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September 25, 26
スライド概要
2026年9月12日開催の「第20回データビジネス創造コンテスト」本選発表会での、慶應義塾大学・慶應義塾大学大学院「PorkStars」プレゼンテーション資料
慶應義塾大学データビジネス創造コンソーシアム
FASTALERT×観光レジリエンス データで風評被害を即時軽減する 「地域経済復元」新サービス提案 PorkStars 慶應義塾大学 大澤紘人・田中大梧・藤本聡・佐々木琥太・奥田さくら
目次 AGENDA 01 背景 02 データによる実証 03 ビジネス提案 04 実現性・まとめ レジリエンスの空白、観光×風評被害という課題 風評被害の定量化(SDID)と、コメントからの深刻度スコアリング 新サービスの概要・ユースケース・判定アルゴリズム 事業戦略・収益構造 → 優位性比較と収益シミュレーション・発展性 2 1
目次 AGENDA 01 背景 02 データによる実証 03 ビジネス提案 04 実現性・まとめ レジリエンスの空白、観光×風評被害という課題 風評被害の定量化(SDID)と、コメントからの深刻度スコアリング 新サービスの概要・ユースケース・判定アルゴリズム 事業戦略・収益構造 → 優位性比較と収益シミュレーション・発展性 2 2
01 背景|防災実務サイクルと防災・減災・レジリエンスの対応 防災実務のサイクルは「予防・減災/事前準備(平時)」「応急対応/復旧・復興(有事)」の4つからなり、フェーズ が進むにつれてレジリエンスの比重が増す 平時(事前) 有事(事後) 予防・減災 応急対応 災害の発生を防ぐ/被害を最小限に抑える 発災直後から命を守り、被害の拡大を防ぐ 事前準備 復旧・復興 災害発生を前提に、迅速な行動に備える 壊れた暮らし・経済社会システムを立て直す 上記4サイクルにおける時系列の対応 平時 予防・減災/事前準備 災害発生 防災・減災 Source:防災白書|災害対応サイクル → 応急対応 有事 → 復旧・復興 レジリエンス 3
01 背景|防災・減災とレジリエンスの対比 防災・減災は施策が飽和。レジリエンスにも施策はあるが、2つの構造的限界により余白が残されている 限界・評価 活動例 防災・減災 平時(事前) 住宅耐震化 検知サービス 15.6兆円 約90% 200自治体+ 5か年確保・後継は 20~25兆円規模 レジリエンス 有事(事後) 国土強靭化 予算も精度もすでに「飽和」 事前の備えに新たな余白はほとんど残されていない →事後回復(レジリエンス)に着目する 耐震化率(令和5年) JX通信社・Spectee等 が導入 公的資金 国の制度 復興予算・交付金 激甚災害指定 インフラ・生業再建への 公的資金投入 国庫補助の嵩上げ・復旧予算 の確保(制度は整備済み) ! 事後・遅い 被害査定や予算措置を経て発動→発災直後に間に合わない ! 供給側に偏る 施設・インフラ再建が中心→需要側の毀損に手当てがない 限界の裏返しが余白ー「いつ(発災直後)・誰に(需要側)」が手付かずである Source :内閣官房|国土強靱化5か年 建設通信新聞|後継計画報道国交省|住宅耐震化率経産省|レジリエンス社会研究会 内閣府|激甚災害制度 4
01 背景|レジリエンスの具体事例における需要毀損 守るべき需要は損失が集中している「観光」 ー 災害種別を問わず、需要毀損は物理被害を上回る 種別 事例(発生時期) 経済損失のキー数値 地震 日向灘+南海トラフ 臨時情報(2024/8) 旅行関連支出への悪影響 1,964億円(試算) ライフライン 胆振東部地震のブラ ックアウト(2018/9) 宿泊キャンセル 94万人・292億円 台風 令和5年台風6号・ 沖縄(2023/7-8) インフラ被害2.78億 vs 機会損失(観光・宿泊) 16.34億円(約6倍) 火災 大船渡林野火災 (2025/2) 被害額39.4億→98.8億円(事後に2.5倍) 売上減少は集計外 物理被害<需要毀損 の構造を満たすか ◎ 物理被害ほぼゼロ ◎ 安全エリアも全道キャンセル ◎ 損失の約6倍が需要側 〇 間接損失が後から増大 守る対象は観光需要 ー 本提案は「観光×レジリエンス」で勝負する Source : Appendixに一覧で記載 5
01 観光業|観光業の現状と、その需要を脅かす課題 国内旅行消費は過去最高を更新し続ける成長ドライバーだが、その需要は“実害がなくても”失われる 観光業の現状 国内旅行消費額 成長トレンド 26.8 兆円 前年比 +6.5% 過去最高 国内延べ旅行者数 5.5 億人 国民1人あたり 年4回超 1人1回あたり旅行単価 48,424円 (+3.9%) 国内旅行消費額(兆円) 市場規模 30 21.9 20 10 0 17.2 政府目標と「守る価値」 21.9 25.2 26.8 10.0 9.2 2030年 国内旅行消費額 目標 30 兆円 第5次観光立国推進基本計画に明記 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 西暦(年) 宿泊・飲食・交通・小売へ波及 需要変動の影響が地域経済全体に コロナ禍で半減 → 3年で回復 =「守る価値」が大きいドメイン 2年連続で過去最高(兆円) 課題 = 風評被害 定義 “ ある事件・災害が大々的に報道されることによって、 本来『安全』とされる商品・土地を人々が危険視し、 消費や観光をやめることによって引き起こされる経済的被害 = 対象が「安全」であっても発生する 実害を伴わない二次被害 Source :国内旅行消費額,政府目標/関谷直也「『風評被害』の社会心理ー“風評被害”の実態とそのメカニズムー」(災害情報,2003) 6
01 構造|風評被害のメカニズムと、断ち切る2つの起点 風評被害は「報道」と「想定」から始まり忌避行動で実体化ー 繰り返される「構造的失敗」である 拡大・実体化メカニズム 1 取引段階での 経済的被害の成立 2 ①の集積 =「風評被害」の成立 3 報道による社会的認知 4 忌避行動が拡大 = 被害の実体化 共通する構造的失敗 災害の影響範囲を早く・正確に示して①~③を遮断する いつ (発災直後) = FASTALERT SNS等の即時検知により、発災直後に正確な情報を獲得 誰に (需要側) = 観光 損失が集中する需要側(旅行者)に、情報を提供 実害の範囲を早く正確に示せれば、風評被害実体化の構造は断ち切れる Source :関谷直也「『風評被害』の社会心理ー“風評被害”の実態とそのメカニズムー」(災害情報,2003) 7
01 背景まとめ|ここまでで判明したことと課題の確認 レジリエンスに着目 風評被害 観光×レジリエンス • 観光業の需要は大きく、 課題も明確 • JX通信社の強みが活きる領域 • 防災・減災は整備済み • 「災害後の経済的回復」 =レジリエンスに余白がある • 実害のないエリアまで 需要が毀損 • 忌避行動拡大前に食い止める 回復を早く 観光需要 平時水準 発災後、風評被害が観光業に与える 影響は大きい 理想 回避した経済損失 =レジリエンス向上分 物理的被害の軽微なエリアで生じる 風評損失を低減し、観光需要の回復 を加速する仕組みが必要 現状 発災 落ち込みを浅く 時間 8
目次 AGENDA 01 背景 02 データによる実証 03 ビジネス提案 04 実現性・まとめ レジリエンスの空白、観光×風評被害という課題 風評被害の定量化(SDID)と、コメントからの深刻度スコアリング 新サービスの概要・ユースケース・判定アルゴリズム 事業戦略・収益構造 → 優位性比較と収益シミュレーション・発展性 2 9
