マイクロ・ナノプラスチック 身体への危険性

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September 13, 26

スライド概要

子どもケミネット(有害化学物質から子どもを守るネットワーク)が主催する会で使用したスライドです.

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岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 教授

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1.

マイクロ・ナノプラスチック 身体への危険性 下畑 享良 岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野

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自己紹介 • 脳神経内科医 • 専門は神経変性疾患(認知症,パーキンソン病など)の臨床, 脳卒中の新しい治療法の開発. • ブログやフェイスブックなどによる最新医学情報の発信. • そのなかで2年ほど前のある論文に驚き,ブログで紹介, 情報収集を続けている.

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本講演の目的 • 近年,マイクロ・ナノプラスチック(micro- and nanoplastics;MNPs)は, 人体への直接的な健康リスクをもたらす新たな危険因子として注目さ れている. • MNPsの基礎知識と,脳血管障害や認知症への影響について判明して いることを提示し,問題提起を行いたい. • また子どもへの影響についても議論したい.

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MNPs総論

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マイクロプラスチックとナノプラスチック 走査電子顕微鏡で観察可能 観察が難しい https://www.chemistryworld.com/features/one-of-these-vials-is-contaminated-withnanoplastics-chemistry-can-tell-us-which-one/4019459.article

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走査型電子顕微鏡で 観察が可能なマイクロプラスチック Primary(意図的添加) 化粧品のマイクロビーズ Science. 2024 Oct 25;386(6720):eadl2746. Secondary(大型プラスチックの劣化・破砕) 自動車タイヤからの粒子 布地からの繊維

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フランスの検討でマイクロプラスチックは ガラス瓶入り飲料に多く含まれる J Food Composit Anal 144 (2025) 107719 ガラス瓶に多い(ビール 95.9/L) 瓶のキャップが液体に触れる部分が プラスチックシールされているため. 事前に洗浄することで飲料中のMPsが 約3分の1に減少する.

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近年の発展によりナノ領域も測定可能になった! 手法の分類 具体的手法 主な長所 検出限界の目安(粒径) 分光・顕微法 SEM-EDS (走査型電子顕微鏡–エネルギー分散型X線分析) 粒子サイズ・形状・個数に強い 約0.1 µmまで µ-Raman (マイクロラマン分光法) 粒子サイズ・形状・個数に強い 約1 µmまで µ-FTIR (マイクロフーリエ変換赤外分光法) 粒子サイズ・形状・個数に強い 約10 µmまで LDIR (レーザー直赤外イメージング) 粒子サイズ・形状・個数に強い 約10 µmまで Py–GC/MS (熱分解–ガスクロマトグラフィー–質量分析法) 元の高分子(ポリマー)の種類を 推定・同定できる しかし粒径情報は得られない ナノ領域も測定可能 (しかし技術的問題もあり) 質量分析法

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ペットボトルから7種類のナノプラスチックが多量に 検出される(1Lに24万個:2.4X105含まれ,90%がナノプラスチック) Proc Natl Acad Sci U S A. 2024 Jan; 121(3):e2300582121. µ-Raman(マイクロラマン分光法)

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熱湯を使用するティーバッグは ナノプラスチックの放出量が非常に多い Chemosphere. 2024 Nov;368:143736. S1. ナイロン(NY6) 8.18 × 10⁶個/mL (138.4 nm) S2. ポリプロピレン(PP)製 1.20 × 10⁹個/mL(約12億個) (136.7 nm) S3. セルロース(CL)製 1.35 × 10⁸個/mL (244.7 nm) ムチン産生腸細胞(HT29MTX)での吸収が多い

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ではMNPsとは何なのか?

