ストリートダンスにおけるアクセントの踊り分けの分析

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February 06, 25

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2024年度卒業研究発表志村陸

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日本大学 文理学部 情報科学科 北原研究室。 「Technology Makes Music More Fun」を合言葉に、音楽をはじめとするエンターテインメントの高度化に資する技術の研究開発を行っています。

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各ページのテキスト
1.

ストリートダンスにおける アクセントの踊り分けの分析 5421082 志村陸

2.

背景 ダンスは、同じ曲・同じ振り付けでも 人によってアクセントの取り方が違う。 アクセントの定義: 音の強弱の表現などで、 ある部分を特に強調して 目立たせること 判断できる? アクセント の取り方 違う 曲 同じ 振り付け 同じ

3.

弱い ・滑らかな印象 ・タイミングが 遅い ・カクカクした 印象 ・タイミングが 遅い 強い

4.

背景 ダンスは、同じ曲・同じ振り付けでも 人によってアクセントの取り方が違う。 アクセントの定義: 音の強弱の表現など で、ある部分を特に 強調して目立たせる こと 言語的特徴 身体的特徴 ・違いは、どんな言語表現で 共有されている? ・身体的な違いはなに? ・そもそも、ダンサーの中で 共通認識として存在する? ・アクセントの取り方は、 どんな相違点・類似点があ る?

5.

目的 言語的特徴 身体的特徴 • アクセント言語の • 骨格推定モデルを 類似点・相違点を 用いて、定量的な 明確化したい。 分析を行いたい。

6.

関連研究 ・2008,Kobe University Repository Kernel,猪崎弥生 →言語表現がダンサーにどのよう に理解されるかに関する研究 ・2019,Journal of Physics,M.Lei →MediaPipeを用いたバレエのフォームトレーニングシステム開発に 関する研究 ・2022,In Partial Fulfillment Of the Requirements for the Degree Master of Science In Computer Science,Y.Zhang →ひとつのカメラを用いたMediaPipeモデルの精度実験

7.

Mediapipeとは AIと機械学習を用いたライブラリのこと。 主に画像処理や姿勢ランドマークの検出等に用いられる。 0 - nose 1 - left eye (inner) 2 - left eye 3 - left eye (outer) 4 - right eye (inner) 5 - right eye 6 - right eye (outer) 7 - left ear 8 - right ear 9 - mouth (left) 10 - mouth (right) 11 - left shoulder 22 - right thumb 12 - right shoulder 23 - left hip 24 - right hip 13 - left elbow 25 - left knee 14 - right elbow 26 - right knee 15 - left wrist 27 - left ankle 16 - right wrist 28 - right ankle 17 - left pinky 29 - left heel 18 - right pinky 30 - right heel 19 - left index 31 - left foot index 20 - right index 32 - right foot index 21 - left thumb

9.

研究内容 予備実験 • アクセント表現は、ダンサーに 本実験 • データセット作成 どの程度理解されているか。 • DTWのマッチングを用いた分析 • Mediapipeを用いたアクセント • 相互相関を用いた時刻ズレ分析 の可視化と分析 • 速度の時間変化の加算分析 *アクセント言語:アクセントの取り方を表現する形容詞や比喩表現。

10.

予備実験 *アクセント言語:アクセントの取り方を表現する 形容詞や比喩表現。 評価項目 3対のアクセント言語 を適当に設定 それぞれのアクセント言語 を表現する踊りを撮影 -3 軽い 0 どちらでもない 3 重い 弱い どちらでもない 強い キレがない どちらでもない キレがある 音が見えない どちらでもない 音が見える 撮影した3つの動画を視聴。 どのアクセント言語を表現して いるか評価項目から選択。

11.

予備実験 「キレがない・ある」 を表現したダンス動画の結果 平均値を計算した結果、 「強い」、「キレがある」 で最大値であった 部分的ではあるが、アクセントのみを変えた踊りは、 見るだけで判断することが可能であることが示唆された。

12.

研究内容 本実験 予備実験 • アクセント表現は、ダン サーにどの程度理解されて • データセット作成 いるか。 • 相互相関を用いた時刻ズレ • Mediapipeを用いたアクセ ントの可視化と分析 分析 • 速度の時間変化の加算分析 *アクセント言語:アクセントの取り方を表現する形容詞や比喩表現。

13.

データセットの再構築 動画の撮影 5名の 各24本 ダンサー 録画 両肩 四肢 両腰 データ 両手首 胴体 両肘 データ 両足首 両膝 mediaPipeを用いて骨格情報 をCSVファイルに抽出 データセットを編集

14.

相互相関を用いた時刻ズレの分析 ダンスモーション全体のピークタイムに注目する分析 • 一連のダンスモーション全体における、最も大きな 一致点を示すピークタイム. 固定範囲内のピークタイムに注目する分析 • モーションデータを一定の時間範囲(2秒間)に分割し,0.1 秒 間隔でシフトしながら開始位置を移動させる.

15.

固定範囲内のピークタイムに注目する分析 0.1秒ずつシフト して分析

16.

固定範囲内のピークタイムに注目する分析 局所的に時刻ズレが発生 していた。 局所的なズレは、一定の リズムで発生していた。 局所的な時刻ズレは 曲のビートやリズムに 関連している可能性がある。 参加者2、四肢データ

17.

速度の時間変化を加算した分析 V-Tグラフを作成し、速度 変位の絶対値をすべて加算 値が低ければ低いほど一定の速度で移動を行っており、 値が高ければ高いほど不規則な移動を行っていること が分かる。

18.

速度の時間変化を加算した分析 ・加算値の最大値(四肢) 「大きい」:3名 「速い」 :2名 ・胴体と四肢の加算値には 類似性が見られる。 「大きい・速い」で不規則な移動が 多い可能性が高い。 判定する関節にかかわらずアクセン ト言語の判定ができる可能性がある

19.

適切なアクセント言語の選定を行った。 アクセント言語の分析に適したダンスモーションのデータセッ 成果 トの作成を行った。 時刻ズレや速度の時間変位の合計値にアクセント言語 の特徴が表れる可能性が示唆された。 骨格ランドマークの位置に依存せずアクセント言語を 判定できる可能性が示唆された。

20.

2次元データでも分析しかできなかった。 →3次元データを用いた同手法の分析。 課題 アクセント言語の明確な違いを明らかにできな かった。 →アクセント言語の明確な特徴の判定。