02 実証|実証すべき問いと、検証に用いる事例 背景で示した構造を検証する問いを立て、典型事例として能登半島地震を分析する 実証すべき問い|背景から導かれる2つのRQ RQ1 RQ2 風評被害を含む需要毀損は実態として存在し、定量化できるのか? 分析①:需要毀損の定量化 風評被害が実在する場合、FASTALERTの強みである早期検知を活用し、 安全/危険エリアを正しく判別できるか? 分析②:重大率・深刻度スコアリング 検証事例:令和6年能登半島地震|背景の構造を最も明確に備えるケース A 実害は早期に収束 1/2 北陸新幹線 復旧 1/10 金沢市以南は断水解消・停電なし 観光施設はほぼ通常営業 B それでも需要は大きく毀損 C 現地の声も「誤解」を指摘 2024年1月 観光来訪者数(休日・前年比) 「石川県全体が重大な被害を受けてい 金沢市 ▲32.1% ると捉えられているが、そうではない」 加賀市 ▲41.2% 2月には金沢市 ▲1.2% まで回復 福井県越前市 ▲39.0% =一時的な需要蒸発 実害が限定的でも需要は失われる( = 背景で示した風評被害の構造) 事例で検証 Source :khb東日本放送 | 北陸新幹線再開, 全管連 | 水道被災・復旧状況等, 内閣府 | 能登半島地震の被害状況等について 10
02 分析概要|2つの分析で何を明らかにするか 分析①でサービスの「存在意義」を、分析②でサービスの「実現性」を実証する 分析① 需要毀損定量化 分析② 重大率・深刻度スコアリング サービスの「存在意義」を実証 サービスの「実現性」を実証 何を明らかに するか 「能登周辺の地域で風評被害が確認されたか」 を明らかにする 「危険地域」と「能登周辺の安全地域」を 判別できるかを明らかにする 手法 SDID (「災害がなかったら」を推計して実際と比べる) スコアリング+分類 (投稿を点数化し、危険~安全を分類) 分析の流れ 1 「地震が起きなかった場合」の観光客数を推計する 1 投稿1件ずつに点数付け(逼迫度×話題重要性) 2 実際の観光客数と比べ、減少分を測る 2 3 減少分=風評被害による落ち込み 市区町村ごとに集計し、深刻さの目安を出す 3 点数をもとに、危険~安全の度合いを3段階に分類 11
02 分析① 結果| 定量化された需要毀損 被害が軽微だった地域でも明らかな減少幅が確認された 処置群 件数 SDID効果 95%CI p値 事前 RMSPE 非被災北陸4県 132 -14.8% [-17.8, -11.6] 0.000 0.036 石川(非被災) 11 -33.4% [-40.5, -25.3] 0.000 0.054 富山 18 -17.6% [-25.6, -8.7] 0.000 0.048 福井 32 -23.7% [-28.9, -18.2] 0.000 0.057 新潟 71 -6.6% [-11.3, -1.7] 0.027 0.038 非被災北陸4県 ✓ p値、事前期間の予測誤差は良好 → モデルの信頼度高 ✓ 県別の効果は石川(非被災)、福井、富山、 新潟と、被災地からの距離に概ね沿う傾向 石川(非被災) 来訪者数 ✓ 事前期間の2線の重なり=「合成した予測モ デルが、地震前の現実を再現できている」 ✓ 青線(予測値)が赤線(実測値)を上回る =「観光客数の減少」 日付 地理的認識の曖昧さ を実証→『石川県の能登で地震』が『北陸全体が危険』に変換される 12
02 分析② 結果|構築したモデルの精度検証 発災直後のコメントから、安全なエリアと危険なエリアを高精度に切り分けられた 採用版の 成績 QWK(主指標) 0.750 Accuracy(補助) 最頻クラス(基準) 0.867 0.854 ✓ 十分な精度を記録 (上記の数値は、N = 1~11の平均値) データ日数別の精度推移(3段階評価・全期間込み) 日数 市区町村数 セル数 QWK Accuracy 最頻クラス 危険な誤り 1 44 220 0.636 0.805 0.827 6 2 51 255 0.761 0.871 0.851 6 3〜11 52 260 0.762 0.873 0.854 6 提供データで安全/危険エリアを 精度高く判別できた ✓ 2日分データで十分な精度を記録 ✓ 3日分以上はほとんど向上しない ✓ 投稿は上位k件だけをスコアリング に使うため、深刻な投稿は発災後1 〜2日で出揃う。 FASTALERTの強み(早期検知)を活かせる 発災2日で判定でき、2週間後〜1.5か月後を同精度で扱える 13
02 分析まとめ|実証すべき問いと、その結果 事前に立てた2つの問いは、いずれもデータで実証された。風評被害は実在し、発災2日で判別できる RQ1 ✓ 実証 風評被害を含む需要毀損は 最大 実態として存在し、定量化できるのか? −33.4% (石川県・非被災地) 非被災エリアの施設は通常営業、インフラも復旧済みだったにもかかわらず、 分析①:需要毀損の定量化(SDID) RQ2 風評被害が実在する場合、 FASTALERTの強みである早期検知を活用し、 安全/危険エリアを正しく判別できるか? 分析②:重大率・深刻度スコアリング 数週間にわたり観光客が戻らなかった。= 風評被害を定量的に確認できた ✓ 実証 発災2日分のデータ で 予測の整合度(QWK) 0.761 発災2日で一定の予測精度を確保。FASTALERTの検知の速さを活用し、 早期段階から地域ごとの深刻度を予測できると実証された 2つの問いに答えが出た ─ 非被災地域住民の「被害状況誤認」にアプローチするサービスを提案する 14
目次 AGENDA 01 背景 02 データによる実証 03 ビジネス提案 04 実現性・まとめ レジリエンスの空白、観光×風評被害という課題 風評被害の定量化(SDID)と、コメントからの深刻度スコアリング 新サービスの概要・ユースケース・判定アルゴリズム 事業戦略・収益構造 → 優位性比較と収益シミュレーション・発展性 2 15
私たちが提案するのは 災害で「行けない」を、AIが「次の旅先」へ。 16
03 ビジネス提案|サービス名+概要 ほっトリップ ほっ、と安心できる旅 FASTALERTの即時検知×生成AIで、安心して旅を続けられる社会へ 概要 ― サービスがすること 旅先の状況を ○△× で早期判定 × AIが代替プランを即時提案 → 過度な自粛の抑制 提供タイミング ― いつ・どの旅程に効くか 発災から 2日後以降 に提供(分析②より、精度が確保できるタイミング) 効くのは 1週間~1.5か月先 の旅程(キャンセル判断が起きる期間) 提供価値 ― サービスがもたらす効果 「旅行をやめる」判断を「旅行を実行する」判断に置き換える →非被災地に生じた需要毀損を取り戻す 17
03 対象|対象となる災害と、届けるターゲット 対象は「発災後 × 実害が局地的」な災害、かつ「行きたいのに不安な層」── 災害種別では切らない 届けるターゲット 対象となる災害 時間軸 空間軸 局地被害 (安全地域 が存在) 発災前(予測段階) 発災後 ◎ 対象 対象外 直撃前に「来るかどうか」 は予測できない 広域甚大 例)台風の接近中(直撃予測) (残らない) 発災後で、実被害が局地的 =同県内に安全なエリアが残る 対象外 旅行意向 行きたくない 不安 楽観 悲観 実被害が複数県に及び、 避難・支援が支配的 母集団が薄い 何をしても行かない 対象外(キャンセル確定) 例)東日本大震災 対象に該当する例 : 日向灘+南海トラフ臨時情報 /胆振東部ブラックアウト/大船渡 林野火災/台風の直撃後/能登半島地震 FASTALERTは検知サービス。発災前の予測は対象外 何もしなくても行く 対象外(放置でよい) ★ ターゲット 行きたいのに不安で キャンセルに傾く層 このターゲット層は 「安全な目的地を諦める人」と「代替先を知らず旅行ごと諦める人」 に分かれる(前者は〇判定、後者は△判定で拾う) 対象の判定基準|3つすべてを満たすこと 1 発災後である 行きたい 2 実被害が局地的である 広域甚大は認識と実態が一致し、乖離しないため対象外 3 そのエリアに旅行需要がある 需要毀損を取り戻せる 対象は「災害種別」ではなく「構造」で決まる ─ 能登半島地震は該当例のひとつ(分析・デモの題材)であり、地震に限定されない 18
