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March 29, 26
スライド概要
2026年3月28日、Game Creators Conference 2026での登壇資料です。
25年のゲーム開発キャリアとAIを掛け合わせたキャリア論「Value = Deep Context^AI」を提唱しています。
登壇概要はこちら↓
https://gc-conf.com/index.html?session=show#24
某鳥居専門学校卒で25年ほどゲーム製作中心人生。何故かイヤホン開発のPdMなども経験しながら、2025年秋よりAIBRIA CTO/CAIO、2026年2月より、eStadium CTOを兼務。 Management3.0やアジャイル開発が好き。クラフトビールはガソリン、ウィスキーはオイル。こじらせロータリーエンジン党員。
配布版 Daisuke Yamaura eStadium / AIBRIA
自己紹介 山浦 大輔 Daisuke Yamaura eStadium CTO / AIBRIA CTO, CAIO SEGA (17年) → NTT Sonority (2年) DeNA (3年) → → Grounding (2年) MIXI (2年) → → AIBRIA CTO, CAIO e-Stadium CTO (現在) この寄り道の一つ一つが、今日お話しする Deep Contextの正体です 2
伏線編 ─ 寄り道 × 回収イベント 寄り道で貯めた「変数」たち ⼀⾒無駄な「寄り道」も、すべては後で回収する「伏線」になる 変数として何を蓄積していくか 3
今日お伝えしたいこと 【概念の提示】 知的スパイラルの方程式 AI Value = Deep Context 寄り道で集めた「泥臭いコンテキスト 」こそが、 AIによって指数関数的に価値を生む このセッションはこの方程式を証明する旅です 4
? 社内でなにかを提案するとき、 「それはうちのやり方じゃない!」 と言われて、食い下がった or 引き下がった 経験とかありませんか? 5
EP1:技術の常識破壊 セガ:頭文字 D (2005) セガ:チェンクロ (2012) 1/60秒の絶対神への反逆 ミーハー心が常識を喰う 当時の常識: 「1/60秒固定フレーム完全同期」 当時の常識: 「内製ライブラリ・Java/MySQL至上主義」 > マルチスレッド化で海外PCゲームの設計 ”可変フレーム”という「異端」を持ち込む > 猛反発を強行突破しセガAMネット史上初の リアルタイム対戦機能の実装 > モバイルの可能性を信じ Unity を強行採用 > ミーハー心で Node.js / MongoDB を採用 → 非常識な技術選定が10年以上サービスが 続けられる強固な基盤システムに >チェンクロの成功から、ディレクターや マネージャーになってしまう… 蓄積された変数:「非常識を選び抜く胆力」 6
? 社内に、自分と同じような課題意識 を 持ってそうな人間がいそうなのに、 なぜかうまく繋がれなかった 、 という経験はありませんか? 7
EP2:成功の呪縛への特攻と、選んだ「異端」 DeNA時代 MIXI時代 見栄えの悪い「土台作り」へ 巨大な成功 vs 自分の理想 「事業責任者=出世」という会社の 勝ちパターンルートに乗らず基礎固めに専念 組織の巨大な成功体験と噛み合わず 真正面から理想をぶつけ玉砕 > 新規のゲームを作りに来たはずが、 セガでのマネジメント経験が買われ、 エンジニア部門の副部長に(あれ? >DeNAの横断組織経験→開発基盤組織の部長へ 迎合すれば安泰な部長職でいられたかも? > 各タイトルの知見を共有する 「エンジニア横断組織」を立ち上げた > あえて自分の理想を選び社内の「異端」に そして、似たような「異端」との出会いも 蓄積された変数:「組織の外側を動く力」と「同じ変数を持つ人間がいる」 8
? 仕事で「行き詰まった」 と感じたとき、 がっつり心が折れてしまって、 外に出かけようって気力すら 失ってしまったことはありませんか? 9
