自治体管理職向け デジタルトランスフォーメーション(DX) ステップ0研修

5.8K Views

June 24, 24

スライド概要

1. **デジタルトランスフォーメーションの定義と重要性**:
- DXとは業務プロセス、文化、顧客体験を根本から変えること。
- ITやデジタル技術を活用し、効率化や価値創造を通じて顧客満足度や競争力を向上させる。

2. **社会の変遷とデジタル技術の役割**:
- Society1.0からSociety5.0への進化(狩猟社会から超スマート社会)。
- デジタル技術が社会に与える影響とその重要性について。

3. **自治体DXの具体的取り組み**:
- 自治体のフロントヤード改革、情報システムの標準化・共通化、公金収納のeLTAX活用、マイナンバーカードの普及、セキュリティ対策、AI・RPAの利用、テレワークの推進などの重点事項。
- デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地域社会のデジタル化やデジタルデバイド対策。

4. **管理職の役割**:
- 明確なビジョンを示し、チームと対話し、モチベーション向上・維持を図る。
- プロジェクト管理、リソース管理、進捗管理、KPIの設定。
- 無駄な作業の削減、オープンなコミュニケーション、労働環境の改善。
- デジタル分野におけるジェンダーアンバランスの是正。

5. **推進手順書とスケジュール管理**:
- 自治体DXの実施に向けた具体的な手順書(標準化共通化手順書、オンライン化手順書)の存在。
- スケジュール管理の重要性とその実践方法。

6. **地域との協力と共創**:
- 競争ではなく共創を重視し、地域や他の自治体との協力の重要性。
- 住民や職員と対話しながら進めることの重要性。

資料全体を通じて、デジタル技術を活用して自治体がどのように変革し、地域社会の発展を図るかについて詳細に説明されています。

profile-image

「デジタルと、なにか」を日々考えてます。座右の銘は #まあすわりなよ 。 山形巧哉デザイン事務所 / Code for Japan / 国際大学GLOCOM客員研究員 / 道マスク研究家 https://yamagatadesign.co.jp/

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

管理職向け デジタルトランスフォーメーション ステップ0研修(初回) 合同会社 山形巧哉デザイン事務所 一般社団法人 コード・フォー・ジャパン

2.

所属 合同会社 山形巧哉デザイン事務所 代表 自治体支援 中小規模団体ネットワークシステム 一般社団法人 コード・フォー・ジャパン 教育系ネットワークシステム 中小規模団体デジタル政策・戦略支援 理事等 (株)HARP エグゼグティブアドバイザー 観光・ワーケーション 地域デジタル活用・アーカイブ (一社) コード・フォー・ジャパン (一社) 北海道オープンデータ推進協議会 理事 企業支援 (一社) モリラボ 理事 研究機関等 国際大学GLOCOM 客員研究員 公立はこだて未来大学 アソシエイト その他 山形巧哉 YAMAGATA TAKUYA デジタル庁 オープンデータ伝道師 自治体案件支援 職員研修(自治)

3.

みなさんの考える デジタルトランスフォーメーション とはなんでしょう

4.

DXとは何か みなさんが考えたDXやDXされたサービスはどんなものだったでしょうか? 一般的にDXとは… – 業務プロセス・文化・顧客体験を根本か ら変えること – 従来の業務モデルや戦略を再構築し、 効率化・価値創造し、顧客満足度や競争 力を向上させること と言われますが…イメージがつきずらい デジタルを横に置いといて トランスフォーメーションの例を確認しましょう

5.

狩猟社会 農耕社会 工業社会 情報社会 超スマート 社会 Society1.0 Society2.0 Society3.0 Society4.0 Society5.0 縄文時代 江戸時代 明治・大正・昭和 平成 令和 車輪 エンジン IT デジタル 文明は常に「なにか」をきっかけにトランスフォーメーションしてきた 今回は『デジタル』を使ったトランスフォーメーション (だが、ITとデジタルは何が違う?)

6.

情報社会 超スマート 社会 Society4.0 Society5.0 平成 令和 デジタル IT+ AI・IoT・データ連携・DXなど によるテクノロジーの社会融合 デジタル ITの社会融合 現代の「デジタル」とは、包括的な技術とその応用を表すため のものであり、テクノロジー自体だけでなく、それが社会に与 える影響を指す用語となっている

7.

工業社会 情報社会 Society3.0 Society4.0 明治・大正・昭和 平成 『寿司』も「大将に注文」から「寿司ロボット」や「回転配膳」「タブレット注文」に変わり・・・

8.

