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May 25, 25
スライド概要
5/24のシンアジャイルのイベントで発表した資料になります。
https://shin-agile.connpass.com/event/355141/
Insurtechラボで作成しているスライドです
シンアジャイル キャズムとカウンターカルチャー 2025年5月24日
自己紹介 小泉 岳人 Twitter:@koitake_ ・生命保険会社のシステム開発の PM (プロジェクトマネージャ)を20年 ここ3年、プロダクト作成やアジャイルの展開に従事して、 キャズムを全く超えられないでいる 2
小説:キャズム_第1部(1/2) 「アジャイル、やってみよう」 課長が言い出した。最初、みんなは半信半疑だった。 「アジャイル?うちの会社でできるのか?」 「無理だよ。ウォーターフォールしか知らない人ばっかりだし」 「やるって言っても、結局最後はいつも通りでしょ」 しかし、三浦は違った。彼は期待していた。新しいやり方に胸を躍らせた。 小さなプロジェクトから始めることになり、最初は不安もあったが、チーム全員が集中 し、ユーザーとこまめにコミュニケーションをとりながら進めた結果、リリース後、営 業からも「使いやすい」と好評が得られた。 「やったね!この調子で次も頼むよ」 チーム全体が少しずつ自信を持ち始め、アジャイルに対する期待が高まった。 3
小説:キャズム_第1部(2/2) だが、それは最初だけだった。 成功に気を良くして、次は「会社全体でアジャイルを進めよう」と いう話が持ち上がる 「今年度、アジャイル認定スクラムマスター数が50名に達しました」 「全社でアジャイルのルール整備が完了しました」 報告は、アジャイルが進んでいるかのように見えた。だが、実際のやり方はあまり変 わっていなかった。 「アジャイルやってますって言うけど、実際に変化が見れない」 三浦はデスクに座り、しばらくじっと画面を見つめていた。 深いため息をつき、椅子から立ち上がると、 ふと肩をすくめて窓の外を見た。そして、静かに呟いた。 「結局、俺たちがやってるのは、ただの見せかけだったのか」 4
質問:前頁のようにキャズムを超えられないストーリーに対してどのように アーリーマジョリティを巻きこめばよいのでしょうか? GPT: アーリーマジョリティに一番響くのは、「実績と証拠」です。 この層は、リスクを取ることに慎重であり、 成功事例やデータに基づく証拠があれば、アジャイルに対して前向きに 受け入れる傾向があります。具体的には、以下の要素が重要です: ・上層部の支援 ・成功事例の社内発表そして新たな部門へのアジャイル導入 上記を加味して続きのストーリーを作成します 5
小説:キャズム_第2部(1/2) その後、社内に少しずつ変化が訪れる。 上層部の一人である田中部長が、アジャイルに本気で取り組む決意を示した。 ある日、三浦に声をかけた。 「君のプロジェクト、確かに良かった。これからは、全社的にアジャイルを 進めるための具体的な支援をしよう」 田中部長は、アジャイルの研修を社内全体で実施する 予算を確保し、専任のチームを組織することを発表した。 「今度の会議で、アジャイルの成功事例を紹介したいんだ。」 三浦たちのチームは、全社会議で自分たちの成果を発表した。 「アジャイルを取り入れることで、納期が半分に短縮され、顧客のフィードバック もスムーズに取り入れることができました。最初の小さな成功を信じて進めた結果、 チーム全員が自信を持てました」と三浦は話した。 6
小説:キャズム_第2部(2/2) その発表がきっかけとなり、他の部門からも「うちも試してみたい」という声が上 がり始める。 数週間後、三浦は再び田中部長に呼ばれた。 「君たちが成功した例を基に、他の部署でもアジャイルを導入しよう。 最初は小さなプロジェクトからだが、少しずつ広げていくつもりだ」 その後、数つの部門がアジャイルのトライアルを開始し、 全社的にアジャイルが広がりを見せ始めた。 三浦は、変化の兆しに気づく。 「上層部が本気で支援し、他の部門も少しずつアジャイルに取り組んでいる。」 三浦は、これまでの自分の努力が無駄ではなかったことを感じながらも、その先に ある課題を思い描いた。「これからが本当の試練だ」 7
キャズムを超えた!!! 8
キャズムを超えた!!! でも(個人的に) ワクワクしない・・・ 9