03 ビジネス提案|ユースケース(△判定→代替+AIペルソナ評価) 七尾旅行を控えたケース。△判定を受け、代替提示/AIペルソナ評価/OTA予約まで一気通貫で支援する 発災 迷い 判定・提案 意思決定 能登半島地震が発災。被災地域の 2週間後に七尾旅行を予定。能登近 七尾は△判定→代替に金沢を提示。 ペルソナ評価を参考に旅程を金沢に 報道が広がる。 辺のため不安が生じる。 5種のAIペルソナが各案を評価し、判 変更。アフィリエイトリンク→OTAで宿 断を助ける。 予約し、旅行を決行。 19
03 ビジネス提案|サービス使用例(デモ) 20
03 ビジネス提案|ビジネスモデルと収益モデルの設計 BtoBtoCは「有事に効く備え」を通年契約で売る。BtoCは平時/有事で収益が切り替わる 平時(発災前) 有事(発災後) 年間契約 ー自治体・代理店が通年で払う BtoBtoC 代理店・自治体 (都道府県) 平時:「観光リスク常時軽減 SaaS」(別機能) 有事:「〇△×判定結果の提供・代替」(本機能) ● 局地的な豪雨・小規模地震・交通障害など小規模災害にも対応 ● 自治体:正確な情報提供と呼びかけに使用 ● 月2回程度は反応する想定(自治体向け) ● 旅行代理店:予約済みツアー利用者への判定周知/代替プランの 形式:API・ 即時提案 ダッシュボード = 解約を防ぎ、固定収益を守る プレミアム課金 ー個人が毎月払う BtoC = 契約する理由をつくる 成果報酬 ーOTAが予約発生時に払う AIペルソナ旅行プランナー OTA アフィリエイトリンク ● 「あなたの好みに合う旅先診断」として提供 ● 判定後の代替プランから予約へ導線 ● 月額 480円(仮置き) ● 予約発生時に手数料を得る 個人向けアプリ 形式: アプリケーション = 月額課金を積み上げる = 予約手数料を得る(同時に認知を広げる) 通年契約で固定収益を確保し(安定性)、プレミアム課金や有事に発生する手数料で上振れを取る(拡大性) 21
目次 AGENDA 01 背景 02 データによる実証 03 ビジネス提案 04 実現性・まとめ レジリエンスの空白、観光×風評被害という課題 風評被害の定量化(SDID)と、コメントからの深刻度スコアリング 新サービスの概要・ユースケース・判定アルゴリズム 事業戦略・収益構造 → 優位性比較と収益シミュレーション・発展性 2 22
04 競合比較|既存の防災・BCPサービス、旅行アプリとの機能比較 検知力・情報の信頼性・データ活用・意思決定支援の4軸で、既存の防災サービス・旅行アプリを上回る 評価軸 有事の検知スピード(初報) デマ・誤情報の排除 観光・経済データとの連携 有事の意思決定・代替提案 提供形態 ほっトリップ 防災・BCPベンダーのサービス 従来の旅行アプリ FASTALERT×観光レジリエンス NEC/富士通/NTTデータ等 じゃらん/Trip.com等 ◎ ○ SNS投稿等の素早い解析 一次情報を踏まえての解析 ◎ ◎ - AI、人間のダブルチェック AI、人間のダブルチェック 検知を行っていないため、対象外 ◎ 連携の上、有効活用 × × ◎ 連携の上、有効活用 ◎ ○ - 自動で行える 意思決定の支援に留まる 検知を行っていないため、対象外 BtoC(アプリケーション化) BtoBtoC(代理店・自治体経由) BtoGのシステム導入が主 BtoC予約特化、有事機能は弱い ※右2列は複数サービスの総称であるため、 具体例のうち、各項目において最も優れているものを基準に判定 Source :JX通信社, NECソリューションイノベータ, 富士通広報, NTT DATA 23
04 収益性|5か年収益成長シミュレーション 単年度利益は2年目、正味CFは4年目に黒字化を達成する 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 年間稼働イベント数[件] 22 22 22 22 22 風評損失[万人泊] 23.00 23.00 23.00 23.00 23.00 取戻した需要[万人泊] 0.29 0.58 1.15 1.72 2.30 取戻した需要[億円] 0.43 0.86 1.73 2.59 3.45 BtoC-有事: アフィリ[億円] 0.01 0.03 0.05 0.08 0.10 BtoC-平時: プレミアム[億円] 0.01 0.03 0.07 0.11 0.15 自治体[県] 2 5 10 15 20 代理店・OTA[社] 1 2 3 5 6 BtoBtoC収益[億円] 0.27 0.60 1.05 1.65 2.10 売上[億円] 0.29 0.66 1.17 1.84 2.35 開発・運用費[億円] 0.91 0.20 0.21 0.22 0.23 人件費[億円] 0.16 0.24 0.32 0.40 0.48 マーケ費[億円] 0.30 0.15 0.15 0.15 0.15 利益[億円] ▲1.08 0.07 0.49 1.07 1.49 正味CF[億円] ▲1.08 ▲1.01 ▲0.51 0.56 2.05 ・開発・運用費 = 初期開発費 + 運用保守費 + 技術費(AI推論費+インフラ・MCP費) →運用は FASTALERT+DB で完結する想定のため、人流データのライセンス費は非計上 ・他の算出式と各パラメータの設定値・出典・分類はAppendixを参照 24
04 発展性|横展開・平時利用・スコア厳密化 今後の発展として、「ドメインの拡大」「平時収益の安定性向上」「深刻度スコアの精度向上」があげられる 01 02 03 ドメインの拡大 平時収益の安定性 向上 スコア精度向上 検知エンジンや 本サービスの技術を、 他ドメインへ横展開 常時モニタリングや 訓練への適用、 予約サービスへの拡張 ↓ 契約率向上/契約離脱率 低減につなげる 1事例(能登半島) における学習 ↓ 他事例の学習を通した 深刻度スコアリングの 精度向上・汎化 (小売・イベント等) 25
04 実運用に向けて|ロードマップ 現在地を起点に4フェーズで進行し、「アルゴリズム」「販促・営業」「アプリ開発」の3側面を補強していく 現在地 PHASE 1 PHASE 2 PHASE 3 PHASE 4 準備 パイロットテスト 市場投入 事業拡大 多事例学習 アルゴリズム 1事例学習(能登地震) ✓ AIペルソナ評価・代替観光 地検索は架空データで代替 (ロジックのみ検討) 販促・営業 ✓ スコアリング式・閾値較正 ✓ 種別毎ロジック分化検討 AIペルソナ評価 既存ツアー検索 代替観光地検索 ✓ RAGで既存ツアーを検索 ✓ ホテル・交通MCPで宿泊・移動手段も提案 BtoCから着手 代理店1社自治体1社 ✓ 認知度の獲得を優先 ✓ BtoBtoCは準備段階 アプリ開発 静的プロトタイプ実装 ✓ フロントエンドのみ ✓ キャッシュデータで能登 事例に特化 ✓ 過去事例で遡及検証 ✓ 訓練環境で実証 本契約・本展開 実装 ✓ 検知→スコア→〇△×を自動化 ✓ 事例をため、継続学習ループ ✓ AIペルソナ評価・代替観光地提案 ✓ UI・UXに「対話(AI連携)」「全国地図対応」 リ リ ー ス ✓ BtoC:アフィリエイト許諾 ✓ BtoBtoC:代理店・自治体 BtoC システム運用・保守/UI・UX改善 BtoBtoC 向けダッシュボード提供/運用・保守 26
