ゼロから始めるオープンデータ(北海道内自治体向け)

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September 03, 24

スライド概要

この資料は、北海道向けの「ゼロから始めるオープンデータ」の導入ガイドであり、オープンデータの基本概念、定義、公開手順について説明しています。以下に要約を示します。

オープンデータの概念:

「オープン」とは「開かれた」や「開放的な」という意味であり、行政においても情報やデータをできるだけオープンにすることが求められています。
情報とデータの違いについても触れ、行政はデータから情報を作成しているため、データそのものを提供する重要性が強調されています。
国におけるオープンデータの定義:

国や地方公共団体が保有するデータを、インターネットを通じて誰でも自由に利用できるようにすることがオープンデータの目的です。
オープンデータは、二次利用が可能であり、機械判読に適していて、無償で利用できるものと定義されています。
オープンデータの公開方法:

公開するデータは、ExcelやCSV形式など、二次利用しやすい形式で提供することが推奨されています。
データを公開する際には、自治体の公式サイトやオープンデータカタログサイトを利用し、ライセンスを明記することが必要です。
オープンデータ公開後の影響:

オープンデータは、公開しても利用されているかどうか分からないことがありますが、企業や大学でひっそりと利用されることが多いです。
データの標準化や共有プラットフォームの活用によって、効率的な社会基盤の構築が目指されています。
まとめ:

データを整備し、オープンにできるものはオープンにすることが推奨されています。
公開したデータは定期的にメンテナンスし、システム導入時にはエクスポート機能の標準化も考慮することが望ましいとされています。
この資料は、自治体の職員やオープンデータの導入を検討している担当者に向けた初歩的なガイドとなっています。

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「デジタルと、なにか」を日々考えてます。座右の銘は #まあすわりなよ 。 山形巧哉デザイン事務所 / Code for Japan / 国際大学GLOCOM客員研究員 / 道マスク研究家 https://yamagatadesign.co.jp/

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

北海道向け ゼロから始めるオープンデータ 合同会社 山形巧哉デザイン事務所 一般 社団法 人 コー ド・フ ォー・ ジャパ ン オー プンデ ータ研 修テキ スト© デジ タル庁 クリ エイテ ィブ・ コモン ズ・ラ イセン ス(表 示 4.0 国際 )【https://creativecommons.org/license s/by/4.0/】

2.

所属 合同会社 山形巧哉デザイン事務所 代表 一般社団法人 コード・フォー・ジャパン 理事等 (株)HARP エグゼグティブアドバイザー (一社) 北海道オープンデータ推進協議会 理事 (一社) モリラボ 理事 研究機関等 国際大学GLOCOM 客員研究員 公立はこだて未来大学 アソシエイト その他 デジタル庁 オープンデータ伝道師 山形巧哉 YAMAGATA TAKUYA 自治体支援 中小規模団体ネットワークシステム 教育系ネットワークシステム 中小規模団体デジタル政策・戦略支援 観光・ワーケーション 地域デジタル活用・アーカイブ 企業支援 自治体案件支援 職員研修(自治)

3.

本日の話 データを綺麗に整備しましょう。 そしてオープンできるものは、オープンに しましょう!という話 オープンデータって、簡単にいったらどういうこと?ということと、 その取り組みの意義や効果などをみなさんで確認していきます。

4.

本日のながれ • オープンってなんだろう? • 国における定義 • オープンデータを公開しよう • 公開してどうなるのか • まとめ

5.

オープンってなんだろう?

6.

みなさん オープンと聞いて 何を想像しますか?

7.

みなさんオープンと聞いて何を想像しましたか? • お店の開店や開業(本日9時オープン) • スポーツ(オープン戦) • 態度や思考(オープンな考え) • ざっくりいうと「開かれた」とか「開放的な」というイメージ

8.

オープン クローズ 開放的なオフィス 閉鎖的なオフィス 明るい空間で仕事しやすそう 役所みたいですね

9.

開放的な会話 閉鎖的な会話 あはははははは ヒソヒソ

10.

オープン 開放的だと 明るい クローズ 閉鎖的だと 暗い というイメージ

11.

では、これが 国や役所だったら?

12.

開放的な役所 閉鎖的な役所 何かお困り事ですか? 入っちゃダメ

13.

さらに、行政から提供されるはずの 私たちが 必要とする情報やデータ が 閉鎖的だったらどうでしょう?