・結局上位層(田中部長)次第かよ ・三浦のドラマではないのか?? ・成功が見えたら周りは迎合して終わり??? 10
キャズムの考え方 キャズムの考え方を参考にしたい キャズムの考え方が合わないと感じる 攻め方の戦略 アジャイルの価値観とマジョリティの 定義 例:最初からマジョリティを攻めない マジョリティは『確実な効果や権威、 事例』を求めるがアジャイルの「個人 /対話/変化への対応」等と噛み合わ せが悪い ※工業ではなく、庭を育てる感覚だが、 制御できないので噛み合いづらい (うちの会社の人たち、みんな わかってくれない!!) 11
キャズムを参考にしたい点 (攻め方の定義) 12
攻め方の戦略 Fearless Change:組織に新しいことを広めるためのパータン集 FEARLESS CHANGE 丸善出版(2014) Mary Lynn Manns, Linda Rising (著), 川口 恭伸,木村 卓央,高江洲 睦,高橋一貴,中込大祐,古家朝子,安井力,山口鉄平,米沢仁,角征典(訳) MORE FEARLESS CHANGE Addison-Wesley Professional (2015) Mary Lynn Manns, Linda Rising (著), 13
Fearless Change (1/3) エバンジェリスト(1) [Evangelist]: 新しいアイデアを組 織に導入しはじめるなら、あなたの情熱を共有するため、できる限りのことをしよう。 小さな成功(2) [Small Successes]: 組織変革の取り組み をすすめるなかで、待ち受ける困難や膨大な作業に押し つぶされないよう、ほんの小さな成功でも、きちんと祝 おう。 ステップバイステップ(3) [Step by Step]: 目標に向か って一歩一歩進めていくことで、組織変革の膨大な作業 へのイライラを和らげよう。 予備調査(4) [Test the Waters]: 新しい好機が訪れた際 に、興味があるかどうか調べるために、本書のパターン を利用して結果を評価しよう。 ふりかえりの時間(5) [Time for Reflection]: 過去から 学ぶために、うまくいっていることや改めるべきことを 評価するための時間を、定期的に確保しよう。 協力を求める(6) [Ask for Help]: 組織に新しいアイデア を導入するというのは、大変な大仕事だ。あなたのがん ばりに協力してくれる人やリソースを探そう。 ブラウンバッグ・ミーティング(7) [Brown Bag]: 日常 のランチタイムを、新しいアイデアを聞くための手軽で 気軽な場として活用しよう。 コネクター(8) [Connector]: イノベーションのことを広 く伝えるため、組織内にたくさんのコネクションを持つ 人の協力を求めよう。 何か食べながら(9) [Do Food]: 食べ物を持ち込んで、い つもの集まりを特別なイベントにしよう。 電子フォーラム(10) [e-Forum]: もっと話を聞きたい人 のために、電子掲示板・グループメールアドレス・メー リングリスト・書き込み可能なウェブサイトを用意しよ う。 アーリーアダプター(11) [Early Adopter]: 新しいアイデ アのオピニオンリーダーになりうる人々の協力を勝ち取 ろう。 外部のお墨付き(12) [External Validation]: 新しいアイ デアの信憑性を上げるために、外部の情報を組織内に紹 介しよう。 グループのアイデンティティ(13) [Group Identity]: 変 化のための活動にアイデンティティを与えるために、活 動を特徴づける名前を掲げ、人々がその存在を認識でき るようにしよう。 達人を味方に(14) [Guru on Your Side]: 組織のメンバ ーに尊敬されているシニアレベルの人々にサポートを求 めよう。 空間を演出する(15) [In Your Space]: 組織のあちこちに、それを見れば新しいアイデアのことを思い出すようなものを設置しよう。 イノベーター(16) [Innovator]: 変化への活動を始めるときは、新しもの好きな同僚の助けを求めよう。 やってみる(17) [Just Do It]: 新しいアイデアに関する話を広める前の準備段階として、まずは自分の仕事に使ってみて、そのアイデアの利点と限界を見極めよう。 感謝を伝える(18) [Just Say Thanks]: 感謝の気持ちを表すために、あなたに協力してくれたすべての人に、できるだけ誠実に「ありがとう」と言おう。 