04 実運用に向けて|判定結果に対する法的・倫理的対応 ×判定・〇判定それぞれの加害リスクを特定し、判定ロジック外の表示・運用レイヤーで担保を設計 ×判定のリスク|被災地事業者への加害 〇判定のリスク|旅行者への加害 「再開したのに×のまま」 = 本サービス発の二次的風評 「危険が残るのに〇を出す」 = 身体・生命に関わるためより重い 主な論点 主な論点 ◼ 民法709条:誤判定による損害の賠償責任 ◼ 民法709/415条:誤判定を信じた旅行者の損害 ◼ 刑法233条:信用毀損・業務妨害(虚偽の風説) ◼ 景表法:「安全」の断定表示による優良誤認 ◼ 倫理:判定される側が判定過程に関与できない ◼ 旅行業法:判定+送客は「手配」に接近しグレー ◼ 倫理:スコア固定により部分再開を捉えにくい ◼ 倫理:過信による自己判断の放棄 対応策 対応策 ✓ 事業者向けの申告・訂正窓口:「営業中」の申告を別レイヤーのフ ラグとして重ねて表示 → 「指摘を放置した」状態を構造的に回避 ✓ ★ 公的避難情報の絶対優先:警報・避難指示エリアには 〇を出さない自動上書き ✓ 表示の言い換え:「×・行けない」ではなく「受け入れ再開の準備 中」という復興段階の表示に ✓ 断定しない表示:「安全」でなく「深刻度:低(確信度等つき)」 ✓ 安全側バイアス:危険を安全と誤る方を重くペナルティ 両判定に共通する基盤: 利益相反の開示(送客手数料の明記) / 限定免責条項/ 判定アルゴリズムの透明性 27
04 まとめ|観光業におけるレジリエンスを強化・経済的機会損失を防ぐ 有事に訪れる観光業の課題を「検知」の強みで克服するプロダクトを提案する 1 2 3 4 構造的課題 検知の強み 分析で実証 本提案 風評被害は 有事のたびに 繰り返されてきた 構造的な経済損失 FASTALERTによる 即時検知で、 発災直後からの 情報収集が可能 風評被害効果の実証 また、能登限定の プロトタイプでは、 発災後2日で 一定の予測精度 ○△×判定と 代替案提案で 安全な旅へ誘導 風評被害による 経済損失を抑制する 検知の速さを、観光業のレジリエンスへ。 検知の速さを、観光業のレジリエンスへ。 28
ご清聴ありがとうございました!! 29
Appendix 30
Appendix|本DIGについて(課題テーマと提供データ)と本提案の位置づけ 提供データ・ツールを十分に活用し、テーマ/課題内容に沿った施策を提案する テーマ SNSなどのリアルタイムのリスク情報を提供するMCPサーバを活用し、 課題内容 リアルタイムデータとAIを用いた 未来のリスクを予測・回避するためのサービスを提案する FASTALERT MCP : リアルタイム災害情報(国内・海外)を取得 ツール 防災・減災・レジリエンス サービス創造チャレンジ 提供データ 過去の国内災害CSVデータ : 過去の災害時のSNS投稿等(いつ・どこで・何が) ※ MCP=AIが外部データを取得するための標準規格 課題文への回答(本提案の立ち位置) 「未来のリスクを予測・回避する」 に対し本提案は 発災2日後までのデータから、旅行日(1週間〜1.5か月後)時点の深刻度を予測 し、行けるか否かを早期に示す。 実運用時のリアルタイム検知 過去事例で仮説を実証 提供データ 過去の国内災害CSVデータ 分析②:重大率・深刻度スコアリング 外部データ 来訪者データ (市区町村別/スポット別) 分析①:風評被害の定量化 ツール FASTALERT MCP サービス稼働時に 発災を即時に捉えて判定を起動 31
Appendix |JX通信社のSWOT分析とレジリエンス余白への適合(3-5p) JX通信社の強み「検知の即時性」は、既存策が届かない「発災直後」に直接対応する プラス要因 S 内 部 環 境 外 部 環 境 マイナス要因 W 強み 弱み ■ 情報の即時性 : 「検知」 ■ 後続フロー ■ 高い信頼性 : AI×人間のダブルチェック ■ 対応セグメント : 防災減災での活用実績はあるが レジリエンス面での実績が少ない ■ 実績 : キー局や地方自治体、公的機関での導入 O 機会 ■ 生成AI/MCPを活用したサービスの増加 ■ 前ページで提示したレジリエンスの余白領域 : 分析・意思決定は強みを持たない T 脅威(競合) ■ 「防災・減災」面で活躍するNEC・富士通・NTTデータ 「検知の速さ」で発災直後に動ける ー では、どの需要を守るべきか。 Source:JX通信社,NEC,富士通,NTT DATA 32
Appendix|有事(事後の回復)事例(5p) レジリエンスの具体事例は以下の出典の情報に基づく 種別 地震 ライフライン 台風 火災 事例(発生時期) 出典(媒体/発行元)・参考URL 日向灘+南海トラフ 臨時情報(2024/8) NRI木内|旅行損失1,964億円の試算 https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20240813.html 東京新聞|経済的損失は政府検証の対象外 https://www.tokyo-np.co.jp/article/359020 胆振東部 ブラックアウト(2018/9) 訪日ラボ|宿泊キャンセル94万人・292億円 https://honichi.com/news/2018/09/19/hokkaidoearthquake/ 総務省北海道総合通信局|通信・放送の被害状況 https://www.soumu.go.jp/main_content/000585075.pdf 令和5年台風6号・沖縄 (2023/7-8) OCVB|インフラ被害2.78億 vs 機会損失16.34億円 https://www.ocvb.or.jp/topics/4157 大船渡林野火災 (2025/2) 岩手県 第5回本部会議資料|被害額39.4億円 https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/090/310/070916honbu.pdf 岩手県 第6回本部会議資料|98.8億円・売上減少は集計外 https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/092/049/1117honbu2.pdf 33
Appendix|SNSによる被害の高速拡散とフレーミング効果(7p) SNSの普及がこの問題を加速させ、正確な情報のを発信する重要性がより求められる 根拠のない情報の爆発的拡散 Twitter等での災害便乗デマ 漫画「私が見た未来 完全版」の 災害:北海道胆振東部地震 帯文が「日本での大地震予言」 (2018/9/6) として香港・台湾・韓国で拡散 ← 「断水する」旨のツイートが拡 需要減少を受け、 散→北海道新聞等が打ち消す 香港-日本間で欠航・減便 ツイート 【他の誤情報例】 「...多くの香港在住者が『予 言』を信じていた。7月にかけ てさらに減少も予想される...」 グレーターベイ航空日本支社長 (産経新聞記載コメント) • 「8日に本震が起きる」 • 「苫小牧で地鳴りがしている ので大地震が起きる」 • 「全域で断水する」 正確な情報を誤情報と同じ速さで自動生成・発信する仕組みが必要 11 34
