自治体向けオープンデータ基礎2026

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May 24, 26

スライド概要

自治体のみなさんが異動などにより初めてオープンデータに取り組むにあたって読むとよさそうな資料です。

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「デジタルと、なにか」を日々考えてます。座右の銘は #まあすわりなよ 。 山形巧哉デザイン事務所 / Code for Japan / 国際大学GLOCOM客員研究員 / 道マスク研究家 https://yamagatadesign.co.jp/

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各ページのテキスト
1.

自治体向けオープンデータ基礎 2026年版 山形巧哉 合同会社 山形巧哉デザイン事務所 一般社団法人 Code for Japan

2.

オープンデータを知る前に 本資料は自治体のオープンデータに初めて携わる方々に向けた資料となります。 いきなりオープンデータについて知る前に、前提となる言葉の意味を知っていきましょう。まず、知るべきは以下 となります。 その後順をおってオープンデータについて知っていきましょう。 • データと情報の違い • 公開と公表の違い

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データとは データと情報は同じもの? データとは数値等の羅列であり、未加工の詳細であるといわれます。一方で、情報とは、データに文脈 + 解釈 + 意味を加えたものだといわれます。 データは”記録”、情報は”判断できる形になったもの”といえばわかりやすいかもしれません。 事実・記録・数値=データ 情報=インフォメーション 事実や数字、測定値など、未加工の詳細 であり、特定の意味をなさないもの データを組織化、解釈、または処理され て意味を持つようになったもの

4.

公開とは 公開と公表の違いはなにか 「公表」は情報を発表して知らせることを指し、内容を見せることが中心です。一方「公開」は、誰でも見たり取 得したりできる状態にすることを意味します。公表は“知らせる行為”、公開は“開かれた状態にすること”に重点が あります。 公開=オープン 公表=パブリッシュ 情報やデータを「見せる」だけでなく、利用可 能な状態にするニュアンスがある 発表・告知すること。PDFで報告書を掲載など 「見てください」という状態

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これらを踏まえて オープンデータとは=みんなが自由に見たり使ったりできるデータのこと オープンデータと言っても、視点によっていろいろな考え方があります。しかし、基本的な概念としては、OKF (Open Knowledge Foundation:知識のオープン化を推進する国際的な非営利組織)で定義*1されているところの 「オープンの定義」に従うデータのことをオープンデータと言うことが多いです。 ● 誰でも利用でき、アクセスできる ● 誰でも再利用と再配布ができる ● 誰でも使える さらに、オープンデータを語る上で欠かせないものが ● 行政の保有するデータ です *1 2025/1確認 OPEN DATA HANDBOOK https://opendatahandbook.org/guide/ja/what-is-open-data/

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オープンデータ×行政 オープンガバメント 「透明性・国民参加・協業」の3原則に基づき、「開かれた政府」を築く取組 行政が保有するデータをオープンデータとする背景には、「オープンガバメント」を推進するという世界的な流れ があります。 ● ● ● 2009年1月に米国で「透明性とオープンガバメント」と題する覚書を契機にオー プンガバメントの取組が世界的に加速 透明性 オープンガバメントでは政府の持つデータを積極的に開示することが基礎となる ため、この取組と合わせてオープンデータも推進されてきた。 Transparency 2013年、英国ロック・アーンで開催されたG8(当時)サミットで「オープンデータ 憲章」が合意され、各国によるオープンデータが推進されることとなった。 オープンガバメント このような経緯で日本においてもオープンデータがより推進されています。 国民参加 協業 Participation Collaboration オープンデータ研修テキスト© デジタル庁 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 4.0 国際)【https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/】を改変して作成

7.

WEBサイトと何が違うのか 行政はすでにWEBサイトに情報を公表・アクセスできるのではないか 前述のとおり公表と公開は異なる考え方です。 確かに様々な情報はWEBサイトに公表されていますが、 基本的に著作権制度の観点から、 利用が制限されるデータとなり厳密に公開されていると はいえません。 オープンデータは、公表した情報が 「誰でも自由に利用できるようルールを明確」に 設定されていることが必要となります。

8.