次のアクション(19) [Next Steps]: イベントの最後のほうで、新しいアイデアに対し、参加者が次に何ができそうかを確認する時間をとろう。 個人的な接触(20) [Personal Touch]: 新しいアイデアの価値を納得させるため、その人にとってどれだけ有用で、価値あるものなのかを示そう。 便乗(21) [Piggyback]: 新しいものを導入する戦略が障害にぶつかったときは、組織の慣習に便乗する方法を探そう。 種をまく(22) [Plant the Seeds]: 興味をかきたてるために、機会のあるときに資料(種)を持っていって、それらを見せる(蒔く)ようにしよう。 適切な時期(23) [The Right Time]: イベントの時期を決めたり、誰かに助けを求めるときには、タイミングをよく考えよう。 定期的な連絡(24) [Stay in Touch]: 一度キーパーソンに支援を求めたら、彼らのことを忘れてはならないし、あなたも彼らに忘れられないようにしよう。 勉強会(25) [Study Group]: あるトピックについて継続的に探求したい・学びたい同僚を集めて、小さなグループを作ろう。 テイラーメイド(26) [Tailor Made]: 新しいアイデアで得ることができる価値を組織内の人々に納得させるため、組織のニーズに合わせてあなたのメッセージを作ろう。 著名人を招く(27) [Big Jolt]: 変化への取り組みがもっと注目されるよう、優れた経歴を持つ人を招いて、新しいアイデアについて語ってもらおう。 経営層の支持者(28) [Corporate Angel]: イノベーションと組織の目標が連携しやすくなるよう、経営層からの協力を得よう。 正式な推進担当者(29) [Dedicated Champion]: 新しいアイデアの組織導入の仕事をもっと効果的に進められるよう、担当業務の一部に組み入れることを提案しよう。 アーリーマジョリティ(30) [Early Majority]: 組織において、新しいアイデアに注力する方針を確立するには、マジョリティー(大多数)を納得させなければならない。 達人のレビュー(31) [Guru Review]: マネージャーや他の開発者向けの新しいアイデアを評価してもらうために、味方となった達人や、関心を持っている同僚を集めよう。 体験談の共有(32) [Hometown Story]: 新しいアイデアの有用性を分かりやすく示すために、うまくいった人には経験の共有を促そう。 14
Fearless Change (2/3) みんなを巻き込む(33) [Involve Everyone]: 新しいアイデアが組織全体で成功を収めるには、誰もがイノベーションを支える機会を持ち、それぞれに貢献できるようにすべきだ。 ちょうど十分(34) [Just Enough]: 新しいアイデアを周囲の人に理解してもらうには、まずは簡単なイントロダクションから始め、受け入れ側の準備が整ってから追加の情報を伝えるようにしよう。 身近な支援者(35) [Local Sponsor]: 一番近いレベルのマネージャーに協力を求めよう。直属の上司が新しいアイデアの導入活動を支持してくれれば、もっと効率的に活動できる。 場所重要(36) [Location, Location, Location]: 割り込みが入ってイベントの流れを断ち切られる事態を避けるために、仕事の現場を離れて重要なイベントを開催してみよう。 メンター(37) [Mentor]: プロジェクトに新しいアイデアの導入を始めたいなら、そのアイデアを理解していて、チームを手助けできる人に来てもらおう。 謁見(38) [Royal Audience]: 組織の管理者やメンバーが、著名人を招く(27)の招待者と一緒に過ごす時間をお膳立てしよう。 相談できる同志(39) [Shoulder to Cry On]: 厳しい状況のとき必要以上に落ち込まないよう、新しいアイデアの導入で、同じように困っている人たちと話す機会を見つけよう。 成功の匂い(40) [Smell of Success]: あなたの取り組みがなんらかの目に見える結果を残した時、あなたと話したがる人がぞろぞろと現れるだろう。その機会を活かして教育に力を入れよう。 勢いの持続(41) [Sustained Momentum]: 組織内で、新しいアイデアに対する興味を持続させる、という現在進行形の仕事に積極的にアプローチしよう。 