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マイクロプラスチックは2004年に初めて概念化され, 5 mm以下のプラスチック片として定義された マイクロプラスチック サイズ 5 mm以下(1 m以上) プラスチックポリマー+添加された化学物質※ 特徴 吸収 16000種類以上 製造時点で5mm以下に加工されたものと, 摩耗や分解によって生成されたものがある. 発がん性物質,神経毒性物質, 吸収される. 環境ホルモン(内分泌撹乱物質) 体内動態 通常は消化管内にとどまる 毒性 ※添加された化学物質は,なんと 消化管を物理的に詰まらせたり,吸着した有害 物質を体内に移行させる可能性 を含む

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マイクロプラスチックは2004年に初めて概念化され, 5 mm以下のプラスチック片として定義された サイズ 特徴 吸収 マイクロプラスチック ナノプラスチック 5 mm以下(1 m以上) 1 m未満 プラスチックポリマー+添加された化学物質 プラスチックポリマー+添加された化学物質 製造時点で5mm以下に加工されたものと, 摩耗や分解によって生成されたものがある. 吸収される. 体内動態 通常は消化管内にとどまる 毒性 消化管を物理的に詰まらせたり,吸着した有害 物質を体内に移行させる可能性 より吸収されやすい. さまざまな臓器に蓄積しうる サイズが小さく,細胞膜を通過し,より深刻な 細胞レベルの影響を及ぼす可能性

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とくに3つの有害化学物質の混入は注意すべき Proc Natl Acad Sci U S A. 2024 Dec 24;121(52):e2412714121. 化学物質 ビスフェノールA 環境ホルモン 用途 毒性・健康影響 心血管系: 虚血性心疾患(IHD),高血圧,脳卒中 食品容器,飲料容 代謝系: 糖尿病,肥満 器,乳児用ボトル 内分泌系: 多嚢胞性卵巣症候群 フタル酸ジ-2-エチル 工業用食品包装材,内分泌系: 男性生殖器の先天異常,血清テストステロンの低下 ヘキシル 家庭用品,電子機 循環器系: 高血圧,心疾患 環境ホルモン 器,化粧品 全身的影響: 全死亡率の増加 臭素系難燃剤 神経発達毒性 電子機器,合成繊 神経毒性: 母体曝露による胎児のIQ低下,神経発達障害 維,家具,カーペット 内分泌系: 甲状腺機能低下症 (耐熱作用) その他: 不妊症,喘息,糖尿病のリスク増加

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MNPs曝露の経路 Nat. Med. 31, 2873–2887 (2025) JAMA Netw. Open 7, e2440018 (2024) 体外からの曝露 • 主に吸入・経口・皮膚の3経路 • 経鼻,経静脈でも取り込まれることが判明 医療行為からの 曝露 • 透析,心臓手術,輸液チューブ,人工関節など (経静脈性) 職業曝露 • 繊維産業,3Dプリンティング,プラスチック製造・ リサイクル建設業における空中繊維・粉じんへの曝露

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多くの臓器に取り込まれる Science. 2024 Oct 25;386(6720):eadl2746. • ヒトのさまざまな臓器(血液,肝,腎, 大腸,胎盤,乳汁など)から検出され, 潜在的な健康リスクが浮上している. • この論文では脳の記載はなかった.

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Nat. Med. 31, 2873–2887 (2025).

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Nat. Med. 31, 2873–2887 (2025). 脳はナノプラスチック! ヒト組織・体液での含有量 脳 4,917 µg/ml 肝臓 433 µg/ml 腎臓 404 µg/ml 精巣 328 µg/ml 胎盤 126 µg/ml 血液 1.1–80 µg/ml

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小括1 • ナノプラスチックの測定が可能になり,ペットボトル飲料水などに大量に含まれることが, 近年,明らかになった. • ナノプラスチックは体内に吸収されやすく,全身の臓器に蓄積し,かつ血液脳関門を 通過して,脳に高濃度で蓄積しうる. • プラスチックに含まれる有害化学物質の悪影響にも着目する必要がある.

