化粧フローチャートに基づく美容系YouTuberの動画推薦手法の検討

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January 15, 24

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HCI206での登壇発表スライド

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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1.

化粧フローチャートに基づく 美容系YouTuberの動画推薦手法の検討 髙野沙也香 中村聡史(明治大学)

2.

背景 SNSにおける 美容情報や化粧のチュートリアル動画の人気上昇 • 10~30代のコスメ情報の収集場所 第1位 [TesTee Lab, 2020] • 美容系YouTuberの情報を参考にしている 第1位 [LIPS labo, 2023] →同研究室の女子学生78%が化粧動画の視聴経験あり 2

3.

背景 SNS上には膨大な数のメイク動画が存在する チャンネル登録者数 上位5位の美容系YouTuberの動画本数 計 4518 本 3

4.

A B 4

5.

背景 自身と似た化粧工程の方が取り入れやすい 化粧工程の類似度などに基づいて 化粧動画を推薦するようなサービスはない 5

6.

Make-up FLOWの提案(HCI200) 髙野 沙也⾹, 梶⽥ 美帆, 濱野 花莉, 中村 聡史. Make-up FLOW: 個⼈差・状況差の⼤きい化粧⼯程の構造化と忘れやすさに関する調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-200, No.18, pp.1-8, 2022. 6

7.

Make-up FLOWの提案(HCI200) 部位 アイテム テクスチャ 4つ分岐条件 • 気合い(あり・なし) • 季節(夏・冬) • 外出時間(長い・短い) • 化粧時間(長い・短い) 7

8.

化粧工程の類似度算出手法の検討(HCI204) =Aぃ0 =Aぅ2 =Bお1 =Cき1 =Eず0 類似度算出手法 • 標準化レーベンシュタイン 距離 • N-gram頻度に基づいた コサイン類似度 Aぃ0Aぅ2Bお1Cき1Eず0 髙野 沙也⾹, 中村 聡史. 化粧フローチャートに基づく⼤学⽣・⼤学院⽣の化粧類似度推定, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2023-HCI-204, No.8, pp.1-8, 2023. 8

9.

目的 類似度に基づいた化粧動画推薦の 実用性を検証する 9

10.

美容系YouTuberの 化粧工程データセット構築 10

11.

データセット構築 • 実験協力者は著者を含む女子大学生・大学院生4名 • 1人の美容系YouTuberにつき2ジャンルの動画を Make-up FLOWを用いて化粧フローチャート化する ①日常用のメイク ②特別なメイク 例)毎日,時短 例)盛れる,詐欺,ライブ 美容系YouTuber53名の103個の動画を書き出した →日常用のメイク53個,特別なメイク50個 11

13.

美容系YouTuberの動画推薦実験 13

14.

実験概要 • 実験協力者は女子大学生・大学院生5名 →定期的に自身の化粧フローチャートを作成 • 各実験協力者と美容系YouTuberの 化粧フローチャートの類似度を2手法で算出 • 実験協力者ごとに各類似度算出手法で 類似度が高い/やや低い動画を各2本ずつ計8本を推薦 14

15.

実験概要 • 動画1本ごとに動画に関するアンケートに回答 動画の評価値 1. 参考になった程度(5段階) 2. 紹介されたテクニックの取り入れ意欲(2段階) 3. 自身の化粧工程との主観的な類似度(5段階) • 実験後には実験協力者に関するアンケートに回答 15

16.

結果 類似度の高さと動画に対する評価値間の関係性 評価値順位 標準レーベン順位 N-gram順位 動画① 1位 12位 73位 動画② 2位 56位 43位 8位 … … … … 動画⑧ 103位 89位 スピアマンの相関係数 *参考度*0.5 + 取り入れ意欲*0.3 + 主観類似度*0.2 16

17.

結果 類似度算出手法ごとの相関係数 標準レーベン N-gram頻度 0.23 0.01 共に相関が無い 17

18.

結果 化粧工程の前半/後半を用いた相関係数 • 前半:ベースメイクや眉メイクなど基本的な工程 • 後半:チークやハイライトなど仕上げの工程 標準レーベン N-gram頻度 前半 0.38 0.01 後半 0.18 0.01 18

19.

結果 化粧工程の前半のみを用いた相関係数 A B C D E 標準レーベン N-gram頻度 0.32 0.28 0.64 0.39 -0.07 -0.37 0.12 -0.48 0.88 0.22 19

20.

結果 化粧工程の前半のみを用いた相関係数 ベースメイクの仕方や, アイメイクのことなど参考になった A B C D E 標準レーベン N-gram頻度 0.32 0.28 0.64 0.39 -0.07 -0.37 0.12 -0.48 0.88 0.22 20

21.

結果 化粧工程の前半のみを用いた相関係数 特に新しい知識がなかった。 この人の元が良すぎる A B C D E 標準レーベン N-gram頻度 0.32 0.28 0.64 0.39 -0.07 -0.37 0.12 -0.48 0.88 0.22 21

22.

考察 • 両類似度算出手法ともに相関が弱かった →N-gramは一貫して無相関であった 標準化レーベンシュタイン距離の方が適切 • 工程の前半部分のみを用いたレーベンシュタイン距離の 相関が最も高かった →ベースメイクなど基本的な工程で参考になりやすい 22

23.

考察 参考にならなかった理由 • 分かっている事や,自分に合わない内容があった 参考になった理由 • 自分が使ったことないアイテムばかりだった 例)DIORのコンシーラー,ホットビューラー • うまくメイクをするコツが説明されていた 例)涙袋ラインを書くときに鏡を下に持つ, 黒目の下にツヤを足して中顔面を短縮させる 23

24.

考察 • 美容系YouTuberへの信頼性には, 化粧に関する専門性や外見のレベルが関係する • 企業とのタイアップなど広告が多いと,信頼が低下する [Dingら, 2019] • 人気のある美容系YouTuberはプロの照明と音響を 備えていた [Rasmussen, 2018] 複数の評価項目を組み合わせた推薦手法を検討 24

25.

展望 • 化粧工程の類似度算出手法の改善 • 複数情報を組み合わせた推薦手法の検討 • 化粧動画を自動でフローチャート化する手法の検討 類似度にもとづいて 化粧のチュートリアル動画を推薦・検索できるシステム 25

26.

まとめ • 背景:化粧工程の類似度に基づいた動画推薦サービスがない • 目的:類似度算出手法の化粧動画推薦への応用可能性の検証 • データセット構築:美容系YouTuber53名のフローチャート • 実験:2手法の類似度に基づいた動画推薦とその評価 • 考察:化粧工程の類似度のみでは推薦精度が不十分であった • 展望:類似度にもとづいて他者の化粧工程を推薦・ 検索するシステムの実装 26