.01.28.)。 愛護会の担い手は「いた」のです。こども政策課と公園緑地課が愛護会 活動維持に向け地域と連携すれば、解決できたことでしょう。

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愛護会活動は、遊園地の最大利用者であった児童センターの職員・保護 者が担っていました。2021 年 3 月、苦情により児童センターが遊園地の利 用を見合わせるようになったのは、前述のとおりです。相談を受けたこど も政策課は、解決に向け大して努力もしないまま、児童センターのこども を遊園地で遊ばせないと決めてしまいます。こうしてこども政策課は、児 童センターの愛護会活動への意欲を失わせてしまったのです。 以上述べてきたように、「愛護会不在」の主張は「虚構」であり、苦情 を受けた市自身が「こどもに遊園地を使わせない」と決めた「結果」でも あります。何れにせよ廃止の「理由」としては成立しないのは明らかで す。こども未来部長とこども政策課は、こどものために愛護会の維持に最 善の努力をしたとは言えず、その態度は不真面目であったと言わなければ なりません。 令和 3 年(2021 年)12 月 14 日区長報告会に向けての事前確認 12 月 9 日公園緑地課作成 市・区長会間の青木島遊園地運用についての会議前に、公園緑地課がこ ども政策課の意向を確認した際の記録。墨塗は苦情元世帯の氏名と思わ れます。興味深いこども政策課職員の発言が幾つか見られます。

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2.6 区長会の「廃止要望」はなかった ④ 設置を要望した地元区長会からの廃止の要望 2022 年 1 月 19 日、青木島区長会は市に青木島遊園地の「廃止届」を提 出します。 こども政策課が青木島児童センターの子どもたちに「遊園地は使わせな い」という方針を固めたことにより、地域が遊園地に期待していた「児童 センターの子どもたちの遊び場」という存在意義が、失われてしまったか らです。区長会は梯子を外されてしまったのです。こども政策課の方針 は、苦情に適切に対処できなかったことの現れですから、「廃止届」も市 の苦情対応の失敗の結果であって、原因ではありません。 2021 年 12 月 14 日、市・青木島区長会の会議では、区長会側からの「ク レーマーのために、閉鎖することが前例になってしまう」との懸念や、 「理不尽であるが、使えない遊園地をこのままにしておくわけにもいかな い」等の発言が記録されています。ある区長は、「廃止やむなし」という 意見だと報道に答えています(朝日新聞 2023.08.24.)。総じて区長会には 「要望」と呼ぶほどの積極的な意思に乏しかったことが、市の会議記録か らは読み取れます。 区長会が市に提出した「廃止届」にも、「要望」という言葉はありませ ん。「要望」という言葉は、公園緑地課が廃止の正当性を補強するために 用いた表現であり、区長会の当初の意向を正確に反映したものとは言えな い、と本委員会は考える。その動機は、市職員の保身のため、遊園地廃止 決定の責任を青木島地区に担わせることと考えて、不合理はありません。 廃止届には「総意により廃止することを決定」とあります。これは、 「区の総意で廃止届を」との公園緑地課の会議発言を受けてのものです。 しかし、上述してきたように、青木島地区に遊園地廃止という「総意」が 存在したかについては、強い疑義が残ります。市も区長会も、「総意」の 根拠は各区長のハンコだけで済むと考えていたとしたら、そこに安易な姿 勢があったと本委員会は考えます。

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2.7 利用が集中する 「良い立地」→「特殊な立地」 ①児童センター、保育園、小学校に囲まれた立地の特殊性から利用 が集中する環境 「特殊な立地」という主張は、苦情元世帯が市に訴えた主張です。一方 的な主観であり、その妥当性については市の検証が省かれています。青木 島遊園地廃止の理由としては、適切といえません。 「児童センター、保育園、小学校に囲まれた立地」は、欠陥ではなく、 この遊園地が設置された目的そのものでした。設立後もこの本来の利点が 欠点になるほどの環境の変化があったとは考えられません。問題がこじれ た後になって「利用が集中する環境」と市が捉え直すのは、自己矛盾も甚 だしいといえます。 青木島遊園地の近隣に住み、児童センター・遊園地の誘致運動に関係し てきた特別参考人 Y 氏は、本委員会で次のように発言しています。 「自分は設計士として、まちづくりの知見に自負があり、だからこ そ児童センターと遊園地の一体的な誘致運動に取り組んだ。公園廃 止で、青木島の子育て環境は後退したばかりか、自分の専門性まで 否定された。市には失望している。」 また、市がある地域を「特殊」であると断ずることには、そこに住む住 民に一種の不快感を与え、差別的な視点を感じるとの指摘が、委員の間か らあがりました。 特殊立地説の論理としての脆弱性については、改めて別の項で詳しく論 じます。

