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April 03, 26
スライド概要
建設業法改正シリーズ Vol.1。
本資料では、契約・見積・技術者配置をテーマに、
「安値受注がなぜ違法になるのか」を実務目線で解説します。
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■ 本資料の内容
・安値受注が違法となる仕組み
・標準労務費と見積ルールの変更
・契約書に求められる新しい要件
・営業がやってはいけないNG行動
・技術者配置(兼務)の緩和とICT活用
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■ 本質
「安くても取る」という営業は、法的リスクに変わりました。
見積は「契約の品質」であり、
内訳明示・書面化が義務となります。
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■ 実務への影響
・人件費内訳の明記が必須
・一式見積の排除
・契約変更ルールの明文化
・社名公表リスクの発生
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■ 想定読者
・建設会社の経営者・役員
・営業・積算担当
・管理部門・法務
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■ 関連資料
・Vol.0:全体像(法改正の背景と3つの柱)
・Vol.2:工期管理・下請管理・積算
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■ 提供
Harmonic Insight
AI・DX活用と業務改善のコンサルティング会社 HARMONIC insight の公式アカウントです。 建設業をはじめとする中堅・中小企業向けに、基幹システム導入、AI業務活用、データ可視化などの知見を発信しています。 ▼ 公開スライドのテーマ ・AI / LLM の業務活用(RAG、セキュリティ、コスト比較) ・基幹システムの選定・導入・カスタマイズ ・業務改善フレームワーク(トゥールミンロジック、資料作成術) ・DX人材育成・オンボーディング ▼ 関連リンク YouTube:https://www.youtube.com/@HARMONICinsightJP note: https://note.com/harmonic_insight
Hi 改正建設業法シリーズ Vol.1 全体像・契約・技術者配置 H A R M O N i n s i g h t Harmonic Insight 2026 I C
自己診断 ─ 貴社の対応状況は? 経営者 No. チェック項目 対応済 未着手 1 契約書に「金額や工期を変更するときのルール」が書かれている □ □ 2 見積書に人件費の金額欄がある(「工事一式」だけになっていない) □ □ 3 国が定めた人件費の目安(標準労務費)を営業・積算が知っている □ □ 4 営業に「赤字覚悟の安値で取ってはいけない」と伝えている □ □ 5 下請への発注書にも人件費の金額を明記している □ □ 6 工期を決めるとき、国の工期基準と照らし合わせている □ □ 7 資材値上がりなどのリスクを、契約前に書面で施主に伝えている □ □ 8 監理技術者が2現場を掛け持ちできるカメラ・アプリを導入している □ □ 9 協力会社に今回の法改正の内容を説明済みである □ □ 10 見積りの回答期限を十分に取っている(5,000万円以上なら15日以上) □ □ 「未着手」が3つ以上ある場合、早急な対応が必要です H A R M O N I C i n s i g h t 1
改正の本質 ─ 3つのメッセージ 全社共通 安値受注の時代は終わった 標準労務費を下回る見積りは勧告・公表の対象に。 「安くても取る」は法的リスクへ。 見積り=契約の品質 一式見積り・口頭合意は通用しない。 内訳明示・書面化が法的義務に。 労務費は「守る」コスト 技能者の処遇確保が努力義務化。 人材を守れない会社は市場から退場。 H A R M O N I C i n s i g h t 2
施行スケジュール(3段階) 経営者・管理部門 第1段階 2024年9月 標準労務費の策定権限/国交大臣の調査権限 第2段階 2024年12月 資材高騰の価格転嫁ルール/契約書「変更方法」の必須化 監理技術者の兼務要件緩和(ICT活用で2現場まで) 第3段階 2025年12月 著しく低い労務費の見積り禁止(勧告・公表) 不当に低い請負代金の禁止(指導・監督処分) 請負代金の「労務費」内訳記載の義務化 H A R M O N I C i n s i g h t 3
01 契約 法律 → 業務 → 利益 → 対策 → Q&A H A R M O N I C i n s i g h t
契約 ─ 法律(条文の要点) 経営者・管理部門 1 契約書に「金額や工期を変更するときのルール」の記載が義務化。「変更しない」と書くのは建設業法違反。 建設業法 第19条改正 2 請負代金の内訳に「人件費(労務費)」を明記する義務。「工事一式○○万円」はNG。 建設業法 第19条の3 3 国の基準を大きく下回る人件費で受注した場合、国が社名を公表。 建設業法 第19条の4 4 資材値上がりなどのリスクは契約前にお客様へ通知する義務あり。発生時はお客様も協議に応じる義務あり。 建設業法 第20条の2 H A R M O N I C i n s i g h t 4
