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December 11, 19
スライド概要
運転難易度のモデル化に向けた実験システムの構築とカーブ角度の影響調査
船﨑 友稀奈
瀬戸 徳
二宮 洸太
樋川 一幸
中村 聡史
山中 祥太
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
運転難易度のモデル化に向けた 実験システムの構築とカーブ角度の影響調査 明治大学 船崎友稀奈 瀬戸徳 二宮洸太 樋川一幸 中村聡史(明治大学) 山中祥太(ヤフー株式会社)
背景 車の運転が難しい
運転に関する意識調査 とても苦手 39% やや苦手 29% まあ得意 32% とても得意 0% とても苦手 やや苦手 まあ得意 とても得意 苦手と答えた68%のうち ペーパードライバーは31% 半数以上は頻度こそ違えど, 普段から運転をする人 とても得意と答えた人は0% 2018年 集英社 LEE「運転事情アンケート」
運転に関する意識調査 とても苦手 39% やや苦手 29% まあ得意 32% とても得意 0% とても苦手 やや苦手 まあ得意 とても得意 苦手と答えた68%のうち 運転に苦手意識を持っている人は多い とても得意と答えた人は0% 2018年 集英社 LEE「運転事情アンケート」
運転するのに苦手意識がある道
運転するのに苦手意識がある道 右折
運転するのに苦手意識がある道 右折 人通りが多い
運転するのに苦手意識がある道 右折 人通りが多い 細い道
運転の苦手意識は 苦手な道を通ると緊張する 咄嗟の状況で判断が遅れ 事故に繋がってしまう可能性もある
運転の苦手意識は 最短で目的地 < 自分の行きやすい道
運転の苦手意識は 最短で目的地 < 自分の行きやすい道 自分の運転レベルに合わせた道路を 推薦してほしい
現在のナビゲーションシステム
車ルート検索結果 条件変更>> 2019年12月10日(火) 09時00分 出発 出発 明治大学 中野キャンパス 変更 目的地 淡路島 変更 Myルートに追加 目的地周辺のリパーク駐車場を表示 有料道 路優先 無料道 路優先 距離優 先 ガソリ ン節約 景観優 先 7時間11分 (09:00発 16:11着) 総距離 587.2km 料金 16,500円(普通車) ETC 14,050円 詳細 ガソリン 41.59L 詳細 予測所要時間 タクシー料金目安 ルート印刷 メール送信 ルート詳細 ルートに関するお知らせ(2件) 09:00発 出発地周辺のスポット情報 出発 明治大学 中野キャン... 周辺の渋滞情報 NEW 300m 50 Km © NAVITIME JAPAN. All Rights Reserved. 地図 ©ゼンリン
目的地 淡路島 変更 Myルートに追加 目的地周辺のリパーク駐車場を表示 有料道 路優先 無料道 路優先 距離優 先 ガソリ ン節約 景観優 先 7時間11分 (09:00発 16:11着) 総距離 587.2km 料金 16,500円(普通車) ETC 14,050円 詳細
料金や距離といった要因のみで ドライバの心理や技量に合わせたナビゲーションは 実現されていない 16,500円(普通車) ETC 14,050円 詳細
システム実現のために ドライバに合わせたシステムを実現するためには, 運転操作のモデル化をする必要がある ドライバの技術レベルや年齢, 頻度別の運転行動や 道路条件ごとの難易度推定ができる 個人のデータを何度も検証することによって, 各ドライバに合わせた最適な経路推薦ができる
関連研究(ステアリングの法則) 長さ(A)÷幅(W)がタスクの難易度[Accot 1997] 移動距離が長くなる 幅Wが小さくなる W A 難易度 = A/W →難易度が上昇 通過時間が長くなる
W A 難易度 = A/W
関連研究(仮想空間内での運転のモデル化) ステアリングの法則を利用して 運転をモデル化[Zhai 2004] 幅の異なる道を, はみ出さずに できる限り早く走行するタスク
関連研究(仮想空間内での運転のモデル化) 実際の運転とは大きく異なった操作をしているため 実際の運転に即しておらず, 現実世界のモデル化をするためには適切と言えない
モデル化のためのドライビングシステム 実車での実験は, 場所や時間の制約が 多く関わる 天候や人通りなど, 道路状況によって 走行環境が変化する可能性
モデル化のためのドライビングシステム 外的要因で実験協力者間の 難易度変化が起こらないように することが望ましい
モデル化のためのドライビングシステム 同条件の試行を何度も行うことで モデル化が可能になる
モデル化のためのドライビングシステム 実験条件によって自由に道路をカスタマイズでき, 同条件の試行を何度も行うといった ドライビングシミュレータは存在していない
ドライビングシステムの実装 モデル化のためのシステムを コンピュータ上の3次元空間で実装し, コースを自動生成可能なシステムを構築する
本研究の目的 ドライビングシステムの実装と 実装したシステムが 運転難易度のモデル化に有効であるかの検証
3つの手段 ドライビングシステムの実装 カーブが難易度の指標に影響を及ぼすかの調査と, システムの有用性の検証 現段階のシステムの問題点の明確化と今後の展望
3つの手段 ドライビングシステムの実装
ドライビングシステムの実装 HMDやディスプレイで実験協力者が見る画面 接続したPCで実験者が見る画面
ドライビングシステムの実装 道路条件をカスタマイズ可能 木や建物などの障害物の設定 実験時に使用するハンドルに合わせて画面内のハンドルも 回転する
ドライビングシステムの実装 ネットワーク接続可能 運転の様子をリアルタイムで観察できる
ドライビングシステムの実装
3つの手段 カーブが難易度の指標に影響を及ぼすかの調査と, システムの有用性の検証
カーブが難易度の指標に影響を及ぼすか ディスプレイとHMDを比較
カーブが難易度の指標に影響を及ぼすか ディスプレイとHMDを比較 実験のエラー率がHMD実験の約2倍だった 実験協力者からのフィードバックがあまり良くなかった
カーブが難易度の指標に影響を及ぼすか ディスプレイとHMDを比較
カーブ実験 道幅4m, 全長200m, 半径40mの 単一カーブ 角度は0°(直進), 30°, 60°, 90°, 120°の右左折 9種類のカーブは毎回ランダムに 提示