Appendix |分析①:被害地域の需要毀損の定量化・概要(12p) 能登半島地震の際、実被害の少ない周辺エリアで需要毀損が生じていたのかを検証する 手法:SDID 使用データ(取得元:おでかけウォッチャー) 合成差分の差法(Arkhangelsky et al. 2021, AER) 手法概要 ※対照群:処置無しユニット群 対照群データを合成して、処置群に施策施行されなかった場合 の反実仮想データを作り、実データと比較する データ 内容 週次来訪者数 5,515 スポット×58週 県別スポット例 石川 55・富山 42・福井 48・新潟 105 市区町村情報 実被害12市町のスポット特定・除外用 処置群・対照群の設計 群 定義 処置群 北陸4県のうち実被害12市町(能登9+かほく・内灘・津幡)を除外した観光型スポット 対照群 北陸4県以外の全国の観光型スポット 除外 大きな実被害を受けた12市町(輪島市など)の全スポット(避難・支援需要の混入を回避) Source:おでかけウォッチャー 件数 132 1,936 18 35
Appendix|SDIDの計算式(12p) SDIDの推定式 重み ω·λ が回帰を「局所化」 する — 似たユニット・似た期間を重視し、推定を頑健にする。 𝝎 : ユニット重み | 事前トレンドを平行化 記号 意味 𝜔 ෝ𝑖𝑠𝑑𝑖𝑑 ユニット重み — 似た対照群を重視 𝜆መ 𝑡𝑠𝑑𝑖𝑑 時間重み — 似た事前期間を重視 𝛼𝑖 , 𝛽𝑡 ユニット・時間固定効果 𝜏 平均処置効果 — 推定対象 𝑌𝑖𝑡 時系列データ(ユニット i, 時点 t) 𝝀 : 時間重み | 処置後に似た事前期間を選ぶ 36
Appendix|SDID分析における実験設定(12p) 対象スポットの選定:観光型スポットの定義(条件すべて満たす/処置群・対照群共通) ① 需要との連動 全国来訪需要指数との事前52週相関が0.4以上 観光需要と連動するスポットに限定 ② 規模の確保 2023年の週平均来訪者が1,000人以上 小規模でノイズの多いスポットを除外 データから推定(最適化で決まる) ユニット重み ω ドナー1,936個の配合比(各0以上・総和1) 事前52週の当てはめ誤差を最小化 北陸に似たドナーを合成し反実仮想の『形』を作る 時間重み λ 事前52週の配分(各0以上・総和1) 事後に近い事前週を重視し予測線の『高さ』を合わせる 正則化 ζ² √(N_tr・T_post)×σ²(論文の式・自動) σ²=ドナー事前系列の1階差分の分散 過学習を抑制。手動調整なし アウトカム log(週次来訪者数) 規模差・パネル変動を吸収し%で解釈 事前/事後期間 52週(前年正月含む)/ 6週 反実仮想の学習区間/効果の測定区間 最適化 FISTA+単体射影・2,000〜2,500反復 制約付き凸最適化を解く プラセボ検定 150回(対照群から同数を無作為再抽出) p値・標準誤差・95%CIを算出 事前RMSPE 3.6〜5.7%(乖離幅15〜33%より十分小) モデルの当てはまり=信頼性を確認 設計値 推論の設定 37
Appendix|SDID補助分析(12p) 余震警戒による観光客数減少効果を検証する 処置群に北陸地方と同等の震度を記録した地域(岐阜・長野一部)を含めて再分析 グループ n SDID効果 95%CI p値 事前RMSPE 北陸4県 全体 132 -14.2% [-17.5, -10.8] 0.000 0.037 石川(非被災) 11 -33.1% [-40.4, -24.9] 0.000 0.054 富山 18 -16.9% [-25.0, -8.0] 0.007 0.049 福井 32 -22.6% [-27.5, -17.4] 0.000 0.058 新潟 71 -6.3% [-10.9, -1.4] 0.000 0.039 岐阜北部(飛騨) 16 +0.2% [-8.4, +9.7] 0.973 0.044 長野 (震度4以上市町村) 37 -1.4% [-7.5, +5.1] 0.647 0.044 震度分布 結果 岐阜県・長野県北部は、福井県や新潟県と震度・震央距離が同程度であった にもかかわらず、 推定減少効果には大きな差 が生じた 考察 震度・震央距離が同程度の地域では余震への警戒感も同程度になると仮定すると、 「余震への警戒に起因する観光客数減少効果」は非常に小さい と考えられる Source :経済産業省 | 能登事半島地震の復旧対応等について 38
Appendix|分析①の他事例(日向灘地震)への応用(12p) 他事例でも、実被害の少ない(もしくはない)エリアで需要毀損が生じていたのかを検証する 手法:SDID 使用データ(取得元:おでかけウォッチャー) 合成差分の差法(Arkhangelsky et al. 2021, AER) 手法概要 ※対照群:処置無しユニット群 対照群データを合成して、処置群に施策施行されなかった場合 の反実仮想データを作り、実データと比較する データ 内容 週次来訪者数 5,518スポット × 59週(2023/9/16〜2024/11/1) 県別スポット例 宮崎 51(実被害3市除外)・高知 93・和歌山 86・ 徳島 68・静岡 110 市区町村情報 宮崎の実被害3市のスポット特定・除外用 処置群・対照群の設計 群 定義 処置群 臨時情報の対象5県の観光型スポット(宮崎は実被害3市を除外+高知・和歌山・徳島・静岡) 対照群 処置5県以外の全国の観光型スポット 除外 宮崎の実被害3市のスポット(実害と情報効果の混入を回避) Source:おでかけウォッチャー 件数 173 1,890 19 39
Appendix|分析①の他事例(日向灘地震)への応用(12p) 実被害のない地域でも明らかな減少幅が確認された 件数 SDID効果 95%CI p値 事前 RMSPE 全体 173 -7.4% [-9.6, -5.0] 0.000 0.033 宮崎(非被害地) 13 -0.2% [-8.9, +9.4] 0.973 0.056 高知 40 -5.1% [-9.6, -0.3] 0.053 0.040 和歌山 38 -13.1% [-17.6, -8.4] 0.000 0.043 徳島 27 -2.2% [-9.2, +5.3] 0.540 0.032 静岡 55 -9.4% [-13.0, -5.6] 0.000 0.042 処置群 来訪者数 全体 ✓ p値、事前期間の予測誤差は良好 → モデルの信頼度高 ✓ 効果は物理的距離に沿わない。震源県・宮崎 の非被害地は−0.2%、地震のない 和歌山(−13.1%)・静岡(−9.4%)が大きく落ちた 和歌山 ✓ 事前期間の2線の重なり=「合成した予測モ デルが、地震前の現実を再現できている」 ✓ 青線(予測値)が赤線(実測値)を上回る =「観光客数の減少」 『情報リスク』 を実証→実害ゼロの県でも観光需要が消える 40
Appendix | 分析②:FASTALERT上のコメントから独自スコアを作る(13p) 能登半島地震の際のFASTALERT上のコメントデータから独自スコアを算出する ② コメントデータをLLMでスコアリング ① コメントの被害カテゴリを4軸へ写像(重みw) カテゴリ 該当例 重みw 緊急度 定義 人命 救助要請・倒壊・火災・土砂災害 ライフライン 断水・停電・水道設備・ガス漏れ アクセス 道路損壊・液状化・倒木・鉄道障害 情報・雑音 地震情報・話題・混雑情報 1.0 0.7 0.6 0.08 0 1 2 3 情報・雑談のみ 注意喚起 実被害の目撃 生命の危険・救助必要 ※ 事象種別(能登39種/別災害31種)を4カテゴリへ写像。 ※ 出力は0〜1の緊急度倍率へ正規化。 ③ 市区町村m × (被災後)N日累積で集約 → 重大率(=深刻度スコア)を算出 重大率(𝑚, 𝑁) = σ𝑖∈𝑇(𝑚,𝑁) 𝑎(𝑖) ÷ 𝑘(𝑚, 𝑁) 𝑎(𝑖) 𝑘(𝑚, 𝑁) コメントiの深刻度(①のwと②のLLMスコアの積) 採用件数:𝑘 𝑚, 𝑁 = max(3, 𝑛(𝑚, 𝑁) ÷ 5) 𝑇(𝑚, 𝑁) 採用したコメントの集合: 𝑎(𝑖) が上位 𝑘 𝑚, 𝑁 件の集合 41