メジャーなオープンデータライセンス クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 2002年、米国の非営利団体クリエイティブ・コモンズ(以下CC)によって、オープンなライセンスが作成されました。 CCライセンスは複数種類あるため、オープンデータでは以下の3つのいずれかが適しています。 いかなる権利も保持しない 作品の商用利用を 許可するか CC0 オープンデータでは この3種類を使用する 許可する 許可しない 改変を許可するか 許可する 表示 (CC BY) 表示-非営利 (CC BY-NC) 許可するが ライセンスの条件は継承 (SA) 表示-継承 (CC BY-SA) 非営利-継承 (CC BY-NC-SA) 許可しない (ND) 表示-改変禁止 (CC BY-ND) 表示-非営利-改変禁止 (CC BY-NC-ND) オープ ンデータ研 修テキスト© デジタ ル庁 クリエ イティブ・ コモンズ・ ライセンス (表示 4.0 国際)【https://crea tivecommons.org/licenses/by/4 .0/】を改変 して作成

9.

日本の行政であれば利用可能なオープンデータライセンス 公共データ利用規約(第1.0版)(PDL1.0) CCライセンスは、同じ条件で公開されているコンテンツ同士であれば組み合わせて利用しやすいメリットがありま すが、多様なコンテンツに対し一律にCC BYで二次利用を認めるのが困難という課題もあります。 これに対応するものとして、デジタル庁ではCC BYと互換性のあるライセンスとしてPDL1.0が用意されました。 • CC BYではコンテンツの再配布や組み合わせに関する著作権表示の方法などについて専門的な条件が定められてるが、 PDLは一般の利用者に分かりやすい平易な表現で作成 適用と柔軟性 • 一律にCC BYで二次利用を認めるのは困難であるため、できるだけ多くの国のコンテンツに適用できるものとして設計 誤認防止の明確化 • 編集・加工した情報を、あたかも地方公共団体等の公的機関が作成した未加工のままであるかのような態様で公表・利 用してはいけない旨を明記 • PDLの利用ルールは日本法に基づいて解釈 コンテンツの提供主体である国や地方公共団体と、コンテンツの利用者との間で訴訟が発生した場合の管轄裁判所を提 供主体の所在地の裁判所とする 平易な表現 準拠法と合意管轄 • 国の多くの府省では利用規約として現在PDL1.0を採用しています

10.

行政はわざわざ情報として公表しているのに なぜ情報では無く”データ”なのか 行政が伝えたい解釈を届けるためではなく 社会(住民・企業・研究者など)の側が 自由に検証・再解釈・再利用できるように するためです。 行政が情報を公表するだけでは、社会は行政の解釈を受 け取る側にとどまります。しかし、データとして公開さ れることによって、社会が自ら解釈し、検証し、組み合 わせ、新しい価値や公共サービスを生み出すことが可能 となります。 だからこそ、情報を公表するだけでは無く、データを公 開することが重要となります。 理想としては、人が理解するための情報と、社会が再利用するための データをセットで公開することかもしれません

11.

政府の基本指針でも オープンデータは「機械が使えるデー タ」として求められている オープンデータは、政府の「オープンデータ基本指針」でも 二次利用でき、機械判読に適し、無償で利用できる データとして整理しています。 つまり、WebページやPDFで人が読める形にするだけでは十 分ではありません。 社会が再利用し、システムやAIが処理できる形で公開されて いることが重要です。 近年の改正でも、生成AIなど機械処理による活用を見据え、 機械可読性や検索性の向上が重視されています。 参照 デジタ ル庁 オープ ンデータ基 本指針の概 要 https://www.digita l.go .jp/resource s/open_data

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データの活用先としての生成AI 生成AIは公開データを「使う人」を増やす では、機械が判読するとは、具体的にどのようなことで しょうか。その代表的な例が前述の生成AIです。 生成AIの登場によって、データは専門家だけが利用・分 析するものではなくなりました。 住民・コミュニティ・企業・研究者・行政職員が、自然 な言葉でデータに問いかけ、要約・比較・可視化・アイ デア化できるようになってきています。 たとえば、子育て施設、公共交通、人口統計、予算、イ ベント情報などのデータが公開されていれば、生成AIは それらを組み合わせて、目的に応じた回答やサービスの 材料を作ることができます。

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生成AIで活用するからこそ 「綺麗なデータ」として公開する必要がある 生成AIは便利ですが、公開されているデータが曖昧だっ たり、古かったり、形式がばらばらだったりすると、正 しく活用できません。 AIが間違った解釈をしたり、存在しない情報を補ってし まったり、比較や集計ができなかったりする原因になり ます。 そのため、オープンデータは単に公開されているだけで は少々物足りません 人間にとって読みやすい資料だけでなく、AIやシステム が正しく読み取れるデータとして公開することが、これ からの活用の前提になります。