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2.8 敷地買い上げはどうなった? ⑥遊園地用地が借地であり、今後も借地料が発生していくこと 当初、賃貸借料の全ては、地元負担で賄われていましたが、後に市が負 担する一般的な形となりました。そもそも市が賃貸借契約を結んでおきな がら、借地料のコスト負担を市が行うことを問題とするのは、自己矛盾で はないでしょうか。 苦情によって生じた公園運用上の課題に真剣に取り組むことなく放置 し、市が自ら公園を使いづらくしてしまった過程については、既述のとお りです。公園の利用低下は、苦情に正しく対応できなかった市の失策の結 果生じた結果です。遊園地を適切かつ効果的に使えるように管理するのが 市の責任であるのに、それを放っておいて、借地料の費用対効果が下がっ たので廃止しますという理屈だとすれば、本末転倒で道理が通りません。 過去には、更北地区が市に公園敷地を買収するよう陳情し、市は検討す ると答えています。この事実は、借地料を払うのが不経済とする市の態度 と整合しません。市の事業に必要なら、また年々の借地料を支払うのが惜 しいなら、用地を取得すべきでした。遊園地が市のバランスシートに資産 として計上されることは、市財政と市民にとって有益なことです。 令和 3 年 7 月 21 日「青木島遊園地について」 公園緑地課作成文書。賃貸借で運用していた遊園地の敷地を市が取得するよう、平 成 21 年、陳情があったことを示しています。市長は「将来的に取得を目指す」と回 答していました。

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結語: 「6つの理由」それぞれは、長野市の苦情対応を誤った結果であ り、青木島遊園地廃止理由として成立していません。市の苦情対応の誤り により、重大な損害を、こどもを含めて市民が被ったという遊園地廃止問 題の本質を深く反省し、市は同種同規模の遊び場設置等により、実効のあ る損失回復策の実施に責任を持つべきです。 表 2:公園廃止「6つの理由」検証 市の主張 本委員会による検証 ① 特殊な立地 ◆「特殊な立地」説は、苦情元が唱え、公園緑地課が無 批判に採用 ◆2004 年開設時、児童センター等に隣接する立地を利点 と認識した地域住民が遊園地を誘致 ② 利用者の減少 ◆2021 年、こども政策課が苦情対処を怠り、児童センタ ーの遊園地利用停止を是認したため、遊園地利用者が減 少 ◆一方、児童センター以外の利用者は一定数存在 ③ 施設の利用断念 ◆こども政策課は苦情への対処を怠り、児童センターの 遊園地利用停止を是認。こどもの「遊ぶ権利」擁護を放 棄 ④ 区長会の「要望」 ◆こども政策課が苦情への対処を怠り、児童センターの 遊園地利用停止を是認したことから、遊園地の存在意義 を見失った区長会は廃止同意に追い込まれた。 ◆区長会の一部は廃止を「要望」との認識なし ⑤ 愛護会の担い手 不在 ◆こども政策課が苦情への対処を怠り、児童センターの 遊園地利用停止を是認したことから、児童センター主体 の愛護会は、遊園地管理作業の意義を喪失 ◆遊園地廃止理由を知った住民から、愛護会活動志望者 が続出 ⑥ 借地料の負担 ◆こども政策課が苦情対処を怠り、児童センターの遊園 地利用停止を是認したため、遊園地利用者が減少。遊園 地の費用対効果が低下したのは、市の責任