カーブ実験 実験協力者は大学生18名(男性:13名, 女性:5名) 免許取得3年以上で日頃から運転する:上級者(5名) それ以外:初心者(13名)
カーブ実験 試行ごとのエラー率(%)
カーブ実験 試行ごとのエラー率(%)
カーブ実験 1回目の試行のエラー率は13.1% →1回目の計測値とエラーを排除した 試行のみを分析対象とする
カーブ実験 角度ごとのエラー率(%)
カーブ実験 角度ごとのエラー率(%)
分析 仮説 カーブの走行が難しいほど計測時間がかかる カーブが難しい方がカーブ中にハンドルを切る回数が 増加し, カーブ後にハンドルの振れ幅が大きくなる
分析 仮説 カーブの走行が難しいほど計測時間がかかる カーブが難しい方がカーブ中にハンドルを切る回数が 増加し, カーブ後にハンドルの振れ幅が大きくなる →2点が運転難易度の特徴量になるのではないか
分析(計測時間の違い) HMD実験の初心者 時刻 初心者 userF ~ userR
分析(計測時間の違い) HMD実験の初心者 時刻 userI 初心者 userF ~ userR
分析(計測時間の違い) 初心者には, カーブ角度大:時間長 カーブ角度小:時間短 →グラフはV字に近い
分析(計測時間の違い) HMD実験の上級者 時刻 上級者 userA ~ userE
分析(計測時間の違い) 上級者は, ほとんど直線に近いグラフ →角度の大きさにおける 時間の差が小さい
分析(計測時間の違い) HMD実験の計測時間の平均 平均を取った場合でも同様の結果が見られた
分析(計測時間の違い) カーブの計測時間は初心者の方が 角度の大きさによって時間差が大きくなるため 初心者にとっての運転特徴量と考えられる
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) ハンドルが不必要に左右に振れると考えられる場所 カーブの最中 カーブ後, 直線に戻るとき 初心者と上級者で違いが出るのではないか?
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 左折120°におけるハンドルの振れ幅 上級者 左折120°におけるハンドルの振れ幅 初心者
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 左折120°におけるハンドルの振れ幅 上級者 左折120°におけるハンドルの振れ幅 初心者
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 左折120°におけるハンドルの振れ幅 上級者 左折120°におけるハンドルの振れ幅 初心者
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 左折120°におけるハンドルの振れ幅 上級者 左折120°におけるハンドルの振れ幅 初心者 カーブ中や直線に戻った時の振れ幅に 大きな差は見られなかった
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 上級者の中でふらつきが大きく見られた実験協力者 カーブ前直線の速度:80km/h カーブ時に減速(40~50km/h) →加速
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 初心者の中でふらつきが見られなかった実験協力者 カーブ前直線の速度:40km/h未満 カーブ時減速(20~30km/h) →20~30km/hをキープ
初心者 上級者
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) 大 小
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) HMD実験のハンドル操作総量の平均
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) HMD実験のハンドル操作総量の平均 初心者より上級者の方が値が小さい
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) HMD実験のハンドル操作総量の平均 上級者の方が各角度における 最適なハンドル回転量を 少ない時間で定められることがわかった
分析(ハンドルの振れ幅が及ぼす影響) ハンドル回転量の総量は 運転の特徴量として考えられる
分析(システムの有用性について) ドライバの技術レベルや年齢, 頻度別の運転行動や 道路条件ごとの難易度推定ができる →レベル別の運転特徴量を抽出できた 個人のデータを何度も検証することによって, 各ドライバに合わせた最適な経路推薦ができる →本システムを使用することで実現可能
分析(システムの有用性について) ドライバの技術レベルや年齢, 頻度別の運転行動や 道路条件ごとの難易度推定ができる →レベル別の運転特徴量を抽出できた 個人のデータを何度も検証することによって, 各ドライバに合わせた最適な経路推薦ができる →本システムを使用することで実現可能 実装した実験システムは モデル化のための実験システムとして有用である
3つの手段 現段階のシステムの問題点の明確化と今後の展望
今後の課題と展望 実験協力者の9割以上が, HMDのシステムの方が 本来の運転に近く, 運転がしやすいと答えた HMD実験 視覚:リアリティ高い 体感:ハンドル操作や加減速が実際の運転とは異なる →ギャップで運転がしにくい
今後の課題と展望 全長200mと距離が短い →カーブ前までに通常運転時のトップスピードに乗れない アクセルが軽い →現実とのリアリティに差が出てしまった ブレーキの感度が良すぎる →少し踏んだ瞬間に大きく減速してしまう
今後の課題と展望 運転の難易度として考えられる要因 カーブ半径の大きさ 左右の建物 木の圧迫度 人通りの多さ 前後の車両の有無
まとめ 目的:ドライビングシステムの実装と実装したシステムが モデル化に有効であるかの検証 結果:計測時間とハンドル回転量の総量は運転の特徴量と 考えられる 実験システムはモデル化のための手段として有用 展望:現段階の問題点の改善 他の難易度と考えられる要因での特徴量調査