Appendix | 分析②:正解ラベルの作成と精度検証の工夫(13p) 公式データから作成した正解ラベルで閾値を学習する 深刻度Sの正解ラベル作成 (異なる3軸の観点から実際の深刻度を定義) 軸 𝑺 𝒎, 𝑯 = 𝐦𝐚𝐱(𝟑軸) 良い軸が悪い軸を打ち消さない非代償的な統合。 出所(公式データ) 人命 ライフライン アクセス 内閣府 被害状況とりまとめ(第61報) 内閣府 断水復旧の状況シリーズ 内閣府 被害状況とりまとめ 道路欄 (m:市区町村、H:発災後の期間(1,2,3,4,6週間)) 精度検証の工夫 ①較正 : 重大率の閾値2本を学習で調整 ■閾値2本とは 安全|要注意|危険 に切る境界2本 ■独立ユニットは53市区町村。 ■誤りコストは非対称(危険地を安全と誤る方が重大) →安全側バイアスλを導入 Source: 内閣府 | 被害状況とりまとめシリーズ ②評価 : 市区町村単位 Leave-One-Out CV ■1市区町村を丸ごと抜いて較正し、 抜いた市区町村で検証。 ■主指標QWK: S3をS1と誤る方がS2と誤るより重く罰される (順序尺度)。補助としてAccuracyを併記。 42
Appendix|分析②で使用したコメントデータの詳細(13p) 使用したデータの件数と特徴 総投稿数 情報源の例 市区町村を特定できた投稿 3,389件 SNS(Xやtiktok)、 NewsDigest上の投稿等 2,164件 53市区町村(都道府県のみのデータは除外) 各投稿が持つ情報 列 内容 用途 item 投稿本文テキスト(SNS投稿・速報文) LLMスコアリングに使用:0〜1の緊急度倍率を算出 事象 検知された被害カテゴリ(全39種) 重み付けに使用:4カテゴリへ写像 推定地域 集計軸(市区町村ごとに重大率を集約)として使用 投稿が発信された日時 経過日数N(発災起点、1〜11日)の算出に使用 情報源の種別(twitter/mk_mode/nd_incident/tiktok) 未使用 投稿単位/トピック単位の識別子 重複投稿の排除・集計キーに使用 推定位置・付随情報等 未使用 市区町村・都道府県 投稿日時(JST) kind id・Topic ID その他 43
Appendix|分析②の緊急度スコアリングの詳細過程(13p) ■ モデル : Llama-3-ELYZA-JP-8B 入力 投稿テキスト Few-shot を提示 LLM が判定 出力 緊急度スコア Few-shot として与える例 投稿テキスト → 回答スコア 1 「地震速報 最大震度3」 → 0 2 「消防車?救急車?なんか、緊急車両の音がした。やだなぁ。こわいなあ。」 → 0 3 「上大川前通12番町で火災?風が強いので要注意」 → 1 4 「助けてください。閉じ込められています。」 → 3 ※ これら4例を Few-shot プロンプトとして提示し、投稿ごとにLLMが緊急度スコア(離散値)を出力する。 47 44
Appendix|分析②の正解ラベル設計の詳細(13p) 「その地域がどれだけ深刻か」を客観的に測る予測対象Sの定義を1〜5段階のスコアとして表す S5 S4 S3 S2 S1 人命軸 (死者/人口1万人) 50 以上 10 〜 50 3 〜 10 0.5 〜 3 0.5 未満 住家補助軸 (半壊以上率) 50% 以上 30 〜 50% 15 〜 30% 5 〜 15% 5% 未満 アクセス軸 (道路寸断・孤立) 幹線寸断 +多数孤立 一部寸断 +孤立 一部道路被害 該当なし 寸断なし ライフライン軸 (水道復旧率 r・h変動) r < 40% 40 〜 70% 70 〜 90% 90 〜 99.95% 99.95% 以上 45
Appendix|分析②の安全側バイアスλの感度分析(13p) 重パラメータ λ を振り、精度を保ちつつ「危険な誤り」を減らす最適点を検証する λ=1.0 λ=1.5(採用) λ=2.0 QWK 0.744 0.750 0.566 Accuracy 0.867 0.867 0.672 危険な誤り 71件 66件 66件 危険な誤りは投稿数の少ない2市区町村のみから生じたもの 実運用では、投稿数が少ない市区町村の判定に制限を設けることで解消可能 46
Appendix|分析②の他事例(日向灘地震)への応用(13p) 最低限の品質は守られるも、ロジックの汎化という課題が見える 日向灘地震発生時の近隣20市区町村に能登地震で学習した閾値を適用し、分析②を実施 条件 ・1/2の閾値=0.644、2/3の閾値=0.667 (能登地震で学習した閾値) ・N=2 までのコメントデータを使用 ・λ=1.5 等、基本的には能登地震の設定を踏襲 ※コメントデータ:提供CSVを参考にFASTALERT MCPより自作 成績 QWK Accuracy Recall 0.062 0.550 1.000 ✓ Recall = 1.000(危険の見逃しが0件) →最低限の品質は守られた ✓ QWKとAccuracyが低い →正解のほとんどが1:安全のため、 QWKは指標の性質上低く出る。 →ただAccuracyも低いことは課題。 規模の異なる災害への適用に課題を残す (Recall:実際に危険・要注意な市区町村を検知できた割合) 市区町村が不明な周辺都道府県の投稿は、 和歌山市・高知市・徳島市等の県庁所在地に便宜上割り当てたうえで分析を行った。 実運用に向け、学習事例を増やし、多様な災害へ対応できるようにロジックを汎化していく必要がある 47
Appendix|QWK(Quadratic Weighted Kappa/二次重み付きカッパ) (13p) QWKとは : 順序尺度の分類が正解とどれだけ一致するかを測る指標 ■ 外し方を「距離」で評価 正解からどれだけ離れたかを罰則に反映。 ■ 誤りの重さは「距離」で決まる 3→2(隣を外す) Accuracy は全ての誤りを一律「1件」と数える。 軽い ■ 当てずっぽうを基準補正 偶然の一致を基準点 0 に補正。 クラスが偏ったデータでも高く出過ぎない。 ■ 値の範囲は 0〜1で直感的尺度 「1」 = 完全一致 「0」 = 当てずっぽうと同等 「負」 = それ以下 1 2 3 安全 要注意 危険 4倍 3→1(端を外す) 重い 端から端の誤りは、隣どうしの誤りより重く罰せられる。 48
Appendix|QWKの数式 : 3つの行列から算出(13p) QWK は「 3 つの行列 」から「 κ 」を計算する O 観測行列 W 重み行列 E 期待行列 実際 i・予測 j の件数を並べた 外し方の大きさ=距離の二乗。 予測と実際が独立(当てずっぽう)なら N×N の混同行列。 対角(正解)=0 期待される件数。 O(i,j)=その件数。 遠い誤りほど大きい。 𝑖−𝑗 2 𝑊 𝑖, 𝑗 = 𝑁−1 2 (実際𝑖の総数 × 予測𝑗の総数) 𝐸 𝑖, 𝑗 = 総サンプル数 ※ N=3 のとき、距離1の誤りは 0.25、距離2の誤りは 1.0 の重み(遠い外しが4倍重い)。 σ σ 𝑊(𝑖, 𝑗) × 𝑂(𝑖, 𝑗) 実際に起きた外しの重み付き合計 𝜅 =1− = σ σ 𝑊(𝑖, 𝑗) × 𝐸(𝑖, 𝑗) 当てずっぽうで起きる外しの重み付き合計 ■ 分子が小さいほど κ→1 ■ 両者が等しければ κ=0 49
Appendix|3値分類でQWKを採用した理由(13p) QWK は以下の理由から主指標として適している 1 順序尺度に対応 並び順 2 クラス偏りに強い Accuracyは 『安全<要注意<危険』 があり、隣を外すと端を外すとで 重大さが違う。 3 誤りの非対称性 最も避けたい 対象の多くが深刻度1に偏り、 『全部安全』で約85%出る。 『危険を安全と誤る』 を二次重みで最も重く罰する。 ↓ この「外れの距離」を 評価に反映できる。 (Accuracyは不可) QWKは期待値で 当てずっぽうを 0 に補正し 安全側に倒したい設計思想と 騙されない。 方向が一致する。 (例:Acc 0.867/QWK 0.750) 50
