平成30年度 日本大学文理学部オープンキャンパス 「人工知能ってどんな仕組み?」

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September 30, 24

スライド概要

2018年9月30日の日本大学文理学部オープンキャンパスにおいて、情報科学科の模擬授業(講義の扉)で使用したスライドです。

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日本大学 文理学部 情報科学科 北原研究室。 「Technology Makes Music More Fun」を合言葉に、音楽をはじめとするエンターテインメントの高度化に資する技術の研究開発を行っています。

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各ページのテキスト
1.

平成30年度 日本大学文理学部 秋季オープンキャンパス 「人工知能ってどんな仕組み?」 日本大学 文理学部 情報科学科 准教授 北原 鉄朗 [email protected] http://www.kthrlab.jp/ Twitter: @tetsurokitahara

2.

「人工知能」(AI)って聞いたことある? ※ きちんとした定義はない 人間のような知能を計算機上で実現しようという試み 【出典】 Wikipedia

3.

2010年ごろから 第3次AIブーム 【出典】松尾 豊 「人工知能は 人間を超えるか」 KADOKAWA

4.

いま人工知能と呼ばれている分野のうち、 脚光を浴びているものの多くは、 パターン認識」と呼ばれる技術である 「 画像認識 音声認識

5.

パターン認識の基本=計算式の調整 「人間の能力を超える画像認識能力を持つ人工知能を実現」 などと言われるが、基本的には人間が与えたデータに従って 計算式を調整しているだけにすぎない 例題 人の後ろ姿の画像が男か女かを識別したい 「男」 「女」

6.

STEP 1 特徴抽出 男女の識別の手がかりとなる特徴を数値として表す 例 「身長」 「髪の長さ」 168 155 18 23 STEP 2 識別 STEP 1で数値化した値を使って、男女の判定をする すなわち 「身長」と「髪の長さ」を入力すると、 「1」(=男)または「0」(=女)を出力する 168 18 155 1 23 0

7.

y (髪の長さ) たくさんデータを集めてみよう 女 女 女 女 男 男 男 2 y = x – 100 という式が 作れそう 3 で、あれば x (身長) この式は どう作るの? 2 y < x – 100 なら z = 1 を出力 3 2 y > x – 100 なら z = 0 を出力 3 2 x – 100 あらかじめ用意したデータで識別誤りが y = 3 なくなるように、ココの部分を調整する

8.

識別の計算式の作り方 必要なもの 考え方 入力と出力の例(たくさん) x→168 1←z y→18 155 0 23 y(髪の長さ) 女 「男」と「女」を識別する 男 y = a x + b を考える ax–y+b=0 x(身長) コレが > 0 なら z = 1 (男) < 0 なら z = 0 (女) ① 仮の a, b を適当に決める 181 1 7 ② 識別誤りが何個あるか調べる ③ a, b を少し変えてみる 161 0 31 ④ ②・③を繰り返す ...... ⑤ 識別誤りが0個になったら終了

9.

この方法の問題点 問題点1 識別誤りが0個になるまで止まらない 識別誤りの度合いの式を考え、それが最小になる a, b を求める → その式の微分が 0 になる a, b を求める (詳細省略) 問題点2 顔の骨格 服の特徴 体つき どうやって 数値化? 手がかりが不十分 画像は、下のように画素毎 の色の濃さの集まりである 特徴抽出せずに、各画素の 色の値をそのまま使う (0, 0) (0, 1) (0, 2) 93 35 1 90 0 ... (255, 255) 【出典】 Wikipedia

10.

画素の値を直接入力する場合の問題点 入力データが多すぎる 複数の値を1つにまとめる仕組みが必要 いらないデータ(背景)がある 必要なデータだけを残す仕組みが必要 個々の値が単独で意味を持たない 複数の値の複雑な組み合わせを考慮した計算が必要 何段にも組み合わせて深くする 最初に考えたヤツ x y z ... ... xn ディープラーニング ... ある直線より上か下か で、1または0を出力 x1 x2 x3 x4 z

11.

まとめ ● ● ● ちまたでいう人工知能の多くは、パターン認識 パターン認識は、与えられた入力に対して決まった値 を出力するように計算式を調整するにすぎない 計算式の基本は、 ax – y + b > 0 ⇒ z = 1 ax – y + b < 0 ⇒ z = 0 ● ● この式を何段にも組み合わせて「深く」することで、 手がかりを自動でみつけて識別できるようになった これが、ディープラーニングの基本