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August 15, 26
スライド概要
はじめまして、yukikoと申します。 IT教育支援や、DX推進が可能です。 ◆ スキル LPIC レベル2 AI / Python Splunk BI(データ可視化・分析) ◆ その他 新卒・未経験の学生向けに、エンジニア転職を応援する資料を趣味で作成しています。 もしよろしければご活用ください。
システム開発 非機能要件 × セキュリティ Why / What / How で学ぶ 実践学習資料 ISO/IEC 25010 | IPA 非機能要求グレード 2018 | OWASP ASVS | NIST SP 800-53 / 800-63 うさうさ研修工房| YUKIKO 査読済み論文・公式標準ドキュメント準拠
WHY なぜ非機能要件が失敗プロジェクトを生むのか 機能要件は満たしていても、性能・可用性・セキュリティが原因で「使えないシステム」になるケースは後を絶たない 手戻り・炎上プロジェクト 契約・責任範囲の紛争 本番障害・機会損失 要件定義で非機能を扱わず、開発後半〜 リリース後に性能未達・障害が発覚し大規 模な作り直しが発生 「言った・言わない」の水掛け論となり、ベン ダーとユーザ企業間の訴訟・追加費用トラ ブルに発展 可用性設計の不備によるサービス停止は、 直接的損失に加え顧客信頼の毀損という 形で長期化する Why|非機能要件が問われる理由 2
WHY ビジネス・法令面のインパクト 顧客信頼とブランド毀損 コンプライアンス・監査対応 障害・情報漏えいは報道され、顧客離反・株価下落など定量化しづ らい損失に直結する 個人情報保護法、業界ガイドライン等でセキュリティ・可用性の説 明責任が求められる 調達・RFPでの説明責任 運用チームの疲弊 官公庁・大手企業の調達では非機能要求グレードに基づく合意形 成が事実上の標準になりつつある 非機能要件の未整理は、リリース後の場当たり的対応・属人化・離 職リスクを高める Why|非機能要件が問われる理由 3
WHAT 機能要件と非機能要件の違い 機能要件( Functional) システムが「何をするか」を定義 • 画面・帳票・業務ロジック • 入出力データの仕様 • 利用者から見える振る舞い 非機能要件( Non-Functional) システムが「どれだけ良く動くか」を定義 • 性能・拡張性、可用性 • 運用性、セキュリティ • 移行性、環境・エコロジー • ISO/IEC 25010・IPA非機能要求グレードで体系化 出典:ISO/IEC 25000シリーズ用語定義(ソフトウェア品質要求評価:SQuaRE)に基づく整理 What|非機能要件の全体像 4
WHAT ISO/IEC 25010:ソフトウェア品質モデル 国際標準が定める品質特性。2011年版は製品品質8特性・利用時品質5特性、2023年改定で構成が再編された 1 2 機能適合性 5 3 性能効率性 6 信頼性 4 互換性 7 セキュリティ 使用性 8 保守性 移植性 2011年版 製品品質モデル 8品質特性・ 31副特性(利用時品質は別途 5特性・11副特性)| 2023年改定でISO/IEC 25002・25010・25019に再構成 What|非機能要件の全体像 5
WHAT IPA非機能要求グレード 2018:6大項目 大項目6・中項目35・小項目118・メトリクス238。ユーザ企業と開発企業の認識齟齬防止を目的とした実務ツール A. 可用性 B. 性能・拡張性 運用時間・目標復旧時間・稼働率 業務量、性能目標値、リソース拡張性 D. 移行性 E. セキュリティ 移行時期、移行方式、リハーサル What|IPA非機能要求グレード アクセス制限、データの秘匿、監査 C. 運用・保守性 運用時間、バックアップ、監視・保守 F. システム環境・エコロジー 耐震、環境負荷、法令制約 6
WHAT 深掘り①:可用性 × 性能・拡張性 可用性 Availability • • • • 運用時間(24時間無停止/夜間停止 等) 目標復旧時間(RTO)/目標復旧時点(RPO) 稼働率(99.99%/95%等の目標値) 障害許容性(冗長構成・フェイルオーバー) What|非機能要件 深掘り 性能・拡張性 Performance • • • • 業務量(同時アクセス数・データ量の見積り) 性能目標値(応答時間、スループット) リソース拡張性(スケールアップ/アウト) 性能品質保証(負荷試験、監視指標) 7
WHAT 深掘り②:運用・保守性 × 移行性 運用・保守性 Operability • • • • 通常運用(監視・バックアップ方式) 保守運用(パッチ適用、リリース手順) 障害時運用(一次対応・エスカレーション) サポート体制(問合せ窓口、SLA) What|非機能要件 深掘り 移行性 Migration • • • • 移行時期(一括/段階移行のスケジュール) 移行方式(並行稼働、切替リハーサル) 移行対象(データ・プログラム資産の棚卸し) 切り戻し計画(ロールバック手順) 8
SECURITY 深掘り③:セキュリティ非機能要件 IPA非機能要求グレードE項目:前提条件の明確化から始まり、防止・検知・回復の3層で整理する アクセス・利用制限 データの秘匿 ネットワーク制限、利用者制限、アクセス経路の制御 重要情報の暗号化、通信経路の暗号化(TLS等) 不正監視・検知 証跡管理・監査 不正アクセス検知、ログ監視、インシデント対応体制 アクセスログ、証跡の保存期間、監査対応 セキュリティ|非機能要件としてのセキュリティ 9
