Azure 無料リソースだけでアプリ作ってみた

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September 16, 23

スライド概要

Japan Azure User Group(JAZUG) 13周年イベントの登壇資料です。

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Microsoft MVP for Microsoft Azure/ Azure, .NETのWebアプリケーションエンジニア / 技術情報発信・勉強会実況アカ /

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各ページのテキスト
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Azure 無料リソースだけで アプリ作ってみた Japan Azure User Group 13周年イベント 2023/09/16(土) 御成門プログラマー(Tomotaka Suzuki)

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自己紹介 名前:御成門プログラマー(Tomotaka Suzuki) 受賞: Microsoft MVP(Microsoft Azure) 2023年6月~ 技術: Microsoft Azure, .NET, Angular X(Twitter) : @onarimonprogram 技術ブログ : onarimon.jp グルメブログ: food.onarimon.jp

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2023年6月 Microsoft MVP(Microsoft Azure) 受賞

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Azure の無料リソース(プラン)を使いたい 無料で使用できる Azureリソースを使ってできる限りコストを下げたいですよね。 Azure を使いたいけど予算の上限がある。 最初はスモールスタートで始めたい。 個人で従量課金で使っているけど、料金が気になる。 まずは無料でどんな動きをするのか触ってみたい、勉強してみたい。 おこづかいはなるべく減らせないという方。 → Azure に用意されている無料のサービスを使ってみよう!!

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Azure の無料サービスについて Azure無料サービスは2種類あります。 試用版(12か月無料サービス) 初めて Azure を登録する方限定。Azure利用開始から12か月間無料で使えるサービス。 過去にAzureアカウントを持っていない、もしくは12か月無料サービスを受けたことがない新規のユーザー 限定 常時無料にはないサービスも無料で使用できる。 使用できるSKUや使用量に制限、上限がある。 常時無料サービス Azure を利用している方、すべて使用可能。 使用できるSKUや使用量に制限、上限がある。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/free-services

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無料製品を探す Microsoft の公式ページに無 料の製品のリストが公開され ています。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/free-services

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Azure 無料サービスについて注意事項 本スライドは2023年9月時点の情報を元に作成しております。無料サービスの対象や 制限事項などが変更される可能性もあるのでご利用前にご自身でご確認ください。 Azure 無料サービスは、契約形態によっては無料として適用されない可能性などもご ざいます。 利用方法や状況によっては料金が発生する可能性もございます。 無料サービスだけでは、Azureのすべての機能が使えないため、様々なリスクとなる可 能性もありますので、そちらを許容した上でお使いください。

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無料リソースだけでアプリケーションを構築してみた 今回は「常時無料サービス」だけを使用して構築してみる。 App Service Plan(Freeプラン) データ閲覧者 App Service (フロントエンド) App Service (API) Azure AD External Identities (Azure AD B2C) データ登録者 Static Web Apps (Freeプラン) API Management (従量課金) Functions (Managed) Cosmos DB

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(Demo)作ったアプリケーションを動かしてみる 登録者側のStatic Web Apps を使ったフロントの画面からデータをCosmos DBに登録 登録したデータを閲覧者側の App Service に乗っている画面から確認。

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Azure App Service Azure App Service Plan → Freeプランが存在 1つのプランで10個のアプリ、 1GBのディスク容量のコン ピューティングリソース →性能を考えなければフロントエンドや バックエンドなどが無料で複数アプリ積 める。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/app-service/windows/

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Azure Static Web Apps 100GBの帯域幅、 アプリあたり 0.25GBのストレー ジが無料 App Service には なかったカスタムド メインの設定が可 能 マネージドAzure Functions は従量 課金プラン。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/app-service/static/

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Azure Functions 従量課金プラン Azure Functions 従量課金プランは1秒当たりのリソースの使用量と実行回数ベース の課金。 サブスクリプションあたり月次100万回の実行と400,000 GBのリソース消費が無料。 但し、Azure Functions 作成時に同時に作成される Azure Storage Account の料金とネットワーク料 金がかかるので注意。 無料提供は有料の従量課金プラン サブスクリプションのみ適用。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/functions/

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Azure API Management Consumptionプラン サブスクリプションあたり、100万回のAPI操作まで無料※ サブスクリプションの契約によって無償にならないパターンがありそう。 Azure Functions みたいに有料の従量課金プランのみかもしれない。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/api-management/

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Azure Cosmos DB Cosmos DB は使用した1秒あたりの要求ユニット(RU)、ストレージ容量、帯域幅など の要素で課金される。 Cosmos DB Free レベルがある。 毎月1,000 RU/秒 のプロビジョニング済みスループットと25GBのストレージが無料。 サブスクリプションで1つの Azure Cosmos DB アカウントにのみ有効。 価格 - Azure Cosmos DB | Microsoft Azure

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Azure AD B2C 月間アクティブユーザー数(MAU)に基づいた従量課金。 Premium P1、Premium P2 問わず「毎月5万MAU」までは無料。 Enterprise Agreement 契約でも無料分あり。 SMS/電話ベースの多要素認証は有料 Go-Local データ所在地 という有料アドオンの設定が初回設定項目にあるので注意。 料金 - Active Directory 外部 ID | Microsoft Azure

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リザルト 果たして0円で運用できたのか?

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リザルト 何気なく作った Application Insight の料金が13.36円発生してしまい、0円構築失敗… 作ってみないとわからないコストはやはりある。

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無料リソースだけでアプリケーションを構築してみた 今回は「常時無料サービス」だけを使用して構築してみる。 ¥13.36 App Service Plan(Freeプラン) Application Insight ほぼ¥0 データ閲覧者 ほぼ¥0 ほぼ¥0 App Service (フロントエンド) App Service (API) ほぼ¥0 ほぼ¥0 Azure AD External Identities (Azure AD B2C) データ登録者 API Management (従量課金) ほぼ¥0 ほぼ¥0 Static Web Apps (Freeプラン) Functions (Managed) ほぼ¥0 Cosmos DB

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無料リソースで訪れる限界

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無料リソースで訪れる限界 実際作ってみるとわかるけど、運用環境を無料で構築するのは難しい。 Freeプラン系はSLAがない(Azure App Service) 運用に必要な機能が使えない、かゆいところに手が届かない 性能が実運用には耐えられない セキュリティ機能が最低限のみ (Microsoft Defender for Cloud、Azure Application Gateway、Azure Front Door などは無料ではほぼ 使えない) 基本的なアクテビティログなどのログ以外の Apprication Insight などのログ機能が使えない そもそも Azureリソースは無料でも、アプリケーション構築や運用などで人件費がかかることを 忘れてはならない。 無料リソースを使うことでトータルコストが本当に安くなるかは考える必要がありますね。

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Azure 無料リソースはどんな人向き? Azure を触ったことがない人がまず気軽に触れるリソース 趣味や個人、スタートアップなど少ない予算からスモールスタートしたい方 無料リソースの範囲内で充分な要件の場合 ハンズオンなどの不特定多数の方が作る場合のリソース 無理に使おうとすれば、なにかしらの問題に直面するはず。 無料リソースから必要な部分に投資して拡大していこう。

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最後に 今回はほぼ0円で構築するシリーズ。 今回はまだ実装できておらず紹介できていない機能があるので発信する機会があれ ばと思っています。 ○○円以下で構築するシリーズなども面白そうだなって思っています。