14.

開放的な情報 閉鎖的な情報 必要な情報はいつでも見て聞いて お前らには情報なんか見せんやらん

15.

なんかやだ 公共の情報は隠されている と気持ちが良く無い

16.

なので 公共的な情報は できるだけオープンな方が良い というだけの話

17.

さらに

18.

情報じゃ無く データが欲しいと考えている 人たちも多い

19.

情報とデータの違い • 情報 • データ データを組織化、解釈、また は処理されて意味を持つよう になったもの。 事実や数字、測定値など、未 加工の詳細であり、特定の意 味をなさないもの。

20.

本当に欲しいのはデータ 行政はデータから情報を作ってる。だから、情報を作る前のデータ もあわせて提供してほしいなあという話 こっちではなく こっちが欲しい 引用:共に我孫子市の決算書データ https://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/zaisei/opendatekessannsyo.html

21.

データだったら... 生成AIに依頼して、こん なに簡単にグラフ(すなわち情報) を作ったりすることもで きるから嬉しい (自分たちでも使えるし)

22.

オープンデータというと また余計な作業を しなければならないのか!! と、思われがち・・・ですが

23.

情報を作る前の「データ」を 綺麗に整備しておきましょう! そしてオープンできるものは オープンにしましょう! というだけの話

24.

概念がわかったので 次は、国における行政オープンデータの 位置付けや定義を確認していきましょう!

25.

国における定義

26.

法律や国の計画での位置づけ 法的な根拠= 官民データ活用推進基本法 デジタル社会 形成基本法 官民データ活 用推進基本法 まち・ひと・ しごと創生法 デジタル社会 の実現に向け た重点計画 オープン データ基本 指針 デジタル田園 都市国家構想 総合戦略 自治体DX 推進計画 OD取り組みの根拠や 取り巻く状況 本法で自治体はオープンデータへの取組が義務付けられました 以下は現在実施されているデジタル改革に 関係等する法律により言及されている主な箇所 • デジタル社会形成基本法 – 自治体DX推進計画 • まちひとしごと創生法 – デジタル田園都市国家構想総合戦略

27.

定義 国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰 もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布 等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開された データをオープンデータと定義する。 • 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの • 機械判読に適したもの • 無償で利用できるもの

28.

意義 「オープンデータ基本指針」にて、オープンデータに取り組む意義 を、次のとおり整理。 • 国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済の活性化 • 行政の高度化・効率化 • 透明性・信頼性の向上

29.

なによりも 税金で生み出された行政データは公共財であるという認識に立ち、 行政の保有するデータのうち、個人情報や安全保障、 権利侵害等に係るもの以外は公開することを原則と するという考え方 オープンバイデフォルト (Open by Default)

30.

位置付けや定義がわかったので 公開方法を確認していきましょう! オープンデータの

31.

オープンデータを 公開しよう

32.

1. オープンデータとは ホームページでの公開との違い ホームページにデータを公開するだけではオープンデータにはなりません。 ホームページに公開するだけでは、著作権制度の観点から、利用が制限されるデータもあ ります。 オープンデータとするためには、公開したデータを誰もが自由に利用できるようルールを 明確に設定すること、即ち、自由に二次利用可能なルールを適用することが必要です。 ホームページ等で データを公開する 自由に二次利用 可能なルールを 適用する オープンデータ となる 32

33.

2. 二次利用可能なルールの適用とは 二次利用とは ここでいう二次利用とは、元々のデータを利用して、加工・編集・再配布等をすることを 指します。例えば、グラフや地図に加工・編集したり、アプリを作成して公表するといっ たことが挙げられます。 例1 元のデータをグラフに 加工し文書に使用 例2 元のデータをネット上の 地図に編集し公表 例3 元のデータを利用して アプリを作成し公表 4 燃やす ごみ 11 燃やさない ごみ 2 5 9 6 13 月 まも なくX避難 所です 出典(例1,例2):「オープンデータ化支援研修」4ページ(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 4.0 国際) を改変して作成 (https://www.opendata-training.org/wp-content/uploads/material/2_support/2_new/shien_opendata_teigi.pdf) 資源 びん 16 25 7 21 23 4 18 27 出典: http://5374.jp/ 33

34.

