Mojivator平均化手法を用いた手書き練習システムによる書写行動の変化の観察

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June 01, 17

スライド概要

これまで私たちは,練習に対するモチベーションを維持しつつ手書き文字の練習を行うことができるシステムMojivatorを実装し短期実験を行ってきた.今回は長期的に実験し,長期的な練習でもモチベーションや書写技能に効果があるのかを検証し考察した

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

Mojivator 平均化手法を用いた手書き練習システムによる 書写行動の変化の観察 明治大学総合数理学部 久保田夏美 斉藤絢基 中村聡史 鈴木正明

2.

はじめに 手紙や芳名帳,年賀状など 手書き文字を書く機会は多く コミュニケーション手段の一つ として使われている これらにおいて 手書きされたものが良いと思う 12 0% 0% % 8 9割弱 文化庁調べ 手書き文字に対して好意的に捉えている人が多い

3.

はじめに 文字に関する検定多数存在 • ペン字講座 • 書写技能検定 手書き文字を綺麗に書けるようになりたい 思っている人は少なくない

4.

問題点 筆跡の恒常性 大人になるにつれて,その人自身の字のクセや個性が 身についてしまっている→字形を変えるのは難しい 手書き文字の練習(なぞり,模写) 単純作業で飽きやすい 練習のモチベーションを保ちながら 書写技能を向上させるのは容易ではない

5.

提案手法 Mojivator Moji (文字) + Motivator (動機付け) 長期的に継続可能な形で ユーザの書写技能を向上させるシステム (久保田 2016)

6.

提案手法 Mojivator Moji (文字) + Motivator (動機付け) 楽にストレスなく字が綺麗になる 練習支援システム (久保田 2016)

7.

Mojivator ユーザが書いている文字をリアルタイムに融合し提示

8.

お手本文字との融合方法 ❶ ストロークの点の座標データを取得 ❷ スプライン補間 (点間の距離を短くする) ❸ フーリエ級数展開により数式化 お手本 ユーザ ❹ お手本とユーザを加重平均化 お手本×α + ユーザ×(1ーα)

9.

お手本文字との融合方法 http://satoken.nkmr.io/2015/Char2Fourier/convert.html

10.

お手本文字との融合方法 ❶ ストロークの点の座標データを取得 ❷ スプライン補間 (点間の距離を短くする) ❸ フーリエ級数展開により数式化 お手本 ユーザ ❹ お手本とユーザを加重平均化 お手本×α + ユーザ×(1ーα)

11.

融合割合ごとの変化 お手本×α + ユーザ×(1ーα) ユーザ 0.0 お手本 0.2 0.4 0.6 お手本に近づいていく! 0.8 1.0

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システム内容 ①ユーザが書いている時 →ユーザ自身の点列を表示 ②1つのストロークを入力し終わる →融合割合を使って 加重平均化したストロークの提示 ※1つのストロークが決まってからでないと 数式が確定できない

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Mojivator

14.

短期実験(1日)(WISS2016より) 1.字形・書写技能 2.練習に対するモチベーション がどのように変化するのか 模写とMojivatorで比較

15.

実験手順(WISS2016より) 丸文字 角文字

16.

実験結果(WISS2016より) 練習前 お手本 練習後 0.0 字形が少しだけ変化 →自身の文字が変化した という感覚はない 0.5 お手本により近づく →自身の書写技能の向上 を実感

17.

実験結果(WISS2016より) 練習前 お手本 練習後 0.0 0.5 字形が少しだけ変化 →お手本に近づいたとは 言い難い 字形が大きく変化 →自身の書写技能の向上 を実感

18.

短期実験(1日)(WISS2016より) 字形に大きな変化はないが技能向上を実感 モチベーションを保ちつつ書写技能向上できた システムに初めて触れたから モチベーションの維持に影響したのでは?

19.

長期実験(1ヶ月間) 1.字形・書写技能 2.練習に対するモチベーション が長期的に練習しても向上・維持するのか なぞり書きとMojivatorで比較

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実験内容 実験協力者 期間 :8人(男性6,女性2) :1ヶ月間 20回使用 お手本文字 :バランスのとりにくい漢字18文字,ひらがな 18文字の計36文字をランダムに割り当て練習 してもらう 手書きフォント(春夏秋冬)をなぞって作成 都・糸・文・を・も・す など…

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実験システム Mojivatorモード モード選択画面 なぞり書きモード

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Mojivatorモード

23.

なぞり書きモード

24.

練習セットのカウント方法 Mojivator 3ページ(18文字)で 1セット なぞり書き 1セット

25.

練習回数のカウント方法 Mojivator それぞれのモードを 最低1セット行い 納得するまで繰り返す なぞり書き 両方のモードを行ったら 1回の練習

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テスト・アンケート テスト 紙とタブレット上で指定の文字を枠内に書いて もらう アンケート -2 〜 2 の5段階評価で回答 ①自身の書写技能の向上をどの程度実感したか ②練習は単純作業と感じたか ③練習をこの先も練習したいと思うか 書写技能・モチベーションの変化を観察

27.