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脳血管・脳虚血への影響 (ヒト)

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頸動脈プラークの58%から MNPsが検出された! N Engl J Med. 2024 Mar 7;390(10):900-910. • イタリア2施設からの前方視的研究. • 頸動脈内膜切除術を受けた150/257人(58%)の切除プラークからポリエチレンを検出. 31/257人(12.1%)でポリ塩化ビニルを検出. 透過型電子顕微鏡 頸動脈プラークのマクロファージ 内外のプラスチック粒子

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頸動脈プラークにおけるMNPsの存在は 心血管イベントを増加させた!! プラークにMNPsが検出された患者では, 34ヵ月の追跡期間において一次エンド ポイントイベント(心筋梗塞,脳卒中, または何らかの原因による死亡)の複合 リスクが高かった(ハザード比4.53; P<0.001). N Engl J Med. 2024 Mar 7;390(10):900-910.

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MNPsがプラーク中の炎症反応を 著しく増加させたことが原因? N Engl J Med. 2024 Mar 7;390(10):900-910. MNPs陽性プラーク:IL-18,IL1-β,TNF-α,IL-6,CD3,CD68が高い. 自然免疫活性化 神経炎症 T cell, macrophage

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マイクロプラスチック濃度が高い地域ほど 糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中の有病率が高い J Am Heart Assoc. 2025 Jun 18:e039891 • アメリカ沿岸152郡のデータを用いて,海水 中のマイクロプラスチック濃度が高い地域 ほど,2型糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中の 有病率が高いことが示された. • 年齢や社会経済状況などを調整しても関連 は残り,マイクロプラスチックが心血管・ 代謝疾患の新たなリスク要因となる可能性 が示唆された.

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マイクロプラスチック濃度が高い地域ほど 糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中の有病率が高い J Am Heart Assoc. 2025 Jun 18:e039891 MP濃度が非常に高い地域 • 2型DMが1.18倍, • 冠動脈疾患が1.07倍, • 脳卒中が1.09倍 と有意に高かった.

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小括2 • 頸動脈プラークの約6割からMNPsが検出され,心筋梗塞・脳卒中リスクを増加させる. • MNPs陽性プラークにおける炎症性サイトカインの上昇が,予後の増悪に関与している (IL-1β, IL-6, TNF-αなど). • 各種血栓からもMNPsが検出され,濃度高値例ほど重症化する. • 海洋中MNPs濃度の高い地域ほど心血管疾患・脳卒中の有病率が高く,海洋汚染と 健康被害が密接に関連している.

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認知機能への影響 (ヒト)

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•. 2025 Apr;31(4):1114-1119. 苛性ソーダ(NaOH)で溶解した脳組織から 約10gのプラスチック粒子が抽出された(クレヨン1本分の重さ) Nat Med. 2025 Apr;31(4):1114-1119.

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認知症患者脳で血管壁や炎症細胞周囲に 屈折性粒子(=ナノプラスチック)が多く認められた Nat Med. 2025 Apr;31(4):1114-1119. 偏光顕微鏡 免疫細胞の集積部位(上段)や 血管壁沿い(下段)に目立つ この研究はMNPsと認知症の因果関係 を直接証明したものではないが, 明らかにその関係は疑わしく,認知症 の新たな危険因子としてMNPsを検討 する必要性を示唆する.

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中国からの研究で,ヒト脳脊髄液から マイクロプラスチック(MPs)が検出された. He P, et al. J Hazard Mater. 2025;494:138748. ⚫ 主にポリエチレン(PE)とポリ塩化ビニル(PVC)が多い. ⚫ アミロイドPET陽性群17例では,陰性群15例に比べ, PEとPVCの濃度が有意に高かった. ⚫ PE濃度は脳脊髄液中のAβ42低下やMMSEスコア 低下と負の相関を示した. ⚫ 1年間の追跡で,脳脊髄液中PEが高い患者ほど認知 機能の悪化が速かった. ⚫ ペットボトル水の摂取頻度が,脳脊髄液中MPsの蓄積 と関連した.