SECURITY OWASP ASVS:アプリケーションセキュリティ検証標準 設計・開発・脆弱性診断で参照される、検証可能なセキュリティ要件の国際標準( OWASP財団策定) Level 1 Level 2 Level 3 最低限の防御 標準的な検証 最高レベルの保証 全Webアプリ共通の基礎ライン。ブラックボックス 診断で検証可能。OWASP Top10相当の重大脆弱 性を排除 機密性の高い業務データを扱うアプリ向け。ソー スコードレビューを伴う深い検証が必要 医療・金融・重要インフラ等、侵害時の影響が極 めて大きいシステム向けの最高水準 認証カテゴリはNIST SP 800-63Bのデジタルアイデンティティガイドラインと整合。PCI DSS要件6・ISO/IEC 27001附属書A.14ともマッピングされる セキュリティ|国際標準 10
SECURITY NIST SP 800-53 / SP 800-63:組織横断の統制基準 SP 800-53:セキュリティ管理策 SP 800-63B:デジタル認証 • • 米国NIST策定、連邦情報システム向け統制カタログ 機密性・完全性・可用性を保護する管理策群 • • パスワード長・複雑性ポリシーの具体的指針 多要素認証( MFA)導入の推奨 • ASVS・ISO/IEC 27001・PCI DSSとも相互マッピング • 認証情報のハッシュ化・ソルト保存の要求 • 民間組織もリスク低減の指針として任意採用可能 • 自動化攻撃(クレデンシャルスタッフィング等)対策 セキュリティ|国際標準 11
HOW 非機能要件の定義プロセス 1 2 3 4 ヒアリング テーラリング レベル選定・合意 文書化・契約反映 業務量、想定利用者数、法令・契 約制約を確認 238メトリクスから対象プロジェクト に必要な項目を絞込み 重要項目から優先し、ユーザ企業 と要求レベルをすり合わせ 要件定義書・RFP・契約書に非機 能要求を明記 出典: IPA「非機能要求グレード 2018 利用ガイド(利用編/解説編)」に基づく標準プロセス How|実践プロセス 12
HOW グレード表を用いたレベル合意の実践 3つのモデルシステム:社会的影響度が「小」「中」「大」の 3グレードで主要項目の目安を提示し、自社システムの位置づけを素早く把握でき る 優先順位付け レベル=目安と心得る 判断根拠を記録 「プロジェクト目標への重要度」「システム全体へ の影響度」「技術的実現可能性」の3軸で評価し、 拮抗時はコスト増を伴う項目を後回しに 238メトリクスのレベル選択=要件定義の完了で はない。難易度の視認性を高めるための参考情 報として扱う 「なぜこのレベルにしたか」を記録し、後工程での 手戻り・認識齟齬の再発を防止する How|実践プロセス 13
HOW セキュリティ要件の実装・検証フロー 設計 開発 テスト 運用 ASVS Levelを選定し、対象カテゴリ を要件定義書に反映 認証・アクセス制御・暗号化を実装 (SP 800-63B準拠) ASVSチェックリストに基づく脆弱性 診断・ペネトレーション ログ監視・インシデント対応・継続 的な統制評価(SP 800-53) How|実践プロセス 14
まとめ: Why × What × How WHY 機能要件だけでは事業は守れない。信頼・法令・コストの観点から非機能要件は経営課題 WHAT ISO/IEC 25010とIPA非機能要求グレードの 6大項目が、検討すべき範囲を体系的に示す HOW テーラリング→レベル合意→文書化、そして ASVS/NIST基準に基づくセキュリティ検証を反復する 面白きこともなき世を面白く うさうさ研修工房
REFERENCE 参考文献・出典 1 ISO/IEC 25010:2011 / 2023, Systems and software Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE) — Quality models 2 独立行政法人情報処理推進機構( IPA)『非機能要求グレード 2018』利用ガイド(利用編・解説編)、グレード表 3 OWASP Foundation, Application Security Verification Standard (ASVS) v5 4 NIST Special Publication 800-53 Rev.5, Security and Privacy Controls for Information Systems and Organizations 5 NIST Special Publication 800-63B, Digital Identity Guidelines: Authentication and Lifecycle Management 6 経済産業省 委託事業『システム及びソフトウェア品質の見える化、確保及び向上のためのガイド』 本資料はうさうさ研修工房(ALJ Education Plus株式会社)が上記公的標準・公式ドキュメントを基に編集した学習教材です。最新版は各発行元の公式サイトをご確認ください。 参考文献 16