Appendix|QWKとRecallの違い・使い分け(13p) QWKで全体の順序一致を把握し、危険クラスのRecallで見逃しの少なさを個別に確認する Recall(再現率) QWK 測る対象 クラス別の的中 順序込みの一致 順序の考慮 なし あり(二次重み) 偶然の補正 なし あり(期待値) 主な用途 見逃しの特定 全体像の把握 51
Appendix |ユースケース(〇判定で旅行継続)(19-20p) 能登半島地震の2週間後に金沢旅行を控えたケース。○判定で不安を解消し、予定どおり旅を継続できる 発災 迷い 判定・提案 意思決定 能登半島地震が発災。被災地域の 2週間後に金沢旅行を予定。能登近 ほっトリップが金沢を〇判定(安全)。 安心して予定どおり旅行へ。過度な 報道が広がる。 辺のため不安が生じる。 旅先の状況を早期に可視化。 自粛を抑制できる。 52
Appendix |サービス使用例(ユースケース・〇判定)(19-20p) STEP1|目的地・旅行日を入力 目的地を入力 「石川県 金沢市」 旅行日を入力 「2024/01/15(発災から 2週間後)」 旅程を判定するを押す 53
Appendix |サービス使用例(ユースケース・〇判定)(19-20p) STEP2|旅行可否を〇△×で判定 被災エリア(同一県) の深刻度マッピングを 表示 金沢市は深刻度1 入力した旅程に対して 〇△×判定を下す 金沢市は〇(問題なし) 54
Appendix |サービス使用例(ユースケース・〇判定)(19-20p) STEP3|判定結果をもとに意思決定を支援 安全の根拠を提示 予定通りに旅行へ 55
Appendix|サービスの全体構造 災害発生の検知から、旅行可否の判定(〇△×)と代替提案までを一気通貫で処理する 災害発生を検知 旅行者の旅程を照合 重大率を算出 深刻度を推定 FASTALERT MCP 予約施設・日程 コメント特徴量 1〜3段階で分類 季節性フィルター(前処理) NO - 対象外 季節営業外 対象観光資源の営業有無 YES 深刻度1 → ○ 予定どおり訪問 観光資源オーバーライド 看板資源が個別閉鎖なら○→△(×) 実データで静的実装 架空データで静的実装 アルゴリズムだけ示す 深刻度2・3 → 同県内の代替案を模索 代替あり 代替なし → △ 周辺エリアへ誘導 → × キャンセル AI検索・ペルソナ評価で提案 観光需要を回復・維持 キャンセルを行程変更に転換 56
Appendix |サービスの全体構造(災害検知~旅程〇△×判定) 災害検知から旅程判定までは、深刻度による一次判定と代替探索の二段で決定する 災害発生を検知 旅行者の旅程を照合 重大率を算出 深刻度を推定 FASTALERT MCP 予約施設・日程 コメント特徴量 1〜3段階で分類 季節性フィルター(前処理) NO - 対象外 季節営業外 対象観光資源の営業有無 YES 深刻度1 → ○ 予定どおり訪問 観光資源オーバーライド 看板資源が個別閉鎖なら○→△(×) 実データで静的実装 架空データで静的実装 アルゴリズムだけ示す 深刻度2・3 → 同県内の代替案を模索 代替あり 代替なし → △ 周辺エリアへ誘導 → × キャンセル AI検索・ペルソナ評価で提案 観光需要を回復・維持 キャンセルを行程変更に転換 57
Appendix |アルゴリズム①:災害検知~旅程〇△×判定 推定された深刻度と「季節性」「周辺エリアの深刻度」「観光資源の営業有無」から旅程の〇△×を判定する 災害発生を検知 旅行者の旅程を照合 重大率を算出 深刻度を推定 FASTALERT MCP 予約施設・日程 コメント特徴量 1〜3段階で分類 季節性フィルター(前処理) ①季節性の考慮 NO - 対象外 季節営業外 対象観光資源の営業有無 YES 深刻度1 ②一次判定 → ○ 予定どおり訪問 ③〇△×判定 (観光資源オーバーライド適用) 架空データで静的実装 能登デモによる実証 アルゴリズムだけ示す 53市区町村 × 5断面(1週〜1.5か月)= 265セル ○ 222 △ 38 0 観光資源オーバーライド 看板資源が個別閉鎖なら○→△(×) 深刻度2・3 → 同県内の代替案を模索 代替あり 代替なし → △ 周辺エリアへ誘導 → × キャンセル AI検索・ペルソナ評価で提案 ★ =0件はバグではなく、設計の帰結 石川県内には常に深刻度1エリアが存在するため、 観光需要を回復・維持 深刻度3の壊滅地でも旅程判断は△。 対象外 5 キャンセルを行程変更に転換 58
Appendix |サービスの全体構造(旅程検索/ペルソナ評価/代替旅提供) 判定後、△判定はAI検索とペルソナ評価で代替案を提示し、キャンセルを旅程変更促進へと転換する 災害発生を検知 旅行者の旅程を照合 重大率を算出 深刻度を推定 FASTALERT MCP 予約施設・日程 コメント特徴量 1〜3段階で分類 季節性フィルター(前処理) NO - 対象外 季節営業外 対象観光資源の営業有無 YES 深刻度1 → ○ 予定どおり訪問 観光資源オーバーライド 看板資源が個別閉鎖なら○→△(×) 実データで静的実装 架空データで静的実装 アルゴリズムだけ示す 深刻度2・3 → 同県内の代替案を模索 代替あり 代替なし → △ 周辺エリアへ誘導 → × キャンセル AI検索・ペルソナ評価で提案 観光需要を回復・維持 キャンセルを行程変更に転換 59
Appendix |アルゴリズム②:AI検索による安全エリア観光地抽出(21p) △と判定された場合に、安全な代替観光地を抽出・提示する(※ 本アルゴリズムは構想段階で未実装) △判定 MCPサーバー連携 LLMでピックアップ AIペルソナ評価 安全な代替観光地を提示 深刻度2・3(要注意) 同県内の深刻度1エリアを抽出 エリア内の観光地を選定 5種のペルソナで評価 意思決定を支援 AIペルソナ評価の設計(現行プロトタイプ準拠) 評価軸:安全性・満足度・アクセス・季節適合(各5点) 評価ペルソナ(現行の5種) 採点ロジック 子連れファミリー 安全と子どもの楽しさを重視 1. 各観光地に対し、5種のペルソナそれぞれの視点で評価する シニア夫婦 ゆったり・移動負担の少なさ重視 ひとり旅・写真好き 絶景と静けさ・SNS映え重視 2. 評価軸(安全性・満足度・アクセス・季節適合)を1〜5でスコアリング 3. 各軸を嗜好の重みで加重平均し「総合スコア(5点満点)」を算出 4. 判断材料が乏しい軸は保留とし、総合の計算から除外する 台湾からの観光客 食と伝統文化が目的・多言語対応 5. ペルソナ間の評価の割れ(誰が高評価か)がそのまま意思決定材料 温泉重視カップル 宿と湯の質にこだわる 6. 出力は「理由 → スコア → 一言レビュー」で提示し、判断を後押し 60
Appendix |アルゴリズム③:旅行代理店向け既存ツアー代替提供(21p) △と判定された場合に、代理店が保有する既存のパック(過去に実施したツアー)を安全な代替案として 提示する(※ 本アルゴリズムは構想段階で未実装) 深刻度2・3 と判定されたエリア 当初予定の訪問先には行けない MCPサーバー連携 今後の発展 同県内の「深刻度1エリア」を抽出 データソース 移動・宿泊の空き状況を加味 代理店が保有するツアーデータ したリアルタイムな代替ツア → データベースで一元管理 ー生成 同一LLMで既存パックを提示 抽出エリアで過去に実施された代替ツアーを提案 → RAG で検索・参照 安全な代替ツアーを代理店・顧客へ提示 61