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中国からの研究で,ヒト脳脊髄液から マイクロプラスチック(MPs)が検出された. 脳脊髄液中の マイクロプラスチック↑ He P, et al. J Hazard Mater. 2025;494:138748. ② ③ 神経変性 ① ペットボトルからの飲水 ⑤ 認知機能 低下 ④ アミロイドβ凝集

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マイクロプラスチック濃度が高い地域ほど 認知や移動に関連する障害が多い Eur J Neurol. 2025 May;32(5):e70144. • 米国沿岸の218の郡を対象に,海洋水中の MP濃度と,神経障害の関連を検討した 横断・生態学的研究. • 年齢や慢性疾患,社会経済的要因などを 調整した結果,MPs濃度が非常に高い郡で 認知障害:15.2%(有病率比PR: 1.09) 歩行・階段昇降障害:14.1%(PR: 1.06) セルフケア障害:4.2%(PR: 1.16) 自立生活障害:8.5%(PR: 1.08) が有意に高かった. 青;認知障害の有病率 オレンジ;MPs濃度

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ただし結果の解釈について 問題点も指摘されている Analytical Methods. 2026. doi:10.1039/d5ay01801c Nature. 2025;639:300–302. ■ 汚染(コンタミネーション)の影響 ・ 手袋・器具・環境由来のプラスチック様物質の混入 ・ バッチ・施設・時期で偏る ■ 測定の特異性に問題がある ・ Py-GC/MSは脂質由来でも「ポリエチレン様シグナル」を呈する ・ 小粒子ではスペクトル識別が困難 ■ 組織依存バイアス ・ 脳は脂質が多く残渣が多い → 偽陽性のリスク ・ 認知症脳は組織変化 → 測定誤差増大する可能性

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小括3 • ヒト脳・CSFに存在するからMNPsが,アルツハイマー病の病態に関与している可能性 がある. • 動物実験では,MNPsが病因タンパクの凝集を促進し,伝播させ,神経炎症を招くこと, またリソソーム機能を抑制し分解を妨げることが示唆されている. • 海洋中MNPs濃度の高い地域ほど認知症の有病率が高く,認知症が海洋汚染と密接 に関連している可能性がある

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子ども・胎児への影響

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乳児では成人の10倍以上の摂取とも言われる J Clin Med. 2025;14:8399 • 母乳,粉ミルク,哺乳瓶・プラスチック容器からの摂取が考えられる. • 成人と比べ,体重あたり曝露量が多い. • 乳児の行動(手→口,床接触)により曝露は増加する. • 臓器発達のクリティカルウィンドウが存在する. → 同じ環境でも子どもはリスクが高いかもしれない!

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MPsへの暴露は胎児期から始まっている • MPsは,胎盤,臍帯血,羊水,胎便で検出されている. → 母体から胎盤通過を示唆する. • ナノプラスチックをラット仔に経口投与するモデルで, 海馬・大脳皮質の構造や神経伝達物質の異常,記憶障害, 行動異常などの神経発達障害が生ずる. • その影響は授乳期より,妊娠期において影響が強い. J Clin Med. 2025;14:8399 J Hazard Mater. 2024 Aug 5;474:134800.

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医療現場は大量のプラスチックを使用している Curr Probl Pediatr Adolesc Health Care. 2026;56(2):101925. • 小児医療の現場(とくにNICU)そのものが曝露源に なりうる. • 特に新生児医療でフタル酸エステル(プラスチック を柔らかくするための可塑剤=内分泌かく乱物質) などの曝露が高くなる可能性がある. https://www.bliss.org.uk/story/i-thought-nicu-was-only-for-premature-babies-emmas-story

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手術後の認知機能低下の原因のひとつとして MNPsの曝露の可能性が指摘されている Environ Int. 2022 Dec;170:107630. iScience. 2023 Nov 14;26(12):108454. 第45回日本臨床麻酔学会招請講演 • 手術器具,輸液ライン,人工呼吸器回路, 麻酔用チューブ,縫合糸,防護具(ガウ ン・手袋・マスク),シリンジ,点滴ボトル など,多くがポリエチレン,ポリプロピレン, ポリ塩化ビニル,ポリスチレンなどのプラ スチック素材. • これらは摩耗・加熱・摩擦・紫外線照射 などにより大量のMNPsを発生させる. https://healthcare-in-europe.com/en/news/microplastics-surgical-operating-theatre.html • 静脈内投与でMNPsが体内に侵入する.