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綺麗なデータに自治体が取り組みやすくするために まずは「自治体標準オープンデータセット」に合わせる 綺麗なデータとは、ID、項目名、単位、更新日、対象期間、位 置情報などが明確で、機械が読み取りやすい形で整理されてい る必要があります。 オープンデータを進めるとき、自治体ごとに項目名や形式がば らばらだと、利用者は横断的に比較・検索・分析しにくくなり ます。 デジタル庁では、自治体が公開しやすく、利用者も活用しやす いように、公開ニーズの高いデータについて、準拠すべきルー ルやフォーマットをまとめた「自治体標準オープンデータセッ ト」を示しています。 これは、自治体がゼロから項目や形式を考えるためのものでは なく、まず何を、どの形で公開すればよいかを考えるための実 務的な手がかりにもなります。 参照 デジタ ル庁 自治体 標準オープ ンデータセ ット(正式版) https://www.digita l.go .jp/resource s/open_data/municipa l-standard-da ta-set-te st

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綺麗なデータを継続して公開するために 手作業ではなく、業務システムから出せるようにしていく しかし、現在のオープンデータは、職員が表計算ソフトで整形したり、 既存資料から転記したりして作成されていることも少なくありません。 手作業による作成は、担当者の負担が大きく、更新漏れや形式のばら つきが起きやすくなります。 また、人事異動や業務繁忙によって、継続的な公開が難しくなる場合 もあります。 だからこそ、綺麗なデータを継続して公開するには、業務システムの 改修や更新のタイミングで、外に公表できるデータとして出力できる 仕組みを考えておくことが重要です。

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まとめ 「公開して終わり」ではなく「使われ続ける仕組み」にしていく 行政が情報を公表することは大切です。 しかし、オープンデータの目的は、それだけではありません。 住民、企業、研究者、行政職員が、同じデータをもとに、 検証し、組み合わせ、新しいサービスや政策の改善につなげていく ことに意味があります。 生成AIの登場によって、データを活用できる人はさらに広がります。 一方で、AIやシステムが正しく使うためには、 形式、項目、更新日、ライセンスなどが整ったデータが必要です。 継続的に使われるオープンデータにするためには、 手作業に頼るのではなく、業務システムから自然に出せる仕組みを 考えていくことが重要です。

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おまけ:価値創造としてのオープンデータ 数字だけでなく、地域の記憶もデータになる オープンデータというと、統計表や施設一覧、CSVなどを想像しが ちですが、公開する価値があるのは数値データだけではありません。 古い写真、地図、広報紙、歴史的文書、文化財資料、地域の記録な ども、適切な権利処理を行い公開することで、教育、観光、研究、 地域学習、コンテンツ制作などに活用できる資源になります。 たとえば、昔の街並みの写真や歴史資料がオープンデータになると、 地域教材、観光案内、デジタルアーカイブ、まち歩きアプリ、生成 AIによる解説サービスなどにつながる可能性があります。 オープンデータは、行政の透明性を高めるだけでなく、地域に眠っ ている知識や記憶を、社会が再利用できる資産に変える取り組みで もあります。 地域の記憶を未来に活かすための基盤にもなります アートとしての側面も強い時層写真

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参考リンク オープンデータの基本・制度 本資料とともに以下のリンク先をぜひ参考にしてください 名称 URL デジタル庁「オープンデータ」 https://www.digital.go.jp/resources/open_data 公共データ利用規約(PDL1.0) https://www.digital.go.jp/resources/open_data/public_data_license_v1.0 自治体標準オープンデータセット https://www.digital.go.jp/resources/open_data/municipal-standard-data-set-test オープンデータ取組の質評価指標・研修資料 https://www.digital.go.jp/resources/open_data/materials-for-learning オープンデータ100 https://www.digital.go.jp/resources/data_case_study e-Govデータポータル https://data.e-gov.go.jp/info/ja Open Data Handbook 日本語版 https://opendatahandbook.org/guide/ja/what-is-open-data/ Open Definition 日本語版 https://opendefinition.org/od/2.1/ja/ クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは https://creativecommons.jp/licenses/ G8 Open Data Charter https://opendatacharter.org/resources/g8-open-data-charter/

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