テスト・アンケートを 行ったタイミング 1 2 3 4 5 6 テスト … 10 11 12 13 14 15 … 18 19 20

28.

テスト・アンケートを 行ったタイミング 1 テスト 2 3 4 5 6 テスト アンケート … 10 11 12 13 14 15 … 18 19 20

29.

テスト・アンケートを 行ったタイミング 1 テスト 2 3 テスト アンケート 4 5 6 テスト アンケート … 10 11 12 13 14 テスト アンケート 15 テスト アンケート … 18 19 20

30.

テスト・アンケートを 行ったタイミング 1 テスト 2 3 テスト アンケート 4 5 6 テスト アンケート … 10 11 12 13 14 テスト アンケート 15 テスト アンケート テスト アンケート 全5回 全4回 … 18 19 20

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実験手順 1.モードを選択 2.練習 3.テスト・アンケート なぞり書き Mojivator 5回に1回実施 納得するまで繰り返す

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練習に対する モチベーション観察 練習に対するモチベーションの変化をみるため 練習回数 (最低1回) ユーザが指定した 融合割合 モードを選択する 順番 これらは自由に設定可能

33.

実験結果 1.書写技能の変化 タブレット・紙上でのテストより 2.モチベーションの変化 練習中の行動記録,アンケートより

34.

実験結果 1.書写技能の変化 タブレット・紙上でのテストより 2.モチベーションの変化 練習中の行動記録,アンケートより

35.

タブレット上の字形の変化 テスト 字の癖が練習によって 修正されている

36.

紙上の字形の変化 テスト Mojivator { テスト なぞり {

37.

タブレットと紙の字形の比較 タブレット上 紙 タブレット上 紙 お手本 1回目 5回目 同じような 字形の変化が起こっている タブレット上の練習でも 効果があると言えるのでは

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書写技能の変化の結果まとめ Mojivatorでの練習 なぞり書きと同様,字形が変化し書写技能が向上 ひらがなのほうが漢字よりも変化が大きかった →画数が少なくて余白が大きい 提示した際の変化量が大きくてユーザに影響した可能性 なぞり書きと同等の有用性がある

39.

実験結果 1.書写技能の変化 タブレット・紙上でのテストより 2.モチベーションの変化 練習中の行動記録,アンケートより

40.

融合割合の値の変化

41.

融合割合の値の変化

42.

融合割合の値の変化

43.

融合割合の値の変化 融合割合の値を 高い値と低い値を繰り返す 高い値で練習して,変化をみる 低い値で文字の練習 高い値でお手本に近づくのを 楽しんでいた

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融合割合の値の変化 融合割合の値を だんだんと低くしていく 自身の字のどこが変化 されているのか見ながら練習 変化箇所を意識して練習 練習の方法をユーザ自身で ルーチン化していた

45.

どちらのモードから練習を始めたか なぞり書きから練習を始めた ユーザが多かった 最初にどちらの練習で 始めたかでルーチン化された 単純作業であるなぞり書きを 早く終わらせたいという気持ち が働いたと考えられる (練習回数)

46.

単純作業と感じたか なぞり書きを単純作業と感じた人 Mojivator • • 自由に書ける リアルタイムに反応が ある →同じ行為を続けてい るように思わない 8/8人 単純作業によるモチベーションの減少といった問題の解決

47.

結果(モチベーション) 融合割合の値の変化 ユーザ自身でストレスがかかりにく練習方法 を設定可能 どちらから練習を始めたか・単純作業か Mojivatorの方が練習をしたいというモチベーションが 高かった 従来の練習方法よりもストレスが少なく 練習に対するモチベーションがあがった

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書写技能が向上したと思うか Mojivator 4回のアンケート全てで Mojivatorの方が評価が高い • 補正されている感覚が少なく なってきた • 自身の文字を見返したときに 文字のバランスが整っていた と実感した Mojivatorでの練習は書写技能の向上を実感しやすい

49.

この先も練習したいと思うか なぞり書き ただなぞってるだけで 練習している意識になれない Mojivatorを低い評価に する人がいなかった Mojivator 練習して字が綺麗になって いると実感できたから 練習して綺麗になっているという実感が モチベーション維持につながった

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結果(モチベーション) Mojivatorでの練習 字がお手本に近づいているという実感が持てる 自分のストロークを書けるため,ストレスによる 負荷がかかりにくい 練習の際の自由度が高く,単純作業と感じにくい 長期的にMojivatorで練習しても モチベーションを保つことができる

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まとめ Mojivator モチベーションを保ちながら手書き文字の練習を行うこと を目的とし,ユーザが書いた文字をリアルタイムに融合し 提示する練習システム 長期実験 :なぞり書き(従来の)練習と同等の書写技能向上 練習に対するモチベーションの向上がみられた 今後の予定:Web上で実装・アプリケーション化して 多くの人がMojivatorで手軽に練習できる ようにする

52.

実験協力者Fの重ね合わせ

53.

前 後

54.

一定の割合で練習した人

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割合変動型ユーザ 前 後

56.

割合変動型ユーザ