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小括4 • 動物モデルの検討の結果, MNPsを胎児期から曝露した場合,神経発達に影響が 及び可能性がある. • ヒトにおけるエビデンスは限定的だが,安全といえる証拠もない.予防原則に基づく 対応が必要である. • 乳児期の曝露を減らす工夫が必要で,妊婦への生活指導が重要と言える.

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どのように対策をすべきか?

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欧州と比較して日本では対策が遅れている. 項目 欧州 プラスチック削減が法的に整備. 規制の厳しさ (化粧品中のMPsの使用が禁止) (仏:洗濯機のフィルター義務化) 調査研究 啓発活動 食品や飲料水の汚染調査が活発. 人体への影響も調査. 市民の意識が高い. 教育プログラムや啓発活度も盛ん.

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欧州と比較して日本では対策が遅れている. 項目 欧州 日本 プラスチック削減が法的に整備. 規制の厳しさ (化粧品中のMPsの使用が禁止) 直接規制は準備中. (仏:洗濯機のフィルター義務化) 調査研究 啓発活動 食品や飲料水の汚染調査が活発. 海洋環境への影響研究が中心. 人体への影響も調査. 人体への影響調査は遅れている. 市民の意識が高い. 啓発活動は限定的. 教育プログラムや啓発活度も盛ん. 企業や自治体が中心.

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個人と社会が行うこと 個人レベル • ペットボトル飲料やティーバッグなどの消費を 減らすこと • 合成繊維製品の使用を控えること • 電子レンジでプラスチック容器を加熱しないこと 社会レベル • 食品・飲料のプラスチック包装を減らすこと • MNPsの生産量を削減すること • 人体への影響の調査や治療開発を行うこと 水野 玲子 著.高文研刊(2025)

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MNPs 曝露を減らすための毎日の推奨事項 Shah K et al. Pract Neurol. 2025 11/07/2025

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MNPs 曝露を減らすための毎日の推奨事項① Shah K et al. Pract Neurol. 2025 11/07/2025 1.水道水または逆浸透フィルターでろ過した水を飲み,プラスチックボトル に保存された水は避ける. 2.高度に加工された食品の摂取を減らす. 3.汎用プラスチックや使い捨てプラスチックを使用しない. 4.食品をプラスチック容器で加熱したり保管したりすることを避ける. 5.発泡プラスチックを避ける.ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリカーボ ネート製プラスチックを避ける.

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MNPs 曝露を減らすための毎日の推奨事項② Shah K et al. Pract Neurol. 2025 11/07/2025 6.プラスチックで保管されていた食品は,ろ過水または水道水で洗い流す. 7.抗酸化物質と食物繊維が豊富な食品を摂取する. 8.家庭内にHEPAフィルターを設置するか,HEPAフィルター付きの掃除機を 使用する. (High Efficiency Particulate Air Filter) 9.洗濯機フィルターを設置し,洗濯によって生じるマイクロプラスチック汚染 繊維を減らす. 10.高リスク環境で作業する際,N95または同等の呼吸保護具を着用する.

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取り組むべき今後の課題 基礎研究レベル • 検出技術の標準化と高感度・高精度測定法の確立 • 粒径・化学組成による毒性差の解明 • BBB通過後の脳内分布と細胞応答の解明 臨床研究レベル • 曝露量と脳卒中・認知症・術後認知機能障害との関連解析 • 血液・CSF中MNPs濃度の臨床的閾値設定 • 抗炎症・抗酸化・食事介入による効果の検証 社会実装レベル • 医療現場におけるMNPs発生源(輸液ライン・器具等)の評価 • 医療用プラスチック材質の見直しと代替素材開発 • 欧州との国際的整合を視野に入れたガイドライン整備

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結語 • かつて人類の発明の象徴であったプラスチックは,いまや見えない毒 として脳や血管に静かに影を落としている.この事実をまだ認識して いない人が多い. • そのリスクを見極め,科学的エビデンスを社会に発信することが 求められる. • 次世代のために,みんなで知恵を出し合い,「プラスタミネーションの 時代」を乗り越える必要がある. ご清聴,どうもありがとうございました!