トークン(42) [Token]: 新しいアイデアを人の記憶に生かし続けるために、伝えた話題に紐付けられるトークンを渡そう。 橋渡し役(43) [Bridge-Builder]: 新しいアイデアをすで受け入れた人を、まだ受け入れていない人と引き合わせよう。 懐疑派代表(44) [Champion Skeptic]: 懐疑的なリーダーに、「公式な懐疑派」の役割を演じてもらうよう、協力をお願いしよう。あなたの取り組みを改善するために、その意見を活かそう。 根回し(45) [Corridor Politics]: 重要な決議が行われる前に、意思決定者や影響力のある人々に非公式に接触し、意思決定の先に何が待っているのか、彼らが十分に理解しているかどうかを確かめよう。 怖れは無用(46) [Fear Less]: 抵抗勢力を新しいアイデアの強みに変えよう。 お試し期間(47) [Trial Run]: 組織が新しいアイデアの導入に前向きではない場合、少しの間だけ試験的に使ってもらい、その結果を観察することを提案しよう。 将軍の耳元でささやく(48) [Whisper in the GeneralʼsEar]: 集団の場ではマネージャーを説得しにくいことがある。その場合は他の人がいない場を設定して、懸念点を教えてもらう。 ポジティブを強調する[Accentuate the Positive]:変化を促進する取り組みの中で他人に影響を与え、変化が可能であると信じるように啓発するために、恐怖ではなく希望の感覚で動機づけます。 具体的なアクションプラン[Concrete Action Plan]:具体的なアクションプランでイメージを合わせる もっと楽な道[Easier Path]:新しいアイデアの採用を促進するために、邪魔になっている障害を取り除く実験をしてみる エレベーターピッチ[Elevator Pitch]:エレベーターピッチを準備しておく 感情的なつながり[Emotional Connection]:あなたの聴衆の感情とつながることは、ただ事実を提示するよりも、彼らを説得するのに通常より効果的です。 進化するビジョン[Evolving Vision ]:変化のプロセスを少しずつ進める中で、定期的に時間を設けて反省し、あなたのビジョンを再評価します。 未来へのコミットメント[Future Commitment ]:変化のイニシアティブで助けを得る可能性を高めるために、他の人にもっと後で必要になる何かをお願いし、彼らがコミットするのを待ちます。 頼りになる人[Go-To Person ]:変化のイニシアティブにおいて、重要な問題を助けることができる鍵となる人物を特定します。 想像してみて[Imagine That ]:変化のイニシアティブを始動させるために、他の人を未来の可能性を想像するエクササイズに巻き込みます 自分を知る[Know Yourself ]:始める前に、そして変化のイニシアティブを導くために必要な長い旅の途中でも、あなたがまだ本当の熱意とそれを実現するための才能と能力を持っているかどうかを考えます。 低い枝の果実[Low-Hanging Fruit ]:変化のイニシアティブの進捗を示すために、影響が広範でリスクが低く、簡単に素早く完了できるタスクを遂行し、その結果を公表します。 神話を打ち破る[Myth Buster]:変化のイニシアティブを取り巻く誤解を特定し、それらに迅速かつ率直に対処します。 逃げるが勝ち[Pick Your Battles]:エネルギーを対立に費やす前に、問題が本当に重要だと自分自身が信じているか、そして戦いを最後まで遂行するためのリソースを持っているかを自問してください。 タウンホールミーティング[Town Hall Meeting ]:早期に、そしてイニシアティブを通じて、フィードバックを求め、サポートを構築し、新参者を取り込むためのイベントをスケジュールします。 目覚めの呼びかけ[Wake-up Call ]:人々にあなたのアイデアに注意を払わせるために、変化への切実な必要性を生んだとあなたが信じる問題を指摘します。 15
Fearless Change (3/3) パターン 小説で出てきた内容 エバンジェリスト 三浦は違った 小さな成功 今度の会議で、アジャイルの成功事例を紹介したい んだ 上層部の一人である田中部長が、アジャイルに本気 で取り組む決意を示した アジャイルの研修を社内全体で実施する 達人を味方に 勉強会 成功の匂い 正式な推進担当者 他の部門からも「うちも試してみたい」という声が 上がり始める 専任のチームを組織することを発表した 16
