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June 30, 26
スライド概要
米国が2026年4月に鉄・アルミ・銅への追加関税率を変更する大統領布告を行い、英国や米国での精錬・鋳造の場合は関税が軽減されます。このため、企業はサプライチェーン上の精錬・鋳造拠点を調査しています。一方で、中国は鉄鋼・アルミ・銅の生産で世界シェアが大きく、供給網において重要な位置を占めています。2026年6月に中国商務部が公布した「産業チェーン・サプライチェーン安全調査工作弁法」や、域外規定を含む新たな法律により、国内外の企業が罰則対象になる可能性が出てきました。事業者は各国の規制動向を常に注視し、適切に対応する必要があります。
医療機器の受託製造サービスを提供している企業です。
今回はアメリカの関税とサプライチェーンに関してのお話です。 アメリカの1962年通商拡大法232条に関して、2026年4月2日に鉄鋼、アルミ、銅への追加関税率などを変更する 大統領布告が発表されました。 鉄・アルミ・銅の精錬・鋳造国が英国・米国であった場合、追加関税率が軽減されます。 そのため、サプライチェーン上の企業に対して、鉄・アルミ・銅の精錬・鋳造(溶解・注湯)国の調査があった企業も多かったと思います。 ここで、サプライチェーン上に中国企業があった場合に関して、注意が必要というのが今回のテーマです。 株式会社東興電機製作所 ISO運営委員会 / 化学物質管理担当
鉄鋼・アルミ・銅の世界生産量ランキングを振り返ってみると、中国が大きな地位を占めています 2025年の粗鋼の世界ランキング*は 1位 中国 96081万トン 2位 インド 16481万トン 3位 EU 12598万トン 4位 アメリカ 8194万トン 5位 日本 8067万トン 中国が世界シェアの50%以上を占めている状況です。 2022年 アルミニウムの生産量** 1位 中国 4021万トン 2位 インド 410万トン 3位 ロシア 4位 カナダ 中国が世界シェアの55%以上を占めている状況です。 2022年 銅の生産量*** 1位 チリ 533万トン 2位 ペルー 245万トン 3位 コンゴ民主共和国 4位 中国 ここでも中国が上位に入っています。 やはりサプライチェーンにおける中国の位置付けは大きいですね。 引用: *JETRO https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2026/0401/7d1080d3ba6dcfaa.html ** GlobalNote https://www.globalnote.jp/post-14669.html *** GlobalNote https://www.globalnote.jp/post-1845.html 株式会社東興電機製作所 ISO運営委員会 / 化学物質管理担当
ここで、中国のサプライチェーンに関する法律のお話になります 中国商務部は2026年6月22日、「産業チェーン・サプライチェーン安全調査工作弁法」(商務部公告2026年第24号)を発表し、即日施行*しました。 これは、2026年4月に公布された中国国務院令834号『産業チェーン・サプライチェーンの安全に関する国務院の規定』に深く関係しています。 簡単に言えば、中国が関係するサプライチェーンの調査や変更を行った際に、当局が安全を損なうと判断した場合は(中国国内の企業だけではなく) 中国国外の企業でも罰することができるという内容です。 ・アメリカ関税のために、生産国の調査を行いたい ・中国が生産国のために、サプライチェーンの調査さえ違法となる可能性がある という板挟みの状況が発生しうる訳ですね。 近年中国では、域外規定**を伴う法令を次々と発表しています。 そのため、中国国外にある企業・個人でも注意を要するケースが増えてきています。 顕著な例として最近ニュースになっているのは、2026年7月1日から施行される民族団結進歩促進法***です。 中国(台湾・香港・ウィグル自治区等も含む)の民族の団結に関する法律で、こちらも域外規定が盛り込まれているため、 世界の報道機関・人権団体からも懸念の声が出ている状況です。 参照:*JETRO https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/c068f232431392f1.html **:域外規定 国外の企業・個人に対して法的責任を適用すること ***:朝日新聞記事(Yahooニュースより) https://news.yahoo.co.jp/articles/4390c754d6a4954bb97ab315a163b9768e945aad 株式会社東興電機製作所 ISO運営委員会 / 化学物質管理担当
最後に 各国の法律や規定・関税の内容などを調査・順守するのは事業者として重要な役割ですが、各国の法律の間で板挟みになる ケースも出てきます。 世界のサプライチェーン上の大国が、自国の産業を保護しようとしている部分もあるかとは思いますが、 様々な産業が、世界中の色々な部分でつながっている以上、常に各国の規制動向には注意を払っておきたいですね。 株式会社東興電機製作所 ISO運営委員会 / 化学物質管理担当