超スマート 社会 デジタル Society5.0 令和 ITの社会 融合

9.

では自治体DXとは?

10.

例えば・・・役所で文書を作成する 工業社会 情報社会 超スマート 社会 Society3.0 Society4.0 Society5.0 明治・大正・昭和 平成 令和 タイプライター パソコン 生成AI CPU データ

11.

例えば・・・役所の広報活動 工業社会 情報社会 超スマート 社会 Society3.0 Society4.0 Society5.0 明治・大正・昭和 平成 令和 マスメディア ネット マルチチャンネル CPU データ ワンソース・マルチユース

12.

もちろんこれらもDXだが 各論である 区市町村としては 総論を把握する必要がある

13.

では自治体DXとは何か デジタル社会形成基本法 により作成された デジタル社会の実現に向けた重点計画 を自治体として実現する取り組み ※デジタル・ガバメント実行計画は2021年12月に廃止

14.

デジタル庁 https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program

15.

では自治体DXとは何か デジタルの活用で一人ひとりの幸せを実現するための計画 重点計画において特に地方公共団体が重点的に取り組む べき事項を整理、具体的に示したもの 自治体DX推進計画 推進計画に示される取組みは、それ ぞれが相互作用するものであるが、 スケジュール感などで2つに分類し眺 めると面白い 期限DXと継続DX 自治体DX推進計画 1. 自治体DXの重点取組事項 1. 2. 自治体フロントヤード改革の推進 自治体の情報システムの標準化・共通化 3. 4. 公金収納における eLTAX の活用 マイナンバーカードの普及促進・利用の推進 5. 6. セキュリティ対策の徹底 自治体の AI・RPA の利用推進 7. テレワークの推進 2. 自治体DXの取組とあわせて取り組むデジタル 社会の実現に向けた取組 1. デジタル田園都市国家構想の実現に向けたデジタル実 装の取組の推進 2. 3. 地域社会のデジタル化 デジタルデバイド対策 4. デジタル原則を踏まえた条例等の規制の点検・見直し 3. 各団体において必要に応じ実施を検討する取組 1. BPR の取組の徹底 2. オープンデータの推進・官民データ活用の推進

16.

では自治体DXとは何か DXを進めるための全体的な具体手順 計画や工程作成の重要性 人材育成や組織構成、外部人材の活用 実施することの重要性 推進計画 推進手順書 全体手順書 なお、期限DXにおいては具体的な「手順書」が準備され ており、全体手順では自治体におけるDXの実施のための 手順、残る2つには以下の期限DX実施の手順が示されて いる。 標準化共通化手順書 1-2自治体の情報システムの標準化・共通化 オンライン化手順書 1-1自治体フロントヤード改革の推進 1-5セキュリティ対策の徹底 2-4デジタル原則を踏まえた条例等の規制の点検・見直し 3-1BPR の取組の徹底 自治体システム標準化共通化に関する 具体手順 標準化共通化手順書 (地方公共団体情報システム の標準化に関する法律) システムのオンライン化やBPR、セ キュリティ、条例規則の見直し オンライン化手順書 (デジタル手続法)

17.

では自治体DXとは何か 特に期限DXはスケジュール感がしっかり出ていることから、庁内実施スケジュールを 定め進捗管理をする。計画を立て、進捗管理を行うことで現状の把握も行いやすくなり、 また、良い補助メニュー等が出た時に瞬発力が生まれる。 スケジュール管理は2種類必要。俯瞰して見て考えられるものと各論の作業タスク

18.

では自治体DXとは何か この、「どの団体でもやらなければならない期限DX」を着実に進めていると、 現段階で出来上がっている成果の順序は以下のとおりである 1. 自治体DX推進計画の作成 2. オンライン申請拡充や窓口業務改革 • BPRの実施も含む 3. 条例・規則の改正 • 押印見直しも含む 4. 自治体情報システムの標準化・共通化に関する何らかの取り組み 5. セキュリティポリシーの見直しやネットワークの再設計に関する取り組み 区市町村においては、現段階で自団体の進捗と見比べ、状況判断することをお勧 めしている。

19.

ここまでが 『自治体DX 』であるが 実はこれだけじゃ無い (期限DX)

20.