契約 ─ 業務の変化 管理部門 契約書のひな型を見直し、「金額・工期の変更ルール」と「人件費の内訳欄」を追加する 営業 見積りを出す前に、人件費が国の基準を下回っていないかチェックシートで確認する 営業 受注する前に、資材の値上がりリスクや工期が延びる可能性を書面でお客様に伝える 経営者 「安くても取れ」という方針をやめ、適正な価格で受注するルールを社内に徹底する H A R M O N I C i n s i g h t 5
契約 ─ 営業の行動基準(OK / NG) 営業 OK(適切な対応) • • • • NG(違反・リスク行為) 人件費の基準を守った上で、仕様や工程の見直しで金額を調整 する 「こういうリスクがあります」と書面を添えて見積りを出す 「こういう場合は金額を変更します」と契約書に書いた上で受 注する お客様と話し合い、決まったことを書面に残す • • • • 「とにかく金額だけ下げます」で受注する → 社名公表リスク 電話で「大丈夫です」と値引きに応じる → 証拠が残らない 「工事一式」で見積りを出し、人件費の内訳を書かない リスクを伝えずに契約してしまう 迷ったらこれ:「仕様・工程で調整」= OK /「金額だけカット」= NG H A R M O N I C i n s i g h t 6
契約 ─ 利益への影響 経営者・経理 放置した場合のリスク • • • • 対応した場合のメリット 企業名公表による信用毀損 指導・監督処分(営業停止リスク) 安値受注の常態化 → 赤字体質の固定化 協力会社の離反 → 施工体制の崩壊 • • • • 適正価格受注 → 粗利率5〜10%改善 書面化により紛争リスク大幅減 変更条項の整備 → 追加工事の正当請求が可能に 技能者処遇改善 → 人材定着率向上 試算:年間受注10億円の会社で、粗利率+5% = 年間5,000万円の利益改善 想定される反論と回答 「安くしないと仕事が取れない」→ 標準労務費は業界全体に適用。競合も同じ条件。差別化は見積精度と提案力で。 「今まで問題なかった」→ 改正法は2025年12月に全面施行済み。「知らなかった」は通用しない。 「書類が増えて面倒」→ テンプレート化すれば作業は30分/件。対して違反リスクは営業停止。 H A R M O N I C i n s i g h t 7
02 技術者配置 法律 → 業務 → 利益 → 対策 → Q&A H A R M O N I C i n s i g h t
技術者配置 ─ 法律(条文の要点) 経営者・工事部 1 ICT活用を条件に、監理技術者の専任要件が緩和。1億円未満(建築一式は2億円未満)で2現場まで兼務可能に。 建設業法 第26条改正 2 専任技術者が不要な小規模工事でも、施工の技術上の管理をつかさどる者の配置は引き続き必要。 建設業法 第26条 3 労働者の処遇確保が建設業者の努力義務に。技術者の待遇改善も含まれる。 建設業法 第25条の27 H A R M O N I C i n s i g h t 8
技術者配置 ─ 業務の変化と対策 工事部 遠隔カメラや施工管理アプリを導入し、技術者が2現場を掛け持ちできる体制をつくる 現場所長 掛け持ちする2現場の移動・連絡・記録のルールを決め、品質を落とさない仕組みをつくる 経営者 カメラ・アプリへの投資(200〜300万円)を決断する。技術者1人で2現場 = 年間800万円の人件費削減。 人事・管理部門 技術者の掛け持ち実績を記録し、ルール違反がないか定期チェックする 投資200〜300万円 → 技術者1人で2現場 = 年間800万円の削減(初年度で元が取れる) H A R M O N I C i n s i g h t 9
技術者配置 ─ 実務Q&A 工事部・現場所長 Q: 兼務できる「2現場」の距離制限はあるか? A: 法令上の距離制限はないが、ICTで施工状況を「常時」確認できることが条件。実務上は片道30分以内が目安。 Q: 既存のWebカメラで要件を満たせるか? A: 建設業法が求めるのは「施工の状況の確認」。固定カメラだけでなく、作業員がスマホで撮影・報告する仕組みとの組み合わせが現実 的。 Q: 兼務中に片方の現場で事故が起きた場合の責任は? A: 技術者の管理責任は変わらない。ICTの記録が「適切に管理していた証拠」になるため、記録の保存が極めて重要。 H A R M O N I C i n s i g h t 10
参考 ─ 遠隔臨場・施工管理ICTツール比較 工事部・現場所長 カテゴリ 主なサービス例 特徴 概算コスト 遠隔臨場カメラ Safie / SiteLive / G-cam 固定設置・クラウド録画 24時間監視対応 月額5,000〜15,000円/台 施工管理アプリ ANDPAD / Photoruction SPIDERPLUS 写真・図面・工程を一元管理 スマホで現場報告 月額5,000〜30,000円/ID ウェアラブル スマートグラス ヘルメットカメラ ハンズフリーで映像共有 リアルタイム指示 初期10〜30万円/台 統合プラットフォーム PRISM / 現場Plus Fieldwire 図面+写真+検査+報告 記録の一元保存 月額10,000〜50,000円 組み合わせ推奨:遠隔臨場カメラ+施工管理アプリ = 月額2〜5万円で兼務要件を充足 H A R M O N I C i n s i g h t 11
Vol.1 まとめ ─ 今日やるべきこと 当事者 アクション 期限 経営者 「赤字覚悟の安値受注は禁止」と全社に通達する 最優先 管理部門 契約書ひな型に「変更ルール」と「人件費欄」を追加する 今月中 営業 見積チェックシート(国の人件費基準との比較)を使い始める 今月中 工事部 カメラ・アプリを導入し、技術者の2現場掛け持ちを計画する 3ヶ月以内 全社 今回の法改正について全社員向けの研修を行う 1ヶ月以内 Vol.2 予告:工期管理・下請管理・見積積算 ── さらに深い実務対応を解説します H A R M O N I C i n s i g h t 12
HI ありがとうございました H A R M O N i n s i g h t I C