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August 27, 26
スライド概要
本コラムでは、製造業のシステムに関係する閏秒について解説しています。
現在の1秒はセシウム原子の振動で定義され、地球自転の揺らぎを調整するために閏秒が導入されてきました。しかし、閏秒はコンピュータシステムでエラーを引き起こすなどの問題があり、負の閏秒の可能性も指摘されています。
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お 役 立 ち コ ラ ム 閏秒?閏時 間 ? 株式会社東興電機製作所 作成:I Tサービス部 / 社内システム担当
2026年10月の国際度量衡総会に閏時間導入(実質的な閏秒の廃止)の議案が上程される見込みというニュースがありました。* システム関係者なら一度は気にしたことがある「閏秒」(うるう秒)。一般生活においても、 数年に一度は「閏秒」が挿入され、 そのたびにニュースになってきました。 「閏秒」廃止についての議論がされ、最終的には閏時間導入という形で落ち着く形になったようなのですが、「閏時間」ってなんだよ! っていうお話が今回のコラムです。 システム関係者にとっては朗報ともいえる「閏秒」廃止。 お気軽な読み物としてお読みいただければ幸いです。 *: 共同通信社記事 https://news.yahoo.co.jp/articles/b3ec74a28b6e06d46db2ce2d7dea09df13a5ef82
まず「1秒」と「閏秒」の定義から 現在の「1秒」はセシウム133原子が放つ電磁波の振動を「9,192,631,770回」数える間に経過する時間と定義されています。 一方、地球の自転による一日は、地球の自転速度の揺らぎによって変動します。 そのため、原子時計で計測した1日(86400秒)と地球の1日とは差異が発生する可能性があるわけです。 1972年1月1日 0:00に世界協定時間(UTC)が現在の「1秒」の定義を利用するように改定されました。 その改定以降、実際の天文台などの観測で得られる地球の自転から求められる時刻との 差異が±0.9秒以内になるように調整するために「閏秒」が設けられました。
閏秒の弊害 閏秒は原子時計と実際の地球の自転による時刻との差異を調整するという意味では、理解できる調整なのですが、 世界でコンピュータが多く利用されるようになり、閏秒の弊害も現れるようになってきました。 閏秒挿入のタイミングでは、様々なシステムのログには x月x日 8:59:60 (JST) xxxxxxx といった普段現れないログが残るわけです。このログが次々と種々のシステムに連携したり、時間計算で利用されたりするわけです。 閏秒を想定していないシステムでは、エラーになったり、正しく時間処理ができなかったりという問題点が簡単に 想像できると思います。 → 実際、過去の閏秒挿入のタイミングではコンピュータシステムに影響を及ぼしています。
負の閏秒!? 1972年1月1日以降 閏秒は全部で27回実施されていますが、すべて正の閏秒の追加という形で実施されてきました。 (すなわち 8:59:59→8:59:60→9:00:00 という普段存在しない8:59:60という1秒が追加される形) 実はこのまま閏秒の定義のまま行くと2020年代から2030年代に「負の閏秒」が追加される予測もありました。 (すなわち 8:59:58→9:00:00 となり、普段存在する8:59:59という1秒が存在しなくなる形) 過去に一度も実施されていない「負の閏秒」はさらに大きな混乱を引き起こす可能性があります。 閏秒廃止に向けて 閏秒挿入の際のコンピュータシステムへの影響が大きくなり、過去経験のない負の閏秒が予測される中、 閏秒廃止の議論がなされてきました。 ただ逆に閏秒がなくなると困るシステムも存在します。 現行の天体観測や(衛星の方向を向き続けるための)アンテナ制御などは、UTCと実際の地球上の自転による時刻との 差異が1秒以内であることを前提としているため、閏秒が無い状態で時差が大きくなると問題となる可能性もあります。 専門家による様々な議論を経て、 2026年10月の国際度量衡総会に閏時間導入(実質的な閏秒の廃止)の議案が上程されることとなりました。
第28回国際度量衡総会(2026年10月)の決議案(閏時間の導入) ・連続したUTCは、2027年5月20日に発効する。 ・地球の自転による時刻とUTC(世界協定時刻)との最大値を3600秒(1時間)とすることにより、 UTCが数世紀にわたる長期連続性を保つようにする。 という決議案が上程され、実質的に現行の閏秒が廃止されることとなります。 閏時間の挿入は数千年先のことと予想されていますので、皆様の記憶から閏秒というものは無くなっていくのでしょうね。 システム管理者としては、「閏秒」の心配をしなくてよくなったのですが、 天体としての地球の時刻とUTCの時差は大きくなる可能性が高くなったわけです。 ------------ 最後までお読みいただきありがとうございます。 いかがでしたか?聞きなれない「閏時間」追加のニュースは このような背景があったようです。