デジタル田園 都市国家構想 デジタル田園都市国家構想基本方針(R4.6.7閣議決定)で定めた 方針にのっとり、まち・ひと・しごと創生法に基づく戦略が決 定された。 本構想内では「地域におけるDXの徹底による デジタル田園都市国家構想の実現」が示されて おり、多くの分野で自治体の取組みが求められ ている ここが継続DXと 見ることもできる

21.

期限DX 重点計画 (デジタル社会形成 基本法) 推進計画 3-2オープンデータの推 進・官民データ活用の推進 標準化共通化手順書 共通 継続DX (官民データ活用推進基本法) 推進手順書 1-2自治体の情報システム の標準化・共通化 1-6自治体のAI・RPAの利 用推進 1-7テレワークの推進 2-2地域社会のデジタル化 2-3デジタルデバイド対策 全体手順書 2026(R7年度 末).3を目指す (自治法と地方税法) (デジタル整備法) 1-3公金収納における eLTAX の活用 DX事例集 1-4マイナンバーカード の普及促進・利用の推進 標準化事例集 オンライン化手順書 (デジタル手続法) (地方公共団体情報システムの 標準化に関する法律) この他デジタル 庁でガバメント クラウド移行手 順書などあり 1-1自治体フロントヤー ド改革の推進 3-1BPR の取組の徹底 1-5セキュリティ対策の 徹底 2-4デジタル原則を踏ま えた条例等の規制の点 検・見直し 2026(R8).9を目指す 2030年に向けた考え 外部人材ガイド 2-1デジタル田園都市国家構想の実現に 向けたデジタル実装の取組の推進 デジタル田園都市国家構想 総合戦略 (まち・ひと・しごと創生法) 国・地方ネットワークの 将来像及び実現シナリオ に関する検討会報告書 アナログ規制マニュアル (アナログ規制を定める個別法) 推進計画に記載されている取組の 期限DXと継続DXの根拠や手順書の相関(2024.6) 引用:自治体DXという意識改革 ヨシモトアキヒラ https://note.com/akhysh/n/n3901a667f8d9の整理を参考に山形 作成 「2030 年頃を見据えた情 報通信政策の在り方」最終 答申

22.

国 ここでいう 地域とは自治体域 の集合体 地域 自治体 地域 自治体 自治体 自治体 さらにその集合が国となる 自治体 自治体 圏域の持続(を求めるならば)の ためにも、本来なら 競争 共創 なのでは? 近隣区市町村とちゃんと会話ができてるか 人口の取り合いだけをしてどうするのか 自治体同士が着実に取り組む必要がある 地域 自治体 自治体 自治体

23.

ここまでが いわゆる 自治体DX これは流行りでは無く、地域も巻 き込んで今進めようとしていること である 自団体で「なにが・どこまで」進 められているのか、改めて振り返 るのも重要である 1. 自治体DXの重点取組事項 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 自治体フロントヤード改革の推進 自治体の情報システムの標準化・共通化 公金収納における eLTAX の活用 マイナンバーカードの普及促進・利用の推進 セキュリティ対策の徹底 自治体の AI・RPA の利用推進 テレワークの推進 2. 自治体DXの取組とあわせて取り組むデジタル社会の実 現に向けた取組 1. デジタル田園都市国家構想の実現に向けたデジタル実装 の取組の推進 2. 地域社会のデジタル化 3. デジタルデバイド対策 4. デジタル原則を踏まえた条例等の規制の点検・見直し 3. 各団体において必要に応じ実施を検討する取組 1. BPR の取組の徹底 2. オープンデータの推進・官民データ活用の推進

24.

管理職の役割?

25.

管理職の役割 昭和・平成の制度の踏襲をしていてはいけない 昭和・平成 令和 多くを伝えず背中で語る 叱咤激励 反復という修行をさせ 24時間戦わせる 明確なビジョンを示しチームで対話・会話 モチベーション向上・維持 無駄な作業からの解放 労働環境の改善

26.

管理職に求められる役割 • ビジョナリーとなる –あるべき姿を描き、さらにその解像度をあげる • あるべき姿と現状のギャップを明確にし、担当する職員と共有する。 • 方向がブレないよう、ビジョンを常にチームに対して伝える • ズレが生じたら、対話し、最も良い方向を共に考える –状況の判断と判断のための情報収集 • 正確な状況判断のためには情報が不可欠。さまざまな情報を収集し、分析す る必要がある –対話 • 住民・管理職同士・首長などと、対話し、街の方向性についてビジョンを明確 にする

27.