Appendix|周辺エリア誘導シナリオの拡張(21p) 災害に対する慎重層も取りこぼさないよう、誘導範囲を「同一地方区分の他都道府県」まで拡張する 懸念 慎重層を拾いきれない 「被害状況に関わらず、被災地域と 同一都道府県への来訪は不安」 という慎重層をカバーできない 改善 他都道府県へ誘導 根拠 能登事例のSDID分析で 同一の地方区分エリア内の 他の都道府県へと誘導する 他の北陸県でも風評被害を確認。 → 北陸全体で取り組む意義があり、提携時に提示可能 Before 変更点 △判定 ステークホルダー 「該当地域が深刻度2・3で、 同一「県内」に深刻度1エリアがある場合」 地方自治体(都道府県自治体) 地方全体の課題として提示可能 After 拡張 「同一「地方区分」の他都道府県内に、 深刻度1エリアがある場合」 自治体トップの連携体 (例:能登事例なら「北陸地方知事会」) 検討事項 このモデルでも収益が見込めるか (収益シミュレーションを実施) エリア拡大で深刻度スコアリングの 精度が見込めるか 被災該当県の協力を仰げるか (他県への誘導に賛同を得られるか) 62
Appendix |算出式とパラメータ根拠①(24p) 算出式とパラメータは以下の設定に基づく 算出ロジック ― 風評損失 → 需要回復 → 収益 → 利益 の4ステップ ① 風評損失[万人泊/年] = Σ〔年間宿泊[万人泊] × 提供期間6/52 × 損失率 × 年間発生件数〕 =(2,600 × 6/52 × 14.8%)× 0.3件/年 +(600 × 6/52 × 7.0%)× 2件/年 = 44.4×0.3 + 4.85×2 = 23.0万人泊/年(≒ 34.5億円/年) ② 取戻した需要[億円] = ① × サービス接触率(1年目5% → 5年目40%)× 代替予約転換率25% × 宿泊単価1.5万円/人泊 ③ 売上[億円] = ② × アフィリ手数料3%〔モデル1:BtoC〕 +(自治体数 × 600万円 + 代理店・OTA数 × 1,500万円)〔モデル2:BtoBtoC〕 ④ 利益[億円] = ③ -(初期開発 + 運用保守 + AI推論費 + インフラ・MCP費)- 人件費 - マーケ費 / 正味CF = 利益の累計 パラメータ①|需要・損失 項目 (分類凡例 → 分析:分析結果によるもの, 統計:外部・公的統計を参考にしたもの, 仮定:仮定によるもの) 設定値 出典・根拠 分類 損失率(広域災害) ▲14.8% 分析① SDID:非被災北陸4県 ▲14.8%(95%CI ▲17.8〜▲11.6、p=0.000) 分析 損失率(中規模災害) ▲7.0% 分析① の最小県・新潟 ▲6.6%を採用(表示は7.0%に丸め) 分析 年間宿泊(広域=北陸4県) 2,600万人泊/年 観光庁「宿泊旅行統計調査」2023確定値:石川873+富山393+福井324+新潟959=2,549万人泊(試算は2,600万人泊) 統計 年間宿泊(中規模=地方県) 600万人泊/年 同調査2023確定値:三大都市圏8都府県を除く39道県の中央値701万人泊を下回る保守的な目安 統計 発生頻度(広域) 0.3件/年 気象庁:震度7は1995〜2024の30年で7回(東日本・阪神を除くと5回)。災害リスクを多めに見た設定 統計 発生頻度(中規模) 2件/年 気象庁:震度6弱以上は1997〜2024で64件=2.3件/年(余震込)。独立地震ベース約1.3件/年+非地震型 統計 提供期間 6週間(6/52年) 発災3日後〜1.5か月後。分析②で「発災2日で判定・1.5か月後まで同精度」を確認 仮定 宿泊単価 1.5万円/人泊 観光庁「旅行・観光消費動向調査」2023:国内宿泊旅行 63,212円/人・回、平均約1.8泊。うち宿泊費相当分を1.5万円/人泊と設定 統計 影響を受けた旅程のうち本サービスに接触する割合(1→5年目) 仮定 △判定 → 同県内の深刻度1エリアへ代替予約する割合 仮定 サービス接触率 5→10→20→30→40% 代替予約転換率 25% Source : 観光庁 宿泊旅行統計調査, 観光庁 旅行・観光消費動向調査, 気象庁 震度データベース, 気象庁 震度6弱以上を観測した地震の表 63
Appendix |パラメータ根拠②と感度分析(24p) 感度分析からリスクを想定する パラメータ②|収益モデル・費用 (分類凡例はパラメータ①と同様) 項目 設定値 出典・根拠 分類 アフィリ手数料率 3% 主要OTAの報酬率:楽天トラベル1%/Agoda 4〜5%/Expedia 3.6 〜6% の中位 統計 自治体 契約単価 600万円/県・年 契約単価は仮置き。 対象が都道府県である点を考慮 仮定 自治体 契約数 2→5→10→15→20県 1→5年目。導入自治体の逐次拡大を想定 仮定 感度分析|モデル2の契約獲得数を ±40% 振る 代理店・OTA 契約単価 1,500万円/社・年 契約単価は仮置き。 仮定 代理店・OTA 契約数 1→2→3→5→6社 JTB・HIS・近畿日本ツーリスト・日本旅行等を想定 仮定 アプリ+MCP連携+ダッシュボード+AI提案エンジンの仮見積 仮定 初期開発費 0.80億円(1年目のみ) 運用保守費 開発費の20%/年 受託開発における一般的な保守料率。 初年度は半年分(0.08億円)を計上 統計 AI推論費 0.004 → 0.033億円 現行Claude料金・プロンプトキャッシュ前提の 利用回数×単価 実額換算 仮定 インフラ・MCP費 0.026 → 0.040億円 サーバ・Vector DB・地図APIの相場(固定費寄り) 統計 人件費 2→6人 × 800万円 賃金構造基本統計調査2023:情報通信業 所定内40.74万円/月+賞与≒年620万円 × 1.3(法定福利費等) 統計 マーケ費 初年度0.30 → 以降0.15億円 初年度に認知獲得を集中投下する想定 仮定 プレミアム月額 480円/月 消費者向けサブスクの一般的水準。 有料会員約200→2,600人(1→5年目) 仮定 定着率(自治体/代理店) 90%/88% 局地的な豪雨・小規模地震・交通障害にも反応する“通年の観 光リスク常時軽減サービス”の位置付け→通年稼働で解約防止 仮定 Source : 厚生労働省 賃金構造基本統計調査, アフィリエイト報酬率:楽天トラベル, Agoda, Expedia シナリオ 5年目売上 正味CF黒字化 5年正味CF 悲観(契約▲40%) 1.42億円 5年内 未達 ▲0.48億円 標準 2.20億円 4年目 1.68億円 楽観(契約+40%) 2.98億円 3年目 3.84億円 ・最大のリスク要因は 「契約獲得ペース」。 (特にモデル2は全体の売上に占める割合が 大きい) →対応として、実運用では獲得数に伴うマー ケ策の調整を想定しておく必要がある。 ・その他の仮定のパラメータに関しても、 運用していく中で注視していきたい。 64
Appendix|他ドメイン応用具体案(25p) 本サービスを小売ドメインの取引先被災状況の推定に応用する サービス概要┃課題とサービスの立ち位置 課題 多くの中小サプライヤーは復旧状況の発表体制が未構築 小売本部は状況不明で仕入れ計画を組めない サービスの詳細┃ホットリップの技術を応用 サービス詳細 FASTALERT情報から深刻度スコアリング サービスの立ち位置 産地・工場周辺のSNS・地域ニュースから 深刻度をスコアリング 早期に仕入れ計画を組め コスト削減・リスク低減につながる 小売本部に ○通常仕入れ / △代替調達を 検討 / ×緊急代替調達が必要 を提示。 取引先からの正式な復旧連絡を前に 緊急対応の必要の有無が判断可能に 65