EP3:異世界の翻訳者と、 AIへの覚醒 NTT Sonority 時代 Grounding 時代 ゲーム開発の「翻訳力」 精神と時の部屋( AIへの覚醒) 元CA、経理、果物屋、商社マン。プロダクト開発 (ITも)素人の寄せ集めチームを束ねた 京都スタジオでの火消しの日々から帰還し、 単独での「AI研究開発」ミッションへ > ゲームディレクター経験から 「異言語をまとめる翻訳力」が活きた > 圧倒的な時間の余裕と脳のメモリを獲得し 最新のAI技術に触れるきっかけを得た > クラファンでプロセスを回避し、 NTT初の民生プロダクトを世に出した > 外部AIコミュニティへ没頭し、AI時代への OSメジャーアップデートにギリ間に合った 蓄積された変数: 「OSを書き換える翻訳力」 + 「AI OSへの強制アップデート」 10
点と点が、星座になる瞬間 Episode 1 Episode 2 Episode 3 非常識を選び抜く胆力 組織の外側を動く力 OSを書き換える翻訳力 伏線回収 伏線回収 伏線回収 ↓ ↓ ↓ 非常識な技術選定が 何年も続く強固なベースに 横断組織が数年越しに CEDECで発表 翻訳力が業界外で証明 異端者同士が再会 →AIBRIA創業 AIイベントで若い力と出会う 25年かけて撒き続けた伏線が、 AIというOSを手に入れて外に出た瞬間、一斉に着火した 着火を待っていた、この変数の束を — 私は Deep Context と呼んでいます 11
共鳴編 ─ Deep Context × AI 知的スパイラルの実証 Deep Contextを持つ者がAIと組むと、 いったい何が⽣まれるのか? 12
【実証①】 日常業務の自動化 “n8n”, “Gemini+GAS” n8n:イベント問い合わせ自動メール作文 Gemini + GAS:イベント参加希望者組み分け抽選 ※ eスタジアム社内のAI活用ワークショップの事例発表スライドより 現場の課題を深く知る人間だからこそ、 AIへの正しい要件を投げられる 13
【実証②】 社内システムの爆速開発 “e-Kao” e-Kao 圧倒的スピードの証明 『組織に何が必要か』という変数が、 AIに伝える要件定義を深めた 現場の課題や自らのマネジメント経験という ”深いコンテキスト ”を GeminiやClaudeCode (外 部脳)に壁打ちし、あっという間に完成! 過去の経験と AIとのスパイラルで すぐ「動くシステム」となって検証できる プロダクトのあるべき姿を自分の言葉で語れることで、 AIに最強のプロンプトを与えられる 14
【実証③】 現場からの新規事業提案 “Project β” Project β 現場を知る者からの逆提案 eスタジアムの新規事業の試み AIによるゲーマーの感情分析のプロトタイプ ゲーム業界の原体験が、 業界に切り込む『要件定義力』になった 育ててもらったゲーム業界への恩返し © 2020-2026 Riot Games, Inc. VALORANT and any associated logos are trademarks, service marks, and/or registered trademarks of Riot Games, Inc. 『何を作るべきか』を定義できるのが、 Deep Contextを持つ者の強さ 15
Deep Context の有無でプロンプトの質が変わる 例)「マインクラフトを使った子供向けプログラミング教室」の企画を考えてみる よくあるプロンプト 今度、自社の教育事業で小学生向けの『マインクラフトを使ったプログラ ミング教室』を新規開講することになりました。以下の条件でカリキュラム 案を作成してください。 前提条件を加味したプロンプト 私はeスタジアムの教育事業のカリキュラム制作責任者です。 当社は南海電鉄グループで『eスポーツを通じた地方創生と教育』をミッショ ンとしています。今回小学生向けにマイクラを使ったプログラミング教室(全 12回)を新規開講します。 