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January 19, 25
スライド概要
この資料は、デジタルアーカイブとシビックテック、市民科学の可能性について、特に群馬県前橋市での事例を通じて論じています。主な内容を以下に要約します。
背景
日本全国でデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが進む中、前橋市では「めぶくID」や「データ連携基盤」など、住民福祉の向上を目指す先進的なDX事業を展開。
強制的なデジタル活用ではなく、住民が自然にデジタル技術と触れ合える環境の構築が重要と指摘。
アプローチ
「デジタルアーカイブ」を切り口として地域歴史資産の保存と学びを結びつけ、地域全体でデジタルリテラシーを向上させる試みを実施。
前橋市の事例では、旧市町村の歴史や伝統が消失しつつある課題を解決するため、地域のアーカイブ活動を推進。
実施事例
活動内容:過去の写真と現在の風景を重ね合わせる「時層写真」ワークショップを開催。
地域住民と協力し、古写真を用いて地域の歴史を再発見。
撮影した写真をデジタルツールで保存・共有(例:Google Earth)。
期待される効果:
地域歴史資産のデジタル保存。
大人と子どもの交流促進。
地域への愛着(シビックプライド)の醸成。
成果と課題
子どもや保護者が活動を楽しむ様子が観察され、地域の繋がりや歴史への関心が高まる可能性を確認。
他地域への展開可能性が高いとの評価。
デジタル技術を自然に使いながら地域を学ぶことで、デジタルシティズンシップ教育にも貢献。
結論
地域の歴史とデジタル技術を融合させたアプローチは、地域社会におけるデジタルリテラシーの向上に役立つ可能性がある。
今後の課題は、活動の継続と効果測定。
(生成AIにより作成)
デジタルアーカイブからみるシビック テックと市民科学の接続とその可能性 一般社団法人コード・フォー・ジャパン 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 山形巧哉 客員研究員
© Code for Japan
本日の話の概要 群馬県前橋市において取り組まれている、住民が「地域」をきっかけとしてデジタルを活用 ・学ぶための取り組みを紹介します © Code for Japan
背景 現在日本全国の地方公共団体では、デジタル社会形成基本法により作成されたデジタル社会 の実現に向けた重点計画により、いわゆる「デジタル・トランスフォーメーション」の取り 組みが進められている。 その中、群馬県前橋市においては住民の福祉の 増進のため、デジタル技術とデータの活用を推 進し、住民本位の行政及び地域社会を実現すべ く、「めぶくID」や「データ連携基盤」に 代 表されるような、デジタル田園都市国家構想に おける全国の地方中核都市のモデルとなるよう な先駆的取組を実施している。 © Code for Japan 引用:前橋市におけるDXの取り組み 前橋市 情報政策課
背景 この社会の実現のためには、市全体がデジタルフ レンドリーとなり、より多くの市民のみなさんに デジタル活用がされなければならないが、強制的 な利用は反発と嫌悪感しか生まず、市民のみなさ んの自主性、より自然な環境でのデジタルとのふ れあいが重要となってくる。 どのような形でデジタルと触れ合うのが良いか デジタルの好循環づくり © Code for Japan 引用:前橋市におけるDXの取り組み 前橋市 情報政策課
切り口としてのデジタルアーカイブ 「住民主体」というキーワードの元、より自然なデジタルとのふれあいのアプローチを模索 した際に、合併市町村としての前橋市に着目した。 総務省が発表している「『平成の合併』について(総務省平成22年3月)」においても指摘さ れているが、市町村合併においては、旧市町村地域の伝統や歴史等の継承や喪失に対しての 課題感があり、前橋市のその限りではない。 デジタル社会以前の地域のアーカイブは、自治会活動等により、地域のお祭りなどのイベン トや口伝などにより語り継がれてきたと考えられるが、人口減少や高齢化による規模縮小な どによりアーカイブ活動が難しくなってきている。 © Code for Japan
切り口としてのデジタルアーカイブ 一方で、現代社会に目を向けると、スマートフォンが普及し、稼働年齢層(概ね15-64歳)の ほとんどが写真や映像を撮影できる端末を日頃から持ち歩き、あらゆる世代が容易に地域情 報を写真や映像で保存することができるようになった。 特に、前橋市では学校でのGIGAスクール事業実施に伴い、子どもたちがLTE利用可能なタブ レット型端末を有しており、学校外においてデジタル機器の活用をしやすい状況になってい る。ここに我々は可能性を感じた。 地域の歴史資産+子供xデジタル= 地域全体の自発的な学びにつながるのではないか © Code for Japan