2. 二次利用可能なルールの適用とは 二次利用を可能にする利用許諾(ライセンス) ● ● 基本的に日本では、作成した著作物は著作権で保護されます。このため、 著作物を他の人が二次利用するためには、著作者が「こういう条件で利用 して良い」というルールの意思表示が必要です。 自身で独自にこのルールを作成することも可能ですが、日本政府が作成し た、オープンデータにすることに特化した利用許諾(ライセンス)がありま す。これを使用することで、公開データに自由に二次利用可能なルールを 適用することができます。 34

35.

2. オープンデータのライセンス 公共データ利用規約(第 1.0 版) 日本政府で作成されたライセンス ● ● ● 2024年に作成されたライセンスです。 従来の政府標準利用規約(第2.0版)のひな形方 式から参照方式(共通部分は書き換えずにそのま ま参照し、各機関の独自部分だけを記述)に改善 したものです 後述の「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)」と互換性を持ちま す。 出典:公共データ利用規約(第1.0版)(https://www.digital.go.jp/resources/open_data/public_data_license_v1.0) 35

36.

2. オープンデータのライセンス クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 国際的にメジャーなライセンス 2002年、米国の非営利団体クリエイティブ・コモンズによって、バージョン1.0が作成さ れました(2022年8月現在の最新はバージョン4.0)。クリエイティブ・コモンズ・ライ センスは複数種類あるため、オープンデータに適した下の3つのいずれかを選択します。 CC0 著作権を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置く。他のCCライセンスが限定された権利を主 張するのに対し、CC0はいかなる権利も保有しないことを可能にする。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 4.0 国際 (CC BY 4.0) 原作者のクレジット(氏名、作品タイトル等)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目 的での二次利用も許可される。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 - 継承 4.0 国際 (CC BY-SA 4.0) 原作者のクレジット(氏名、作品タイトル等)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセン ス(このライセンス)で公開することを主な条件に、営利目的での二次利用も許可。 出典:「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」「CC0について」(©クリエイティブ・コモンズ・ジャパン CC BY 4.0) を改変して作成 (https://creativecommons.jp/licenses/ , https://creativecommons.jp/sciencecommons/aboutcc0/) 36

37.

2. オープンデータのライセンス クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの種類 ライセンスの種類は以下のとおりです。このうちオープンデータに適したものは前頁の説 明のとおり3種類です。 CC0 いかなる権利も保持しない オープンデータでは この3種類を使用する 改変を許可するか 作品の商用利用を 許可するか 許可する 許可するが ライセンスの条件は継承 (SA) 許可しない (ND) 許可する 許可しない 表示 表示-非営利 (CC BY) (CC BY-NC) 表示-継承 非営利-継承 (CC BY-SA) (CC BY-NC-SA) 表示-改変禁止 表示-非営利-改変禁止 (CC BY-ND) (CC BY-NC-ND) 出典:「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」「CC0について」(©クリエイティブ・コモンズ・ジャパン CC BY 4.0) を改変して作成 (https://creativecommons.jp/licenses/ , https://creativecommons.jp/sciencecommons/aboutcc0/) 37

38.

3. オープンデータとしてデータを公開しよう 公開ステップ オープンデータとしてデータを公開するステップは以下のとおりです。 ステップ 1 ステップ 2 ステップ 3 データを準備する データを公開する 利用許諾を明記する (ライセンス) 38

39.

ステップ1 どのようなデータを準備すると良いか • まずは自治体標準オープン データセットの(再)整備が最 も重要だと考えています –経験上「行政からデータが欲し い!」というニーズのほとんど が自治体標準オープンデータ セットに収束していることが多 いです

40.

ステップ1 • データ公開時は、データの形式にも気を配りたい –データの代表的な形式に以下3種類があります。より望ましいのは、 ExcelやCSVといった二次利用のしやすい形式です。 PDF Excel CSV※ ファイル拡張子: .pdf ファイル拡張子:.xls/.xlsx ファイル拡張子:.csv 「Portable Document Format」の略で、Adobe社が 開発したデータ形式 Microsoftの表計算ソフト 「Microsoft Excel」のデータ 形式 「Comma-Separated Values」 の略で、項目がカ ンマ “,”で区切られた形式 印刷イメージを閲覧できる一 方、プログラムでデータを読 むには適していないため、二 次利用はしにくい 行列でデータを持つ形式のた め、ある程度二次利用はし易 い 特定のアプリケーションを必 要としない形式のため、二次 利用し易い Excelから変換して作成可能

41.