キャズムが合わないと感じる点 (アジャイルの価値観と マジョリティの定義) 17
アーリーマジョリティ アーリーマジョリティ 実利主義者が目指すところは、着実な、そして成果を測定でき る進歩である。 彼らが新製品を導入する際には、他の人間がそれをどのように 使いこなしているかを知りたがる。 リスクという言葉は、彼らにとっては否定的な意味合いしか 持っていない。 キャズム 翔泳社 (2002) ジェフリー ムーア (著), 川又 政治 (訳) そこにチャンスとか刺激的といった概念が立ち入る余地はなく、 リスクは時間とカネの浪費以外の何ものでもない。 18
アジャイルサムライより 〇 「どうでしょう?私たちはアジャイルでしょうか?」 ーアジャイル開発の取り組みを始めて間もないチームからはこうした質問が良く寄せられる。 もっともな疑問だとは思う。誰だって何か新しいことを始めた時には、自分たちが規定通りにやれているか どうかが気になるものだ。でもそんなことは気にしなくていいんだ。ただ気づけばいい 〇 守らなきゃならない規則やルールなんかないんだってことにね。 ー君がアジャイルであるかどうかを確認できるような「アジャイルチェックリスト」なんて誰にも作れないんだ。 いいかい、アジャイル開発とは旅そのものであって、目的地じゃないんだ。この旅に終わりはない。肝に銘じてほしい。 〇 アジャイルで「あること」なんてどうでもいいんだ。大切なのは素晴らしいプロダクトを作る事と、 それを君のお客様にちゃんと届けることなんだ。私から言えることがあるとすれば、 「もうやり残したことはないし、何もかも分かった」と思ったその瞬間、君はもうアジャイルじゃなくなるってことだ。 だから、プラクティスに囚われすぎちゃだめだ。もしもこの先、自分のやり方が「アジャイルの道」に沿っているか どうかの自信がなくなったら、悩んでないでこう自問すればいい ・毎週、価値ある成果を届けられているか? ・たゆまぬ改善のための努力を惜しまず続けているか? この2つの問いへの答えが「イエス」なら、君はアジャイルだ。 アジャイルサムライ オーム社 (2011) Jonathan Rasmusson (著), 西村 直人, 角谷 信太郎,近藤 修平(訳) 19
キャズムで言う着実な目的地を求めているアーリーマジョリティーに対して 「Be Agile」の考え方は噛み合わせ悪そう・・・ 20
庭の話 Web2.0化の終着点、 つまり「メディアからプラットフォームへ」の 変化がもたらしたのは、全く逆の効果だった。 この変化がもたらしたのは、たとえ発信する手段を得ても ほとんどの人間には発信に値する能力などなく、 プラットフォームで展開するのはプレイヤー同士の 低コストな承認の交換でしかないという現実の可視化だった 庭の話 講談社 (2024) 宇野常寛 (著) 21
庭の話 Web2.0化の終着点、 つまり「メディアからプラットフォームへ」の 変化がもたらしたのは、全く逆の効果だった。 この変化がもたらしたのは、たとえ発信する手段を得ても ほとんどの人間には発信に値する能力などなく、 プラットフォームで展開するのはプレイヤー同士の 低コストな承認の交換でしかないという現実の可視化だった 庭の話 講談社 (2024) 宇野常寛 (著) アジャイルがキャズムを超えた世界も、もしかすると、考えなくても 上手く進んでいくディストピアなアジャイルがあるかもしれない 22
Web2.0の世界で出会った技術コミュニティに救われているし、 アジャイルの価値観にワクワクしている AIを用いて能力が拡張された世界も信じている 現状に対して、よりより良く変化させたいという 『カウンターカルチャー』のパワーを信じている 23
悪の組織のバリュー 新しい組織を作った時、『悪の組織のバリュー』として組織内で展開した。 その後別の組織と合併した際のこのバリューを一回なくしたが、 上手くいかなくなって、再度『悪の組織のバリュー』を打ち出した <悪の組織のバリュー> 悪の組織 正義のヒーロー 大きな夢、志、野望を抱いている 自分自身の具体的な目標が無い 相手の夢を阻止するのが生きがい 目標達成のため学習/研究開発を怠らない ※内部のメンバーで衝突も含め議論できる 常に成功パターンにしがみつき、ワンパターン 熱量が高く、常に先手先手で仕掛け続け、毎週新た な成果を出す 受け身の姿勢で自分からはアクションは起こさない。 能力は高いが、トラブル後に動くだけ 日々努力を重ね、色々なやり方を試す。失敗を怖が らず、めげず、ぶれない 失敗を次に生かし称賛する文化 1回負けただけでめげて凹み落ち込む 隠し事なく支えあい、チームで行動する 単独~少人数で行動、身内に素性を隠す 行動原則 世の中に絶えず発信し続ける なるべく秘密にし続ける よく笑う 怒っている 24