切り口としてのデジタルアーカイブ 対面による活動 シビックテック 地域での教育 取組 デジタル ゲーミフィ ケーション アーカイブ お祭り・祭典・儀式 WEBや 配信・VR 時層写真 従来型 コミュニ ケーション 新たな地域の アイデンティ ティを作成 etc… デジタル 非デジタル 活用 視点 目的 © Code for Japan 作成 地域の歴史資産 『市内の産学官が連携し、共創事業を通じて各産業分野のDXに寄与するとともに、地域で学んだ人材が地域の企業で活躍する 「DX人材育成の好循環づくり」に取り組む』ために地域を存続させ、地域でデジタル人材を育成するアプローチ 8
実施 住民のみなさんの、デジタルスキルの向上が最終 目的であるとしながらも、地域アーカイブを中心 にすえ、地域の学びや、世代間の繋がりをつくる ことができる取り組みを考えた。結果として、地 域の古写真とデジタルツールを活用した「時層写 真ワークショップ」を実施した。 なお、期待した 効果は以下のとおりである。 ● 地域歴史資産のデジタルアーカイブ ● 地域の大人と子どもの交流 ● 地域を学び、それを大切にする。シビックプ ライドの醸成 ● 住民主体 © Code for Japan 時層写真とは過去の写真を今の風景を重ね合わせ写真にとるという撮影手 法で、慶應義塾大学環境情報学部教授の石川初氏が名付けたものを、呼称 として利用している。地域住民と協働しながら過去の写真を今の風景と重ね 合わせて 撮影することで、共通フォーマットとして当時の情景などを想起させ うる情緒を含んだ写真を撮影地の位置情報でマッピングしていく。制作物自 体が地域の共有資料になるとともに、このプロセス自体を共創的芸術活動 (アートプロ ジェクト)のようにも機能させることができる。
実施 ● ● ● 2023年2月19日 13:00-15:30 前橋市宮城鼻毛石地区 (旧宮城村) 内容 ○ 地元の方から昔の風景や出来事につい ○ ○ ○ © Code for Japan てレクチャー 昔の写真をヒントに、そこに映る風景 が現在のどこにあたるのか、を探しな がらまちあるき 時層写真の撮影 撮影した写真をWeb地図(Google earth)へマッピング
実施 参加者は地域の町内会の方々、小学 生とその親、また他地域からの参加 もあり。鼻毛石地区を3班(1班およ そ6名程度)に別れおよそ1時間程度 のフィールドワークを実施。 時層写真を撮るためにGIGA端末 や、スマホなどを活用して全員で撮 影していた。 © Code for Japan
実施 実施後、本イベントの期待する効果や開催まで の流れなどは全て資料として取りまとめられ、 市役所のWEBサイトにおいて公開されてい る。これにより、他地域においても同様な取り 組みを地域住民が主体的に実施しやすくなるこ とを期待している。 © Code for Japan https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/seisaku/johoseisaku/gyomu/7/37138.html
まとめ フィールドワークでは、子供は写真を撮るということが楽しかった模様。効果そしてすぐ測 れるものではないが、地域の大人と一緒に歩き、その場所の昔話を聞くことは、今後の地元 愛につながる可能性があるのではないか。 今回は一緒に参加されていた子供の付き添いであった親のみなさんがいきいきし、また会話 が弾んでいたのが特徴的であった。地域の昔話と写真という媒介のもと、自身の子供の頃を 思い出し、子供に伝え、それをデジタルツールで手触りのある成果をつくることはもシビッ クプライドの醸成に繋がっていくものだろう。 市役所が介在してはいるものの、写真集めや場所決定には住民のみなさんの自主性にお任せ していたが、総じて満足度は高かったと考えられる。 © Code for Japan
まとめ 本来の趣旨としてのデジタル活用については、子供から写真の撮り方のアドバイスをうける などし、それによって、スムーズなデジタル活用につながる可能性も十分にあった。 他地域から参加された方からはぜひ自分たちの地域でもやってみたいというポジティブな意 見もいただいた。これにうより、住民が「地域」をきっかけとしてデジタルを活用・学ぶ効 果があると可能性が高いと考えられる。 また、地域の歴史資産+子供xデジタルにより、地域全体のデジタルリテラシーやデジタルに 対してしっかりと興味を持つことは、デジタルシティズンシップ教育の一端も担うものであ ると考えており、今後継続した効果測定ができたらと考えている。 © Code for Japan
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