【条件】 ・対象:小学3年生〜6年生 ・期間:全12回(週1回、3ヶ月コース) ・ツール:マインクラフト(教育版) 【必要なアウトプット】 ・講座のタイトル ・全12回の各回のテーマと学習内容 ・生徒を集めるためのキャッチコピー できるだけ具体的なカリキュラムをお願いします。 ただの「マイクラ遊び」や「プログラミングスキルの習得」ではなく、最大の ゴールは、試行錯誤を通じて『失敗から学ぶ力(レジリエンス)』と『チームで 協力して課題を解決する力』など、将来役立つ【人間力】を育むことです。親 御さんが「ここなら、子供の未来のために通わせたい!」と感動するカリキュ ラムにしたいです。 この文脈を踏まえ、以下の3点を出力してください。 ・親の心を掴む、教育的価値が伝わる講座タイトル ・単なるスキル習得で終わらない、人間力を育むための 『独自の仕掛け』や『振り返りの仕組み』 ・上記を組み込んだ全12回のカリキュラム・テーマ案 16
これまでの経験がすべて底 (Base)として効いてくる 同じAIに聞いても、前提条件の解像度次第でアウトプットの質が激変する ❌ Shallow Context (What + How) ⭕ Deep Context (Who + Why + ToBe) <伝えていること> <伝えていること> What : 小学生向けの教育事業のカリキュラム作成 Who : 南海電鉄グループで「教育×eスポーツ」を担うプロ集団 How : 教育版のマインクラフトで『プログラミングを教える』 Why & ToBe : 試行錯誤を通じて、失敗から学ぶ力(レジリエンス)』と <AIの認識> 「条件は分かった。この条件に合うスクール案を出しておこう」 『チームで協力する力』を育み、将来に活かしてほしい <AIの認識> 「これはただのマイクラ教室じゃない。教育的価値が必須だな」 <結果> <結果> 誰でも書ける、魂のない普通の企画提案 eスタジアムにしか作れない、AIが120%のIQを出した企画提案 皆さんの頭の中にある「現場の解像度( Who / Why / ToBe)」を言語化して AIに共有する それが Deep Context であり、方程式の底( Base)を決める変数です 17
知的スパイラルの方程式 AI Value = Deep Context 現場の原体験 越境の成長痛 言語化する力 ↓ ↓ ↓ 実際に手を動かして、何かを 生み出した者だけが持てる解像度 居心地の良い場所から 出た者だけが得られる視野 異なる世界を渡り歩いた者だけが持 てるAIへの翻訳力 18
まとめ ─ 今日、新しいフラグを立てに行こう 「メインクエスト (正解)」なんて、 最初から存在しない 私たちが⽇々磨いている「体験から逆算するスキル」は、どこでも通⽤する武器です いろいろな寄り道で得た「泥臭い経験(Deep Context)」をAIにぶつけ、 得られた知的スパイラルで、みなさんの世界を拡張し続けてください! 19
生存戦略のモデル:「コマ」のように世界を拡張せよ 軸(コア) 遠心力(寄り道) 回転力(AI) ブレないスキル モノづくりへの執念 軸をずらし 経験の半径を広げる 生成AIという 強烈なブースター 断固たる信念 幅広い好奇心 時流を掴む 軸がしっかりしていれば、コマは倒れることなく、 自分の可能性の領域を無限に広げながら回り続ける 20
今日から使える、 3つのハック 「ミーハー心」を信じろ 01 安全な標準ルートより、ちょっと色気を出してリスクを取りにいき 軸を鍛える 行き先は自分で決めよう 自分の軸をまっすぐ、太く育ててみよう 行き詰まったら、外へ出ろ 02 困難に直面したときこそ、ふて寝せずに、自らのちょっとだけ外側に 遠心力を得る 迷ったら居心地が悪い方へ 寄り道して、自分の世界を拡げてみよう 転職不要。今いる場所で「フラグ」を撒け 03 小さな成功体験が、あなたのDeep Contextの回転を加速させる! 回転を速める アクセルは自分でしか踏めない まずは目の前の面倒な作業をAIに投げてみよう 今いる場所で、まず一つハックを実践してみよう! 21
今回の話の元ネタはこちらのnoteで Thank you. 22 22