キャズムを超えるか? アジャイルがキャズムを超えなくて良い より良くしようとする悪の組織がそれぞれ頑張りながら、 薄くつながってちょっとづつ変えていく アジャイル クラウド ファシリテーション AI And More・・・ 25
エピローグ 三浦は再びデスクに向かい、進捗報告を見つめていた。アジャイルプロジェクトの数は増え、スクラムマスターも増加した。 しかし、現場ではそれが実際にどれほど効果を上げているのか、目に見える成果に繋がっていないように感じていた。 「アジャイルをやっていると言われても、顧客からのフィードバックも変わらない」といった声が上がり始めていた。 その日、三浦は再び田中部長と向き合った。 「部長、アジャイルの導入自体は進んでいますが、実際に顧客に価値を届ける成果には繋がっていないのではないかと思っています」 三浦は率直に切り出した。田中部長は少し考えた後、こう答えた。 「確かに、現場での実感が薄いのはわかる。でも、まずは規模を拡大し、全社に浸透させることが重要だ。それが効率的な運営に繋がるんだ」 三浦はその言葉をじっと聞きながら、心の中で反応した。「広がることが目的になってしまうと、アジャイルの本質が失われる。」 「アジャイルの本質は、ただ広げることではなく、どう変化し続けるかが重要だ」 その後、三浦はアジャイルにこだわらず、社内での改善活動を進めていくことにした。広がりではなく進化し続けることに焦点を当てた。 彼は、人事部門の田村と話す機会があった。 「三浦さん、実は新しい評価制度にアジャイル的な要素を取り入れようと考えているんです。 年に一度の評価ではなく、もっと頻繁にフィードバックを行い、成長を支援する仕組みを作りたいと思っています」 三浦はそのアイデアを聞いて即座に賛同した。新しい制度では、短期的なフィードバックと柔軟な評価基準を設け、 社員一人ひとりが自分のペースで成長できる環境を整えた。 三浦は、アジャイルにこだわらず、社内の改善活動や新しい制度を通じて変化し続けることを決意した。 技術や方法を問わず、最も大切なのは「変わり続けること」だと信じていた。それが組織を成長させ、 確実に成果を生み出すための鍵だと感じていた。 26
エピローグ 三浦は再びデスクに向かい、進捗報告を見つめていた。アジャイルプロジェクトの数は増え、スクラムマスターも増加した。 しかし、現場ではそれが実際にどれほど効果を上げているのか、目に見える成果に繋がっていないように感じていた。 「アジャイルをやっていると言われても、顧客からのフィードバックも変わらない」といった声が上がり始めていた。 田中部長とは結局すり合わず その日、三浦は再び田中部長と向き合った。 「部長、アジャイルの導入自体は進んでいますが、実際に顧客に価値を届ける成果には繋がっていないのではないかと思っています」 三浦は率直に切り出した。田中部長は少し考えた後、こう答えた。 「確かに、現場での実感が薄いのはわかる。でも、まずは規模を拡大し、全社に浸透させることが重要だ。それが効率的な運営に繋がるんだ」 三浦はその言葉をじっと聞きながら、心の中で反応した。「広がることが目的になってしまうと、アジャイルの本質が失われる。」 「アジャイルの本質は、ただ広げることではなく、どう変化し続けるかが重要だ」 その後、三浦はアジャイルにこだわらず、社内での改善活動を進めていくことにした。広がりではなく進化し続けることに焦点を当てた。 彼は、人事部門の田村と話す機会があった。 「三浦さん、実は新しい評価制度にアジャイル的な要素を取り入れようと考えているんです。 年に一度の評価ではなく、もっと頻繁にフィードバックを行い、成長を支援する仕組みを作りたいと思っています」 三浦はシステム開発でなく 人事のメンバーと カイゼンPJTを実施 三浦はそのアイデアを聞いて即座に賛同した。新しい制度では、短期的なフィードバックと柔軟な評価基準を設け、 社員一人ひとりが自分のペースで成長できる環境を整えた。 三浦は、アジャイルにこだわらず、社内の改善活動や新しい制度を通じて変化し続けることを決意した。 技術や方法を問わず、最も大切なのは「変わり続けること」だと信じていた。それが組織を成長させ、 確実に成果を生み出すための鍵だと感じていた。 27