管理職に求められる役割 • プロジェクトの管理を行う –進捗をしっかり管理する • 計画をもとにプロジェクトが進捗しているか、目標に向かって効率的に進んで いるかを管理 • プロジェクトに必要なリソース(人員、予算、設備など)もあわせて管理 • 進捗状況の監視により、プロジェクト遅延のリスクを発見する –コミュニケーションのハブ • プロジェクトの進捗状況を関係者に報告し、フィードバックを受け取る役割を 果たす –目標達成の確保 • プロジェクトのKPIを作成し、進捗に応じて指示や支援を行う

28.

管理職に求められる役割 • 職員のモチベーション向上や維持 –なぜその仕事をするのか意義を明確にすると仕事はしやすい • 「こなす」のでは無く「創る」 • 意義がなければ人は簡単に辞める時代に突入 –空前の売り手市場になっていることを認識する –「公務員は安定しているから」という価値観では人が働かない時代に –失敗を恐れない、恐れさせない –「金がない」をやめる • 金がないと言われると全ての思考が停止する • お金がないことはみんなわかっている。お金を見つけるのも管理職の仕事 • お金がかかる=悪では無く、有効に使えているかどうか、である

29.

管理職に求められる役割 • 無駄な作業を増やさない・増やさせない –とにかく引き算し業務の簡略化する –昭和平成時代のしきたりからの脱却 • 無駄な報連相 • 使いもしない書類を作成 –よりオープンに • 仕事や情報を抱え外に出さないことによる既得権を作らない作らせない • オープンになると誰でもアクセスできるようになり無駄な作業がへる • オープンにできるものできないものを明確化する必要性 –すなわちこれがガバナンスにつながる

30.

管理職に求められる役割 • 労働環境の改善 –職員のライフスタイルの多様性を尊重す る時代 • すでにフルタイム時代は終わりを告げ始め ている –働きやすい環境づくり • テレワークを始め、本気で取り組み始めて いる自治体が多い 特に、デジタル人材はパラレルワーカーも多く、セキュ アな環境が求められている –テレワークは行政にそぐわないという話を聞 くが、それは研究をしていない証拠である –テレワーク=自宅ではない。支所機能再編や、 災害時BCPにもつながっている 情報通信白書 © 総務省 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 4.0 国際)

31.

管理職に求められる役割 • ぜひ人材育成、『デジタル人材is誰』を考えてみてください 引用:令和4年度第3回北海道Society5.0推進会議「デジタル人材育成・確保ワーキンググループ」の開催について より引用 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/8/6/4/4/5/8/4/̲/資料3%20事務局資料v4.pdf

32.

管理職に求められる役割 • 合わせて特に行政内のデジタル分野のジェンダーアンバランスも 議論が必要 –人によって考え方感じ方が違うのに少なくとも女性の視点が入ってな いのはおかしい –ここを皮切りに『みんな』で話をするを当たり前にする –Pwcの記事(https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/corporateresponsibility/our-stories/dx-and-diversity-01.html)や、一般社団 法人Waffle(https://waffle-waffle.org/)をしっかり見てみましょう

33.

最後に

34.

管理職に求められる役割 端的にまとめると、管理職こそ 変化を許容し楽しもう ということに尽きると思います 管理職が旧態依然(変化してるように見えても本質を変えていない) しているような思考の組織では変革は無理です

35.

ご自身がブレーキになってしまっていないか確認する 狩猟社会 農耕社会 工業社会 Society1.0 Society2.0 Society3.0 縄文時代 江戸時代 明治・大正・昭和 赤旗法(1985-1896) 19世紀後半の英国。馬車関連業者の権益を保護するために自動車を規制。 郊外では6km/h、市街地では3km/hの速度制限。自動車は、赤い旗を持って車 両の55m前方を歩く。 赤旗法 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を筆者改変 ChatGPT

36.

ちょっとしたアイデアを 地域・庁内に提案・実施できているか

37.

北海道函館市は民間事業者向けのセミナーを、宮城県仙台市は自治体向 けの展示会を、岡山県倉敷市では圏域自治体との共同勉強会を開催 庄司氏資料を参考に作成

38.

北海道の音更(おとふけ)町では普段利用している電子申請のサイ トを利用して、スマホ手続きの体験ページを作成

39.

福島県西会津町では広報でデジタルトランスフォーメーションを解説

40.

地域が「できないだろう」ではなく やれるようにしていくのが 自治体の役割です

41.

なによりも まちづくりが目的と なっているか 自治であることを忘れない。 街に住み続けるためにデジタル「も」 みんなでどんどん活用しましょう!