20220806_日本地図学会発表

>100 Views

July 31, 23

スライド概要

2022年度 日本地図学会で使用したスライドです

profile-image

東京都にある学校の教員です

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

個人が探究する地図学習の提案 -データを実感できる地図作成を事例に- 品川女子学院 高等部3年 川田未羽 品川女子学院 社会科 河合豊明

2.

1. はじめに 品川女子学院:創立のきっかけは関東大震災 2022年8月1日より新校舎(隣地)へ移転 2020年4月〜6月 授業をオンライン実施 地理学会・私学協会などで実践報告 2019年国際地図学会議 ・学校見学ツアーを実施 ・お手伝い生徒として,中高生を派遣

3.

1. はじめに 河合 豊明:2016年4月より現職 ・前任校(広島文教女子大学附属高校)での被災体験を 踏まえ,Google Earthを活用した防災授業を実践 ・内閣官房RESAS専門委員 副教材作成メンバーとして,高校地理総合で 「地域に関わるデータ分析」の普及に努める

4.

1. はじめに 2022年度から始まった「地理総合」 現場サイドの困りごと… 「地理総合」と「地理探究」の境界は? *理科は,「基礎」と「専門」で単元が異なる。 *地理は,「総合」が「総合的に」浅く広く, 「探究」は「探究活動として」深く…

5.

1. はじめに 2022年度から始まった「地理総合」 「地理総合」と「地理探究」の境界は? 地図・GISに関連する河合の見解: 「地理総合」:地図・GISに触れて現地の概観を知る 現地の課題解決につながるアイデア出し 「地理探究」:地図・GISを用いて一般化してまとめる 現地の課題解決につながるアイデアを 考察し,検証する

6.

1. はじめに 「地理総合の授業例」(コロナ禍なので制限されましたが) ・GISの仕組みを体験的に知る OHPシートに書き込まれた「既存の幼稚園」「病院」 「交番」「犯罪発生箇所」「人口分布」「商業施設」 ・今昔マップ,Google ストリートビューを用いた 擬似フィールドワーク ・RESASを活用し,現地の課題解決アイデアをまとめ 「RESAS 政策アイデアコンテスト」への応募など

7.

1. はじめに 「地理探究の授業構想例(地理Bで実践)」 ・「生徒自身が気になるテーマに沿って, 集めた情報を地図にまとめ,レポートを書く」 →個人の方が良い?グループの方が良い? ・お試し…として,両方を実施。 グループ活動の例は,2021年度日本地理学会で報告 (高校生ポスターセッション 医療の偏り ハザードマップ) 今回は,個人活動の例を報告

8.

2. 生徒自身の学習方法 「探究活動として,個人が成果物をつくる」ことを目標 →生徒は,思い思いの情報を地図化し考察 ・宝塚スターや力士の出身都道府県 ・海岸に打ち上げられるゴミの量 ・駅の利用者数と構内のカフェ・ファーストフード店数 ・不動産価格とコインパーキングの価格 →教科書に掲載されている地図を,もっと具体的に… という生徒も。

9.

川田さんの事例 どこまでがCBD(中心業務地区)?

10.

川田さんの事例 明確な境界があったDID(人口集中地区)

11.

川田さんの事例 擬似フィールドワーク ④ ③ CBD ② ① 地価・構造物の高さ 距離

12.

川田さんの事例 擬似フィールドワーク

13.

川田さんの事例 擬似フィールドワーク Google Earthのストリートビューから 1)商業施設・高層マンション 2)中低層マンション 3)3階建ての戸建 4)2階建ての戸建 の4分類を計画

14.

川田さんの事例 Youtube 前面展望の動画

15.

爇 壇 糵 龗 櫽 欅 襲 : 第 蔣 - ' :癆 一護 、 赤:高層ビル・商業施設 橙:3・4階建て 緑:2階建て・農地 黒:不明

16.

川田さんの事例 用途地域マップ

17.

川田さんの事例 用途地域マップ

18.

3. 生徒のアイデアに基づいた地図の利活用 当初想定していた訳ではないが, ①教科書に記載されている地図・情報を 地理探究の授業活動において,生徒自身が作成・再検討 ②次年度の授業において,学習する際に活用 という流れで活用し続けることが可能 探究活動では,先輩が作成した地図を後輩が囲んで, 解釈を議論することができる。

19.

4. おわりに 何のために? ・地理教員の採用は増えた? →都内私学は,ほぼ変わらない ・地理探究は,そもそも開講される? →都内私学は,開講されない学校が多数 ・地理探究は,受講者がどれだけいるのか不明 「学び合う」ためには,具体的な議論が不可欠。 とはいえ,いきなり他校と合同はハードルが高い。 →先行研究である,先輩のレポートをもとに 議論を行うことならば,ハードルは限りなく低い。

20.

4. おわりに *一斉授業では,読図に偏りがち。 小学校では地図を作成する機会があるが, 中学・高校と地図を作成する機会は非常に限定的。 ・生徒自身が「模写」し,「作成」することが 課題の種を探す,探究の第一歩「探」にあたり, 作成を踏まえた,「再検討」は,先行研究への再検討。 「究」の活動と言えるのでは? <評価>ペーパーテストという形ならば, 作成したことを踏まえた上で,読図によって評価