ステップ2 データを公開する • 作成したデータを公開する場所をきめる –自治体の公式サイトの他、オープンデータカタログサイトを利用する こともできる

42.

道内で運営しているオープンデータカタログサイト

43.

ステップ3 • データをアップしライセンス を明記する これだけでオープンデータ として公開完了です

44.

データを公開した後どうなるのかを 確認していきましょう!

45.

公開してどうなるのか

46.

よくこんなことを言われるが・・・ オープンデータを公開しても利用されているかわからない。 はい、そのとおりです ただし、実は企業や大学ではひっそりと利用されていることが多いです

47.

よくこんなことを言われるが・・・その2 基礎情報を使うのが企業ならば、営利を目的とするところに対して なぜ行政がデータを整備をしなければならないのか 人は着実に減っている。行政も企業も人を取り合っている状態 そんななか、データを作成する人件費を考えれば 結果として全ては行政に跳ね返ってきているのである みんなでつくってみんなで使おう

48.

ようするに 相互運用性の高い 社会基盤をつくろう という話である

49.

ココ 出典:デジタル庁「デジタル田園都市国家が目指す将来像について」2ページ(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai 2/siryou2-1.pdf)

50.

現代は無駄が多い このブロック(業務)は同じように見えるが・・・

51.

現代は無駄が多い こんなにちがう。同じようなものであれば 少なくとも標準化したほうが良い

52.

現代は無駄が多い よく見ると同じようなデータを使って いる可能性がある。 であれば共通化した方が良い

53.

現代は無駄が多い 共通化できたなら同じものを使えば良い

54.

現代は無駄が多い 同じものを使うなら、使えるものをもっと増やして 共同のプラットフォームを使えばいい

55.

現代は無駄が多い データの提供側 は一箇所だけ管 理すれば良い 利用者側も一箇 所だけ参照すれ ば良い ※こんなに単純ではありません

56.

特に自治体標準ODSは 準ベースレジストリ的 な要素も大きい 引用 :デジ タル庁 デー タ戦略 推進ワ ーキン ググル ープ( 第6回) 資料 1 http s://ww w. dig ital .go .jp/assets/con tents/nod e/b asic_pag e/fi el d_ref_resource s/62ec4ac2 -783b-4461-8559-df2c5b 3e5592/131f8ce7/2023 0330_meetin g_data_strategy_outl in e_01.pd f

57.

これら相互運用性を高めていった先に

58.

データ連携基盤

59.

なお、データ連携基盤や公共サービスメッシュについては 古くから北海道内のデジタル化に携わっている方々からすると HARP構想 を思い描いていただけると理解が早まります

60.

時間があったら オープンデータ利用例紹介 します

61.

まとめ

62.

本日の話 データを綺麗に整備しましょう。 そしてオープンできるものは、オープンに しましょう!という話をしました

63.

綺麗なデータ 行政はデータから情報を作ってる。だから、情報を作る前のデータ もあわせて提供してほしいなあという話 こっちではなく こっちが欲しい 引用:共に我孫子市の決算書データ https://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/zaisei/opendatekessannsyo.html

64.

オープンにできるものはオープンに 税金で生み出された行政データは公共財であるという認識に立ち、 行政の保有するデータのうち、個人情報や安全保障、 権利侵害等に係るもの以外は公開することを原則と するという考え方 オープンバイデフォルト (Open by Default)

65.

最後に • データの公開後はメンテナンスが重要です • 少なくとも年1回は棚卸しを行いましょう • また、より手作業を無くするためにも、さまざまなシステムを導 入するときはエクスポート機能と、エクスポートファイルのレイ アウトを自治体標準オープンデータセットに合わせるなど考えて みると良いかもしれません

66.

最後に • なお、本研修の資料はデジタ ル庁が公表しているオープン データ研修テキストを改変し、 利用しています。 • ぜひ本編も確認し、かつ次の ステップもご覧ください。 種類 対象 お手軽導入編 オープンデータに未取組の地方公共団 体の職員もしくはオープンデータを初 めて担当する職員 初級編 取組はしているものの、データセット が増えない、更新が無い等の継続に課 題を抱える地方公共団体の職員 中級編 既に取組をしていて、更にオープン データの利活用を進めたい地方公共団 体 ワークショップカ 利活用の方法として具体的なワーク タログ集 ショップを実施したい地方公共団体

68.

あと、ちゃんと DX取り組みましょう!!